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2017/10
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投資情報ポータルサイトとしての東証
 日本市場に関して、最も情報が集まるところは取引所です。従って投資に関する情報が集まるところも取引所ということになりますが、最近は上場企業に関する情報提供が充実してきており、投資情報ポータルサイトとして個人投資家が利用することも多くなっているようです。

 勿論、今までも情報は取引所に集約されていたのですが、取引所は個人でも調べやすいように“東証上場会社情報サービス”という上場企業に関する情報の検索機能を提供し始めています。これまでも、上場企業が取引所から求められる適時開示に関して、過去30日間の情報が無料で閲覧できましたが、企業ごとに情報をまとめ、その他の基本情報や株価推移などと合わせて見ることが出来るようになりました。例えば、コーポレートガバナンス報告書からは、役員の報酬額を調べるといったことも容易です。これら、情報サービスにより、取引所サイトでの個人を含めた投資家の利用が増加すれば、また投資家が求める投資関連情報のビックデータの蓄積にもなり、取引所からの新たな投資関連の情報提供サービスが期待できます。

 今までは、個別の企業情報に関して、日経やロイター・ブルンバーグといった情報ベンダー系のサイトの利用が一般的だったと思いますが、全ての市場情報が集約・集積される取引所に、投資家の情報利用のデータが蓄積されることは、取引所の情報発信をより投資家のニーズに合わせていく為に必要なことだと思われます。

 一方、取引所の収益構造(日本取引所グループの)を見ますと、その収益の2割弱が情報関連収益となっています。これは、主に取引に関するデータなどを証券会社や金融機関などに販売すること得ているものですが、即時性のあるデータが中核になっているようです。これらの情報ビジネスと、投資家を引き付ける為の情報発信のバランスをとりながら、投資情報ポータルサイトとしての役割を果たしていくことに期待しています。

取引所による現在の上場企業に関する情報発信充実の取組みを支持しますが、また、出来れば以下のようなことも、一般投資家が閲覧可能な方法で重ねて期待したいところです。
○有価証券報告書や大量保有報告書などが、上記の情報サービスサイト内で見ることが出来る。
○企業ごとにファイナンスで増えた株数、自社株で減った株数などが月次ベースで確認出来る。
○空売り規制で、大量の空売りとして公表される数値を一覧出来る。
(※東証は、11月5日より一覧表化していますが、報告日付けにバラつきがあり、当該銘柄にどの位の大量な空売りが入っているか、一般の投資家が想定しにくいので改善を期待します。)
○個別銘柄に対して、HFT(高頻度取引)での取引比率
(毎日が煩雑であるなら、週間ベースを期待します。)

取引所は、ある種の情報産業的なところもありますが、その為には取引参加者間での情報格差を小さくする努力も必要だと考えます。


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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

あって欲しい市場情報について
 市場において、より多くの投資家に参加してもらうように(多様な投資家の確保)、ベースが既にあるデータで次の様な市場関連情報を、一般向けに公表してもらえないかと取り上げてみました。

【市場の需給に関する情報】
ファイナンスによる新株の増加と、自社株取得による市場流通株式の減少(金額ベース)
 この情報は、全体的な数値と銘柄別の情報が其々必要です。
年次や月次ベースの数値は、市場全体の株式需給の変化を表しますし、個別銘柄の数値は、その企業が行った資本政策の実践ということになりますので、投資家が先ず市場全体の需給を考え、個別企業の資本政策を見直す上で重要な情報となります。

【取引に関する情報】
銘柄毎にHFT(高頻度取引)が占める比率
 HFTに関しては、いろいろ批判もあり欧米においても一部で規制するような動きがあります。しかし、このHFTは、間違いなく金融イノベーションの一つで、大量に売買しようとする機関投資家の取引単価平準化や流動性に向上には役立っています。また、取引所にとっても、コロケーション・サービスでHFTに対応することは、取引所間の競争や取引量増加の為には必要なことです。東証においても、既に取引量の4割以上を占めると言われていますが、HFTを利用できる投資家が限られていることも事実です。それで、HFTに関する最低限の情報を投資家間で共有する必要があるのではと考えます。

集約された空売りに関する情報
 11月5日より、空売り規制緩和とともに発行済みの0.5%の空売り報告(投資家毎)が毎日公表されますが、東証が一覧表にして公衆縦覧しています。今までの個別報告書の縦覧から一歩進んだように思いますが、投資家にとってより有意義な情報は、個別銘柄に個人・外人問わずどの位の空売りが入っているかの情報だと思われます。制度信用などの週一度の公表では、今の取引の変化が激しい時代にあっていませんし、信用取引での売りは空売り全体の一部に過ぎません。
現状では、空売りは株式を借りなければ取引出来ないということになっているので、貸株市場での個別銘柄ごとの取引残高が近い数値と思われますが、貸株市場は店頭取引なので、出来れば証券会社経由の貸株状況を毎日公表することが望ましいと考えます。

社債の取引状況に関する情報
 社債市場を拡大する為に、欧米のような社債取引(主に金融機関間の店頭取引)情報を共有しようという改革案が4年以上前から業界内で示されています。しかし、一向に実現する気配がないように思われます。何故かといいますと、現在の限られた投資家と業者でも日銀の緩和策の影響で、そこそこの社債発行があり、現在の社債市場関係者が余り問題を感じないからです。しかし、より多くの企業の社債発行を可能とし、個人を含めたより多くの投資家が参加可能な社債市場とする為には、先ず情報共有を行うことという市場拡大の鉄則は社債市場においても変わりません。

【ディスクロージャーの信頼度に関する情報】
ディスクロージャー信頼度指数
 申し訳ありませんが、現在上記のようなものはありません。しかし、ディスクロージャー情報を日頃分析されているアナリスト協会などで、是非開発して欲しいものです。例えば、公募ファイナスやIPO直後の業績の修正などは、本来引受証券が責められるべきことでありますが、長年上場企業のディスクロージャーを見ていて、企業によっては癖のようなものがあるとも感じています。ファイナンスやM&Aなどのイベントと、個別企業のディスクロージャー姿勢との関係が、個人投資家にも解り易い信頼指数化が望まれます。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

アンケート調査などから個人投資家像を改めて考える②
 一昔前の証券業界では、個人投資家を保有する金融資産別に富裕層・準富裕層(退職金などで一時的に金融資産が膨らむ個人も含む)・一般投資家層などと分けていました。これは、概ね自社の営業戦略に依るところが大きく、富裕層ならブラベートバンクや投資コンサルタント、準富裕層ならファイナンシャル・アドバイザー、一般はコールセンターやネットへの誘導が中心などといった大雑把な分類でした。また、前回紹介した業界団体による調査では、年齢層別の投資家属性が中心になっています。
 以下、最近は個人投資家のどの様に考えているか、各種調査などから分類実例を上げてみました。

○株式投資家の投資方針による分類←ノムラ個人投資家サーベイ(2013年10月10日公表分)
・概ね長期保有(個人投資家全体の49.2%)
・短期間の値上がり益を重視(同、15.2%)
・配当や株主優待を重視(同、19.3%)
・特に決めていない(同、16.3%)

○投資家クラスターモデルによる分類←日経リサーチ“個人投資家向けIR調査”
・ベテラン短期投資家(全体の25.5%)
・分析投資家(同、21.2%)
・チャート重視投資家(同、8.7%)
・愛着投資家(同、26.2%)
・素人投資家(同、18.5%)

○ネット投資家の売買頻度による分類←MANEX個人投資家サーベイ(2013年10月公表分)
・デイトレーダー(全体の5.5%)
・週に数回(同、14.4%)
・月に数回(同、35.6%)
・数ヵ月に1度(同、27.2%)
・以上より少ない(同、19.3%)
(※デイトレーダーについては、業界内では全体で20~30万人程度と見られているので、個人株主の1.2~1.8%というのが通説)

株式投資に限っても、以上のようにいろいろな分類がありますが、証券会社や金融機関にとっての個人投資家は、自社の営業活動で取り込むべき顧客な訳ですから、次のように投資目的に合わせて分類し、人やシステムなどのインフラ投資をされるべきではないかというのが、コンサルとしての意見です。

○資産形成層
・資産形成目的で投資を行う個人層。
・持株会、継続的な累積投資、日本版401K、そしてNISAなども含まれる。
・特徴としては、一度の投資金額は少額だが、長期投資を目的としている。
・この投資家層に業者として対応する為には、効率的な継続投資のインフラが必要。但し、会社単位で纏めて多人数を顧客化するメリットがある。

○資産運用層
・一般的に個人投資家層と言われる部分で、投資信託なども数百万円単位以上で購入する。
・投資目的は、あくまで資産を増加させることが中心になる。
・資産分散から海外投資ニーズは高いと思われるが、現在の海外投資は投信に偏っているので、外国株・外国債券投資の余地は多きいと見られる。

○資産管理層
・一定期間内にある程度の資金を利用することを前提に投資を行う個人層。
・例えば、高齢者による毎月分配型投信への投資や、教育資金贈与信託など。
・また、今後投資資産全体のリスクを管理するという目的で、デリバティブ利用などが進む可能性もある。
・但し、証券会社や金融機関による資産管理ビジネスに対する体制整備が現状では不十分と見られるので、運用会社任せになり勝ち。

○個人トレーダー層
・売買の目的がトレーディングの個人層。
・売買対象は、個別株からFX取引・指数デリバティブへ拡大。また、上場ETF・ETNの利用も。
・証券会社としては、売買回転数の増加が好ましいので、デイトレーダー層の獲得の為の業者間競争が激化
・ヘッジファンドなどの売買手法や提供されていたサービスの一部が、デイトレーダー層でも利用可能に。

○特殊な投資目的による投資家層
・自社や特定の愛着がある企業への投資
・特定の社会的目的による投資
・知り合いや地域振興の為の投資
・以上は、上場企業以外にも、地域のインフラファンドや事業ファンド・未公開株投資において、今後増加していく可能性があるが、現在の証券業者では明確な戦略は、ほゞない。


テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

証券会社のSNS利用
 標題からお読みいただいた方には申し訳ありませが、結論から申して“あまり進んでいない”ということです。それでも書いたのは、世の中のSNS(ソーシャルメディア)に対する期待値が高いからです。例えば、総務省の“情報通信白書(平成25年版)”ではスマートディバイスでSNSの利用は増え、ビックデータやクラウドコンピューティング、4K・8K(次世代放送サービス)とともにスマートICTが日本の成長を加速する鍵となると唱っています。

 しかしSNSへの参加は個人が行うなら未だしも、企業や従業員として行う場合、規制業種の証券業(他の金融関連業務も同様に)は制約を受けます。例えば、
・A証券がフェースブックである金融商品の情報を流したとします。
・Bさんが“いいね”をクリックしました。
・Bさんは、A証券の従業員でした。Bさんのフェースブックの友達は、BさんがA証券の従業員と知っている人もいれば、知らない友人もいます。

 証券会社の従業員が金融商品を薦める時、その行為を規制するルール(行為規制)があります。例えば、その人のリスク負担にあった金融商品を販売することを求める“適合性の原則”、ちゃんと説明しなければならない“説明義務”、実際に契約する前と後に決められた書類を交付する義務などですが、Bさんが例えSNS上であっても特定の誰かに金融商品を勧誘する時、これらの義務を負う事になります。
しかし、“いいね”をクリックしただけでは勧誘とは言えないと思うのが一般の感覚ですが、クリックした後、誰かとSNS上で遣り取りした場合は、どこで勧誘行為としての線を引くか難しいところもあります。
対面営業の従業員はいないネット証券では、これらのことウェブ上で投資家に伝えなければならないので、実質的な行為規制は、広告規制として相当部分が取り込まれています。

 さて、現状の証券会社のSNS利用はメディアの一つとして顧客向けの情報発信に徹しているおり、従業員が自社のSNSで発言することは殆どが社内ルールで禁じています。つまり、勧誘行為にならないよう注意深く使っているということです。また、顧客サービス(例えば富裕層向け)の為に投資や金融商品と全く関係ない情報を、SNSで流すといったことも行われています。(この目的は、富裕層など特定顧客とのコミュニケーションの頻度を上げ、顧客個人のイベントに絡んでいくことです。)

 時代の進化の産物であるSNSを、証券会社の本業である金融商品の勧誘に使ってはいけないのでしょうか。IT企業の方やコンサルチング・ファームの方々は、新たなマーケティング・ツールとしてSNSを使いこなす提案を金融機関に行いますが、現実の証券会社では、今それを避けているように思います。

なお、米国の金融自主規制団体(FINRA=Financial Industry Regulatory Authority)によるSNS利用の自主規制ガイドラインは、次の様なものです。(野村総研資料より、筆者が簡略化。ベースはRegulatory Notice 10-06)
・ソーシャルメディアでの会話内容を記録・保存する。
・ソーシャルメディアで推奨する場合も、相手の負えるリスクや投資目的を確認する。
・ブログの更新は広告とみなされ、会社としての事前のチェックが必要。
・インタナクティブなコミュニケーションは、会社として監督する必要がある。

 なかなか日本で実行するは大変な様に思えますが、証券会社サイドでのSNS情報管理を容易にするクラウドコンピューティング・ツールがIT企業より提供されるでしょうし、SNS利用ニーズも高まれば証券会社の負担が少ない自主規制ルールも準備されると信じています。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

ファイナンスの季節に、改めてその役割を考える
 公募ファイナス(公募増資やCB(新株予約権付社債)などで、一般の投資家から資金調達する)は、7月に増加する傾向があります。7月に入って8日までに、公募増資が7社、CBが1社の発行決議をしていますが、特に公募増資は、1000億円以上を調達する大型ファイナンスが、電通・大和ハウス・オリンパスと続いています。何故、7月に公募ファイナスが多いかというと、次の様な実務的な要因があるように思います。

・3月期決算企業は、1~3月に次年度の事業計画を纏めますが、同時に資本政策や資金調達計画が策定されます。
・3月期決算企業は、その後、本決算発表・株主総会と重要なイベントをこなしていきますが、資本政策を株主より授権(会社法上、株主より任されているという意味です)されている取締役会としては、株主総会直後が最も決議しやすい時期となります。
・公募ファイナンスを行う為には、直前の企業情報を投資家に示す必要がありますが、3月期決算企業では6月下旬の株主総会後、前年度の有価証券報告書が提出され、この情報をもとに投資家への開示が行われます。
・また、公募ファイナスを引受ける証券会社の引受審査では、この情報をベースに引受判断が行われます。
以上から、7月は公募ファイナンスが増加する傾向があります。

 公募ファイナンスによる資金調達は、直接は既存株主に希薄化をもたらしますが、調達した資金が新たな事業に投資され企業価値を高めるのであれば、既存株主も当該企業の株式保有を継続し、新たに投資する投資家も増えます。問題は、既存株主・投資家にとって、このファイナンスが企業価値を高めるかどうか判断可能な情報提供がされているかです。目論見書が既存株主やその企業に関心ある全ての投資家に配られる訳ではないので、ファイナンス決議時の記者発表文における記載内容が重要になってきます。

 今年は、公募ファイナスが増加しており、年初から公募増資では53社(うちJ-REITが16社)、CBは16社(7月8日までの発行決議状況)が発行決議していますが、昨年1年間の49社(うち、J-REITは11社:日本証券業協会調べ)を既に超えています。このことは、日本市場が回復して発行市場機能が有効に働いているので、好ましいことです。しかし、供給が過多になれば、どの様な市場でも崩れてしまうでしょう。バブル期の1989年、金融危機直後の2009年、日本市場の公募増資額は、いずれも5兆円を超えました。その結果、損失補填や増資インサイダーなどの問題も表出しました。せっかく増加した企業に資金調達ニーズが、市場に良い効果を及ぼすためにも新たな投資ニーズの拡大が重要で、その為に市場仲介者である証券会社の役割は大きいものです。

普段、一般の投資家が余り気付かない引受証券会社の役割として、次の2例を上げておきます。

 昨年末から、J-REITの公募増資が増えており、不動産投資の活発化の為に好ましいことです。ただ、現状のJ-REITは、一般の上場会社と違って増資情報はインサイダー情報になっていません。先の通常国会で成立した改正金商法では、改めてJ-REITの増資情報をインサイダー情報としますが、これは来年以降の施行です。それでは、増資インサイダーなどのように公募増資に絡んで不公正な取引がされないかどうかですが、J-REITの公募増資を引き受ける証券会社では、株価審査といって関係者の売買や価格形成に問題がなかどうかの確認を行います。

 2つ目の役割は、新しい投資家の発掘です。例えばオリンパスの今回の公募増資の様に、海外で全て募集を行う公募増資であっても、その影響は既存株主や国内の投資家にも及びます。海外募集のみを選択した理由が公表されていなのでの、分からない部分もありますが、海外の投資家のオリンパスに対する投資ニーズが強いことを発行者に薦めた結果です。今回の資金使途に見合って、中長期の投資家を発掘することが海外主幹事証券にも求められます。また、金融商品取引法は国内ルールではありますが、1昨年から導入されている空売りした投資家(日本株貸株市場で株式を調達して、市場で売却する)に対して、公募株が割当てられないルールの遵守なども、主幹事証券の責任において行われることです。

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