*All archives* |  *Admin*

2010/01
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
みんなが取引所に求めるもの=その2
取引所は、取引業者が集まって取引する場なのだから、やはりみんなの中では取引業者は主役になる。但し
株式の取引で始まった取引所も、債券・先物・オフション・投信と上場させて取引する金融商品の範囲も広がっているので、取引者の範囲は、当初の証券会社(現在の第一種金融商品取引業)から銀行(登録金融機関)まで拡がっている。当初は、証券会社の共同出資の形で始まった取引所だが、この出資金は取引に参加するための会員権と姿を変え、バブル期には東証会員権は、10億円を超えると言われていた。会員権=取引参加資格の時代の話だったが、会員制組織の取引所の株式会社化により、会員権は株式(つまり取引所資産の持分)へ変更され、取引資格も会員権から分離され、東証の場合以下の様になっている。

・総合取引資格:取引所に上場する全ての金融商品を取り扱えるが、当然証券会社のみで、外形基準として資本金3億円純資産10億円以上等がある。取引を始めるにあたり、入会金として1億500万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。
・国債先物等取引資格:証券会社以外に銀行や保険会社も参加可能。外形基準は、総合取引資格と同様だが、入会金として3150万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。
・指数先物等取引資格:指数先物取引及び株価指数オプション取引が対象で、証券会社だけの参加。外形基準は同様。入会金として1050万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。
・有価証券オプション取引資格:証券会社のみとなり、外形基準は同様、入会金として1050万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。

この他に、海外取引業者が取引所取引に直接アクセス可能なる制度として、東証は昨年2月から“リモート取引参加者制度”大証は昨年6月から“国外取引参加者制度”といったリモートメンバーシップ制度を始めている。
海外取引業者の初期費用を10分の1程度に抑えて、取引需要を海外から直接取り込もうという試みだが、現在のところ制度参加者はいない。
 以下、取引業者の主な要望と最近の状況を見てみる。

【効率的な取引システム】
 東証の取引システムは、先物・オプションが昨年10月、株式等がこの1月から新システムに切り替わって、注文処理速度等の能力が向上している。ミリ秒単位の注文処理も可能となり、海外投資家などのアルゴリズム取引誘導が期待されている。東証新システム(株式)の稼働状況は、28日以下の内容が公表されている。
・全銘柄平均TICK回数(値段がついた回数)
新システム稼働前の12月後半は200回程度だったが、新システム稼働後は倍増して400回程度に上昇している。
・売買代金は増加傾向にあり、今のところ堅調に推移している。
・新システム稼働後の注文件数は、7~800万件に増加しているが、約定率は40%弱とやや低下気味

【プロ向け市場】
 昨年の6月に、ロンドン取引所との合弁のプロ向け取引所としてTOKYO AIMがスタートしているが、残念ながら未だ株式の上場はない。しかし、個人も参加する市場とは開示ルールが異なるプロ向け市場としての機能は注目されていて、現在は機関投資家間で取引される社債流通市場機能や、最近報道されたアジア向けインフラファンドなど、プロ投資家(特定投資家)の投資資金活用を前提として、関係者間での検討が進められているようだ。

【東証上場問題】
 東証の株式会社化以前の取引参加者である証券会社にとって、東証の上場問題は注視するところだ。それは、会員権が株式に替って資産化が明確になっている。しかし、昨年12月に東京地裁で出されたジェイコム事件に係る訴訟で、東証は132億円(賠償金107億円+遅延損害金25億円)の損害賠償金を今期支払っている(訴訟は継続中)。取引量そのものが、3割程度落ち込んでいることもあるが、今期通期で赤字の可能性もあり、また大きな訴訟案件が解決しなければ、東証そのものの上場計画が2012年以降になる可能性も報道されている。

以上、みんなの様々な期待を背負っている取引所は、やはり日本の資本市場のコア・インフラである。しかし、そのインフラを活用する責任は、取引参加者にあることも、忘れてはならない。

スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

みんなが取引所に求めるもの=その1
 金融・資本市場の中核機能と分かりきったことを、今更言うつもりもない。しかし、年々、みんなが取引所に求める物は、多くなっていると感じるので、ここでみんなが取引所に求めることの現状について考えてみたい。
そもそも、みんなとは誰の事なのか整理しながら、その要望に対する取引所の最近の対応を見てみる。

【株主・投資家】
・多様な投資商品に対するニーズ→東証は、100銘柄を目標として、債券・商品関連の多様なETFを上場させている。既に報道されているが、東京工業品取引所の金・白金の先物取引に投資するETFが大証に2月上場される。東証も現在は未だない内国商品現物型ETFの上場をめざして、信託銀行が管理会社となることを可能とする制度改正を、3月目途に行う。
・リアルな投資関連情報の提供→よく投資家が求めるアナリスト・レポートは、証券会社の問題だが、取引所は適時開示システム(TDnetシステム)で応じている。但し、上場株式関連だけなので、ETFが将来欧米の様に、4~500も上場されれば、これらの指数情報をリアルで開示することも必要になるかも知れない。

【上場企業】
・資金調達の場としての機能→昨年の4月から12月までの間、上場企業(金融機関などの大企業中心だが)は5兆1943億円の資本調達を行った。この分は上場されるので取引所の収入増になるが、同期間の東証の上場関係収入は101億円と前年比64%増加した。(取引関連に伴う収入は、概ね3割減)
・新興企業の開示負担の問題→最近はその効果を疑問視する投資家サイドの声もあるが、4半期開示と内部統制報告は企業にとって負担が重い。新規上場数昨年19社という32年振りの低水準は、金融危機のせいだけではないと
・IFRS(国際財務報告基準)の勉強会→今年3月期から、上場企業の早期適用が認められる。東証の上場制度整備の実行計画2009でも、上場企業のIFRS導入への協力がうたわれている。上場会社にとっては、いずれ導入を求められのだから、有り難い話だろう。ただし、IFRSそのものも、予定されている金融商品関連の見直しが、遅れている難しい状況でもある。

【金融行政、その他官庁】
・コーポレートガバナンス強化の機能→上場会社の無謀な第3者割当や粉飾決算・防衛策などから、金融審議会や経済産業省のワーキングで検討されたが、取締役の独立性などは法制化ではなく上場ルールでということで、取引所に問題は投げられている。新政権になって、公開会社法の話が再び話題になっているが、東証は昨年末、上場企業に対して“独立役員”(独立性の高い取締役若しくは監査役)1名以上の導入を求めている。但し、強制ルールではない(不可能な場合は、その理由を開示する)ので、多少腰が引けた感が否めない。
・清算機関設立への取組み→本来は、お互い相対で取引していたものが、取引量が多くなり取引所へ、そして清算機能も整備するという順番になるのが、取引所インフラでは普通だろう。しかし、金融危機問題から、日本では、まだ取引量が少ないCDS取引の清算機関を、嫌がる外国系金融機関や現在の主要プレーヤーを抑え取り纏めて、清算機関をつくる役割を、東証や東京金融取引所が担おうとしている。
・排出量取引所構想への対応→これはもっと難しい課題になっている。排出量取引のベースになるキャップ・アンド・ドレードの仕組みを、新政権はマニュフェストで導入すると言うが、その仕組み自体が見えてこない現状にある。しかし、東証と東京工業品取引所は、本年中に排出量取引所設立に向けた共同出資会社を設立する。
※以下、次回へ

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

CFD取引と信用取引
 CFDを取り扱う証券会社や先物会社(有価証券以外のCFDを取り扱うのであれば、金商法に定める第一種金融商品取引業者=証券会社登録はいらない)が、この一年で随分増加したことはお伝えしたが、CFD取引という金融商品の中身を、今後どうなるのかという事も含めて考えてみたい。同じ様に投資のレバレッジが可能な証券会社が扱う“信用取引”と比較すると、以下の様な事が明確になる。
【基本的な仕組み】
・CFD:投資家は現金の証拠金を差入れ、注文を出すが、取扱業者は相対取引でその約定を受ける。注文を受けた取扱業者は、その取引のカバーを行う為に、カバー業者と同内容の取引を行う。カバー業者は、実際の市場での取引を実行するが、レバレッジが掛かった取引の場合は、買いの場合は購入代金の融資を、売りの場合は対象商品の手当てを行う。つまり、投資家はレバレッジの掛かった取引を継続するのなら、カバー業者の取引に係る金利相当分を、負担(買いの場合)若しくは所得(売りの場合)することになる。
・信用取引:投資家は現金若しくは有価証券を担保として差入れ、注文を出す。注文を証券会社が取引所に取次ぐ場合、現金も若しくは有価証券(現金換算の掛け目は、MAXが協会ルールで定められる。)が委託保証金として見做され、レバレッジの掛かった場合は、売買注文を取り次ぐ証券会社が、不足現金部分の融資若しくは株式の手当てを行う。投資家は買いの場合の金利分を負担する。(売りの場合、現状は低金利なので、投資家が金利を所得することは余りない。)
【金商法上の取り扱い】
・CFD:店頭デリバティブ取引(一部株価指数は、取引所に上場される可能性もある)
・信用取引:通常の有価証券取引(投資家への信用供与は、注文を取り次ぐ証券会社が行っているという考え)
【取引対象】
・CFD:株式や債券(海外市場上場を含む)、市場指数、商品先物等(基本的に市場へのカバー先さえあれば、何でも可能。例えば排出量取引なの)
・信用取引:上場株式の一部、売りに関しては株式の手当てが可能なものに限られる。
【取引期間】
・CFD:相対取引なので、カバー業者さえ認めれば無期限も可能。但し、高金利国の市場を対象にしたものは、高金利負担が投資家に掛かるので、通常はレバレッジの高さも考えると短期的売買に利用される。
・信用取引:制度信用は、6カ月間。一般信用は、証券会社毎に期間を取決められるので、無期限(実際は3年程度まで)も可能となっている。
【レバレッジ】
・CFD:現状は、1~100倍程度まであるが、来年1月1日よりCFD取引に対してもレバレッジ規制(FX取引は、本年8月1日より段階的に)の対象となる。株式=5倍、指数=10倍、債券=50倍までのなる。
・信用取引:3.3倍まで
【ロスカット・ルール】
・CFD:現状は取扱業者の独自のルールによるが、上記のレバレッジ規制に合わせて、日本証券業協会による証券会社の自主規制ルールとして、ロスカット・ルールが来年1月1日より義務化される。例えば、100万円の証拠金で、500万円相当の株式をCFD取引していた場合、420万円以下に下落した場合、ロスカット取引の反対売買を執行しなければならない。(証拠金率=含み損80万円で、投資対象の4%に低下←20%(証拠金維持率))※1分未満に、証拠金維持状況をチェックしている場合は、410万円以下(証拠金率=2%低下)
・信用取引:反対売買を強制されるのは、各社の信用取引ルールによる。

以上、CFD取引と信用取引は、双方ともレバレッジ取引ではあるが、相当異なる取引内容となる。来年からのロスカット・ルール適用されれば、更にCFDはオプション取引に近づくように思うが、金融商品市場のイノベーションであることには間違いない。市場の多様性維持の為にも、大事に育って欲しいと願う。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

あえて考える清算機関議論
 一見、非常にマニアックなテーマに思える。だいたい清算機関とは、何かというところから始めなければならない。金融商品の取引は、売買を約定する取引があって、その取引を決済すれば終わる。原則その通りだが、では日本の金融・資本市場に当てはめてみた場合、取引所があって、金融商品を決済する証券保管振替機構(ホフリ)か日銀(国債)があれば、金融商品の取引は終了するかというと、当然の事だが金融商品の売買に伴って、お金が動く。清算機関の機能は、この金融商品の取引内容を照合し、決済機構での金融商品の移動を指示し、お金を日銀・金融機関内で振替える作業を行う。勿論、取引者同士が相対で取引に伴う決済を行うことは可能であるが、清算機関利用は、取引に伴う決済リスクを低減させ、かつ取引をネッテディングすることから決済作業の効率化にも繋がる。少し大雑把な例えで恐縮だが、麻雀で一場毎の点数計算や点棒のやり取りをしないで、ハンチャン終了した時点で、場代分まで差し引いて点数計算を行うのを、清算機関と思えばイメージが近い。一場毎、点数計算をして、相手とその点棒のやり取りをするのは、楽しい行為かも知れないが、纏めて自動的に対応してくれる清算システムがあれば、麻雀の参加者は、この点棒計算の煩わしさ解放される。まして4人以上で行う金融商品取引においては、取引参加者は清算機関があれば誰しも便利と考える。
しかし、問題は場代=コストにある。コストは、初期費用と維持費用そして清算基金に分けられるが、これらは取引参加者が応分に分担したり、取引に合わせて負担する。取引参加者は、取引の増加は望むが、コスト負担は嫌うのが当然であり、通常は取引の急増により、決済現場での不都合がなければ、なかなか共同で清算機関を作ろうという発想にはならない。特に清算基金の拠出は、主要な取引者にとっても負担感の大きなものになる。
但し、清算機関にとっては、清算基金は清算システムに劣らす重要なものになっている。つまり、金融危機の様な事態になり、大手の取引者が破綻して金融商品の決済が不能となった場合、損失が発生する。その損失をカバーするのは、通常
①破綻した取引者からの担保
②清算組織内の、何らかの清算基金
③取引参加者間での分担
となるが、原則②までで終了しなければ、清算取引そのものに問題を生じる。つまり、清算基金の大きさが、清算取引=取引そのものの規模に影響を及ぼす可能性が大きい。

 ここで今何故清算機関を見直し、CDSや金利スワップなどの清算機関を日本にも作ろうという事になっているか考えてみると、発火点はCDS取引である。欧米の金融機関に於いて、頻繁に取引されていたCDS取引であるが、通常の金融商品と異なり、デリバティブ取引なので、ISDAベースの契約書のやり取りが基本になる。そして、その契約書に沿った利払いなどのオペレーションが履行されなければならない。その為の契約書をストックしておく記録機関は、米国の清算組織のものを皆で使っていたが、CDSの清算機関は無かったので、金融危機時に、CDS取引の実態を容易に把握できなかった。その為、欧米金融当局はCDS清算機関創設への圧力を金融業界に掛け、そして欧米にはCDS清算機関が設立された。日本にも、CDS清算機関は必要とされている。

 CDSは、元々は社債やローンのクレジット・リスク回避の為の取引なので、CDS清算機関設立は社債やローンのクレジットマーケット全体にも影響を及ぼす。日本にも清算機関はあった方が良いのが当然だが、問題は日本においては、CDSの取引量そのものが少ないと言われ、では取引量の多い金利スワップも含めて、店頭デリバティブとして清算機関を作ったらどうかというのが現状だ。
 CDSも金利スワップも、大手金融機関同士の取引が中心になり、特に外資系金融機関が主要な取引者になる。外資系金融機関の本音とすれば、欧米に既にCDSや金利スワップの清算組織があるのだから、そっちを使って欲しいということだろうが、取引所やホフリとともに、清算機関はその国の金融・資本市場の重要なインフラである。外資系には、清算機関へのアクセスコストは払ってもらうとして、日本の大手金融機関による清算機関設立の為の清算基金拠出など、主だったコストを負担してもらう金融行政の方向性があっても良いのではないだろうか。
それが、ここ一年資本市場から大量に資本調達した大手金融機関の、日本の資本市場に対する配当になると考える。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

ETF市場拡大?=上場投信としての意味
 1月25日の日経では、投資信託のグロソブ(グローバル・ソブリン・オープン)とETFの上場インデックスファンド海外債券を比較する記事が掲載されていたが、どちらも海外債券と運用対象とする毎月分配型の投資信託である。この2つの商品は、運用スタンスは異なるが、昨年7月には三菱系の企業を運用対象とするETFが上場された際、ほぼ同時期に、同様に三菱系の企業を運用対象とする投資信託が募集されていた。2つの商品の運用対象とする企業名まで調べたが、ほぼ同一の企業であった。この三菱系企業に投資するETFと投資信託で、異なることを上げると、ETFは証券会社ならどこでも購入することは出来るが、投信信託なら運用会社が指定した証券・銀行でしか購入できない。よく考えると、どちらも同じ投資信託なのに。
 そもそもETFとは何か。ETFとは、"Exchange Traded Funds"の略称で、証券取引所(Exchange)で取引される(Traded)投資信託(Funds)のことで、株価指数や債券指数など、特定の指標への連動を目指すインデックスファンドと、QUICKマネーライフは説明している。(ETFのメリットは、左記若しくは東証のETFスクエアをご参照)一見、ETFの方が購入しやすそうだが、投資信託を取り扱っている銀行では、取り扱わない。正確に言うと、一部の銀行の窓口では、証券仲介業者として系列の証券会社へ取次ぐことは可能だが、取り扱うETFの銘柄はかなり限定されている。
 このETFは、個人金融資産を、貯蓄から投資へ導く道具立てとして期待されていて、東証では本年度内に100銘柄の上場を目指していた。事実、東証でのETF数は増加していて、2007年34銘柄→2008年58銘柄→2009年70銘柄(更に2月まで、2銘柄増加予定)となっている。(大証も、昨年は2銘柄増加して12銘柄となっている。)この数字は、アジアでは香港取引所の43銘柄、韓国取引所の50銘柄を抑えてナンバーワンとなっている。
ちなみに欧米の取引所の昨年末ETF上場数は、ニューヨーク取引所の1065銘柄、ドイツ取引所の547銘柄、ユーロネクスト(パリ)取引所の497銘柄、ロンドン取引所の370銘柄となっていて、ニューヨーク取引所が前年比3割銘柄数を減じた以外は、のきなみ2~3割ETF数が増加しているのが、世界の取引所のトレンドになっている。
東証のETF増加努力も頼もしく感じるが、ETF売買取引金額ベースを見ると少し事情が異なって見える。東証ETFの売買取引金額の総額ベースは、前年比で約2割近く減少しているが、前年比でロシア株指数連動ETFが5倍になった大証は、3割増加となっている。アジアの中で見ても、昨年1年間の取引金額総額(ドルベース換算)は、東証の204億ドル(大証は231億ドル)に対して、上海取引所の843億ドル、香港取引所の644億ドル、シンガポールの277億ドルに大きく見劣りしているのが現状だ。勿論、ニューヨーク取引所の4兆3711億ドル、ナスダックの1兆1183億ドル、ドイツ取引所の2028億ドルには遠く及ばない。
ETFに関していうと、日本はまだプライマリーマーケットが本格化しだしたところで、セカンダリーマーケット(流通市場)の整備は、これからというところなのだろう。
 ETF流通市場の問題に関しては、金融研究研修センターの昨年3月に公表されたレポートにおいて、以下の事が指摘されている。
・Indicatibe NAV(ETFが保有する株式等の時価推計値(欧米市場では、15秒毎に計算・公表))が利用されていない。【つまり、運用目標とする指数が、投資家にほぼリアルタイムで提供する仕組みがない】
・流動性義務を負ったマーケットメーカーが不在である。【上場の際に、証券会社を指定参加者として指定し、流動性付与の努力を求めるのが現状】
・ETFデリバティブ市場が、未発達である。
・ETFの保有資産での、現金部分の開示がされていない。

最近のファインアス状況を見ていると、日本の資本市場は、株式も債券(国債以外)も発行市場に偏ったマーケットに見えてきたが、せっかくのETFは、投資信託の上場市場であるとともに流通の場を提供するプライマリー・セカンダリー両輪の機能を有する。投信市場全体の拡大の為にも、流通市場としての機能整備に期待したい。せめて、金融機関の窓口において、ETFを不自由なく売買出来る仕組みがあっても良いと思う。
投資信託なのだから。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

空売り規制強化?=空売り報告制度の整備
この業界に入り顧客の注文を取次ぎ始めた時、先輩からは空売りはダメだと教えられた。しかし、歴代の有名な相場師は、空売りで成功している者が多いことも知っていた。その時は、日本も右肩上がりの成長期だったので、短期的値動きに囚われない長期投資を薦めよという後輩への忠告だったのだろう。随分と昔の事になった。

 この“空売り”について、昨日金融庁発表された“金融・資本市場に係る制度整備について”では、空売り報告制度を整備するという。そもそも、空売りとは何かというと、金融商品取引法では、“有価証券を有することなく、又は借入れて、売付けを行うこと”と定義されている。そして、同法により空売りは、以下の様に規制されている。
【価格規制】原則、取引所が直近に公表した価格以下の価格での、空売りの禁止
(個人等が利用する制度信用取引での信用売りは除かれる)
【明示・確認義務】売付けが、空売りであるか否かの区分の明示・確認を、証券会社等に義務付け
この金商法での空売り規制に対して、リーマン・ショック後の金融危機対応を受けて、一昨年の秋から時限的措置として、
・売付けの際に、株の手当てがなされていない空売り(Naked Short Selling)の禁止
・発行済株式総数の原則0.25%以上の空売りポジションの報告(証券会社等を通して)・公表義務(取引所での)
が加わって、3ヵ月毎にその措置を延長してきた。(現在は、今月末まで)
この経過措置部分は、欧米金融当局による空売り規制強化と連携したものであった。
 今回金融庁より示された、“空売り報告制度の整備”は、当面、マーケットの状況を中止しながら、この時限的措置を続けるが、空売りポジション報告・公表制度の恒久化については、
・【価格規制】のあり方について
・店頭取引を含むデリバティブ取引のポジションを取引対象とすることについて
・公表内容について
を含めて、総合的に検討するという。

 この事は、昨年12月17日に公表された骨子案に対して、パブリックコメントに付すとともに、意見交換会での関係各位の意見徴収を踏まえて決定されている。この空売り規制及び報告制度への、関係者の意見は、下記の様になっている。(意見交換会議事録より)
≪証券業協会≫
現在の日本の空売り規制は、欧米に比べて厳しいもの。更に空売りポジション報告の恒久化がされると、流動性が低下することも懸念されるので、【価格規制】が見直されることなく、報告制度が恒久化されることには反対。
≪取引所≫
もし空売り報告規制を恒久化するのであれば、現在の【価格規制】を見直して欲しい。それが、世界との共通のルールで、東京市場を劣後させないことに繋がる。
≪神田教授≫
 空売り規制は非常に難問だが、総合的に検討。

 そもそも、何の為の空売り規制だったのか考えてみる。
株式がまったく無いのに売り注文で、株価を下落させることはダメ。しかし、株式を借りて売却するのも、【価格規制】というルールを守らなければならいという現行のルール。株式が無いのに、何故売れるんだというと、株式を借りるつもりで、取り合えず相場の変動に合わせて売却しておくが、直ぐに株式が借りられない場合は、フェイルといって、株式の決済だけを延長していく。売却した株式が、借りることが出来れば、決済は終了するが、これらの取引はネーキッド・ショート・セリングといわれて、ヘッジファンドなどに対して投資銀行が取引サービスの一環として提供していた。この方法は、一昨年の秋から主要各国で禁止されており、日本も同様の措置を続けている。一方、借りて売る場合も、空売り規制の【価格規制】により注文が制限されるが、これらは大口注文がアルゴリズム取引で発注される現状の売買環境には合わなくなってきている。関係者の意見は、この【価格規制】を、撤廃若しくは緩和して、空売り報告制度を整備すべきという意見だ。

では、報告制度は何を目的にしているのだろうか。空売りするヘッジファンドや、それを取次ぐ大手証券への嫌がらせではなく、空売りという仮需要情報を、市場の取引参加者間で共有するということであれば、せめて証券会社ごと提出される空売り報告書だけではなく、銘柄毎に集計して公表すべきではないだろうか。
これを代替する方法もある。仮需要である以上、最終的には株式を借りて決済にいたらなければならないが、今回の制度整備にある貸株取引清算機関が設立されれば、毎日、銘柄毎に貸株状況は把握することが出来、公表も可能になる。この銘柄毎の貸株情報(仮需要情報として)が、個人・外人・機関投資家を含めて取引参加者間で共有されれば、市場はもっと厚みのあるものなると、筆者は考える。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

未公開株勧誘とベンチャーファンド
表題の2つのテーマは、直接的な関係はない。しかし、それぞれの問題が持つ基本的な構造で、共通していることがある。当然の事であろうが、それは両方とも未公開企業へ投資し、その企業がIPOを目指しているということだ。ここでハッキリさせておかなければいけない事は、あくまで、IPOを目指しているのであって、予定しているのではない。IPOが予定されているような企業の株式は、普通の投資家は原則入手できないし、仮に入手したとしてもルールにより上場後一定期間が経過するまで売却できない。

しかし、未公開株勧誘による投資家の被害は増加しているという。日本証券業協会の証券相談・あっせんセンターに寄せられた相談件数は、昨年4月から12月までのあいだに1,123件と前年比1.9倍になっている。
手口は、
・複数の業者が登場する「劇場型」
・消費者を安心させる「公的機関装い型」
・謝礼や高値買取を約束する「代理購入型」
・被害回復をうたって未公開株を購入させる「被害回復型」
などがあるようだが、未公開株の勧誘を行う仲介業者は、金融商品取引業者として登録しているかどうチャックすることも可能なので、最近は発行会社の自己募集という形をとるケースも増加しているようだ。
公開予定企業の自己募集そのものは、グーグルの株式公開時に行われたケースがあるが、日本の株式公開では使われた事例は、未だ無い。(グルーンシート市場での公開公募で行われる“拡大縁故募集”が、実質的に発行会社の自己募集に近い)

 一方、未公開企業への投資を行うベンチャーファンドの動向について、(財)ベンチャーエンタープライズセンターより2009年版報告書が公表されている。それによると、ベンチャー投資が余り拡大しておらず、逆に既に投資した分のEXIT(投資回収)に苦しんでいる姿が浮き彫りになっている。報告書のポイントは、以下。
・IPOが19社と、1978年来の低水準で、本年IPOも20~40社程度に留まるとの見通し
・ベンチャーキャピタル(ファンド)の2008年度(2009年3月末)の投融資残高は、9,494億円で前年比7.6%減。米国では、国内ベンチャー企業へ投資するベンチャーキャピタルの投融資残高は20兆円程度あり、欧米に比べてベンチャー投資が低水準なっている日本の状況は、変わらない。
・2008年度(2009年3月まで)の年間投融資も、1,366億円と前年比29%減。2009年度は、1000億円を切る公算が大きいと報道されている。
・EXITでの株式公開の割合が、前年までの3~4割程度から1割を切っていて、償却・清算等が3割まで増加している。

 以上の2つのことは、直接は関係ない。又、資本市場に関する個人の興味を逆手に取ったような詐欺行為は許されない。しかし、国民の中に、未公開企業の成長力に対する何らかの期待があるなら、それを投資行動へ結びつける努力をするのは、業界の責任ではないだろうか。ただし、ベンチャー企業への投資はプロでも難しい。投資企業数の1~2割と言われる株式公開は、ベンチャー投資の成功の対価だろうが、同程度の破綻企業があるのも現実である。一般の個人投資家は、多くのベンチャー企業に分散投資しているベンチャーファンドを通じて投資を行うのが常道にも思う。ベンチャー投資へのリスクを負う個人投資家へのエンジェル税制も拡大してきているが、個人向けベンチャーファンドの充実や優遇税制の周知など、業界で取り組むべき事は多い。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

MBOの進め方、そして上場子会社の場合は・・・
 先日、MBOが増加しているということをお伝えしたが、大きなプレミアムを既存株主に支払うMBOは、一般の投資家にとって、そのプレミアムの大きさは注目の的だろうが、既存株主にとってはTOBにしろ、その後のスクイーズ・アウトにしろ、保有株式の売却を強いられるのであるから、投資終了の宣告にもなっている。
このMBOは、経営者が何らかの形で、実質的な買い手になる訳であるから、売り手である株主とは利益相反になる構造であり、企業にとって、MBOはその進め方が非常に難しい。(MBOの支援を行う投資銀行にとっても同様に難しい。)
例えば、プレミアムは何%有れば良いとか、妥当な株価を算定する方式など、形式的な基準は無いので、難しいといったが、では、実質基準はあるのかというと、経済産業省の企業価値研究会によるMBOに関する報告書(2007年8月)では、以下の2点のMBO原則を上げている。

○第一原則:企業価値の向上=望ましいMBOであるかどうかは、企業価値を向上させるか否かを基準に判断されるべき
○第二原則:公正な手続きを通じた株主利益への配慮=MBOは取締役と株主との間の取引であるため、株主にとって公正な手続きを通じて行われ、株主か受け取るべき利益が損なわれることがないように配慮されるべき
 第一原則の企業価値の向上については、MBO後の事業再構築プランが取締役会等(監査役・第三者委員会を含む)で検討されるだろうか、第二原則の公正な手続きは、MBOにも多様な形があるだろうから、一律に判断することは難しい。ただし、企業価値研究会のMBO報告書では、以下の様な実務上の工夫を示している。
<意思決定過程における恣意性の排除の為に>
・社外役員又は独立した第三者委員会で、MBOの是非及び条件に対して諮問し、その判断を尊重する
・取締役及び監査役全員の承認(特別の利害関係を有する取締役を除く)
・意思決定方法に関し、弁護士・アドバイザー等による独立したアドバイスを取得すること、及びその名称を明らかにすること
・MBOにおいて提示される価格に関し、対象会社において、独立した第三者評価機関から算定書等を取得すること
<価格の適正性を担保する客観的状況の確保の為に>
・MBOに際してのTOB期間を比較的長期間設定すること
・対抗者が実際に出現した場合に、その対抗者と当該会社との接触等を過度に制限するような合意等を、MBOの実施に際して行わないこと
<株主意思確認を尊重する為に>
・MBOに際してのTOB買付株数の下限を、高い水準に設定すること

 以上のことは、多種多様なMBO事案においてはケース・バイ・ケースで、実質的に検討されるべきだと思うが、このような公正な手続きを守る対応は、上場会社の親会社が行う完全子会社の為のTOBについても、同様の措置がとられるべきだろう。
それは、上場子会社の経営を実質的に親会社が支配しているという現実を見れば、親会社がTOBで買い手になることは、少数株主にとってMBOと同様の利益相反構造と見做される。よって、少数株主にとっての公正な手続きは維持されなければならない。
 金融危機後の世界景気回復を睨んだ事業再編や、この3月から早期適用が可能となるIFRS(国際財務報告基準)を思えば、益々企業グループにおける上場子会社の選択と集中は進むと予想されるが、公正な手続きの確保は、上場親会社の日本の資本市場に対する責任になる。それが、大量のファイナンスで負荷をおった株主への配慮にもなると考える。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

CFD取引規制:ロスカット・ルール等
 最近は、アジアを始め海外に目が向きがちな証券業界にあって、CFD(Contract for Difference=差金決済取引)取引は、個人取引分野で、FX取引の様な成長商品になるかも知れない。いや、既に金融商品としての成長が始まっているとおっしゃる方々も、増えてきている。仕組みは、FX取引と同様に証拠金にレバレッジを掛けて、株式や債券・商品などの価格や指数を売買する。一年前は、CFDの取扱業者は5社であったが、現在は証券会社(金融商品取引業者)で18社、商品関連のみのCFDを取り扱う商品先物業者は7社、合計25社まで増加している。[株や債券など金融商品がベースになるCFD取引は、金融商品デリバティブと定義され、登録された金融商品取引業者=証券会社でなければ、個人へは取次げない]

 このCFD取引に関しても、FX取引と同様にレバレッジ規制がかかる。
・個別株関連CFD取引   5倍以内(委託・維持証拠金率 20%以上)
・株価指数関連CFD取引 10倍以内(委託・維持証拠金率 10%以上)
・債券関連CFD取引   50倍以内(委託・維持証拠金率  2%以上)
・その他有価証券関連CFD取引 5倍以内(委託・維持証拠金率 20%以上)
この事は、既に内閣府令で定められ、年内を猶予期間として、平成23年1月1日より施行される。
(FX取引のレバレッジ規制は、本年8月1日より段階的に開始)
このCFD取引のレバレッジ規制に合わせて、個人投資家が過大な損失を負わない様にロスカット・ルールの徹底が、CFD取引を行う証券会社に求められるが、こちらは証券会社の自主規制として、日本証券業協会より、「CFD取引に関する規則」として定められる。つまり、ロスカット・ルールの徹底の為には、ルールにより、個人投資家の損失を確定させるロスカット取引をCFD取扱証券会社が実行しなければならないが、1月18日に公表された規則案では、以下の様な内容となっている。
・ロスカット判定を、証券会社がチャックする間隔は、10分以内
(現状の取引では、殆どがリアルタイムか1分以内でチェックする体制になっている。しかし、新規のCFD取次業者の負担から、原則は10分以内のチャックとした)
・個別株関連CFD取引のロスカットの証拠金率の水準  証券会社の値洗い間隔が1分以内の場合は2%
                                    証券会社の値洗い間隔が10分以内の場合は4%
・株価指数関連CFD取引ロスカットの証拠金率の水準  証券会社の値洗い間隔が1分以内の場合は1%
                                    証券会社の値洗い間隔が10分以内の場合は2%
・その他有価証券関連CFD取引の証拠金率の水準    証券会社の値洗い間隔が1分以内の場合は2%
                                    証券会社の値洗い間隔が10分以内の場合は4%
(つまり、証券会社の値洗い間隔が1分以内の場合は証拠金率が9割、10分以内の場合は8割減じたら、自動的にロスカット取引)
・債券関連CFD取引の証拠金率の水準       証券会社の値洗い間隔が1分以内の場合は0.4%
                                証券会社の値洗い間隔が10分以内の場合は0.8%
(つまり、証券会社の値洗い間隔が1分以内の場合は証拠金率が8割、10分以内の場合は6割減じたら、自動的にロスカット取引)
・同一の取引対象で、買建て売建て両方ある場合は、証拠金額が大きい方を基準(MAX規制)
・上記の商品区分毎のロスカット証拠金水準の計算は、個人投資家毎に一括して算出できる。
以上は、レバレッジ規制に合わせて、来年1月1日からの施行となる。
また、他の金融デリバティブと同様に、店頭CFD取引に関しては、不招請勧誘の禁止が課される。
(現在、上場CFDは無いが、東京金融取引所においては、株価指数CFDの本年前半の上場が予定されている。
上場CFDは、上場FX取引同様に不招請勧誘の禁止条項はないが、勧誘受託意思の確認義務・再勧誘の禁止は証券会社に課せられる。)

 CFD取引は、元々はエクイティ・スワップといって、大手の投資銀行が、欧米のヘッジファンド等機関投資家相手に行っていたが、この様な取引ルールの整備により、日本では個人の金融商品・取引手法としてFX取引と同様に拡大していくかも知れない。業界の少し明るい話題である。
(筆者は、ロスカット・ルールの徹底には賛成しますが、レバレッジ規制には反対の立場です。)
投資家が注目し、株主が考えるMBOプレミアム
 一般の投資家が最も注目する公開企業の情報としては、TOB関連情報が一番だと思うが、市場価格に大幅なプレミアムを付して買取るのだから当然なのだろう。M&Aコンサルティング会社のストライクによると、昨年のTOBは79件(届出ベース)となり、2007年の102件に及ばないものの前年(78件)と同様の水準になっている。投資家注目のTOBプレミアムも、株価水準が安かったこともあって、年間ベースで55.6%と超高水準であった。このTOBプレミアムに関しては、特にMBO案件が高く、ここ2年間で、100%(つまり時価の倍)以上で買取るというMBO案件が6件もある。
MBO案件そのものも増加していて、2006年:9件→2007年:14件→2008年:16件→2009年:18件と昨年は過去最多となっている。

 このMBOのプレミアムに関して、昨年は重要な判決が2つあった。
一つ目は、牛角などを運営するレックス(現レックス・ホールディングス)のMBOに関して、TOB(2006年11月実施)後の少数株主を排除する為に、レックスが株主から買取る価格(TOB買取価格と同じ)に関して、株主がこの価格を不満として裁判所に株式買取価格決定を求めていた事件についてである。MBOを前提としたTOBの場合、対象企業は非上場になり事業等の再構築を行うが、TOBに応じなかった株主は、株式を何らかの形で保有出来る場合は少ない。JALでの再生手法でも話題になった全部取得条項株式に、保有する株式が変更され、会社が決定した買取価格で現金清算される場合が殆どである。TOB後に残った少数株主の権利としては、この買取価格に対して不満を示し、裁判所へ株式買取価格の決定を求める訴えを行うことが、残された手段である。MBOの場合の少数株主排除(スクイーズアウト)は、概ね半年内に行われるので、会社が決定する買取価格は、殆どTOB買取価格と同じ株価を使う。つまり、TOB買取価格に不満を持つ株主は、その対抗手段としてスクイーズウトの際のその買取価格に不満を示し、裁判所への価格決定を求める。レックスの件では、東京高裁判決では、会社側の買取価格を更に46%強に引き上げる決定を行ったが、昨年5月29日、最高裁は、この東京高裁決定を支持し、レックス側の抗告を棄却する決定を行っている。
 二つ目は、サンスターのMBO(TOBを2007年2月実施)に対する大阪高裁の決定で、会社側の買取価格650円(=TOB買取価格)に対して、更に29%引き上げ840円としている。
 この2件とも、MBOでのTOB実施後のスクイーズアウトの際の会社側の買取価格が低すぎると裁判所が判じたものだが、問題視しているのは、TOBの価格決定プロセスに関してである。TOB価格の算定方法等ではなく、TOBプレミアムの不足でもない。TOB実施前の、株価に大きな影響を及ぼす可能性がある会社側のディスクロージャーに関してである。通常は、適時開示の元に、発生事項・決定事項をタイムリーにディスクロすることを、企業が求められるが、この2件のTOB実施前の、業績下方修正予想や業績発表などが不自然として、企業の経営者が関与するMBOでのTOB価格の決定プロセスに問題があるとしている。

 裁判所が、TOB価格決定方法やプロセス・株価形成の環境まで踏み込んきたのは、業界関係者として多少の驚きを覚えるが、MBOの場合は、少数株主の選択は実質的に限られ、遅かれ(TOBに応じなくても)速かれTOB価格で現金化されてしまうことに対して、MBOを実施する企業の経営者は、最善の配慮を求められている。企業価値研究会のMBOに関する報告書(2007年8月)に於いては、株主の適切な判断機会の確保の為に、以下のことを求めている。
・MBOのプロセス等について、充実した開示
・MBO成立の為に意図的に市場株価を引き下げていると疑義を招く可能性がある場合のより充実した説明
・取締役が当該MBOに関して有する利害関係の内容についてのより充実した説明
・スクイーズアウトに際して、株主の権利である株式買取請求権又は価格決定請求権が確保できないスキームの採用禁止
・特殊な事情がない限り、スクイーズアウトの実施
・特殊な事情がない限り、スクイーズアウト価格はTOB価格と同一とする

結果は、MBOにより会社株主構成から排除される少数株主が、満足出来るTOB価格決定プロセスとそのプレミアムが必要ということになる。
 
本年度の税制改正で、何が変わるか
新政権になって、税制改正のプロセスも今までとは異なってきているが、政府税調からは先月22日に平成22年度税制改正大綱が公表されている。その中で、業界に関係する部分では、主に3つの改正があるので、今後何か変わるか若しくは変わる可能性があるかという点について、紹介しておきたい。

 一番目に取り上げたいのは、金融商品間の損益通算が今後更に進むということだ。大綱においては、金融商品間の損益通算の範囲の拡充に向けて、平成23年度改正(次年度)で、公社債の利子及び譲渡益所得に対する課税方式を申告分離課税とする方向で見直すことが検討される。昨年度の税制改正においては、上場株式・公募株式投信の配当所得と譲渡損益間において申告分離方式で損益通算が可能となったが、これを、債券取引まで拡げようとする動きだ。更に、現在、雑所得扱いの先物取引も含む損益通算が認められていけば、個人の金融所得一体課税へ向けての道筋は固まっていく。証券業界においては、未だに少し株式市場が軟調となると、株式の譲渡益課税の軽減税率延長(20%→10%課税)要望が強まる風潮が残るが、そろそろ“貯蓄から投資へ”の実現に向けて本気で取り組んでいくなら、貯蓄も金融商品もそのデリバティブも同一の課税ルールとなる金融所得一体課税に向けた取組みを強化していくことが必要だろう。

 2番目の改正も、この金融所得一体課税に向けた動きに関係あるが、金融商品間で20%の申告分離方式で一体化して課税されるなら、現在の株式等の軽減税率も本則の20%に戻る。この事は、昨年度の税制改正で決定していて、平成24年1月1日より実施されるが、この事の見合いで、日本においても“少額の上場株式等投資のための非課税措置”(日本版ISA)が、平成24年から始まる。内容は、今回の税制改正で決定されたが、以下の様になっている。
・非課税対象:上場株式等の配当、譲渡益
・年間投資上限:100万円まで(翌年への繰越は不可)
・非課税投資有効期間と投資総額:3年間で100万円×3年分=300万円
・保有期間:最長10年間、途中売却は可能、但し売却部分の再利用は不可
・口座開設資格:居住者で20歳以上、年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可能)
・導入時期:平成24年1月1日(株式等の譲渡益課税軽減税率終了にあわせて)
昨年度の税制改正では、5年間最大500万円となっていたが、新政権下においては、この制度を試験的に始めるというような意図があるようだ。元々この制度のお手本となる英国のISA制度では、年間£7200(約107万円)を10年間最大で£72000(約1070万円)投資することが可能な制度で、英国民個々の資産形成を目指している。

 3番目の改正は、非居住者の社債投資を促進するもので、“非居住者等が受ける振替公社債利子等の非課税制度の充実及び民間国外債等の利子等に係る特例の恒久化”と長い名称になっているが、目的は、日本企業が発行する社債に、外人投資家が投資し易くする為、社債の利子に課税するのを止めるということだ。
 既に、ユーロ債など海外で発行するものは、非課税で、毎年租税特別措置法で更新されていたが、この分を恒久非課税とするのと、国内で発行された社債も、取りあえずは平成25年3月末まで発行する分に関し、利子及び償還差益に対して非課税とする。この措置は、今年の6月1日以降の利払いに対して適用される。併せて、現行非居住者が非課税となっている国債や地方債の利子の非課税手続きに関して、現状の発行者毎に届出が必要な煩雑な作業を、大幅に簡素化する。結果、海外投資家の、日本への債券投資増加が、期待されている。

 以上の様な税制改正は、貯蓄から投資へ個人資産の流れを作る、海外からの日本の債券投資を増加させるという明確な目的があるのだから、それに取り組んでいく事が、譲渡益軽減要望に替る業界の重要な責任である。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

銀行の国債等保有について
 堅調な米国株式市場からは、ハイテクとともに銀行の収益回復予想が伝えられているが、債券投資を始めとする運用部門が好調のようで、早くも銀行の高額ボーナス回復を想定して、それを牽制する様な政治的動きも目立ってきている。かたや日本の銀行に関する話題では、引き続く大型公募増資・持合株解消・IFRS(国際財務報告基準)への対応・新BIS基準のコア自己資本問題など、どちらかと言えば資本市場にとっての懸念材料となるものが多い。その中で、銀行の国債保有は、リーマンショック後も増加し続けているが、このことの現状について見てみたい。
 先ず、金融機関の国債保有の状況であるが、日銀の資金循環統計によると、昨年9月末時点で565兆円(国債・財融債・国庫短期証券の合計)に達していて、リーマンショック時の1年前と比較すると12.3%の増加となっている。
同じく、資金循環統計による銀行(預金取扱銀行)の資産に占める債券(社債を含む)の割合は、31%(昨年9月末時点)となっていて、貸出の43%に次いでいる(株式・出資金は、3.4%)。この割合は米国の銀行の18.5%に比べてかなり高い。つまり、これだけみると日本の銀行の収益は、米国銀行よりも債券運用の影響を受け易く見える。ちなみに保有する債券の9割以上が、上記統計の国債等になっているので、国債運用が銀行収益に与える影響が米銀などよりも相当大きいとも言える。

一 方、IFRSにおいて金融商品会計が見直され、原則的に金融商品は“公正価値”という名の時価で評価しなければならない。ただし、単純な貸付金に見られる特徴を有し、契約上の利回りに基づいて管理されている金融商品は、“償却原価”と名称で時価評価をしなくても良い(減損処理は行う)。昨夏、話題になったのは、日本の銀行が大量に保有する国債は、この“公正価値”という時価評価なのか、それを免れる“償却原価”なのかということだったが、日本の銀行の主張を簡略化していうなら、保有する国債は、低金利の預金見合いで保有しているので、契約上の利回りに基づいて管理されている金融商品に保有する国債も該当し、時価評価を免れるというものだ。この主張が概ね通り、預金見合いで保有する国債は、“償却原価”で評価することになり、時価評価が適用されない予定である。

ここから少し分かり難い話になる。
一昨年秋のリーマンショック時に、金融機関間の取引の手控えにより、証券化商品の流通値段がなくなったり、国債などの流動性の高い債券も大きな変動をした。この為、主要国金融当局の要望により、主に金融機関が保有する債券を、保有区分の変更をすることで、時価評価を免れる会計処理の時限措置を、日米欧とも認めた。日本では、実務対応報告第26号「債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い」であるが、これにより、売買目的有価証券(時価評価)を満期保有目的の債券(償却原価)へ、その他有価証券(時価評価若しくは償却原価)を満期保有目的の債券(償却原価)へ、それぞれ保有区分変更することが可能になった。この措置は、本年3月末までで打切られる方向のようであるが、現在までに利用した企業は12社であり、うち9社が銀行となっている。利用した対象証券で、最も多かったのが変動利付国債で7社、以下は外国証券3社、ユーロ円建債2社、証券化商品3社となっている。所有区分変更は、全て、その他有価証券から満期保有目的の債券への変更であり、変動利付国債では、簿価ベースで1300~1400億円台の区分振替が3社、ほぼ同金額で行われている。

一般には、やはり銀行の金融商品保有は、株式・社債とともに、国債についても少し分かり難い。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

“100%減資”への代替案(私案)
昨日の本欄において、JALの“100%減資”案について触れ、結局は反対する様な記載になってしまった。では、何か良い考えがあるのかというと、資本市場的視点からは、以下の様な方法もあるのではないかということを、示しておきたい。
 先ず、JALの現在の株主に関する論点を整理しておくと、第一に株主責任の問題がある。銀行団は債権を相当部分放棄するし、退職者も含めて従業員の年金も大幅に減額する。加えて、大幅な債務超過なので、株主責任として、既存株主は退場すべきだという考えで、これは資本市場の論理として尤もなことだ。
 次に、債務超過に陥ったJALを再生する為には、企業として存続させる為に新しい資本が必要で、再生支援を行う支援者(支援機構や政策投資銀行、メガバンク等)が、新株式を払い込むが、再建計画が遅滞なく進むためには、少数の新株主=再生支援者による株主総会運営が好ましい。つまり、40万もの株主を残しておくと、再建計画の遂行における株主総会運営に支障をきかす可能性がでてくる。
 結局100%減資案で、既存株主に退場していただくのが正解ではないかというと、そうとも言い切れない。それは、JALは、主に乗客という個人を相手にしたビジネスモデルで、これは再建計画においても変わらない。その視点で見た場合、40万の個人株主(単元株主数)は、顧客資産にも見え、再生途上で、彼らを切り離すことは、“もったいなく”思える。
 では、株主責任を取り、再建計画遂行にも支障が生じず、40万人の個人株主層を再生にも活用できるような案(資本政策)はあるのかというと、以下の様な方法もあるのではないだろうか。

①無議決権株式を発行出来るように定款を変更
(既存株主の株式を、全て無議決権株にする為に)
②発行済株式を全て無議決権株式に変更する旨の決議と同時に、1単元株に1円の資本が残るように減資を実行。
(実質は債務超過だが、現在ある資本金2510億円の内、単元株数27億株分の27億円を残して減資。99%減資案に近いが、計算上は93%減資案になる。)
③支援者への新株式(通常の議決権を有する普通株)を割当てる。
(既存株主の株主責任を明確にする為、新たに払い込まれた資本金での持分について、既存株主を劣後させる必要がある。その為、既存株主の無議決権株は、残余財産分配権を新たに払い込まれる普通株より劣後させる設計が必要。)
④既存株主を顧客資源として活用する為に、40万人の無議決権株主に対して、再建計画に見合った何らかの株主優待策を継続する。
⑤この無議決権株は、再建計画にそったスキームとする為に、再建計画の年限の沿った期限付の設計とすることが望ましい。
(無議決権スキームは、再生スキームとして、企業再生後は、その機能が普通株に吸収されるべきと考える。又、JAL再生後は、普通株が再上場されるだろうが、無議決権株の株主(つまる現在の既存株主)は、再上場時に普通株式を優先取得できる権利を期限付き(例えば5年以内)で付与することも検討すべきだろう。このイメージは、40万人の既存株主が、JAL再生後に再び株主となるかどうかの選択権を残しておくという意味である。)
⑥株主責任を、日本国民に対して一層明確にする為に、取引所は上場廃止とする。但し、40万株主が、上記スキームの様に無議決権株主になったとしても、その流通の場を確保することは重要となる。その為に、既存JAL株式の流通市場として、フェニックス市場の機能を整備しなおして、これを活用する。
(つまり、上場廃止にはなるが、既存株主がJAL再生を待つ間の流通市場は確保する。)

以上の様なことは、資本市場が今まで対応してきた再生スキームではない。つまり、業界関係者も対応したことがなく、実務的な反論や法的確認事項もあるだろうが、仕組みそのものは、既存の制度やスキームを組み合わせたものなので、実現することは可能と考える。
国民的再生案件には、資本市場の新しい取組み(といっても使うのは、今ある道具なのだが)も、試されている様に思う、業界関係者としての試案である。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

100%減資という企業再生手法
 JAL再建策の決定の渦中ではあるが、単なる航空会社としてではなく様々な文化も日本国民にもたらしてくれた会社として、個人的には“沈まぬ太陽”であって欲しいと思う。
 しかし、マスコミ報道の再建案では、実質的経営破綻の株主責任ということで、“100%減資”方式により、資本市場からの一旦の退場を余議なくされる可能性が強まっているという。この“100%減資”について、資本市場的視点から考えてみたい。

 先ず、“100%減資”の実質的意味は、経営破綻した企業の株主が、その株主責任を取るということで、その企業の再生過程で、株主でなくなる。その方法は、今までの株式を、企業が強制的に無償で買取る株式に換え、企業が既存株主から株式を取得、同時に支援者が新株の払込みを行い、この支援者が100%の支配権を保有することで、旧株主は再生企業の株主構成から除かれる。
 この方法による通常の手続きは、以下の様になる。
①全部取得条項付種類株(企業が株主より強制的に株式を取得出来る株式)を発行できる旨の定款変更を、株主総会で特別決議
②発行済株式を全部取得条項付種類株に変更する為の、株主総会特別決議
③全部取得条項付種類株の全部を、無償で○月○日に株主より取得する旨の株主総会特別決議
④100%減資する旨の株主総会特別決議(債権者保護の為に、一ヶ月以上の異議申述期間)
⑤支援者に対して、第三者割当てで新株式を○月○日に発行する株主総会特別決議
⑥○月○日に、新株主による臨時株主総会開催で、取締役選任等の決議。
⑦新取締役会において、企業が取得した旧株式を消却する旨の決議を行い、これで旧株式は完全に消滅する。
旧株主の保護手続きとしては、定款変更決議時の買取請求・無償と旧株式の買取価格を決議した場合の裁判所に対する価格決定の申立てがあるが、債務超過会社の場合は、買取価格を無償と考えるのが法曹界の主な見解となっている。
 以上で、再生企業における旧株主の株主責任として、企業への株主としての権利は消滅する。

一方、取引所ではどうなるかというと、上場廃止基準では、破産手続き、再生手続き又は更生手続きを必要とするに至った場合、又はこれに準ずる状態となった場合は上場廃止となるが、再建計画の開示を行った場合は、時価総額が10億円以上あれば、上場を維持することが出来る。
 債務超過の企業において、減資の経済的意味は余りなく、“100%減資”スキームは、再生企業から旧株主を排除する為に使われるが、取引所においては、ある一定規模以上あれば、再生企業の上場を維持し、既存株主に売買の場を提供することが出来る。

JALの場合、どうなるかは筆者の推し測るところではない。
しかし、JALには昨年9月末で401,807名の株主がいる。そして、報道される再建策では、マイレージ制度は維持されるというが、“100%減資“案では、株主優待制度は維持できない。
勿論、この株主優待制(航空券・ツアー旅行・ホテル優待)が再建策に支障となるなら、旧株主ごと切り離すべきだろうが、40万人を得意顧客群として見直す柔軟性が再建策とその舵をきる政策にあっても良いのではと思うのは、筆者だけであろうか。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

主幹事という機能
主幹事証券というのは、ごく一部の大手証券間で、その獲得競争があるが、一般的には余り興味のないことかも知れない。しかし、よくメインバンクと比して、業界の話題にはなるし、一部の投資家には、主幹事証券なら、その企業の特別な情報を持っているのではと思われている方々もおられるだろう。そこで、この主幹事証券というものについて、嘗てその地位を守る為に企業を支援していた立場から、その機能について、考えてみたい。
 そもそも証券業界における主幹事というのは、企業が株式や債券を発行する際に、引受団を取り纏めてファイナンス実務を進める証券会社のことを言うが、一般的に言われている主幹事証券は、少し意味が異なる。簡単に言い切るなら、企業から真っ先に資本市場に関する相談を受ける立場にある証券会社のことを指している。実際どうかは、別にして多くの公開会社はそう思っている。しかし、このことは法規制や上場規則で規定されていることではない。
・主幹事証券の形式基準:会社情報や四季報の【証券】欄に(主)若しくは、一番先頭に書かれること。(この情報は、四半期ごと当該資料の出版元からヒアリングされる主幹事証券に欄にどの様に記載するかで決まるが、その記載の為、企業によっては組織決定する場合もある。)
主幹事証券とは、唯これだけのことであるが、実務的には以下のことがある。
・持株会の運営について、その実務的管理を行う。
(定期的買付けの手数料は、余り主幹事証券の収益には貢献しない。逆に、システムコストを、どの様に企業に負担していただくかが問題になる。但し、持株会を通して従業員の個人口座を獲得していくというリテール戦略は、今でも活きている。)
・持合い株式の売買及びその管理を行う。
(これも主幹事証券にとって手数料収入のメリットは無い。しかし、この持合い作業に関与することで、M&Aや株式の売り出しなどの投資銀行的ビジネスに、繋がる可能性もある。)
・企業のファイナンス相談の第一の窓口
(主幹事証券だから、真っ先に相談しなければならない訳ではない。しかし、株式や債券を発行する場合、引き受ける証券会社は、1ヵ月以上かけて引受審査を行い、企業の未公開情報にも関与する。その為に、企業は引受実績のある証券会社(主幹事証券)に先ず相談する場合が多い。勿論、企業のファイナンスは競争なので、取りあえず主幹事証券から話を聞くという程度)
・企業のM&Aに関して、TOBなど実務が必要な場合の対応。
(M&Aそのものは、企業と企業の取決めなので、主幹事証券だからといって、アドバイザーの地位にアドバンテージがある訳ではない。しかし、TOBや第三者としての株価算定などの証券会社機能が必要なとき、先ず主幹事証券に声をかける場合が多い。)
以上は、有価証券の売買やファンナンス・M&Aに係る主幹事証券としてのアドバンテージであるが、これを維持する為に、以下のことにも対応する。
・企業のディスクロージャーに関する相談
(金商法上の開示制度に関する相談事項にも答えていくが、実際は取引所の適時開示に関する相談事項が多い。つまり企業にとって、適時開示ルールの該当事項や軽微基準が分かり難いということだが、主幹事証券は、企業の財務・企画部門等からアドバイスを求められる。プロ向け市場のTOKYO AIMでは、J-Nomad として証券会社が、企業の開示に関するアドバイザー業務(有料)を行う仕組みだが、現在の主幹事証券は、これを無償で行う。)
・企業のIR活動への協力
(傘下のIR専門会社に、有償で企業のIR活動を支援させることもあるが、個人向けIR説明会を支店で開催したり、投資家を集客することで協力する。一方、投資家への情報提供強化として、企業よりアナリスト・カバー要請もあるが、アナリストの独立性の問題もあって、この対応は、主幹事証券としても微妙な問題になっている。)
 以上のことを行うのが主幹事証券であり、これらの主幹事業務を全体的にみてみると、ファイナンスやM&Aなど収益性の高い所謂ディールがなければ、コスト割れだと思う。言いかえれば、主幹事業務は、ファイナンスやM&Aのフィービジネスに頼っている。
しかし、企業側は、ファイナンスにしてもM&Aにしても、最も企業の求める条件に沿った証券業者を選択する流れが、大企業中心に強まっていて、そろそろ業界としては、この主幹事証券というビジネスモデルから抜け出る時期に来ている。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

投資家にとっての格付機関規制
普段はあまり意識しないが、何かあった時、相当の影響力を持つ情報として格付情報がある。例えば、ギリシャの国債が格下げされて、ECBの担保基準から外れそうだとが、○○企業の再建策に、融資している銀行団の同意が得られず、大幅に格下げされたとか、どうも信用リスクが強く意識される時に、格付情報は注目される。信用リスクを計る為には、公開されている財務情報だけではなく、企業の未公開の信用情報(例えば、銀行借入に何らかの制約があるなど)も必要で、これらの情報は普段は融資を行う銀行団に限られるが、この信用情報に代替するものとして格付情報がある。つまり、社債の投資家は、信用リスクを判断する為に、格付情報を使うわけだが、今回の金融危機で問題になった証券化商品では、格付の信憑性について、多くの投資家が疑問を持ったし、一方では、格付情報を含めた信用情報を使ったインサイダー取引事件なども欧米では問題になっている。つまり、信用情報の代替として投資家が活用している格付情報の製造元である格付機関を、各国の金融当局がチェックしていこうというグローバルな格付機関規制に対する流れがある。何を見ていくか、簡単に言い切ると2点あって、ちゃんと格付けしているかということと、格付情報を利用する投資家と利益相反するような行為がないかということだ。

 この格付機関規制は、金商法内閣府令をもって本年4月1日より施行される。(無登録業者による格付を利用した勧誘の制限に係る規定部分は、10月1日より)
その内容を、投資家的視点でみると、以下の様になっている。
・格付機関は、信用格付業者として登録しなければならない。
現在、格付機関が行っているようなファンド格付けや、財務内容をランキングする様な行為は、信用格付ではないので、規制の対象とはならない。勿論、登録しない信用格付業者が格付けを行っても良いのだが、証券会社など金融機関が、この無登録の格付機関の格付けを使って、社債・証券化商品の販売を行うのは相当難しくなり、実質的には一般個人へはこの無登録格付けは使えなくなる。例えば、証券会社の社内規定や投資一任契約の投資対象として格付基準がある場合があるが、登録信用格付業者の格付けを、使わざるえない。
・格付プロセスの態勢整備が、信用格付業者には求められる。
格付プロセスの品質管理の為に、組織だった対応が求められ、格付業務を行う複数のアナリストの確保と、格付毎に、格付決定の為の格付委員会の開催を義務付けられる。また委員がローテーションで入れ替わることも求められる一方、付与した格付に係る点検とモニタリングが必須となる。
・利益相反防止への対応
格付は投資家の信用リスク判断に使われるが、その投資家利益と相反する行為は禁止される。格付アナリストが、対象相手から金品の提供を受けないのは勿論だか、格付機関が相手先へコンサルティングを行っている様な場合は、格付が禁止される。また、相手先と緊密な関係がある場合も同様の格付禁止措置がとられるが、その他投資家に不利益となると思われる行為については、自ら利益相反行為を特定し、それを公表しておかなければならない。
・投資家への情報提供の強化
 現状でも格付は公表されているが、一般的には格付のみは無償で、格付けの根拠となる詳細情報は有料となっている。規制施行後は、格付及びその変更の遅滞ない投資家へ公表は義務化され、その内容は、単なる格付だけではなく、採用した格付付与方針等の概要、格付の前提・意義・限界等についても、一般に無償で公表しなければならない。加えて、付与した格付の履歴・統計情報などその根拠となる情報や、自らの格付業務の態勢整備の状況も、年一回公表し、公衆縦覧しなければならない。投資家にとって、信用リスクを判断する情報は、格段に増加していくことが期待される。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

デリバティブ規制について
金融危機の原因につては、大手投資銀行のレバレッジ経営や金融機関の貪欲さ・サブプライムローンなどの証券化商品など、識者が様々な分析を行っているが、筆者はCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というクレジット・デリバティブ商品の取り扱い方を、プロ中のプロであるはずの欧米大手金融機関が、誤ったことだと思っている。本来ならリスク分散効果があるはずの多くのCDSを集めた合成証券CDOを、何回も組成している内に、正確なレバレッジさえも把握しにくくなってしまった。(個々のCDO組成担当者は分かっているが、CDOが重なって組成されていった為、同じCDSが何度も使われ、全体としてのクレジットリスクがどの位レバレッジが掛かっているが、正確に把握しにくくなったという意味。)これらを、規制する為には、この価格情報が分かり難いCDS取引を、一か所に集めて清算させることで、取引実態を把握しようというのが、グローバルな金融規制の合意(G20金融サミット)で、欧米ではCDS取引の清算機関が、其々設立され、日本でもCDSに加え金利スワップ取引まで含めたOTC清算機関設立への検討が為されている。
 一方、外為取引の十数パーセントを占めるに至った個人のFX取引は、更に拡大しているようだが、本年8月よりレバレッジ規制が段階的に始まる。このFX取引は、証拠金を基に、レバレッジを掛けて取引を行うものだが、同様の仕組みのCFD取引に関しても、個人を相手とする取引は、同様の規制を受けるようになる。
 つまり、プロの金融機関も、個人投資家も、それぞれのデリバティブ取引において規制が強化される。

先ず金融機関のデリバティブ取引規制については、CDS取引主体になるが、現在、欧米にある清算機関では、CDSの総合指数しか清算対象となっていない。これを個別企業のCDS取引まで清算対象とすることが、欧米の金融当局から求められている。その為には、個別企業のCDS取引契約を標準化しなければならないが、このCDS標準化は、欧米においては取引記録機関(米国の証券清算機構であるDTCCの子会社)利用である程度進んでいる。欧米金融当局との、CDS取引を清算機関に集中させようとしており、米財務省は、金融機関がCDS取引で清算機関利用を回避するための、CDS契約のカスタマイズを制限する方向も伝えられている。

日本の個人投資家のデリバティブ取引も、規制が強化される。
FX取引は、既に規制が決定されているが、これと同様の証拠金取引であるCFD取引に関しても、規制が強化される。
○レバレッジ規制=個別株:5倍、株価指数:10倍、債券:50倍について、FX取引での全面規制(平成23年8月1日に、25倍←50倍(本年8月施行分))の時期を考慮して平成23年1月1日より施行。
※個人が対象であり、適格機関投資家等のプロ投資家は、規制の対象に含まれない。
○証拠金の分別管理=本年4月1日から施行。
※証拠金を信託する必要があるが、FX取引の証拠金と合算して取り扱っても良い。
○ロスカットルールの徹底=ロスカットに関して、証拠金の不足が1営業日内に解消されない限り、取引の継続は出来ないとしたもので、今後、日本証券業協会での自主規制規則において、ロスカットルールの導入を義務付ける予定。
○不招請勧誘の禁止=現在は、店頭FX取引など店頭金融先物取引のみが対象となっていて、有価証券対象のCFD取引は、対象外だが、これを対象とする一方、上場FX取引や上場CFDなどもその対象とするか本年前半を目途に結論。
この個人のデリバティブ取引規制強化(特にCFD取引のレバレッジ規制)などは、業界でも賛否両論あるが、ロスカットルールの徹底においては、投資家への対象商品情報のリアルタイムな提供とともにロスカット取引の確実な執行が必要だろう。
取次業者は、その為のシステム対応・投資が必須になる。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

資本市場に係る本年の10大テーマ:後半
 昨日に引き続き、我が国の資本市場に関する10大テーマの後半について述べてみたい。

⑤清算機関は何のために整備されるのか?
一般の方には分かり難いテーマだが、有価証券がペーパレス化されてデータになったとしても、金融商品という“モノ”なので、取引約定後はお金と決済しなければならない。この金融商品の決済において、清算機関の機能は、決済業務の効率化と安全性の確保なのだが、平時においては金融機関であっても決済業務担当部門以外では殆ど意識されない。しかし、リーマンショックで、例え大手金融機関同士の取引であっても、取引相手の破綻による決済リスクが強く意識され、清算機関は誰もがあった方が良いと思っている。現状の日本の清算機関は、株式の取引所取引部分はこの清算機関で全て決済されるので問題ないが、国債取引は約4割が清算機関で決済され、それ以外は原則取引者同士の相対で決済する。株式の金融機関同士の店頭取引・貸株取引・国債取引の残り6割・社債取引・金利スワップやCDSなどデリバティブ取引は、清算機関はないので、これを整備していこうというのが昨年12月に公表されている“金融・資本市場に係る制度整備についての骨子(案)”でも示されている。取引参加者なら誰しもが必要性を感じる清算機関ではあるが、問題はコストである。コストは大きく分けると2つあって、清算システム及びその維持費と清算基金の負担の問題だが、既存の清算機関のシステムや基金活用・大手金融機関中心のコスト負担などは、政策的後押しが必要だろう。

⑥デリバティブ取引は、規制強化か
※後日、別途に取り上げます。

⑦貸株・レンディング市場は整備されるのか?
株式の貸し借りは、証券金融が実質的清算機能を発揮する制度信用以外に5~6倍あると言われ、株式レポ取引と呼ばれるが、リーマン破綻で貸し借りの決済が滞った為、上記の貸株取引の清算機関整備も政策課題となっている。問題は、貸株取引の清算機関が出来たとして、その機能による恩恵を投資家が受ける事ができるがであるが、清算機関の整備が貸株や株式レンディングなどの市場整備に繋がる為には、清算機関からの情報発信が必要になる。銘柄毎、株式の貸し借り数量が、リアル・タイムで公表されれば、投資家は株式の売買以外に、株式の貸し借りという選択肢を得ることが可能になる。現状の信用取引情報に代わる仮需要の情報として期待できるし、同時に貸株・レンディング市場の拡大にも繋がる。

⑧ヘッジ・ファンド規制は日本にとってどの様な意味があるか?
この問題ほど日本の金融業界にとって違和感があるものはない。確かに、G20の金融サミットで金融機関規制とともにテーマには上がっていたが、そもそも日本には規制が必要なヘッジ・ファンドがあるのかという疑問がある。最近では、日本でもヘッジ・ファンドの立上げがされる様になってきたが、市場の投機的な動きを助長する様なものではなく、逆にヘッジ・ファンド育成が、日本市場がアジアのメイン・マーケットを維持する為に必要というのが、金融業界の認識である。行政も、グローバルなヘッジ・ファンド規制の動向を見極めながら、考えていくと方向にあるようだが、ヘッジ・ファンドを含めた投資運用業の強化は、業界の重要な課題である。

⑨格付機関規制は、どの様な意味があるか
 昨年度の金商法改正により、格付機関が信用格付業者として登録制になり、金融当局による規制を受ける。しかし、何故格付け機関を規制しなければならないか、これも一般には分かり難い。グローバルに格付機関規制が求められた背景は、サブプライムやCDSなどの証券化商品の問題があったが、簡単にいうと、ちゃんと格付けしているか、その格付情報は投資家が必要な時にちゃんと提供されているかが問題になった。格付けの意味が、もはや単なる参考情報ではなく、信用情報の代替としてディファクト・スタンダードになった為である。米国では、この格付情報など信用情報に係るインサイダー取引も摘発されるような時代になっている。グローバルな格付機関規制の結果として、投資家が投資対象の信用情報の代替で、格付情報を容易に入手できる仕組みが可能になると思うが、これも格付費用を誰が負担し、格付情報提供を、どの様なシステムで個人投資家まで提供していくことが出来るかが課題となっている。

⑩上場制度の目的は?
上場会社の経営者が、無節操な増資やMBOを含めた企業再編を行い、その結果、企業価値を減じないために、コーポレートガバナンス強化の必要性が昨年議論され、結果は取引所ルールで規制する様に、東証にゲタを預けられた形になっていた。東証は、上場規則改正で“独立役員”制度の導入を決定したが、経団連に配慮した結果、強制力のない仕組みになってしまった。そんな中で、政府による公開会社法の立法化の方針が固められた。独立性の高い役員は、ここで義務付けられるようだが、出来れば上場規則で整備した方が資本市場機能としては幅のある仕組みになると考える。会社法に公開会社法を重ねることの方が、企業にとっては負担が重いと思うが、東証としては、今一度上場規則でのコーポレートガバナンス強化を試みるべきではないだろうか。

 以上、10のテーマを上げてみたが、日本の資本市場の機能が強化される為に、より多くの事案の実現を望んで、新年のご挨拶としたい。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

資本市場に係る本年の10大テーマ:前半
 昨年は、何とか金融危機を乗り切った金融・資本市場であるが、同時に日本市場パスのような感覚に後半は囚われたた年であった。本稿は、市況を語るのが目的ではないが、この業界の関係者の多くが、この様な想いを持ったのは何故か。公募増資や社債発行を見る限り、20年振り・10年振りの隆盛で、発行市場は大繁盛だったのに、良く見るとその恩恵は、一部の大企業や大手引受証券に集中している現実に当たる。せっかくの発行市場の恩恵が、中堅企業以下の企業にも、市場仲介を行う証券会社にも、そして流通市場で待っている投資家にも波及していない。その結果、彼らの目は、アジアを中心に海外市場に向き始めていて、発行市場と流通市場のアンバランス、発行市場の2層化、流通市場の空疎感などで、とても欧米の金融・資本市場機能に追いつくどころではなく、アジアのメイン・マーケットの地位さえも揺らいでいるように思う。新年祝うべきところ、つい憂慮から入ってしまったが、新政権になっての金融・資本市場行政や、協会での懇談会・ワーキング等も行われ、市場機能の強化に取り組まれることも期待していきたい。
 そこで、今年の資本市場に関する10大テーマを、筆者が勝手に選択してみた。

①公募増資は続くのか?
企業の資本調達が盛んなのは、リスクマネーを取り込んで、生き残りの為に投資するのだから、好ましいことだ。しかし、昨年のバブル期以来と言われる5.1兆円の資本調達は、僅か48社によるもので、大型ファイナンスを実行した企業は、発行済み株数の3割を超えるものも多く、株主に負担の重い調達となった。さすがに、ダイリューションに対する批判は強まっているが、嘗てバブル期直後にあった公募増資規制の様なことは避けるべきなので、業界の工夫により、企業の資本調達ニーズに応えるべきである。昨年は例年より発行が少なかった新株予約権付社債(CB)や種類株の利用や、東証が上場規則を変更した“新株予約権証券”制度を利用したライツ・イッシュ(株主割当増資)の活用などが期待される。
一般的予想では、本年も公募増資が多いということだが、株主や投資家に配慮した資本調達を支援することこそ、業界の一のテーマだと考える。

②新興市場は回復するのか?
IPOマーケットが、景況に大きく影響されることは仕方ないとして、新興市場の問題は、IPO(新規上場)数だけではなく、流通市場での問題も大きい。昨年5月には、証券業協会における検討委員会での報告書が取りまとめられていて、新興市場がいかに一般の投資家と離れたものになっているが浮き彫りになっている。むしろ一般投資家は、成長著しいアジアの新興市場への注目する傾向を強めている。今年は、昨年のIPO数19社に比べて、新規公開企業数は増加すると思われるが、これが50社嘗てのような100社超えれば良しとするのではなく、新興市場の流通活性化策をどうするかという具体的取組みが業界に求められている。

③プロ向け市場はいつ始まるのか?
 昨年6月に開設されたプロ向け市場TOKYO AIMでの新規上場は未だに無い。ロンドン取引所と東証の合弁取引所という画期的な仕組みで開設されたが、目標とするアジアの新興企業上場は、シンガポールや現地の新興市場と、どの様な誘致競争を行っているのか良く分からない。取引所もペーパレス化やグルーバル化で、海外からの注文取次も容易になっている中で、TOKYO AIMのアジア新興企業取組み戦略は理解できるが、先ずは日本企業のプロ向け取引を実行すべきではないのだろうか。例えば、上場問題がいつも取りざたされる東証株の金融機関間売買を行ってみるとか、私募債やシ・ローンの金融機関間売買に取り組むのは、今年でも対応可能と考える。

④社債市場は整備されるのか?
 関係者には失礼に当たるかもしれないが、そろそろ長年の議論に終止符を打つべき時ではないだろうか。
高格付けの発行市場に偏った市場から抜け出すには、やはり流通市場の機能整備だと思うが、議論を詰めていくと、社債に関する情報を、海外投資家及び個人投資家まで含めて共有するメカニズムの構築に集約される。社債の内容は勿論、発行企業に関する最低限の信用情報、格付け関連情報をワンストップで取得可能とするシステムの構築のことだが、欧米にはそのモデルがあるし、私募債を含めて社債情報(一部の売買情報)も“ホフリ”には既に存在する。この活用に関して、今年こそ具体的な動きが出るように政策的後押しを期待したい。

※以下は、明日に続きます。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード