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2012/05
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CFD取引、期待ほど伸びず
市場の値動きを追って売買するというのは、プロのトレーダーだけの領域ではない。何かに投資するというのではなく、値動きに対して個人投資家が反応して売買する。この事の是非を問うことは、FX取引などを見ていると、もはや余り意味が無いようにも思う。プロのトレーダーもいれば、金融機関のファンドマネージャーも、そして個人投資家も、買って売る、売って買うという行為をし易くしたスキームとして、エクイティ・スワップやそれを個人も利用可能としたCFD取引がある。

 この取引の基本的な構造は、カバー業者と言われる投資銀行が、投資家との売買値段を取りきめ、その投資家が投資銀行相手に反対売買したところで損益が決済される。この仕組みは、相対の取り決めで、投資家の方はカバー業者が提示する取引値段を信頼し、カバー業者の方は投資家の決済履行を信じて、双方の取引が成り立っている。投資対象を外国通貨としたFX取引も、基本的には同様の仕組みだが、ネットを利用したオンライン取引で、多数の個人を相手とする為には、売値と買値の同時提示、強制的なロスカット・ルールの適用など、独自の仕組みで取引を行うようになった。

売値と買値の同時提示は、投資家にとって株式の様に指値注文を出す必要がなく、どちらか選択すれば取引は成立するメリットがあるが、この売値買値の値幅の中にカバー業者の収益の源泉がある。カバー業者は、受けた取引を通常の市場でカバーしても良いし、自らのポジションとして抱え込んでいても良いが、多数の投資家を相手にすることで、その選択のバリエーションが増え、収益のチャンスも増加する。
また、取引利益の拡大を狙って、取引が当初の投資資金にレバレッジの掛かったものとなるが、カバー業者は、その取引リスクをコントロールする為に、強制的なロスカット・ルールの適用を行う。
 
以上の説明は、CFD取引の基本的構造の説明を試みたものだが、実際は個人投資家とカバー業者の間に、取引を取り次ぐFX業者や証券会社などが入るケースも多く、また取引所に定型の取引形態を上場して、そのマーケットメークはカバー業者・決済や売買管理は取引所と分業する仕組みもあるが、基本的には同様である。この仕組みの良いところは、投資家・カバー業者双方が合意していれば、投資対象が何でも良いので、投資の多様化に耐えられところだ。欧州やオーストラリアなどで、個人投資家にも浸透したCFD取引なので、日本でもその拡大が期待されているが、現在のところ標題の様な状況となっている。

 日本証券業協会のデータから、上期は以下の様な状況になっている。
※証券関連でのCFDに関する4月〜9月の取引若しくは9月末の状況について
○口座数:137,424口座(半年前から978口座しか増加していない)
○証拠金残高:80億円(半年前から17億円の増加)
○取引の比率は、建玉残高から、51%が株式指数関連、40%が債券関連、残り9%が個別株などとなっている。
○8月以降、株式指数関連の取引が月間ベース8000億円を超え、それ以前の2〜2.5倍程度に急増しているほか、特に大きな取引の増加傾向はみられない。

なお、東京金融取引所でも株価指数関連CFDは上場されているが、特に取引の増減の傾向は出でいない。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

FX取引の成立ちを易しく考える=その1
 物事は単純化した方が見えやすくなる。そう思って、FX取引の仕組みについて易しく考えてみたい。
先ず、FX取引と外国為替取引は異なる。FX取引は外為証拠金取引で、外国為替取引(Foreign eXchange Market)の方は、外国通貨を銀行間において相対で取引する(相対といっても殆ど電子取引)インターバンク・マーケット=所謂外為市場である。マスコミなどで流される、現在のドル・円相場という場合はこちらの外為市場の取引値段を示している。企業や個人が為替の取引をする場合、この外為市場の参加である銀行と相対で取引を行う。少し諄くて申し訳ないが、企業や個人が外為市場で直接取引することは出来ない。
しかし、次の様な手順で、外為市場で取引されている値段をベースにして、あたかも直接参加しているように取引するのがFX取引である。

・取引1=個人投資家とFX業者の相対の外国為替取引
・取引2=FX業者と取引をカバーする業者(外為市場に直接参加することが出来る金融機関)の相対の外国為替取引
・取引3=カバー業者がインターバンク市場で他の市場参加者と行う相対の外国為替取引
※上記のFX業者を輸出入業者、カバー業者を銀行に置きかえると、通常の輸出入に伴う外国為替取引(実需取引)となる。

なお、通常のインターバンク市場における取引単位は、通常100万通貨単位(ドル取引なら100万ドル)なので、上記の取引3に於いてある程度の規模の取引規模が必要となってくる。その為、カバー業者は少ない担保(証拠金)でもFX業者からの取引を受ける。この取引はレバレッジ(元の資産である証拠金に対して)の掛かった取引となるが、相対取引なのでカバー業者がFX業者に対してレバレッジ分の信用を供与することになる。FX業者は、このカバー業者とのレバレッジ取引を利用して、個人投資家にレバレッジを掛けた取引を提供する。

ただしこの部分は、FX業者が個人投資家に対して彼らの求める(現行では証拠金の50倍まで、8月より25倍に規制強化)レバレッジ分を信用供与することになるので、取引する個人投資家の損益管理=ロスカット・ルールの徹底が必要になってくる。
FX業者としては、基本的には個人投資家の損失を預かった証拠金以内に収めようと強制的なロスカット・ルールを定め、投資家にもそれ以前の水準でロスカットの注文を入れるよう誘導する。

 また、取引1〜3までがイコールとなるわけではない。つまり、取引2に於いてはFX業者、取引3においてはカバー業者が、それぞれの取引をカバー業者や外為市場に取り次がない場合がある。例えば、
・1ドル81円00銭のドル売りと、81円01銭のドル買いが同時に個人投資家から入った場合、FX業者はこの取引を相殺してしまい、1銭部分が収益となる。
・上記ほど単純でなくても、ある一定範囲での売りと買い注文があれば、相殺して顧客注文だけを成立させカバー取引を行わない場合がある。(一部、FX業者が自己で向かうようなケースもある。)

これ等の対応は、マリーと呼ばれFX業者及びカバー業者の大きな収益源となっているが、取引所取引ではなく相対取引なので、実際に個人投資家のFX取引が外為市場に流れる必要がない。つまり、FX取引は、インターバンクの外為市場の値動きを指数と見立て、FX業者とその指数を取引する差金取引という事も出来る。この仕組みは、CFD取引と全く同じになる。

現在、日本の外為市場におけるFX取引関係分(つまり取引3の部分)は2割に達することもあると言われているが、これは株式市場における個人投資家の売買シェアと同程度の割合となっている

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