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2009/02
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中堅企業の事業承継―金融機関はもっと努力を
 会社は株主のものだけでもないし、まして経営者のものだけでもない。しかし、株主のものでもあり、経営者・従業員のものでもあり、その事業に関係する者が属する社会のものでもある。
商工中金が昨年11月に実施した、中小企業の事業承継に関するアンケート調査を拝見して、考えさせられた。
 対象は、商工中金と取引のある中小企業ということで約3500社に回答によるものだか、売上規模10億円以上が全体の三分の二・従業員数が50人以上が55%なので、実態は地方における中堅企業といったところだろうか。いま問題になっている雇用では、今後の調整が心配される層でもある。
 商工中金提供レポート
中小企業の事業承継に関するアンケート調査
 後継者問題で悩む経営者には失礼を承知で、投資銀行的に敢えて中堅企業の事業承継というと、営業現場は、税対策の金融商品(保険を含む)の販売か、M&Aの相談ということを真っ先に思い浮かぶ。
 確かに、相続税対策や事業を継承する受け皿探しは大切だか、この中堅企業群の経営者の半数以上が、この問題の相談相手として税理士や会計士を選んでおり、資金繰りから経営まで関与している金融機関を選ぶのは、2割に満たない。
 金融機関は、この現実をもっと真摯に受け止める必要があるのではないだろうか。
 中堅・中小企業にとって、相続税対策や後継者教育は大事だか、M&Aはもちろん事業の証券化や優先株・ハイブリット調達など金融技術を、今こそ駆使して、中堅・中小企業に対して金融サービスを提供していくことこそ、金融機関に求められている行為ではないだろうか。
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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

こんな今こそ、ハイブリットなIPOビジネスを
 減少続く新規上場、監査法人が顧客獲得へ構成――といった2/26の日経記事に、業界関係者として一瞬違和感を覚えた。
 確かに、この様な市況の中でIPOそのものの減少は予想されていて、一時は年間200件近くあった新規株式公開企業も、昨年は49件、この1~2月にいたっては17年ぶりに0という関係者にとってはショックな数字となっている。
 IPOビジネスを縮小・撤退するネット証券の事も報じられていたが、IPOのビジネスは証券にとって手間の掛かるビジネスモデルなので、そもそもネット証券でのフルラインは無理があった。
  1.IPOの可能性のある企業の発掘の為の営業活動
  2.対象企業の株式公開の為に行う、財務・経営コンサルティング
  3.株式公開準備の為の取引所審査に対応する指導・コンサルティング
  4.企業価値に対する考え方の整理
  5.そして、ようやく株式公開対応
と、簡単に工程を分けても以上の様になるが、期間は少なくとも2~3年、チャイニーズウォールもあるので、3~4つの部での対応が必要となる。
 5.の部分が華々しかったので、多くの業者の参入があったか、今までのIPOビジネスは、証券会社にとってかなり重装備の装置産業であった。大手業者にとっても、大型の民営化案件でもなければ、この重装備の維持は難しかった。
 しかし、このIPOは、企業を資本市場の入り口に連れてくる大事な機能があるので、金融・資本市場関係者は、一層の努力をする必要があると考える。例えば、
  1.については、地域金融機関や地公体との連携を強め、この部分の営業活動を効率化する
  2.~3.につては、日経記事にあったように、監査法人系コンサルと協働若しくは委託する
など、金融アンバドリングの流れに沿った分業体制の構築も必要だろうし、EXITに困っている地域ベンチャー対策として、プロ専用のIPO市場の構築などがあるべきだ。
 もともとIPOは、リスクマネーを必要とする企業へ、資金を供給する機能。そんな基本に立ち返れば、以下の環境投資とファンドが結びつくような、ハイブリットなIPOが出始めても良い。

大和総研提供レポート
 拡大する市民風車等と今後のファイナンス・モデル

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

会社は誰のものか―日経の場合
 金融・資本市場では、会社を投資・融資対象としてみるので、業務内容や財務データ以外に、会社がどの様に運営されているが知る必要があり、コーポレートガバンスという形でのディスクロージャーを会社に求める。
 我が国の金融・資本市場の機能強化の為に、上場会社等のコーポレートガバナンスについて、金融審議会のスタディグループで、今まさに議論されているところではあるが、最近そのコーポレートガバナンスのコアになる”会社は誰のものか”を考えさせられる事が、3つあった。
 1.本日の日経一面の、日経株主資格訴訟の東京地裁判決の記事
 2.与謝野大臣の”会社は株主のであるという考えは、私にはなじまない”発言(24日の国会答弁)
 3.京品ホテルの旧従業員による運営と、その立退き騒動
まず3.については、外資ファンドに売られ整理されるホテルを、旧従業員達が健気に守る姿が報道され、また強制的に退去させられる姿が、雇用環境悪化する中で世間の同情を誘った(?)。
また2.については、共産党議員の大企業が雇用調整のリストラを進めているのに、株主への配当性向を増加させる傾向が強まったことに関する質問に応えたものであった。
 今更に、会社は株主のものだけであると思う人など我が国の金融・資本市場にはいないが、株式会社という仕組みでは、会社は働く人のものだけでもないし、まして経営者のものでもない。
 何々のものといった言い方が適切でないのかもしれないが、会社はそれに関係するステークホルダーのものという考え方が定着している。そのステークホルダーの中に、株主がいて、会社の財務的な資産という面においては、それは間違いなく従業員や経営者のものではなく、株主のものなのである。だからホテルの建物を、占拠している従業員から取り返すのは正常な行為なのだ。
 そして1.の日経記事について、株式会社である日経には当然株主がいて、社員株主の場合の売買は社内ルールで外部者に譲渡できないことになっていた。そのルールの運用をめぐって、外部に株式を譲渡してしまった元社員と争われたものであった。
 会社法の株主の所有権の行使と、社内ルールの正当性(公正な報道を目的とするため)が、それぞれ主張されたが、東京地裁判決は、社内ルール運用の正当性を認めたものとなった。
 我々金融・資本市場関係者にとって、日経の報道には毎日何時間も接していて、その目的である公正な報道を守られるのは、何より大切なことである。ある意味で、日経のステークホルダーであり、日経は”我々のもの”でもある。
 しかし、この記事は一面で取り上げるべき記事なのだろうか、まして元社員の譲渡先の個人名と広報コメントを一面で載せる必要があったのだろうか。それより金融・資本市場に関する重要な記事があるという想いは、多くの読者にもあると思い、苦言を申し上げる。
 公正な報道がなされる為に、日経のコーポレートガバナンス対して期待したいし、それを考えさせられる本日の一面記事であった。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

次に何をすべきか―ファンドの機能に期待
 最近は物の価格が上がると、ホッとする様な経済環境である。
例えば、ガソリン価格は原油先物とは連動せずに、11週連続で上昇している。市場の方では、金価格の1000ドル台乗せが伝えられるが、この投機資金が、他の商品や金融・資本市場にいつか廻ってくるのではと、淡い期待をしてしまう。
 しかし、現実は厳しく、この金融不況の元凶たる証券化商品の不良在庫は、バットバンクでも官民共同ファンドでも、早く動いて欲しいのに、市場の期待ほど早く進まないようだ。ただし、金融・資本市場関係者としては、今なされている日銀等の買取りに頼り切るのではなく、次に自らの融資・投資行動で動いてくれることを、強く期待もしたい。
 前回の金融不況から大きく成長した金融機能は証券化とファンドであるが、今回の突破口もこの2つがキーワードになるのだろう。
 本日取り上げるのは、不動産の私募ファンド。
住信基礎研究所が国内の不動産運用会社を対象に半年に一度行っている調査では、
○国内の不動産私募ファンド残高は、昨年末で13.2兆円(海外運用ファンド分も含めると15.8兆円)の残高
○一ファンド当りの運用目標額は660億円
○目標IRRは15.2%、目標平均運用期間は4.8年
○殆どの運用者は、今後の賃料の下落を予想
○約8割が、2010年までデットでの調達の厳しさが続くと予想
○エクイティに関しては、国内金融機関が売って、海外投資家・国内富裕層が買うことを期待
○出口戦略に関しては9割が売却は難しくなると予想していて、全体の3分の1がリファイナンスを想定
と、なっており金融不況の厳しさを反映した内容になっているが、業界自体の拡大傾向は続いているので、なんとかこの谷を乗り越えることを期待したい。

住信基礎研究所調査
 不動産私募ファンドに関する実態調査2009.1

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

信金・信組―地域金融における役割とは
 土砂降りの経済状況の中で、金融機関や大企業の資金調達には、日銀等による早急な手当てが為されているが、約400万の中小企業の資金繰りを支えているのは、言うまでもなく地域金融機関である。その中の、信金・信組の機能について、今金融審議会のワーキングクループで議論がなされており、論点が公表されている。(何故議論されているかといった業界的な邪推はしないで、素直に見てみたい。)
信金・信組の機能とは、
☆中小企業への信用供与機能(ビジネスのライフサイクルごとの違い等)
  →ここ数年の貸出しはほぼ変わらす、最近の預貸率は50%台後半まで低下。
☆中小企業再生機能(再生支援に踏み切る際のポイントや、他の金融機関等との債務整理交渉等における役割等)
  →不良債権率は、信金6%台半ば・信組10%(都銀は1.5%)
☆地域金融支援機能(地元の商店街の活性化等に果たす役割の評価等)
  →貸出先の約3割が、地元の小売・卸し関係。最近は不動産関連が増加していた。
☆多重債務者支援機能(地元に密着し、小規模の事業者、消費者の相互扶助を使命とした協同組織金融機関としての役割等)
  →ヤミ金へ中小企業を導かない機能を期待?
☆コンサルティング機能(内部の人的資源の開発/外部の人的資源の活用の別等)
  →地域が期待する機能の44%が、経営相談と営業支援のコンサル的役割。
と纏められている。
 預貸率の低い分、当然に直接・間接で運用しなければならないので、証券会社の営業は随分お世話になった業界でもある。こんな金融情勢だからこそ、地域密着の強みを生かして、地域ベンチャー企業をハンズオンする機能を改めて望むのは、業界の身勝手だろうか。

金融審議会ワーキンググループ
資料
※ご参考までに

テーマ : 証券・金融関連業務
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CFDとCDS、どちらも規制強化へ―でも・・・
 資本市場の専門家としては、恥ずかしながら証券CFD(Contract For Difference)取引に何故規制が必要か、すぐピンとこなかった。
少し言い訳になるが、有価証券に関連したディリバティブは、そもそも金融商品取引法で金融商品として規定され、それ由に当然金融商品取引業者(証券業者)の行為も規制されていると思い込んでいた。しかし、ディリバティブというのは意外と定義が難しい。
確かに、現物取引以外の取引を派生商品=ディリバティブというが、売りと買いの差金を決済しましょうといった契約なら、金融商品と一律に決めかねる難しさがある。但し、この契約が第三者に譲渡されたりしたら、もう立派な金融ディリバティブ商品となる。まして、取引所で一律に取り扱われれば、金融商品として何の疑問もない。

取引所間の競争激化を予感させるCFDを使った日経平均株価取引

 で、行政は何を規制するかといと、CFD業者は差金決済の為に証拠金を預かるのだが、それの分別管理を徹底するという。何か転ばぬ先の杖の様な気もするが、このレバレッジの大きな金融商品に対して、我が国の個人投資家が、欧米の金融機関の様な轍を踏まぬように、証券業者を行為規制でしっかり見張るということだろうか。

対して、米国では今議会でCDS取引を規制しようとする動きが強まっている。こちらは、転んで大けがをした後の松葉杖と思われても仕方が無いが、銀行の倉庫に大量に抱え込んだCDS関連商品を処理する為、規制のみならず対策も同時に期待したい。

大和総研提供レポート
金融規制のあるべき姿とは?~CDSを巡る米国規制~

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こんな今こそ、日本版SWF議論を具体的に
 2/13の日経一面に、”政府系ファンドの利子所得を非課税に”との記事があり、副題に中東などからの対日投資促すとあったが、株の配当は課税対象のままらしい。
 諸兄を前に、今さら株式市場活性化論をぶつつもりもないが、今の市場は、100年に一度の経済危機による実態悪材料に対して、政策期待で何とか買いを少しだけ入れているのが実情と、誰しもが思う。
だから、政治・政策には大いに期待したい。

 日銀の株式買取りも始まるが、金融機関が売りに来るのを待っているだけではなく、もっと実行性・即効性のある政策はないかと探しているのが、今の市場関係者なのだから、何も米国の不良資産買取ファンドの有効性を議論しているだけではなく、日本の政策で可能なことも考えてみたい。

 そういえば、一昨年末から昨年前半にかけて、日本版SWF(政府系ファンドを略するとこうなる)の議論が盛り上がったはずである。自民党の国家戦略本部にもSWF検討チームができ、
   ☆150兆円の公的年金運用のうち、とりあえず10兆円
   ☆30人程度のプロを雇って
   ☆期間は5年前提で、年金運用のアロケーションに囚われず、積極的に運用
が、骨子だったと思うが、自民党のホームページには、今は掲載されていないので、大和総研の以下の説明レポートをお借りした。

日本版SWFの設計図明らかに

もともとは、この問題の源は、諸外国に比べて運用成績の劣る年金資産を、本当のプロフェショナルに運用させ、しかり監視もしようという経済財政諮問会議の方針にあった。

ガバナンスと体制を整えて、国民に有利な公的年金基金運用を

他国のSWFは、昨年前半に金融関連株の結構買っていたのだから、今日本版SWFの公的年金資金で、グローバル(当然日本も含めて)金融機関株を買い取ることは、運用成績の差を一気に詰める国家戦略に沿っていると思うのだが。
どこかの証券会社のファンドみたいで、金融・資本市場の議論としては不謹慎だろうか。

でも、今政治にできる市場対策として、真に期待したい。

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それでも、やはり学ぶべし米国金融
 100年に一度の経済危機の発火点となった米国金融。確かに投資銀行という業態(投資銀行業務という機能は、引続き重要です)は無くなってしまったが、金融が産業として成り立っているだけに、我が国の金融機関が学ぶべきことが多い。
 米国における商業貸出しの約2割を占める動産担保ローン(売掛債権や在庫などを担保)=ABLに関して、日本政策金融公庫が調査レポートを発表した。
 米国では、無格付けやBBB以下の中堅企業のファイナンスに使われることが多いが、最近はM&AやLBOなどの際の資金調達手段としても使われるようになっており、通常は数十億規模・3~5年の貸出しも、大口化するケースも見られるようになってきたという。
 換金性の高い動産だから注目されているわけではなく、貸し手側はむしろ
    ☆企業のゴーイングコンサーンを旨
としており、事業の安定性・継続性が重要な判断基準となっている。
これを支えるのが、
    ☆モリタリングの徹底
であり、
    ☆その実務を担うサービス専門会社
であるが、米国金融業の強さは、この様なファイナンススキームを支える専門会社の裾野が広く、また独立したビジネスとして成り立っていることだろう。このローンの実地調査をする専門会社では、在庫把握の為、商品をGPSで追跡もするという徹底さが報告されている。
日本においても、このABLを活用しようとする動きは拡大しているようで、2005年10月に動産・債権譲渡登記制度が施行、2007年6月にABL協議会が発足している。
 金融とは何か、改めて考えさせられるレポートである。

日本政策金融公庫レポート
ポイント
米国におけるABLの機能と実態

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

ファイナンス―市場仲介者はもっと頑張ろう(東洋紡の資本調達)
 金融危機の解消は、未だ遠しの市場コンセンサスのようだが、企業に資金を供給する金融本来の機能について、日銀の買取機能に期待するのではなく、金融機関自らがもっと頑張って企業ファイナンスに取組むことも必須だろう。
 昨日公表された東洋紡のファイナンスに関して、簡単に解説したい。
☆目的:資本調達(但し連結ベース)
☆手段:
 その1=ケイマンにSPCを作り、優先出資証券を220億円発行
 その2=金融機関8社が同優先出資証券を購入
 その3=東洋紡が永久劣後債を同額発行し、それSPCが購入、結果として上記金融機関の資金が東洋紡に渡る。
☆効果:東洋紡本体は永久劣後債という資本性の強い負債だが、連結ベースで約160億円の資本にカウントできる。(220億の劣後性負債が約160億の資本にカウントするのは格付け機関の評価)

以上が公表ベースだが、少し補足(筆者の推測も入る)すると、
☆目的:金融機関からの借入を減らして財務基盤強化(つまり資本として調達したものを、借入の返済に充てるのだから、会社にとってはデットエクイティ・スワップの効果に近い)
☆効果:会社が発行する永久劣後債は、いつまでも償還しないのではなく、約6年半後にコール条項がついて、東洋紡の意図で返済できる。その間、約4%台の金利を金融機関に払うことになる。
また株で160億円の調達をしようとすると、現状だと1.2億株発行(発行済みの約17%)しなければならないので株価下落も想定された。
☆影響:負債を減らし、資本を強化するのだから、東洋紡の格付け維持若しくは向上にプラス。金融機関にとっては、貸出金が返済期日の不安定な劣後性負債に変わるが、その分金利収入はアップする。株主にとっては、株価に直接影響なく、多少借入金利アップで社外流出は増えるものの、財務基盤が強化される会社になる。と、一応3者一両得のスキームとして現状では評価されるのではないか。

金融危機からの経済環境悪化で、財務基盤を強化したい企業は多々あると思うが、株式での調達が困難な現状にあっては、この様なスキームを地域の企業までが活用できるような、市場仲介者機能の頑張りが、証券や地域金融機関にも求められているのではないか。

東洋紡
ハイブリットファイナンスによる資金調達

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

会社は誰のものか―コーポレートガバナンス強化における機関投資家
 今さら株主のものと単純な答えは無くなったと思うが、京品ホテルの一連の報道にも違和感を持つ。会社が、関係者=皆のものなら、その会社の維持にも、関係者其々が責任と其れを果たす義務を持つべき。
 株主+将来株主を含めて投資家は、以下の形で公開会社のコーポレートガバナンスに参加するが、
 1.売却、若しくは買付ける。
 2.議決権の行使を通じて、ガバナンスの発揮を図る。
 3.IR活動等の経営者との会話の中で、経営について議論を行う。
これらを可能とするには、投資家側の売買・議決権行使の基準も、公開企業の経営者にとって明確でなければならないはず。特に機関投資家は、個人投資家からの受託者責任もあるのだから、その議決権行使には、運用目的に沿った明快さがなければならない。
 開示制度による企業への影響は所詮限界があるのだから、株主として参加しているのであれば、議決権行使を通して、ガバナンスに積極的に参加する機関投資家を育てるこそこそ、この国の企業の価値を高め、結果として金融・資本市場の競争力を向上させるとこにもなると期待したい。
 ただし、議決権行使のインフラ整備やIR促進に関しては、取引所やその仲介業者たる金融機関の努力不足も、今なお否めないのも現状である。
例えば、電子議決権行使を促進する仕組みを、企業から費用を徴収するのではなく、業界で企業及び機関投資家に提供する仕組みを提供されては如何か。

金融審議会
我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ
関係資料(コーポレートガバナンス)

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

排出量取引―金融商品としての取り扱いを早期に!
 上海環境エネルギー取引所で既に排出量取引、3月の取引所竣工を前に、日本の政府・経済界に働きかけ。という2/13の日経記事に、久し振りにCO2排出量の価格を調べてみたが、日経・JBIS排出量取引参考気配は1200円(1t当たりのCO2排出量)で、一年前の半分以下、年初の1600円から25%も下げている。一年前に比べて、CO2の排出量が半分以下に減ったのかという悪いジョークは、さて置き、金融商品としての取り組みは、進んでいるのだろうか。
 東証では、年内に取引所開設を目指すというが、誰が、どの様な排出量を、どの様な取引方法で、取引していくのか、一般の方々には分かり難い。確かに、京都クレジットのCER取引前提に議論しているようだが、国内で始まる排出量取引とは?東京都が計画している排出量取引とは?信託銀行が販売し始めた受益権信託型の排出量とは?
また、電力が発行しているグリーン証書、一部流通が始めたカーボンオフセット商品との関連はどの様になるのか。取引の参加者になる金融機関の営業現場で対応できるのだろうか。
(※上記は、其々の制度が違うが、一部リンクしている部分もある。)

三菱総合研究所提供レポート 
 望まれる日本発「排出権」の整理

金融危機で、日本の金融機関も諸々の後ろ向きの処理に追われているだろうが、周回遅れと言われた金融機能を、今こそリードできる可能性があるのだから、業界をあげて早急に金融商品としての排出量取引制度を整備していくことを決意されては如何か。そのことが、この様な厳しい環境の春一番となって、我が国の産業界の競争力強化に結果として繋がると信じたい。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

金融危機、少しだけ単純に考えてみよう
 少し眉間に皺をよせて、肝を据えたように会見していたガイトナー財務長官の金融安定化策が公表され、市場は失望売りから入った。どうも不良資産買取りの仕組みに市場の不満があるようだが、そもそもの金融危機の原因は、米国発なだから、実効性のある思い切った政策に、大いに期待するのは当然だろう。
 しかし、詳細な分析はアナリストに頼るとして、今回の施策は、失望するほどのものなのか。
 金融危機なのだから、あちこちで金流が滞り、金溜まりをつくって、各経済部分が麻痺してしまう。だから、国債や社債・CPの買取りを積極的に行い、とりあえず短期資金の滞留を解消させる政策を、各国とも実施している。
加えて、米国は不良資産(民間だけでは値段がつけ難い)買取という、長期資金供給に影響が強い施策を、決定した。これで、金流の滞りは、かなり解消に向かうのではないだろうか。
 実態経済の悪化が進むのは仕方ないとして、これで金融=金流の問題は解決に向かわないのであれば、更にドルは暴落してしまうのだろうか。
 市場においてセンチメントは重要だが、最終的な方向性は需給が決める。最近、短期金融市場におけるドル不足という情報は浸透してきたが、ガイトナー財務長官の必死の形相を受けて、米大手銀行の経営者も、意を決して、不良資産の売却に応じることを、祈るばかりである。

日本証券経済研究所提供レポート
国際金融危機と短期金融市場

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期待される証券・金融機関のIT投資の高度化
この金融危機の折、証券・金融にとって真っ先に削減されるのは、IT投資と間接部門の人員ということだろうから、何か時流に反したテーマの様に思われかもしれない。
 しかし、株券電子化で有価証券の完全ペーパレス化が遂行されたのだから、商品としての有価証券はデータ化され、それに伴うサービスもITを益々用いていく必然性は否定できない。
ただ今まで証券・金融業界の特質として、人やお金の投資はどうしても営業・トレーディング部門に偏りがちであった。
 確かに、アルゴリズム取引や高速取引へのIT投資は、業界全体に恩恵をもたらし、今や個人取引レベルまで取り込まれているのは業界にとって好ましいことであったが、今、証券・金融に求められいるIT投資は、金融サービスを持続的に行う為の信頼性・安定性を強化するものではないか。
 例えば、リスク管理。個々の商品部門や営業部門のリスク管理を徹底するもの勿論だか、全社的もしくはグループ全体のリスク管理システム・各部門のリスク管理情報が、全社的視点で共有されコントロールされるリスクコミュニケーション。
同一金融グループにあって、住宅ローンを取り扱う部門が変調を察し、証券化およびトレーディング部門とそのリスク情報を共有できていれば、サブプライム関連商品での痛手も小さいものに抑えられた。そんな考え方を示すのが以下のレポートである。

野村総合研究所提供
リスク管理の高度化とリスクコミュニケーション
参考:野村総合研究所提供レポート
金融危機の中のIT投資

 加えて、ファイアーウォール規制緩和から、証券・金融は、法人顧客情報の管理を、営業プロセスに応じて継続的に管理・コントロールすることが重要になるのだから、この部分のIT投資にも注力することが、将来の法人営業基盤を左右するとも考える。

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上場会社のファイナンスかくあるべし―野村HDの資本調達
 2月6日(金)東証大引け後、野村HDが株式による3000億円の資本調達を発表した。通常、株式による資本調達は、市場への需給悪化によるマイナス要因と、新たな資本が生み出す新たな企業価値のプラス要因をもって、市場での評価は定まる。とはいっても、実際は市場は常に変化しているのだから、、企業の調達したい金額と、市場の受容量が一致するようなベストディールはなかなか難しい。
 この様な難しいことを、企業と市場の間に立って媒介するのが投資銀行だったはずだが、実際は企業側の調達ニーズに寄るか、IPOの様に逆に極端に投資家側の受容=需要を偏っていた。調達ニーズにより過ぎれば、長期の株価低迷が予想されるが、ファイナンスは企業にとっても重い作業なので、投資銀行は事前の需要予測(ファイナンスが公表される前の需要調査)を綿密にしようとする。いきおい大口の機関投資家などにソフトヒアリングしたがる業者もいたように思う。
 勿論、投資銀行だから情報管理はキッチリしているだろが、ファイナンス銘柄ほど直前株価の低下傾向が強かったのを否定出来ない時期もあった。
 企業が、ちゃんと必要資本額を明示して、市場の受容=投資家の需要に沿った調達をする仕組みとして、発行登録制度は、上場会社のファイナンスには、もっと使われるべきである。
 企業側は、その時需要が集まらなくても、期間内に何度も市場需要に合わせたファイナンスがトライできるのが、この発行登録制度で、社債では多用されていた。
昨年の金融危機以来、事実上エクイティファイナンスが難しい今こそ、この市場需要に応えやすい発行登録制度を利用した株式発行による資本調達を選んだ野村HDは、流石に資本市場のリーディングカンパニーである。
 多少注文をつけるとすると、調達の効果=資金使途に関しての情報提供を、一般投資家にも分かりやすいものにする必要がある。(発行登録書のリスク情報には、リーマン買収について具体的記載がなされているが)現行の開示制度では、事実か会社の決定したことしか書けないが、”連結子会社への出資もしくは融資”のみの記述では、個人投資家には分かり難い。
 幸いにして、2009年度に予定されている金商法改正では、開示制度改革が上がっていて、投信の目論見書の分かり易さと共に、発行登録書の使い勝手の良さが改正されそうである。
 金融・資本市場の機能強化のために、大いに期待したい。
【金融審議会 ディスクロージャー・ワーキンググループ報告案2008.12.9】
―開示制度の見直し
  ☆発行登録制度の見直し
  ☆目論見書制度の見直し
  ☆「有価証券の売出し」概念の見直し

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政府紙幣論議について
 本日の日経コラムの後半にも取り上げられているが、最近”政府紙幣”議論が盛んらしい。
 日銀の金融危機に対する一連の対策での国債買取からの発想だと思うが、通常の流通する利付国債ではなく、政府が金利なしの国債を発行したら、当然投資家は誰も買わないが、日銀が買い取れば、”政府紙幣”。政府が財源の心配なしに、米国や中国の様な大規模な景気刺激の政策が可能になる。
 荒唐無稽の悪いジョークではなく、この金利なしの国債の償還財源に、将来の消費税引上げを担保にするなら、財政均衡のルールを守りながらも思い切った公共投資が可能となるらしい。
 何か追い詰められた窮余の一策の様な気もするが、消費税引上げ前提は現実に進行している我が国の老齢化対策ではなかったのだろうか。まあ景気が良くなれば、税収も回復するから何とかなるかもしれないと、国や地方の債務が700兆円と10年間で倍近くなったのが現実。
 金融・資本市場から見て、我が国にも思い切った景気刺激策が必要なことは、衆目一致するところだが、何とか国の格付けが下がらない政策を望みたい。
 金融機関の保有する国債の価値が下落すれば、せっかくの金融危機対策の効果も薄れるし、国の格下げからの通貨の下落は、円高になれた国民経済にとっての不幸な出来事となる。杞憂であって欲しい。

第一生命経済研究所提供レポート
政府紙幣というアイディア

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地方銀行の金融イノベーション?:ポイント・電子マネー活用
 金融危機の折、金融イノベーションとは少し面映ゆい気もするが、金融サービスにおいても”ポイント”は導入されていて、投信や外貨預金・ローン等の新規開設で付与され、概ね数千円程度の経済メリットが享受出来る。しかし、家電量販店などで10~20%付与されう”ポイント”とは比べるべくもないが、動かすお金の額の割にはインセンティブが小さい様に思われ、他行との差別化になり難いのではないか。
 ただし、この”ポイント”は、他社のポイントと交換できるようになっていて、電子マネーへの転換も可能になっているのが最近の潮流でもある。地方銀行もそうなれば、銀行で得た”ポイント”で、コンビニで買い物したり、電車に乗れる―――銀行の”ポイント”も個人の生活にとって大いに意味のあるものに変わる。
 加えて、個人の感覚として、まだ日本では電子マネーへのチャージが不便と感じることが多いが、銀行のATMでチャージ出来るようになれば便利である。(ごく一部の金融機関で始まっている)
 確かに、”ポイント”にしろ電子マネーにしろ、法制度が未整備な面があるが、決済手段として制度整備することは決定していて、その論点整理は昨年末金融審議会決済ワーキングクループで纏められている。
 電子マネーの使用経験は、東京圏70%に比べ地方は30~40%と低いが、だからこそ地域の金融機関が、地域経済活性化目的や決済サービス向上目的で、他の”ポイント”との交換の促進や、電子マーネーへの取り組むことが、地域にとっても、金融機関にとっても、重要ではないだろうか。

NTTデータ経営研究所
電子マネーとポイントの動向と地方銀行における活用視点
※上記レポートは地銀協レポート2008.7に掲載されている。

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それでも、やはり金融危機:有効な政策は?回復の転換点は?
 昨日2/3公表された日銀による銀行保有株の買取に関しては、そんなに自己資本も痛んでいないのに、実現損まで出して売却してくるのかといった疑問がアナリストから出されているが、実際その通りだろう。しかし、実体の経済悪化に対して、将来の回復を促するであろう政策に期待しているのは、何も米国だけでなく、日本もそうなのだがら、受け皿として用意された日銀の早めの政策執行は、CP・社債の買取とともに、大いに評価されるべきだろう。
日本銀行による金融機関保有株式買入れの再開について

 最近の経済関係レポートは、その半数近くが金融危機に何らか関係した物だが、原因解説から対応策議論に移っていることは、好ましい。政府・金融当局の政策にも、大いに期待したいが、何を政策として期待したいか。また回復の牽引役は、米国なのか、中国なのか。内需拡大なのか、環境政策なのか。円高前提で、本当によいのか(ちなみに昨年第4子半期の貿易収支は赤字で、この傾向は世界景気回復まで、しばらく続くと見られている。)
以下のレポートは、総合開発機構が取りまとめたものだが、巻頭で伊藤理事長が、各々のレポートの前提に疑問符を付けられているのが面白い。
 世界金融危機と日本経済

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新しいビジネスモデル―新しい投資銀行に期待したいこと
 投資銀行は、金融・資本市場に新しいツールを生み出し、企業や投資家のニーズに答えてきたはずだが、そのツール使用目的を間違ったり、ツールに関する説明や情報を正確に伝えてなかたり、ツールにレバレッジを掛け過ぎたりしたことが、今回の”金融危機”の根底にある。
 例えば、今は普及した仕組み債も、投資家ニーズに合わせた金融イノベーションの一つだったはずだが、いつの間にか販売手数料の厚い商品としての取り扱いで、今は個人営業現場にまで浸透している。
 勿論、仕組み債は今でも、投資目的によっては有効な商品だが、近年問題になった学校法人や共済組織のような公益法人にも、元本保障の高利回り債券として販売された。ただし、元本保証は数十年後という先なので、売買の双方の担当者は最終的な投資結果に関与しない。
 この様な金融商品販売が悪いのではなく、せっかく新しい金融商品(デェリバティブを含む)を使ってもらうのに、証券・金融機関は製造業の現場で起きている変化に学ぶ必要があるのではないか。
 それは、製品を販売するだけではなく、その後のメンテナンスやアフターサービスでも収益を上げるという製造業の販売現場でのビジネスモデルの変化である。
 証券・金融機関も、金融商品を販売することが目的ではなく、投資家や企業の目的を支援するリードの長いビジネスモデルに転換していくことを期待したい。
 日本の金融は、日本の製造業に、今一度学ぶ必要がある。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 提供レポート
失敗が相次ぐ私立大学の資産運用
大和総研提供レポート
製造業におけるサービス化の動き

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法人顧客情報管理:ファイアーウォール規制緩和対策(1)
 法人営業の現場では、顧客との情報共有同意書(オプトイン)で苦労されている方々も多いと思うが、昨年の金融商品取引法改正でファイアーウォール規制の緩和として、オフトアウト導入による銀行・証券グループ間での法人顧客情報の共有が認められる。
 勿論、営業現場で法人顧客にニーズに応じた金融サービスを、親銀行と子証券で組んで提供するのは良いことだが、
 ○利益相反管理体制の整備
 ○優先的地位の乱用防止
を前提に、法人の非公開情報の共有が、銀行・証券の金融グルーープ間で認められる。
 では、どうやって整備したり、防止したりすればいいのかは、昨年11月に公表された金融商品取引業者向けの総合的な監督指針(案)が出されており、それに対するパブリック・コメントが1月30日公開された。
 証券・金融が何を考え問題視しているかは、このパブコメが役立つが、約300項目以上・90ページ超なので、気になるポイントを何点かお伝えする。
 ・法人顧客に対して、オプトインが選択できる通知を、少なくとも年一回通知しなければならない。
 ・制度的には、営業現場で銀行・証券の兼務が可能だか、共有情報と非共有情報を分けて管理しなければならないので、営業兼務で対応する部隊は、共有情報のみにアクセス可能な非常に限られた営業組織として管理されそう。(つまり、かなり規模の限られた特殊な存在?)
 ・顧客情報は、内部管理目的と営業目的に分けて、かなり厳密に管理する必要なある。
 ・利益相反確認の為、その類型化と顧客への通知が必要になり、これだけでも相当なデーターベースの構築が必要か。
 いづれにしろ、証券・金融機関にとって、法人顧客情報は、個別に情報タグでもつけて、蓄積された情報のみならず、情報取得のプロセスおよびその後のアクセスについても、厳密に管理する必要が増している。
 今後、規制緩和の影響やパブコメの内容について、持続的にお伝えしたい。

金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針(抄)

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