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2017/10
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仮想通貨の投資に係る最近の動向について
仮想通貨に関する報道が連日の様に経済マスコミに取り上げられています。例えば、デパートや家電量販店・旅行代理店などでの、スマートフォンを利用してビットコインで支払が出来る動きが拡がっていますが、一方ではメガバンクなどが中心になって日本独自の電子通貨(仮想通貨とは異なり価格変動がなく、1コイン=1円)を発行する計画や金融機関同士の連携も報じられています。

個人利用のビットコイン決済の拡大は、中国人などの仮想通貨決済需要を見込んでいるといった見方がありますが、その中国において中国人民銀行が9月4日にICO(Initial Coin Offering=新規仮想通貨公開)を全面的に禁止、14日には上海市の金融当局が複数の仮想通貨取引所に閉鎖を指示したと伝わっています。その為、ビットコインは9月1日に1コイン約4.9千ドルだったものが、9月14日には約3.2千ドルまで下落しましたが、その後の北朝鮮リスクの高まり・新たな投資需要予想などで急上昇し、10月13日には5.8千ドルと高値を更新しています。

 代表的な仮想通貨であるビットコインは、ブロックチェーン技術を利用して取引が行われていますが、個人が利用する場合の取引の仕組みは、現在以下の様になっています。

・ビットコインを保管するためにソフトやアプリをインストールしたりウェブ上にアカウントを作成したりする必要ある。この行為をウォレットの作成と言うが、電子データをパソコン・モバイル端末(スマフォ等)・ハードウェア・紙などで保管することができる。
・ビットコインを入手する必要があるが、日本円での取引であれば仮想通貨取引所での買付が一般的だ。2014年初めまで国内には破綻したMt.Goxしかなかったが、現在は10以上の取引所があり、最低取引単位は現在0.001~0.0001単位となっている(制度上は、1億分の1まで取引単位の細分化が可能)。また個人が相対で取引することも可能で、海外取引所においてドルベースで取引することも不可能ではない。最近は、ポイントサービスの中で、ビットコインと交換することも出来るようになってきた。
・ビットコインでの小売店舗における決済については、前述のモバイル端末にインストールされたウォレットが必要で、店側が提示した商品対価のQRコードをモバイル端末で読み取った上で決済指示を行う。(なお、ビットコインの決済は10分以上時間がかかるので、実際はビットコイン決済事業者が間に入って原則即時決済を行う。)

 上記の様に、一般的な個人が商品購入の決済に利用するには現状の手間は他の電子マネーやクレジット・カードなどに比べ少し手間がかかるように思われますが、過去1年間で10倍近くに急騰した値動きは投資対象として大きな注目を集め、また個人投資家のサクセスストーリーがマスコミに取り上げられるようになってきています。

この課税について、国税庁は4月初めに次の様な見解を出しています。
◇ビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分。

 また、ビットコインの決済に関しても各関係者の動きが活発化しています。ビットコインの取引情報は、マイナー(採掘者)と呼ばれる業者がプロックに書き込み、他のマイナーが管理するブロックで承認されその数値が一定数に達すると取引が有効となります。そしてマイナーは、この作業による報酬をビットコインで受け取るのが基本的な取引の仕組みです。
最近の価格上昇で大幅に取引量が増え、このブロックに書き込む情報と確認作業に数時間かかることも起こり始めていたので、ブロックに書き込む様式の変更が開発者やマイナーの間で検討されて、8月の分裂騒動の原因となっていました(ブロック様式の変更は11月より)。

この取引に伴うマイニング(採掘)作業には、膨大なデータの処理が必要で、その為に、大規模なコンピューターシステムとそれを稼働させれる為の安価な電力が求められています。現在、このビットコインのマイニング作業ではシェアの7割は中国勢が占めていますが、最近はGMOやSBIグループがこの業務に進出することを公表していて、ビットコイン取引のインフラ部分での日本企業の取組みも注目されます。


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個人投資家の動向~今後の変化まで考える
個人の投資を論じる時、日本銀行が集計している資金循環統計が使われることが多いのですが、6月下旬に公表された本年3月末時点の個人金融資産は1,809兆円、その内現金・預金の比率は51.4%と相変わらず高い水準となっています。この個人(家計)の現預金を、株式や投信・債券などのリスク資産へ流れるようにする“貯蓄から投資へ”政策はもう20年近く(前世紀末の金融ビックバンから)経っていますが、個人の現預金比率の高さには、余り大きな変化を生じていません。

☆個人投資家の動向~今後の変化までを考える
・個人の投資動向
・“貯蓄から投資へ”政策の沿革
・個人の海外投資動向
・個人投資家は変わるのか
ESG投資という投資テーマ
ESG投資が注目されています。

7月3日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG指数の選定を公表しました。GPIFは、環境(E、Environment)・社会(S、Social)・ガバナンス(G、Governance)の要素に配慮した投資は、長期のリターンを改善する効果が期待できるとして、総合型ESG指数のFTSE Blossom Japan Index(組入銘柄数151、6月時点、以下同じ基準) とMSCI ジャパン ESGセレクト・リーダーズ指数(組入銘柄数251)、社会分野指数のMSCI 日本株女性活躍指数(愛称は WIN)(組入銘柄数212)を選んでおり、これらの指数に基づき、パッシブ運用の枠で約1兆円(国内株投資の3%程度)の運用を開始しました。GPIFのESG指数の選定にあたっては、①ESG評価の高い銘柄を選別する「ポジティブ・スクリーニング」②公開情報をもとに企業のESGを評価し、その評価手法や評価結果も開示③ESG評価会社及び指数会社のガバナンス体制・利益相反管理――の3点を重視しています。

 このGPIFの動きは、2015年9月に国連が支持する責任投資原則(PRI、Principles for Responsible Investment)に署名したことが大きく影響していますが、PRIそのものは2006年に国連が定めたもので、機関投資家に対しESGを投資プロセスに組み入れる6つの原則からなりたっており、「環境上の問題、社会の問題及び企業統治の問題が運用ポートフォリオのパフォーマンスに影響を及ぼす」としています。リーマン・ショック後に資本市場で短期的な利益追求に対する批判が高まったこともPRIの署名機関増加につながり、2017年4月時点で1700を超える年金基金や運用会社などがPRIに署名しており、その運用資産残高は17兆ドル(約1800兆円)近くに達しています。

 ESG投資が拡大している背景として、運用会社などは次の様な要因があると見ています。

・企業と取り巻く外部環境の変化=気候変動リスクの認識が一般化しており、変動を抑制する方法として、パリ協定や、持続可能な投資ポートフォリオの構築のような民間主導の取り組み、気候関連の金融リスクの一層の開示などが求められている。また気候変動以外でも、エネルギー市場においては、需給要因が原油価格の変動に対して、石炭よりも安価な天然ガス、再生可能エネルギーの発電量拡大と価格低下など資源間の価格差などが大きく変動している。また、水資源や、生物多様化などの環境問題に関する意識も高まっている。

・社会自体の変化=先進国において平均寿命が伸びるなかで、所得格差、ヘルスケア、脆弱なガバナンスなどの問題は、退職後の資金状況に直接影響するため、サステナビリティ(持続可能な社会)の問題としての認識が世界的に高まっている。 その中で、女性の活躍や従業員の健康への配慮を企業に求める動きも強まっている。

・コーポレートカバナンス重要性増加とグルーバル化の進展=コーポレートガバナンスの改善は、規制当局のみならず債券投資家、株式投資家にとっても一段と重要な目標になっている。また、大企業のバリューチェーンのグローバル化は一段と進んでおり、児童労働問題や人権問題などにも配慮することが企業側にも求められている。

・政策や規制等によるESG投資推進=5月に日本版スチワードシップ・コード(改定版)において機関投資家が投資先企業の状況を把握する内容としてESGに関する文言が追加された。先行して2010年に英国でスチワードシップ・コートが制定されているが、この影響もあってヨーロッパにおける全運用資産に占めるESG投資の割合が5割を超えていると言われ、日本は3%程度に留まっているが、今後のESG投資拡大が期待されている。

 なお、GPIFはESG投資の拡大で、次の様な効果を期待しています。

・ESG投資の運用資金の拡大は、企業のESG評価向上のインセンティブになり、ESG対応が強化されれば、長期的な企業価値向上につながる。

・日本企業のESG評価向上がESG評価を重視する海外資金の流入につながれば、日本株のパフォーマンス向上が期待される。

結果として、ESG投資を行うGPIF(年金受給者)が投資最適化の恩恵を最大限享受できるとしています。

投資に関するブロックチェーン動向について
ブロックチェーン(分散型台帳技術=Distributed Ledger Technology:以下、DLT)に関する動きが拡がっています。金融・投資分野においても大手金融機関のみならず、最近は地域金融機関における取組みも始まっています。
DLTの利用は、ビットコインなどの仮想通貨においては新たな決済手段としての利用も進んでおり、地方公共団体が発行する地域通貨や企業が発行するポイントの流通などの実証実験を、地域金融機関が地元フィンテックベンチャー企業と取り組む動きも目立っています。また、金融商品取引においては、取引の迅速化を図る為に取引者間の決済通貨として利用することも考えられています。

 一方、海外市場におけるDLTの利用に関しては、米ナスダックとシティグループの提携が5月に公表されていますが、これはナスダックが持つ未公開企業の株式売買などに使われてきたブロックチェーンのネットワークと、シティの法人決済システムの「シティコネクト」を連携させることを試みるもので、関係者によるとその目的についてはブロックチェーン技術と金融システムの効果的な統合は業務の透明化と簡易化を実現できるとしています。

 経済産業省(商務情報政策局)の「ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに 関する国内外動向調査」(平成28年4月)によると、DLTは仮想通貨であるビットコインを実現させる為に生まれた技術で、いくつかの暗号技術がベースとなっており、 P2Pネットワークを利⽤してブロックチェーンデータを共有し、中央管理者を必要と せずにシステムを維持することを実現しているとしています。
このDLTの特徴は以下の様に纏められています。
・スクリプト(機械語への変換作業を. 省略して簡単に実行できるようにした簡易プログラム)によりアプリケーションを実⾏可能
・真正性の保証された取引が可能 (⼆重⽀払の防⽌)
・データのトレーサビリティが可能で、 透明性の⾼い取引が可能(改ざんが困難)
・サーバコスト(構築/運⽤)の低廉化
・安定したシステムの構築・運⽤が可能 (ゼロ・ダウンシステム)
・中央管理者が不在でも、悪意を持つユーザが いてもエコシステムが安定維持される

一方、課題としては以下の事項が指摘されています。
・データ処理の確定に数秒〜10分程度かかるので、即時性が必要なアプリケーションには不向き
・規定されているブロックに格納できるデータ量の上限と、1秒間に処理できる トランザクション件数が既存決済システムと⽐べて劣っている
・実ビジネスでの運⽤⼿法等が確⽴されていない

 上記を簡単に纏めますと、システム負担やコストが低く抑えながら取引することが出来るが、現時点でのプロックにいれることが出来る情報量が限られていることと、情報処理スピードが遅いということ、実際の市場取引に利用した場合のルールが定まっていないということです。
現時点において投資分野での利用が想定されるのは、米ナスダックの様な未公開株取引や社債取引などで利用される可能性があります。

 日本取引所グループにおいても証券取引を想定した実証実験が昨年から始まっていますが、実際の証券取引を行った場合の課題として、仮想通貨として単純な商品性のビットコインとは異なり、配当や増資などコーポレートアクションがあること、取引するものが限らていること、取引内容は非公開を前提とする為に中立的な第三者による証明が必要なこと、などが上げられています。
今後、日本での未公開株取引での利用を考えるのであれば、証券会社による株主コミュニティ制度での利用検討が業界内にあっても良いように思われます。


個人投資家にとっての社債~開示、格付け、劣後、私募など
個人投資家にとって元本が発行者によって保証されていて、定額の利金が支払われる債券は比較的安全性の高い投資商品として見做されています。
しかし、2016年末の個人金融資産1,800兆円のうち債券投資(日銀資金循環統計では債務投資)は僅か25兆円(1.4%)に過ぎません。更に社債(事業債)の残高は、6.9兆円に留まります。
今後、NISAや個人型DCの拡大によって、個人投資家の裾野が広がる中、投資商品としての期待される社債ではありますが、一方マイナス金利や国の財政政策による国債発行減少の影響も大きいと見られます。

☆個人投資家にとっての社債~開示、格付け、劣後、私募など
・個人の債券投資について
・最近の個人向け社債の動向について
・個人投資家にとっての私募社債
・安全性、投資収益、プラスαそれぞれの投資ニーズに応える為に

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