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2011/09
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最近の外債販売動向と為替
7月下旬から始まった市場の下落は、金融危機第二幕を思わせる動きだったが、9月に入ると少し様相が違ってきている。安全資産としてリスク逃避先と見られていた金価格の下落と、それまでは堅調だった新興国通貨の短期間での下落だ。完全にリスク・オフのモードに入ってしまったが、短期的に2ケタ下げたものもあり、今後の個人投資家の動き方が注目される。再び、新興国通貨債中心に個人の外債投資が活発化するのか、様子見か、それとも為替のヘッジを行うのか・・・。
 この中で、その最近の動向とこの一ヵ月間の新興国通貨下落の状況を見ておきたい。

☆個人投資家による最近の外債投資動向と新興国通貨下落の状況

※図では8月の新発外債の販売状況を入れたが、既発外債の販売動向も、通貨選択の傾向は同じ様なものだと考える。
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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

証券会社のSNS活用の現状
注目される企業のSNS利用は、証券業界での利用はまだ試行的な段階にある。
先に本稿では、証券会社のSNS利用に関して日本証券業協会のワーキングでの検討課題に既にふれたが(SNSは活用できるのか=証券業界の場合 (6月6日))、その時より4ヵ月近く経過した現在、証券会社によるツイッター利用や、Facebook公式ページ開設が増加している。
 もともとSNSは個人のコミュニケーション・ネットワークだが、企業活動での利用が期待され関連する銘柄の株価は上昇している。証券会社の金融商品販売や金融サービスの提供もその企業活動の一つになると期待したいので、敢えて現在の利用状況と可能性・課題を取り上げてみた。

☆証券会社のSNS活用

SNS利用やスマートフォーン普及が、閉塞感の強い業界にイノベーションを起こす事を期待したい。

テーマ : 証券・金融関連業務
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大震災後半年、変わりつつある個人の投資行動
大震災後半年経ちましたが、変わったこと変わらなかったこと様々あり、中には私たちの胸を強く揺さぶるような事もあります。被災された方々への想いや、政治へのいらだち、そして自分の仕事や生活への影響などいろいろと考えさせられることが多くなったよう思います。
そのような中で、また日本の資本市場も、そしてそれを支える個人投資家の投資行動も変わりつつあります。その概要、投資行動の変化、それに対する証券会社の課題を簡略図に纏めましたので、ご参考までに。

☆大震災後半年、変わりつつある日本の個人投資家の投資行動

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証券税制の論点をやさしく考える
税制を一括りで論じることは難しい。様々な政策の結果として、現状の税制があるが、時々の政策によってその重要度が変わる為に、本筋の議論と対応策としての課税措置が、必ずしも一方向に向いていないこともある。現在、金融庁の金融税制調査会では、年末に決定される来年度の税制改正に向けて、金融関係分の要望を取り纏めるべく検討が進められている。この中で、証券税制関係分について、個人の投資にどの様な影響があるかという視点で、論点となっていることを考えてみたい。

【軽減措置】
上場株式等に対する譲渡益課税の軽減措置だが、最近は10%の申告分離課税と本則の20%の半額が常態化しているように思う。そもそも、上場株式などの譲渡益は、他の所得と分けて20%を課税するという原則があるが(2003年度税制改正で決定=“貯蓄から投資”政策を進める為に他の所得と分離)、株式市場の下落対策などの目的で半額に軽減されている。この措置は、今年末で終了する予定だったが、景気回復の為の市場対策として2011年度税制改正(昨年12月公表)で2年延長され、2013年末までとなっている。

【金融所得一体課税】
 個人の投資に関する所得は、他の所得と分け一本化して課税すべきという考え方は、既に過去の税制調査会でも打ち出されているが、株式・債券・預金や保険・投信のみならず個人が利用できるデリバティブの発達もある。これらを、どの範囲まで、どの様に金融所得と位置付けて、一体的に課税するか、その方法が問題になる。金融商品を定義して、一律で20%の本則課税にすれは良いに思われるが、その前に上場株式や公募株式投信の譲渡益・配当などの軽減措置を止めなければならない。この軽減措置が日本の株式市場にどの程度好影響を及ぼしているか別にして、少なくとも個人の株式や投信売買にはプラスなので、続けて欲しいというのが証券業界の主な意見のようだ。

【損益通算】
 上記の一体課税を進める為には、個人が投資している金融商品間の損益通算が可能であることが望まれる。例えは、A株で100万円の売却損があれば、B株で50万円の譲渡益が出たとしても、損益通算されて課税されず、残りの50万円の売却損は、他の株式の譲渡益や配当課税などと3年間損益通算できる。株式に関しては2009年より損益通算の繰越しが可能となっている。これを順次他の金融商品にも拡大していけば良いよう思われるが、現状は課税方法も異なるので、先ずその足場作りといったところだろうか。
例えば、債券の譲渡益は現在非課税だが、株式と債券の損益通算などを行う場合、この課税方法を見直さなければならない。その為、2011年税制改正では株式の軽減税率撤廃を前提に、債券のキャピタルゲイン課税や株式との損益通算を検討することが決まっている。
また、デリバティブに関して、取引所ものが申告分離(雑所得)なのに対して、店頭取引が総合課税(雑所得)の現状も、来年1月から申告分離に一本化される。
株式・債券・デリバティブ間の損益通算が、何れ可能となるような整備は進められつつある。

【少額非課税貯蓄制度】
 老後の資産形成や、個人が人生の要所で必要とする資金を、非課税の投資枠を使い継続投資する制度設計が望まれるが、具体的には日本版401K投資枠や対象の拡大や、日本版ISAの制度整備が待たれる。日本版401Kの拡充は年金制度改革議論が必要なので、少し時間が掛かりそうだが、日本版ISAは投資の裾野拡大の為にも期待されている。但し、現状では譲渡益の軽減措置廃止が前提となっており、また現在示されている制度も、投資による個人の資産形成というより、期間が短かかったり、継続して非課税枠を利用できないなど、試験的な取組みの域をでていないように思われる。

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個人の海外投資=その2
 多少異論があるかも知れないが、デリバティブを使った個人の海外投資があっても良いだろう。
異論というのは、FX取引を投資というのに抵抗感がある証券業界の方々もいらっしゃるようだが、デリバティブを使った立派な投資だ。それが通常の投資のイメージより、売買期間が極端に短かったり、少額資金でレバレッジを掛けたりするので、“投機的”と言われるが、短期・レバレッジ取引であっても、リスク管理がキチンと為されていれば、一概に投機的とも言い切れない。個人が為替を始め海外資産のデリンバティブ取引を行うのは、ちゃんとした海外投資行為だという認識が、そろそろ行政・業界も含めて拡がっても良いと考える。

 そのFX取引だが、昨年と今年2度のレバレッジ規制強化が行われ、8月以降25倍以内のレバレッジ取引に制限された。昨年の1回目の規制では、2~3割取引量が減少したと言われているが、8月の取引量は、店頭・取引所とも前月比1割適度増加しているので、今のところ2度目の規制の影響は感じられない。

 むしろ、問題は最近のグローバルなリスク回避の流れから、豪ドルなど高金利通貨の直近の急落が個人投資家のポジション内容を悪化させている可能もありそうだ。

また、FX取引では店頭取引の優位性は変わらず、8月の取引量では取引所取引の規模は店頭取引の6%程度の規模となっている。半年前の2月が7.5%程度なので、この傾向はあまり変化がない。なお、取引所FX取引内では、東京金融取引所(クリック365)の10分の1程度が大証FXとなっている。

☆FX取引の現状

海外資産のデリバティブ取引としては、CFD取引もあるが、まだ多様な投資対象に対応できるメリットが活かされていないようで、現在の規模は小さい。東京金融取引所の海外株指数取引(クリック株365)の8月取引量は、230億円程度と推計される。ただし、店頭CFDの方は、8月9月と金や原油・海外株価指数の取引が増加しているようだ。(具体的な数字は、協会等の集計が待たれる)

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個人の海外投資=その1
円高が進行しているが、今後の人口構成や産業構造の変化を考えれば、5年10年先何れ円安へ転換するはずだと考える事、金利が殆どつかない円資産より新興国の通貨や資産を選考すること、これらはごく普通の個人投資家の考え方となっている。例え円高局面であろうが、個人投資家が海外投資を行うことは一般化している。
 その個人投資家の海外投資はどの様になっているのであろうか。

先ず全体像を、日銀資金循環統計速報版(本年6月末時点、9月20日公表)で見てみる。
・個人の金融資産1491兆円の内、外貨建資産は34.5兆円で全体の2.3%
・この数字は、最近余り増加していない。(四半期ベースでのピークは、2010年3月の38.3兆円)
・なお、ここ5年間で日米欧とも現金・預金が2~5%程度比率を高めていて、個人の安全資産選好が強まっていることが分かる。
・外貨建資産の内訳をみると、65%が投資信託、19%が株や債券などへの投資、16%が外貨預金となっている。

また、投資信託の国別運用残高は投信協会の統計資料があるが、8月末の状況で、
・米国9.2兆円、オーストラリア5兆円、ユーロ2.9兆円、ブラジル2.5兆円
となっている。なお、通貨選択型の投資信託は2009年1月から始まったが、これは選択した通貨の先物取引を使って金利差を運用益に加えようとするもので、実際にその国の資産に投資している訳ではない。
最近、ブラジルレアルが対円で下落しているが、この影響は、上記のブラジルへの運用残高とレアル選択型の両方に及び、総額は6兆円以上あると見られる。

なお、海外の運用会社の投資信託は、日本証券業協会の統計資料があり、8月末で5.4兆円の投資残高となっている。

☆個人の海外投資=その1

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大規模なファイナンス手法として、ライツ・イシュー制度の定着を望む
 現在の市場は、ギリシャ危機を発端とする欧州債務危機に揺れて金融危機第二幕の様相だが、南欧諸国の国債等を多く保有する欧州の金融機関は、いずれ大幅な資本増強策を取る事が予想される。今の日本では、ファイナンスと言うと売り材料だが、これは今の日本のファイナンス手法(公募増資や第三者割当)が、既存株主のもっているべき価値を毀損する可能性を示している。この株主価値を下げない、少なくとも持分を希薄化させないファイナンス手法として、欧州やアジアの一部などでの金融機関の大規模なファイナンスに、ライツ・イシュー(最近の公的な議論では、ライツ・オファリングと言う事が多い)を使うことが多い。日本でも昨年初めには、大手銀行のライツ・イシューの可能性が噂されていた。
その後、昨年3月にタカラレーベン(8897)が日本で最初のライツ・イシューを実施し、そのライツ(新株予約権)が2ヵ月弱の間、東証で売買され、そして約94%のライツが行使されてファイナンスは成功した。しかし、その後のファイナンスで、この方法は使われていない。その理由は、株主構成や実務的な手続きにおいて、現状では少し使い難いとされた点があり、この部分の制度改正が現在金融庁主導で進められている。
 今でもライツ・イシューは可能だが、タカラレーベンの様に8000名弱の株主ではなく、株主数が数十万人に及び海外株主などが3割前後もいる金融機関が、ライツ・イシューを使う場合の障害となりそうな事を、現在行政中心に一つ一つ潰しているような感がある。

○米国株主対策
この問題は、正確には米国証取法対策と呼んだ方が良いかもしれない。ライツ・イシューは株主全員に新株を引き受ける権利を与えるが、その中の10%以上が米国株主の場合、日本企業であっても米国での新株募集の為の開示手続きが必要になる。M&A業務におけるTOBの場合も、これと同じ様なことがあるので、通常は米国での開示作業を避ける為、米国株主は応募できない。同様にライツ・イシューの場合、ライツを米国株主にも割当てるが、行使できない前提なので売却するしかない。
実際、欧州企業などのライツ・イシューでは、米国株主にはライツの売却代金を支払って終わるが、日本企業が行った場合、米国の株主はライツを売るしか出来ないが、米国以外の株主はライツを行使(新株に払い込む)するか売るかの選択が出来る。この事が、会社法の定める株主平等の原則上問題ないかどうか、今月初めまで金融庁開示制度ワーキンググループ法制専門研究会で議論されていた。
結論は、問題ないので取引所ルールや証券業協会規則で制度整備するように、とのことだ。

○目論見書のネット交付
ライツ・イシューもファイナンスである以上、株主・投資家に目論見書を交付しなければならない。しかし株主数が膨大であり、かつライツを株主に交付してから払込みの間に重要事実が発生すれば、適時訂正の目論見書の交付も必要になる。株主が数十万人に及ぶなら、これらの目論見書配布作業は膨大な作業となる。その為、発行会社などの負担増が懸念されていたが、本年の金融商品取引法の改正で、これらの目論見書類をネット開示で済むように簡素化している。

○株主や投資家がライツを失権してしまった場合の処置
ライツは新株の払込日直前まで取引所で売買されるが、権利行使されずに失権してしまった場合の方法として、
①失権したライツをそのままにしておく=株主・投資家が行使した分だけのファイナンス
②失権したライツを、一旦証券会社が買い取り、証券会社がその分を一般投資家に販売する=コミットメント型ライツ・イシュー
がある。筆者は、別に無理をせずにライツが行使されたものだけのファイナンスで良いのではと考えるが、企業にとって決められた資本額を調達したいと考えた時、②の方法を使うことが想定される。しかし、今の日本で②の方法を使おうとした場合、もしそれが発行済みの5%以上を超えていた時にTOB規制や大量保有報告義務に証券会社が抵触しないことの確認が必要だった。結論は、簡単に言えばそれは証券会社の引受行為なので、ルールには抵触しないでしょうということになっている。

この様に行政上の確認を重ねていくことも必要かもしれないが、ライツ・イシューで今最も求められていることは、証券会社の実務的態勢整備なのではないだろうか。

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リーマンショック後3年、投資銀行とは何だったのか=その2
グローバルに展開する主要な投資銀行を特徴付けるキーワードとして、次の3つが上げられる。

【仕組むこと】
 簡単に言えば異なるニーズを合わせること、売り買いのマッチングという事になるが、通常の市場機能が担わないことを仕組む。例えば、異なる市場間の売買ニーズ、企業間の潜在的M&Aニーズ、資金調達と投資家の異なるニーズなど、下記の証券化やファンドという手法を使ってニーズが合うように仕組む。

【証券化】
不動産や債権(ローン)など一般の投資家が本来は売買し難いものを、証券化によって小口化して売買を様にする。この際重要なのは格付けだが、多くの対象とするもの集めれば、統計学的にデフォルトする確立が導き出せるという考えが中心になっている。

【ファンド】
ファンドは、複数の投資家が本来の組織から離れ、投資目的に沿って投資行動を行うが、投資銀行のエクイティ部門にとって常に大口の売買注文を出すヘッジファンドとの関係は重要だ。その為、彼らに超高速の売買手段を提供したり、空売りする株を調達したり、レバレッジ取引が可能なように与信行為も行っている。またPE(プライベート・エクイティ)ファンドは、MBO手法を使うM&Aに多く登場するが、投資銀行自らが出資するPEファンドもある。
 以上の投資銀行の3つのキーワードは、関係する市場を拡大し、関与する企業や投資家に大きな恩恵を与えたことは否定できない。また、これらを有効に活用する為に、主要な投資銀行はグローバル・リーチという言葉を使っていたが、世界中の自社ネットワークを使って、多様な投資家と資金ニーズを利用することが投資銀行業務の強みになっていた。
 しかし、金融危機後次のようなことが政治的問題として指摘されるようになっている。

【仕組むことからの利益相反】
異なるニーズをマッチングさせるのは良いが、ではどちらの立場なのかという疑問。例えば、買い手に対して、売り手の状況が正しく伝わっているか。それが例えばプロ投資家間であったとしても、売買を仲介するなら、投資銀行は仲介者として可能な限り正確が情報を伝えるべきというのが、現在の米政府などの考え方になる。

【証券化の問題というより格付機関利用の問題】
証券化そのものは、資産の流動化という重要な機能をその国の経済に与えているが、その中核にある格付けの影響力の大きさから、格付機関に対する行政の不信感が消えない。最近の米国債格下問題でも、事前の情報の漏えいやインサイダー的取引の懸念があるようだ。日本では、昨年の12月から格付機関規制が始まったが、欧米では大手格付機関に対する監視を強めるべきと方向が決まっているもの、具体的対応はこれからのようだ。

【ヘッジファンドに対する行政の不信】
何らかの歪みを是正しようと裁定取引を行うヘッジファンドは、市場の中で重要な役割を担っている。但し、裁定行為の目的が時として政策的歪みをつくこともあって、一部の政治家(特に米国)から評判が良くない。ヘッジファンドは、通常の金融機関という組織から離れて、純粋に投資活動を行う分、市場に流動性を供給する機動的な投資家とも言えるが、そう評価するのは彼らが市場の参加者として市場ルールを厳格に守っているかということが前提になる。例えば、株を借りないで空売りするとか、相場操縦やインサイダー取引行為を行わないとかは当然だが、シャドーバンキングならぬシャドーインベストメントバンク(投資銀行が出資したファンド)であることも多くの問題を生じる。

投資銀行レースでは、日本は2周ぐらい遅れていると言われていたが、金融危機後それを必死で埋めようする野村の努力は好ましい。投資銀行の特徴である【仕組むこと】【証券化】【ファンド】のメリットを日本の資本市場にも定着させることが、大震災復興後の日本経済に好影響をもたらすと信じている。しかし、その為には同時に欧米投資銀行に係る政治的問題もクリアしなければならなく、日本の唯一のランナーにもその対策と新たな投資銀行ビションが求められている。
リーマンショック後3年、投資銀行とは何だったのか=その1
みんなが目指した投資銀行とは何だったのか。みんなとは金融機関を指すが、大手の金融機関なら自ら投資銀行になること、中小ならIPOやファンドビジネスなど投資銀行業務の一部に特化して稼ぐこと、これらを総じて投資銀行になる、投資銀行業務に注力すると言った時期があった。本稿では、このうち大手金融機関が目指した投資銀行とは何か、そしてそれらの抱える問題は何かについて考えてみたい。

 先ず投資銀行とは具体的に何処のことを指すのかというと、大手米銀・証券と欧州ユニバーサルバンク、そして残念ながら日本では野村だけになる。特に野村は、金融危機を好機と捉え、リーマンのアジア・欧州部門の一部を吸収し、資本を増強し、国内最強のリテール営業をテコにして国際的な投資銀行へ脱皮しょうとしているのは周知のことだ。その野村が、株価280円台PBR0.5倍とは、業界の人間としていささかショックを感じるが、欧米の投資銀行の株価も金融危機以来の低水準にある。勿論、日米欧でそれぞれの株価下落要因があるのだが、大和の株価を下回って野村が売られているのは、野村型投資銀行モデルの現状に対する市場の評価ではないだろうか。(※本稿は野村や大和の投資判断を促す目的ではなく、投資銀行のビジネスモデルを論じるものです。)

 そもそも投資銀行とは、どの様に定義されているのか。
「詳説 現代日本の証券市場2006 年版」(日本証券経済研究所)によると、次の様に示されている。
『「有価証券に関する助言・情報提供」とは取引先企業に対して自社株消却等の資本政策や事業部門の分社化、公開価格、買収価格の算定などM&Aに関連するコンサルタントサービスである。「組合契約、投資事業有限責任組合契約等」は未公開株に投資するファンド(ベンチャーファンド、プライベートエクイティファンド)組成、「金銭債権の売買等」は金融債権の流動化、証券化に係る業務である。こうしたM&A、金融債権の流動化・証券化、未公開株ファンド組成などはこれと連動する引受業務とあわせ「投資銀行業務」と総称される。』

その通りだと思うが、金融機関の人間でなければ業務をイメージし難いので、投資銀行の組織から投資銀行業務の説明を試みてみたい。
 大手の投資銀行にあっては、リテール部門に対するホールセール部門(総じて投資銀行業務を行う部門)は、主に次の3つに分かれる。

・(狭義の)投資銀行部門=企業の成長戦略や、組織の財務上の効率性に関してアドバイスを行う。ファイナンスやM&Aをビジネス・ターゲットにし、証券化やファンド利用も支援することがある。

・エクイティ部門=機関投資家やファンドなどの大手投資家を顧客として行うブローカー業務、自己売買を行うプロップ取引業務、更に特定のファンドに特化して与信や決済サービスを提供するプライム・ブローカー業務などがあるが、組織外に直系のプロップ・ハウスやファンドを持つこともある。近年は、ファンドとの関係が強まっている。

・ボンドマーケット部門=エクイティと同様の債券取引でのブローカー業務、自己売買取引などが中心。また、金融危機までは証券化業務が大きな収益の柱となっていた。その為、組織外にSPCやSPVを保有することも多い。また重要なツールとして格付けがあるが、“優先劣後の構造の利用やソブリンリスク、信用力のデリバティブであるCDSなど金融危機の引き金になった事項との関係も深い。

以上の3つの組織がグローバル展開してこそ一流の投資銀行と言えるが、組織は国別というより上記の部門別に運営されており、組織内においても部門の利益を優先する傾向が強い。また部門間、部門内での利益相反という問題は依然から指摘されていたが、金融危機以降、投資家との利益相反について厳格化すべきとの行政の動きが強まっている。

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個人投資家のニーズを知る努力
リテール営業においては当然の事だが、新しい金融商品を検討したり、営業推進の具体的目標を定める時、個人投資家のニーズ(需要)は如何なのかと企画者は経営から問われる。その為、企画者は個人投資家のニーズを考えるが、最も容易なのは営業現場へのヒアリング、少し時間があるなら投資家へ直接問うアンケート調査というのが一般的だろう。この個人投資家のニーズについて、少し体系的に考えてみたい。

【大きなトレンド】
最も大きなものは、“貯蓄から投資”の流れが進んでいるかというとだが、この政策はビックバン以降に推進されて、確かに個人への投信販売とその販売窓口は増加した。但し、日銀の資金循環統計で見る家計の金融資産は今年3月末で1476兆円となり、その内の現金預金は816兆円(55.3%)となっていて、残念ながら国民レベルでリスクを取って投資が進んでいる傾向は見えない。個人投資家ニーズの大きなトレンドは、政策によって作られるが、税制改正・市場機能整備・日本版401Kや日本版ISAなどの制度整備など、個人が具体的な投資行動をとる動機付けとなる政策の遂行が待たれている。
また現象面からも個人の投資行動のトレンド変化に期待することがあるが、団塊世代の退職時期・郵便貯金や個人向け国債の大量償還などが上げられる。この部分に関しては個人の投資増加期待への追い風が吹いている。

【中期的なトレンド】
 この分は個人投資家の投資目的によってトレンドが出来るが、分かり易いのは投信の売れ筋情報だろう。低金利の日本にあっては、高分配金を目指す投信販売が中心になっているが、高金利通貨の選択・高配当や高分配証券への投資は、今や投信販売の中核になっている。元本を一部配るような高分配金対応には批判があるものの、これも投資家の目的が高分配金そのものにあるのなら、投資家ニーズということだろう。
 株式投資への個人投資家ニーズということなら、野村證券が毎月行っている“ノムラ個人投資家サーベイ”があるが、最新号(9月2日公表)では3ヵ月後の株価予想は半数以上が上昇を予想しており、リーマンショック時の様な総悲観論ではない。また、注目する要因では半数以上が国際情勢を上げており、これは昨年のギリシャ危機(5月)と同程度、企業業績への関心は1割未満に低下している。

【短期のニーズ】
 1週間未満の短期的ニーズを推測するには、実際に個人投資家がどう行動したか見る方法が取られる。ネット証券などが公表している売買ランキング(含む投信)、情報ベンダーなどが提供するアクセスランキングなどで、個人投資家の投資行動をリアルタイムで見ることは出来るようになった。ただし重要な事は、次のどの様な投資行動に出るか、若しくは何を投資の重点目標とするかだが、個人投資家に直接予想させるというのも、一つの方法だろう。例えば、株式のSNSである“みんなの株式”では、株価予想のパフォーマンスをポイント化して、個人投資家が予想を繰り返すことにインセンティブを与えている。こちらの方は、最近の傾向として売り予想が増加している。

何れにしても、個人投資家ニーズを常に把握する努力を続けていくのは、リテール営業の宿命だが、情報化の進展で、リアルに統計的にトレンドを見定める事は容易になっている。投資家自身も、また。

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総合取引所議論のポイントと現状
今は余り金融立国というキャッチ・フレーズは使わなくなったが、アジアのメイン・マーケットと確固とした地位を日本の資本市場も築こうという成長戦略の中で、総合取引所構想は議論されている。現物株市場として上海や深圳など中国市場の成長は著しいし、先物などの機能も整備しつつある。韓国やシンガポールはいち早く総合取引所化を進める中で、日本市場はアジアの中核市場として生き残っていけるのだろうか。その様な危機感を官民で共有し、この業界をグローバルな競争力にあるものに変えていこうというテーマとして、総合取引所議論は意味の深いものになる。

 現在、金融庁・経済産業省・農水省で行われている総合的な取引所検討チームにおける議論では、総合取引所のあるべき姿として、次の点を上げている。

①内外の投資家のニーズに応える「多様な品揃え」
②内外の投資家を呼び込み透明かつ公正な価格形成を可能とする「豊富な流動性」
③全商品に注文から決済に至るまでの一貫したサービスを提供する「取引の一体性と利便性」
④強固な経営基盤と、公正・公平・透明な取引ルール等を備える「運営の信頼性」
⑤国際的な取引所間競争を勝ち抜くための「経営の差別化」

この論点を現状に合わせて考えてみる。
・「多様な品揃え」=確かにETFやETNで、個人投資家レベルでも商品や資源に投資することも可能になった。しかし、IPOの減少は個人投資家の新興企業投資の幅を狭めている。また、国内の商品取引所へのアクセスは良いとは言えない。
・「豊富な流動性」=各取引所の取引システムは超高速化によりアルゴリズム取引に対応しており、流動性は向上しているが、現状では指数及び指数関連銘柄に限られている。
・「取引の一体性と利便性」=せっかくペーパレス化したのだから決済期間もT+3から、せめてT+1(取引の翌日に決済終了)に改善出来ないものだろうか。また、主に個人投資家が利用する信用取引に関しても、日計り商い(デイトレード)や担保価格の値洗いなど現行制度を改善していく余地は大きい。

 検討チームに於ける問題認識としては、次の様な点が上げられている。
●取引所が巨大なシステム装置産業化する中で、現在9ある取引所の中には財務・経営基盤が悪化
し将来の展望を描くことが困難な取引所が存在。
●利用者の窓口である業者については、証券・商品先物の総合化は進んでおらず、利用者利便が損
なわれている。
●清算機関が証券、金融先物、商品ごとに別々で、その中には財務・経営基盤が弱く、国際的な競争
力がないものがある。また、異なる清算機関間では証拠金の一元化が困難。
●税制が先物と現物株で損益通算ができない。

以上の問題に関して筆者も全くその通りだと思うが、特に2番目の市場仲介者(業者=取引所の直接参加者)は投資家に直接向かうので、取引所の総合化の問題は、同時に業者の総合化の問題である。総合的な取引所は、日本の金融インフラの問題だが、そのインフラを多様な投資家が有効に活用してこそ、総合化の意味は大きい。当然、個人投資家も利用しやすい総合的な取次ぎを行う業者も多様性があるべきで、その為に、総合的な取引所にIT化で重装備しなくとも参加できる仕組みも求められるのではないだろうか。

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株式取引での仮需要の認識
仮需要とは少し硬い言葉ですが、その一般的な意味は、「価格の上昇や物資の不足が予想されるようなときに、在庫増加や投機的なねらいから生じる需要。」(大辞林)とされています。この言葉を証券用語として使う時は、ほぼ信用取引を指しています。それで、投資家が株式の仮需要を推し量るものとして、信用取引の残高は重要なものでした。例えは、信用の買い残高が急増すれば、将来の上値が重くなるのではと推測したり、逆に信用売りが多ければ、取組状況が良いとして値上がりを期待したりするのが一般的です。

ここで、信用取引の基本的な仕組みをおさらいしておきます。
・信用買い(空買い)=担保の最大3.3倍まで買うことが可能です。この必要な資金は、証券会社が投資に融資するという仕組みなので、証券会社にとって投資家の信用リスクを管理することが重要になります。
・信用売り(空売り)=株式を証券金融会社若しくは証券会社から借りて売ることが可能です。金融商品取引法では、株式が無くて売る“空売り”を禁止していますので、対象とする株式が借りられることが、信用売りの前提となります。つまり、借りられない株式は信用売り出来ないということになります。

 以上の信用取引による株式の仮需要は、主に個人投資家によるものです。この個人投資家による株式の売買は、残念ながら縮小傾向にあり、先週(8/29~9/2)の東証(3市場)における売買シェア(売買代金ベース)は、全体の16%(この内信用取引分は6割)です。

 市場取引の57.3%を占める海外投資家や16.7%の証券会社の自己売買部門も、仮需要がありますが、空買いの時は資金を、空売りの時は株式を、借りて売買するという構造は、基本的に個人の信用取引と同じものです。但し、この仮需要の為に資金や株式を借りている状況は公表されないので、個人投資家には、海外投資家の仮需要は解り難いものとされていました。例えば、海外投資家は信用取引を使わないで、自ら資金や株式を調達しますが、個人投資家の約3.5倍売買を行う海外投資家の仮需要は同じく信用取引の3.5倍の仮需要あっても不思議ではありません。しかし、海外で行われる資金や株式の貸し借りを補足することは現行の制度では出来ません。ただ、日本株ならば最終的には日本で決済(証券保管振替機構)されるので、株式の移動の動きから、貸し借り等の状況を推測することは可能です。可能ですが、現在はその様な個別株式移動の報告制度がないので、今後の制度改正を待たなければなりません。

 海外投資家の仮需が全く解らないかというと、金融危機後に導入された大口(発行済みの0.25%以上)の空売りポジションを保有した場合の報告制度で、ある程度の推測をすることは可能になっています。
最近(9/2公衆縦覧分、実際の取引は8/31か9/1)の状況と信用取引の残高状況を注目銘柄で具体的に比較してみると以下の様な状況が分かります。

・五洋建設(1893) 大口空売り 3件 1725万株 信用売り760万株 信用買い2396万株
・太平洋セメント(5233)大口空売り 6件 3577万株 信用売り6225万株 信用買い7951万株

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最近の投資信託動向について
8月は世界的に株式市場が大きく下落し、また変動も大きなものだったので、投信の残高もその影響を受けて、公募投信の残高は45.8兆円と前月比2.4兆円(5%)の減少となっています。ただし、高分配金を狙ったハイイールド債投資中心に投信への資金流入は3700億円を超えています。
詳しくは、三菱アセット・ブレインが公表している下記資料をご参考ください。

☆投信マーケット概況 8月号

 また、投信の運用会社が発信する情報に関して、世界的な株式市場下落の影響で市況関連のスポット的情報提供が増えています。また、市場下落は欧米市場中心なので、米国経済動向や欧州債務問題に関するものも多く取り上げられています。

 今後、投信の運用会社が何に注目しているかは、新規設定の新しい投信の投資テーマを見れば、ある程度推測することが出来ますが、9月以降の投資では、意外と株式関連が多かったようです。また、ハイイールド債投資も相変わらず主要なテーマです。

☆最近の投信運用会社の情報提供の傾向と運用テーマ(9月上旬時点)

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投資家視点からの総合取引所議論
結論から言えば、日本でも総合取引所になった方が良いと思う。取引所は、その国の資本市場インフラの中心なのだから、グローバル化の中でも、日本に投資資金を集める為には、インフラとしての機能を充実=取引所システムの強化が求められる。その為、持続的に多額のシステム投資(ソフト・ハード含めて)が必要だとされていて、欧米の取引所グループと張り合うというより、アジアの中でトップの資本市場機能を維持する為にも、取引所間の経営統合が進むべきとされている。その通りなのだが、では投資家にとってどの様なメリットがあるか、少し分かり難い。その為、現状の総合取引所に関する論点やポイントなど投資家視点から整理してみたい。

【東証と大証の統合方法について】
 8月中旬に株式市場に流れた統合スキームの噂は、東証が大証にTOBをかけ、完全子会社化するというものだ(両取引所否定)。同スキームの考え方は、上場会社である大証を非上場会社である東証が完全子会社化を目的にTOBを実施、3分の2以上がTOBで取得出来れば、残りの株主をスクイーズ・アウトして大証を東証の100%子会社化(当然、大証は上場廃止)、その後、大証をグループ子会社化した東証が自らの上場を目指すと言うものだ。現在、大証の株主は66.1%(3月末時点)が海外投資家なので、彼等を納得させる為には相当のプレミアム(時価からの上乗せ)がTOB価格に付くのではとの思惑が走った。

 このスキームは、東証と大証の経営統合を今期中に実施したいのであれば有力なスキームとなるが、少し強引な印象を拭えない。しかし、その背景は次の様な要因があると見られている。

・東証の上場問題=東証自らが早期の上場を果たせば、大証との統合は上場企業同士の合併若しく経営統合となり、市場にプレミアムを支払う必要はない。但し、他の取引所との統合に関して明確な方針を示さないまま東証自らが上場して良いのかという議論がある。

・東証の身代わり上場問題=普通の上場会社を子会社化し、親会社の事業を子会社に実質的に移管させて行うことを身代わり上場と言うが、東証は非上場のまま大証を経営統合して、大証の上場を存続させながら両取引所の経営統合を進めた場合、厳格に見れば身代わり上場の問題があると指摘する意見がある。(※筆者はそうは考えない)

【取引所機能の効率化問題について】
 取引所機能の効率化問題で、議論の中心のなっていることは清算機能の集約の問題だ。有価証券の最終的決済・保管は証券保管振替機構で行われるが、その前に取引所取引の現物株は東証傘下の日本証券クリアリング機構(JSCC)で行われ、上場されている先物などのデリバティブ取引は、各取引所内清算組織(東証はJSCC)に行われる。この清算機関の効率化問題は、具体的には東証(JSCC)、大証更に上場FX取引や上場CFD取引などの東京金融取引所などの上場デリバティブの清算機能を纏めて、効率化してはどうかと言う問題と、商品先物関係の決済機関である日本商品清算機構は資本が小さいので大口取引に支障が出る懸念があるので、金融商品の清算機構と統合の可能性を検討出来ないかといった、2つの主な問題に分けられる。

【取引所の取引参加者の問題】
 投資家は取引所の取引に直接参加する訳ではなく、その注文を証券会社等の取引所取引参加者に委託する。つまり、投資家は取引参加者を通じて取引所機能を利用することになる。総合取引所議論では、取引所の総合化で取引参加者の取り扱う商品も証券先物・商品先物と横断的になって、投資家も幅広い投資商品をワンストップで利用できるメリットがあるとされている。確かに、現在の進化した取引所機能をフル利用できる海外投資家や一部機関投資家はその通りだろうが、個人投資家レベルまでメリットが波及する為には、リテール(ネット証券を含む)証券等の取次機能に充実に関しての具体的議論が無いよう思われる。総合取引所というハードがあっても、個人が利用できるソフトが未整備なら、総じて投資家メリットが大きいとは言いにくいのではないだろうか。

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個人投資家からみたネット取引
先ずインターネット取引を利用する個人投資家の状況から説明したい。
日本証券業協会が、半年毎に実施している“インターネット取引に関する調査”(平成23年3月末)では、インターネット取引口座数は1647万口座で、この内何らかの残高がある口座数は1148万口座となっている。年代別の利用比率をみてみると、有残高ベースで、
・30才台・・・379万口座(全体の23%)
・60才台・・・329万口座(同、20%)
・40才代・・・329万口座(同、20%)
で、最近3年間の傾向としては60才以上の口座数増加が著しい。
しかし、意外に思われるかもしれないが株式などの売買代金に占めるインターネット取引の割合は、2年前の29.6%から、20.3%へ大きく低下(半期ベースの集計、同数字は平成22年10月~平成23年3月間)している。また、現物・信用別に最も利用の多い年代層は次の様になっている。
・現物取引=60才台・・・全体の27%
・信用取引=30才台・・・全体の26%
なお、信用取引の口座数は79.9万口座で前年比6.3%の増加になっている。
また、インターネット取引口座での投信募集の取扱高は、半期で3866億円と概ね中堅証券程度の量だが、こちらは60才台の利用が26%で、50才以上は全体の3分の2程度に達し、利用年代がシニア層へシフトしている。
 個人投資家からみたネット取引のポイントと現状については、別紙に纏めてみた。

☆個人投資家の重視するネット取引のポイントと現状 

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大手ネット証券短観、9月
大手ネット証券でのネット取引は、7月8月と増加しているという。不況の証券業界にあっては好ましいい話題だか、それぞれの株価の方は下落傾向が止まらず、マネックスとカブドットコムは上場来の安値、SBIと松井も8年振りの安値となっている。
金融ビックバン以降の業界にあって、大手ネット証券は、リテール証券業務では勝ち残ったビジネスモデルとなったが、その成長は最早限界となっているのだろうか。収益の中心となっているのは、個人投資家の回転の速い売買だが、その手数料引下げ競争はまだ終わっていない。大手証券、他のネット証券から、主要収益源であるデイトレーダーの獲得を狙って、手数料の更なる引き下げ、信用金利の優遇などが仕掛けられている。再び、体力勝負のようなデイトレーダー獲得の為の消耗戦に入るのだろうか。
FX取引、投信のネット販売、外債のネット取扱いなど新しい金融商品のネット対応強化の中で、大手ネット証券が優位な地位にいることは間違いなと思われるが、主戦場の株式市場でのデイトレード向けサービスでは、どの様な戦い方を見せてくるのだろうか。
大手ネット証券5社の基本的な戦略と、最近3ヵ月程度の動向のついて、別紙に簡単に纏めてみた。

☆主要ネット証券5社の基本戦略と最近の動向

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デイトレードについて=その2
 今の時代だとネットバンキングは当たり前になって、それも今送金したものが、ほぼリアルタイムで確認できるというサービスを、個人も殆ど意識もせずに使いこなしている。少なくとも、今日送金したものが、明日にならなければ確認できないという事は今時のネットバンキングではない。では、証券のネットトレーディングの方は、どうかというと少し微妙な話になる。ネットバンキングでは、電子的なネットワーク上でお金が電子マネーとして瞬時に移動するが、日本においては株式を含む流通可能な有価証券はほぼ電子化され、これも電子セキュリティーズとしてリアルタイムでデータとして移動(実際は証券保管振替機構内での口座間の移動)することが可能になっている。つまり、今の証券インフラでもリアルタイムで証券を決済することが理論上は出来る。

以上のこととデイトレードの関係を説明すると、若し証券でもネットバンキングと同様のリアルタイム決済が可能になれば、同じ資金を使って、A銘柄を買って、次に売って、決済して、B銘柄を買って、売って、決済して、C銘柄を・・・と繰り替えすことが可能になる。現在日本の株式は、99%以上が取引所で取引されるが、その取引所の決済ルールをリアルタイムに変えれば、複数回の売買を繰り返すデイトレードにとって、資金を有効に使えることとなる。
 しかし、現実的には取引所に注文を取り次ぐ証券会社のシステムを大幅に変える必要があり、その為の巨額な設備投資が必要になる。不況に喘ぐ証券業界にあっては、余り現実的な話としては受け取られないだろう。そのそも、デイトレードで日に何回も売買するニーズがあるのかという議論に必ずなる。また、前回紹介したループトレードがあるだろうという意見も出てきそうである。以下、現在個人投資家が利用可能な複数回売買することが出来るデイトレード手段を上げておく。

○ループトレード=同一銘柄なら、1.5回(例えば、買い→売り→買い)の回転まで。異なる銘柄の売買を繰り替えすなら売買回数の制限はない。しかし、証券会社自身で顧客取引をリアルタイムで管理しなければならない為、大手ネット証券と一部の証券に限られるし、通常の保護預り口座とは異なる別口座での管理が必要となる。また、信用取引での利用はできない。

○信用取引=現金を保証金としているのなら、その保証金がある内は何度も取引が出来そうに思うが、取引所の取引ルールにより、取引の確認・保証金の確認を日に一度行うことになっている。その為、取引の確認・保証金の確認(代用有価証券の場合、その担保価値)を終了しないと次の取引に前の取引の保証金が使えない。この問題に対応しようとしたのが、松井証券が10月からスタートする“即時決済信用取引”で、同社が取扱う信用取引を大証の立会外取引を使って約定し、その分を即時に決済するという。その為、同じ銘柄でも、異なる銘柄でも、日に何度も取引することが可能だとしている。ただし、この取引は通常の信用取引とは分離した取引なので、価格形成が通常の取引所取引の様に機能するか不明な点もあり、正確な評価は今後の推移を確認したい。

○CFD取引=同じレバレッジ取引である信用取引との関係もあり、個別株のCFD取引を取り扱うのはネット証券では殆どないし、CFD業者系証券・大和証券など一部に限られる。同じ証拠金を日に何度も利用できるのは、ほぼリアルタイムで取引・証拠金を値洗いしているから可能となっており、デイトレードには最も適しているのではないかと思われる。但し、ネット証券の収益源となっている信用取引とは利益相反関係にあり、また現状だと投資家の売買コストも信用取引よりは高し、店頭デリバティブのロスカットルールの徹底により、損失を抱えた場合の強制的な反対売買ルールの適用が厳格(信用取引に比べ)に行われる。

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