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2017/05
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確定拠出年金制度について~iDeco利用は広まるか
1月から開始された個人型拠出年金制度(iDeCo)が注目を集めています。これまで、確定拠出年金制度(Defined Contribution、以下DC)に加入できなかった専業主婦や公務員が利用可能となり、企業年金の確定給付年金制度(Defined Benefit、以下DB)からDCへの移行手続き等も簡素化されました。

 DCは、2001年10月に制度が開始されましたが、その目的は少子高齢化による現役世代の負担軽減、公的年金の給付水準の引き上げによる自助努力の必要性に対応するものでした。また、企業の年金・退職給付制度にとっても、2000年4月から導入された退職給付会計制度によって積立不足が企業の財務評価に影響するようになった為、適格退職年金制度(2012年3月で廃止)等の受け皿として当初の利用が始まりました。

☆確定拠出年金制度について~iDeco利用は広まるか
・確定拠出年金制度導入の背景と現状について
・DCの何か変わったか
・iDeCoに対するそれぞれに期待
・DC推進で何か変わるか

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今後、日本の資本市場はどう変わるのか
昨年5月より、金融審議会において日本市場や取引所などの在り方が議論されていました。これは、投資を通じた国民の安定的な資産形成の重要性が高まっていることや、ICTなど情報技術が進展していることで市場を取り巻く環境が大きく変わっていることなどを踏まえたものです。その報告書は、昨年12月22日に公表されており、議論テーマの各内容に合わせて今後関係法令などが整備されると予想されます。
以下に、同報告書の内容を簡略化したイメージ図にしてみました。

☆今後、日本の資本市場はどう変わるのか
・顧客本位の業務内容---証券会社も銀行も原則の策定と公表へ
・資産形成におけるETF活用---個人の積立投資向け低コスト商品開発と取扱いチャネル拡大は?
・取引の高速化への対応---HFTは、登録制導入へ
・市場間競争と取引所外の取引---PTSの承認取引拡大へ
・取引所グループの業務範囲---グループ内システム会社集約とフィンテック対応

HFT規制の動向について
アルゴリズムを用いた高速のプログラム取引のことをHFT(High frequency trading)といいますが、2010年に高速化対応の取引システムであるアローヘッドが東京証券取引所に導入され、更にコロケーション・サービスも投資家に提供されたことで、日本においてもHFTの存在感が増しています。
最近の取引状況では、東証の全取引に占めるHFTのシェアは約定件数ベースで4~5割、注文ベースで7割に達していると言われています(金融審議会における事務局資料より)。但し、HFTを利用しない投資家にとっては、流動性向上のメリットの一方で、市場の想定外のイベントが発生した場合の価格変動の増大リスクや、取引の公正性確保への不安・不満などがあります。

 また、HFTを利用した相場操縦行為として、以下の事例が証券取引等監視委員会によって処分勧告されています。
・相手方のアルゴリズム取引の特性(指値変更注文に瞬時に反応)を利用することを意図した相場操縦。
・見せ玉を発注、第三者に取引が繁盛に行われていると誤解させてアルゴリズム取引による注文を誘引、その後全ての見せ玉を取り消し。
・最良売り(買い)気配に小口注文を発注後、反対の最良買い(売り)気配値に大口注文を発注、それに誘引されたアルゴリズム取引注文と小口注文を約定させた。
・売買を誘引する目的で大量の買い注文を連続発注、相場を変動させる一連の売買および委託。
・大引前約30秒間に、証券会社を介してDMAやアルゴリズムを用いて大量の買い注文を連続発注。 等

 昨年5月から行われている金融審議会の市場ワーキング・グループにおいても、HFTに対する欧米の金融当局による規制の動きを踏まえ、“取引の高速化”に関する新たな規制の一環として、アルゴリズム高速取引を行う投資家に対するルール整備が検討されていました。
HFTに対する規制案の概要は次の様なものです。(金融審議会市場ワーキング・グループ報告-平成28年12月22日より、制度の概要を抜粋)

☆HFT規制案について

【登録制の導入】
アルゴリズム高速取引を行う投資家に対する登録制を導入し、必要な体制整備・リスク管理義務を課す。
【規制の枠組み】
◇体制整備・リスク管理に係る措置 として、 取引システムの適正な管理・運営や 適切な業務運営体制及び財産的基礎の確保が求められる。また、事業報告書の提出も必要。
◇通知・情報提供に係る措置として、アルゴリズム取引を行うことの当局への通知 、 各注文がアルゴリズム取引によるものであることの明示、 アルゴリズム取引戦略の届出 、 取引記録の作成・保存が求められる。
【実効性の確保】
売買注文を受ける証券会社に対して、無登録でアルゴリズム 高速取引を行う投資家や、アルゴリズム高速取引を行うための体制整備・リスク管理 を適正に講じていることが確認できない投資家からの取引の受託を禁じる。海外の投資家に対しては国内における代表者又は代理人の設置を求める。
(証券会社については、既に一定のシステムリスク管理体制の整備や取引記録の保存等が求められている。)
なお、証券会社による取引確認だけではなく、取引所によるアルゴリズム取引を用いる投資家の調査も可能とする。

 上記の報告書をベースにHFTに対する法制度整備は行われていくものと予想しますが、取引所としては取引高速化に対応していくことがグローバルな市場間競争では必要条件となることに変わりありません。今後、欧米の規制動向を踏まえながら、HFT取引監視に対するノウハウを証券会社や取引所が蓄積していくことに期待します。

日本銀行によるETF買入れについて~市場への影響と課題、そして出口は?
トランプ相場以前の日本市場は、100円を一時的に割る様な円高の進行にも関わらず、8月以降は意外に底堅く16,000円台を維持していましたが、これは原油相場の底打ちするとともに、作年7月下旬に公表された日銀による日本株ETFの買入枠をほぼ倍増の年間6兆円としたリスク資産買入拡大策が大きく影響しています。この金融緩和強化策の中で、ETF買入れに焦点を当ててその影響や課題などを取り上げます。

☆日本銀行によるETF買入れについて~市場への影響と課題、そして出口は?
・リスク資産買入の沿革と現状
・ETF買入れの実態とその効果
・市場関係者が指摘する懸念
・敢えて考えるEXITについて

証券取引等監視委員会の役割と最近の動向について
証券取引等監視委員会(以下、監視委)は、10月25日に「平成28事務年度 証券モニタリング基本方針」を公表しています。
先ず証券モニタリングの取組方針として、 全ての金融商品取引業者等に対し、オンサイト・オフサイトの一体的なモニタリングを実施することを表明しています。今までは、大手証券グループに対して監視委と金融庁が一体的に検査・監督に当たっており、今後はその他の金融証券取引業者等に対して各地域の財務局と協働してモニタリングを実施します。
業種別の主な検証事項は次の通り。

【 大手証券】海外拠点での業務を含むリスク管理態勢を重点的に検証。
【それ以外の証券会社】業務運営 の適切性について検証。域証券会社については、取り扱う商品のリスクの所在を十分検討しているか等について検証。
【FX業者】外為市場で大きなイベントが発生した場合、投資者保護上の措置 及び業者自身のリスク管理態勢の整備状況について検証。
【投資運用業者】業者自身のガバナンスの構築状況、運用するファンドのガバナンスの構築状況等に ついて実態把握を行い、今後の効果的なモニタリングを行うためのベンチマークの策定へ。
【投資助言・代理業者】顧客に誤解を生じさせる広告や虚偽の説明による勧誘の有無等について検証。
 その他、業界横断的に顧客本位の業務運営、サイバーセキュリティ対策、高速取引注文の増加を踏まえた売買審査の実施状況等について実態把握していくとしています。

 監視委の最近の動向では、金融証券取引業者以外への動きも目立っています。東芝の会計不祥事では、刑事訴追を前提に歴代の社長3人から任意で事情聴取していることが報じられており、上場企業の不正会計についても有価証券報告書の虚偽記載として、複数の課徴金納付命令勧告を金融庁に対して行っています。また、インサイダー取引や相場操縦行為など市場での不公正取引への摘発も、以前に比べて迅速化しています。

☆証券取引等監視委員会の概要

 監視委は、法的には金融庁に属する審議会等の一つで、金融庁設置法では金融審議会と同じ位置づけとなり、米国のSEC(証券取引委員会)に比べ規則制定権がないものの、金融商品取引法第211条において強制調査権が与えられています。証券取引や金融先物取引等の公正を確保する目的で、1992年に大蔵省に設置され、その後の省庁再編で内閣府外局たる金融庁の審議会等となっています。本年12月から一新した委員構成は、検察出身の長谷川委員長、あずさ監査法人出身の浜田委員、大和総研理事だった引頭委員となっており、財務局の関係人員も含めて764名(平成27年度、監視委は410名)の人員となっています。この陣容は、設立当時200名程度だったものから約4倍近くに拡充しています。監視委の各機能とその最近の業務実態(平成27年度)は次の様になっています。
◇市場分析審査:一般から年間7,758件の情報提供があり、不公正取引の審査は年間1,097件
◇証券検査:対象となる金融商品取引業者等は約8千社(金融機関約千社、プロ向けファンド業者約4千社超)。検査実施は、254業者でその内第1種金融商品取引業者は61社。その内、検査結果に対する勧告は18社。
◇取引調査:インサイダー取引や相場操縦等の不公正取引を行った者に対し、課徴金の支払を求める勧告を行うための調査。勧告件数は35件。
◇開示検査:上場企業約3,600社等が提出開示書類に虚偽がないか検査。勧告件数は6件。
◇犯則調査:違反行為のうち、重大・悪質なものを調査し、検察官に告発。告発実施数は8件。

 この様に監視委の業務は、調査・検査を通して金融商品取引の公正さや健全性を維持して投資家を保護していくものですが、一方では市場と投資家を仲介する金融商品取引業者の健全な育成も、金融における重要な成長戦略ではないでしょうか。

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