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2012/08
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大手ネット証券の最近の戦略
 最近は大手ネット証券と言うと、既存の5社にGMOクリックと岡三オンラインを加え、7社を指す。4月以降の日本株取扱いを売買代金ベースで並べてみると、SBI・楽天・GMOクリック・カブドットコム・松井・マネックス・岡三オンラインという順番になるが、特にシェアアップが目立つGMOクリックは、委託手数料を大きく引き下げたことで、デイトレーダー層などのネット取引のヘビーユーザー獲得に成功しているようだ。

この影響で、信用取引の手数料引下げ競争がネット取引全体に及んでいるが、最近はネット証券にとっての聖域と言われた信用取引金利でも、金利引き下げ競争が起きている。

ネット証券間で、主要顧客であるデイトレーダーや大口投資家の争奪戦を行っているわけだが、いよいよネット証券も競争激化から淘汰の時代かというと、そういう事でもないように思う。

今まで、ネット証券は大手や中堅証券の対面営業の顧客層を格安の手数料で取り込んで、大きく成長してきたが、上記の様に信用取引の金利まで競争が及んでいるのは、ネット証券間で顧客獲得競争が一段と激しくなっていることを示している。この結果、営業収益の6割から8割を占める日本株取引関係(手数料と信用取引の金利)の収益性を悪化させるのは避けられないだろう。しかし、主要なネット証券では、個人投資家による投資家対象のグローバル化や多様化に対応し始めており、個人にとって投資の総合取引プラットフォーム化としての機能を整えつつある。
海外市場上場株やETF、FX取引や商品CFD、外債や公募投信といった個人が直接投資可能なものを取扱う将に個人向け“総合取引所”的存在になりつつある。

個人投資家が、東証・大証を中心にした総合取引所のメリットを得るようになるのは、おそらく市場が統合され商品取引所も参加するであろう2~3年後になるだろうが、1部の主要ネット証券では、この役割を既に果たしている。

 しかし、総合取引所化したネット証券にも悩みがある。それは、この総合フラットフォーム化したインフラの維持費用が年々拡大傾向にあり、システムコスト圧縮が命題の収益基盤を圧迫する要因となっていることだ。海外取引所への取次ぎ費用、大量の取り扱い投信の管理負担、外債販売の販売コスト増加、などだが、主な収入源の日本株や関連デリバティブ取引においても、取引所の高速化やコロケーションに対応すべきコスト負担が増加している。

 その為、最近はネット証券としてのビジネスを、水平にあるいは垂直に拡大しようという戦略が取られている。水平方向の拡大の意味は、対面営業の証券会社に対して、機能の一部提供を行うことだが、具体的には、投信や外債などの販売商品の仲卸的供給、自社の仲介ビジネス拡大の中での証券会社の金融商品仲介業者化支援などが上げられる。また、機関投資家などに高速化対応した取引機能を提供し、顧客層を拡大しようとする動きもある。
一方、垂直方向の拡大は、直接投資家に接することで最も川下にいるはずのネット証券において、その上流部分に進出しようとする動きで、例えば店頭FX取引では、取引の直接カバー先を、FX業者や金融機関などから、自社グループ内に新たに設立したカバー先で行うようなっている。銀行やローン会社との提携強化も、川上部分への進出とも言える。

この様に現状は、ネット証券が主戦場である日本株関連取引での競争激化を乗り越えながら、多様な戦略を展開する段階にあるが、個人投資家の投資スタンスも変化しているので、結果を見極めるのはそれ程遠い未来ではないだろう。

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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

利益相反問題の系譜
 証券会社における利益相反の問題は、議論の奥が深く、かつ実務からみると微妙な論点を含んでいますが、避けて通ることの出来ないものでもあります。世界的な傾向として、金融危機以降は特に市場と投資家の間に立つ証券・金融機関に対して、一般の投資家を意識した利益相反問題が厳格化しているようです。
最近の欧米金融機関によるLIBOR問題や、証券化商品の販売責任問題もそうですし、日本での増資インサイダー問題もある意味ではこの利益相反問題への厳格化の流れが影響しているとも言えます。

 そもそも証券会社の利益相反とは何なのかという事ですが、金融商品取引法には第36条に顧客に対する誠実義務は定められているものの、利益相反に関する特段の定めはありません。ただし、IOSCO(証券監督者国際機構)での定義などから、顧客の利益と証券会社の利益とが衝突する場合、若しくは顧客と他の顧客の利益が衝突する場合という考え方が業界内では一般的です。

例えば、今回の増資インサイダー問題では、法人顧客情報の管理は別にしても、現行の金商法のインサイダー取引規制では、インサイダー情報を第三者に漏洩しただけでは罪になりません。極論すると、特定のファンドにインサイダー情報を流しても、インサイダー取引を行うかどうかはファンドの問題で、インサイダー規制で情報の伝達者を処罰する規制はないのではないかとの見解が一部にありました。
しかし、この問題も証券会社に係る利益相反問題の視点から見直せば、増資インサイダー情報を得たファンドの利益と、増資銘柄を保有する株主及び資金を調達する発行企業の利益が、著しく衝突する処に市場仲介者としての証券会社がいることになります。特定のファンドの利益を優先する証券会社の行為が、市場の他のステーク・ホルダーがいる中で許されるのかということです。野村の首脳陣が見誤ったのは、この証券会社や金融機関による利益相反問題厳格化の流れではないでしょうか。

 4年前に成立し3年前から施行されているファイアーウォール規制緩和においては、この利益相反問題において別の角度から議論されています。ちょうど金融危機を挟んだ時期でしたが、金融業界を覆う雰囲気は欧米の投資銀行に追い付けといったものが中心にあり、その為、日本の証券や金融機関も欧米投資銀行並みの金融サービスを法人に提供すべきだとの規制緩和議論が、学界や行政にもありました。

未公開の法人情報を、証券会社が親銀行と共有することを可能としたり、銀行と証券会社の兼職規制を撤廃しましたが、その際、顧客企業に対する銀行の優先的地位が濫用されないよう、銀行・証券とも利益相反管理体制の整備が求められました。例えば、利益相反事例を上げ顧客企業に示すとか、顧客企業のやり取りは記録に残し5年間保存して、後の検査に対応できるようにしておくなど。インサイダー情報の管理は、当然です。
しかし、SMBC日興においては、未公開のM&A情報が銀行の取引顧客に流れ、複数のインサイダー取引が行われたことが明かになっており、将に利益相反体制の中身が問われています。

 また、法的議論ではありませんが、証券会社のM&Aなどの法人業務においては、顧客間の利益相反問題に配慮しなければならない事が多くあります。例えば、敵対的買収者のアドバイザー業務、ライバル企業間に対するM&Aやファイナンス提案など、相手に利益相反があることを示し、助言を断るのが常道ですが、個々の担当者レベルで判断するのに難しい場合もあり、その際は経営判断になります。

証券会社にとって、利益相反問題は微妙で難しいところがあるのは否定できませんが、この問題に関して市場のステーク・ホルダーが何を求めているか、戦略的に判断することも、また重要なことなのでしょう。

テーマ : 証券・金融関連業務
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アナリストについて改めて考える
株式市場の活性化議論の中で、よくアナリスト・カバーされる上場企業が少ないことが取り上げられる。今では多少増えていると思われるが、それでも3700以上もある上場企業の内、アナリスト(証券アナリスト)が分析対象としているのは約2割程度に留まる。新興企業などでは、個人投資家の認知度が低い銘柄も多く、東証のマザーズ・大証のジャスダックとも新興市場での中小型銘柄取引増加策として、独自にアナリスト・レポートを作成支援し、それを個人投資家向けに情報プラットフォームで公開している。

 この様に投資家への上場企業に関する情報提供の中心にアナリストがいるが、そもそもアナリストとは何なのか改めて考えてみたい。

 日本アナリスト協会によると、同協会に加盟するアナリストの数は現在約24,600名いるが、ファイナンシャル・プランナーの約16万人、証券外務員の約9万名に比べると随分少ない。また、実際に上場企業などのアナリスト業務を行っているのは、セイサイド・アナリスト(証券会社など商品供給側で、投資家の為に分析を行うもの)、バイサイド・アナリスト(運用機関側で、ファンドマネージャーなどの為に分析を行うもの)含めて、協会加盟アナリスト数の十分の1にも満たないだろう。
株式市場が問題とするのは、アナリストの不足ではなく、アナリスト・レポートの様だ。

元来、アナリスト・レポートは機関投資家向けや投資銀行業務推進の為に書かれるものだったが、個人投資家も証券会社や情報ベンダーを通じてその分析に関する情報に接することが多くなり、また個人投資家向けアナリスト・レポートも作成されるようになってきた。この事に加え、個人投資家に接している証券会社の営業部員の営業姿勢の変化も、アナリスト・レポートへの依存度を高めている。証券会社にとっての個人営業の重心は、手数料が自由化された株式取引から投資信託や外債など金融商品の販売に移っているし、金融商品取引法の証券営業に対する行為規制の厳格化なので、全体的にみて営業部員が個別銘柄を語ることが少なくなっている。

 個人投資家にとって、アナリスト・レポートはその投資判断に大きく影響するものになってきたが、その為、レポートを作成するアナリストに要求されるルールも厳格化されている。

一つには、金融商品取引法の扱いであるが、“金融商品の価値等の分析に基づく投資判断を行う者”としてアナリストは“重要な使用人”と定義され、投資助言業務又は投資運用業に関して届出が義務付けられている。

もう一つ重要な事は、投資家に分析情報を提供する立場のアナリストに対して、投資情報の提供や利益相反などに対して厳格な対応が求められており(証券アナリスト協会の職業行為基準)、これに違反して誤った内容のアナリスト・レポートを投資家に提供した場合、レポートを使用した証券会社が行政処分された事例もある。

特に、アナリストと投資家に利益相反部分は重要だと思われるので、行為基準の記載内容を容易化して示しておきたい。
○証券分析業務に支障がある事は、投資家に示さなければならない。
○投資推奨を行う銘柄を、原則保有してはならない。
○自ら保有している銘柄を売買推奨する場合、顧客の取引の取引を優先させなければならない。
○投資家との取引の当事者(代理を含む)になってはいけない。
○証券分析の対価として受ける報酬を、投資家に示さなければならない。

テーマ : 証券・金融関連業務
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世界の株式市場の現状について
時には、東京市場を少し離して世界の株式市場の中で見直してみるのも良いのではないでしょうか

☆世界の株式市場の現状

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“社債市場の活性化”は、本当に必要なのか
社債市場の活性化は、アジアのコア・マーケットを目指す日本にとって勿論必要だ。だから、市場関係者・発行企業・学会などの有識者が集まって3年以上も議論を続けている。そして、この7月に市場活性化の為に、どの様な具体策を取るべきか報告書が纏められた。先ず、関係者の方々の多大な尽力に敬意を表したい。

ただ、この報告書を読んだ感想として、思わずコーポレートガバナンスの時の“会社は誰の為のものか”といった議論を思いだした。今から10年以上前になるが、コーポレートガバナンスの勉強会ということで上場企業の数社に呼ばれて、資本市場からみた在り方や論点を説明したが、先ず経営陣が株主や従業員・取引先・地域社会などのステーク・ホルダーにどの様に関わっていくかというところから説明を始めた。

社債市場活性化議論も、このステーク・ホルダーに関する配慮が行き届いている。つまり、投資家は勿論、発行企業・引受業者・社債の管理者と、社債市場に現在関係する人々が感じている不満や不足を洗い出し、改善を試みようとしているので、日本の社債市場の現状の姿が報告書から浮かび上がってくる。
だから、金融関係者や社債市場をこれから学ぼうとする方々には、良質の解説書として役立つだろう。

主要なポイントは、以下の4点だが、簡略化して纏めておく。(※順番は、社債市場活性化の為に重要度ではない。証券業協会の報告書の順)

①証券会社が社債を引き受ける場合の引受審査の見直し
この見直しの要点を簡単に言い切ると、証券会社が社債を引き受ける際の引受審査のスピーディー化だ。証券会社が、社債を引き受ける為には、企業の財務内容に問題ないか開示された資料をもとに判断するが、四半期開示が行われている現状では、一時的に審査確認作業の為、社債を発行出来ない時期が出来てしまう。社債の発行企業としては、良い市場環境の時にタイミング良く発行したいので、証券会社が監査法人と行う確認作業も含めて、審査手順をパターン化してスピーディー化を目指す。

②発行企業が、社債が他の債務に対してどの位劣後しているかの情報を、どの様に開示するか
社債の内容は、社債要項に定められるが、例えば自己資本がここまで減少したら、借り入れがここまで増えたら、社債の返済能力に支障が出る可能性があるので、社債を償還しますということがある。問題はこうした約束が、社債券者とではなく銀行などの他の債務者(銀行ローン借り入れなどによる)となされ、結果として社債券者の知らないところで、資産が劣化する可能性が生じることもある。
投資家としては、これら社債以外の債務に関する約束を公表して欲しいとのニーズが強いが、報告書では、発行企業が公表する内容をパターン化して、発行企業に公表を依頼するところから始めるという。

③社債を投資家の為に管理する社債管理会社の機能の明確化と充実
現状はA格付け以上の機関投資家向け債券(券面1億円以上)であれば、元利払いの実務を行う財務代理人のみで社債は発行できるが、一定以上の社債券者の意向を反映したり、低格付け債(BBB格未満)の発行を促す為、社債管理会社の機能を明確化して、その利用を進めようというのが報告書の要旨だ。この社債管理会社は金融機関が務めるが、発行企業へのローンなど社債券者と利益相反をどの様に遮断していくか重要になってくるので、今後も議論が続くと予想される。

④社債の取引価格情報を市場参加者間で、どの様に共有するか
投資家にとって最も重要なことは、市場情報の共有である。欧米の様に、取引された価格情報が投資家も含めて共有される事を期待していたが、取りあえず以下の様に試験的に試みられるようだ。
・(当分の間)、発行総額500億円以上で、A格以上、過去に一定量以上の取引があった銘柄
・取引価格は、証券会社から日本証券業協会へ当日中に報告、これを公表する
・実施時期は、ほふり(取引決済で価格情報の確認が可能)の新決済システムで対応が整う平成26年1月以降
行わないよりは良いが、一般の事業会社の発行が100~200億円の発行規模であることを考えると、随分限定的に行い、しかも相当実施が後ずれしている。

ここで標題に戻りたいが、この社債市場の活性化は、誰にとって本当に必要だったのだろうか。

社債を買った切りで償還まで保有する日本の機関投資家なのか、銀行の劣後債を粛々と購入する個人投資家なのか、BBB格未満で現状では発行出来ない中堅上場企業なのか、
今一度、誰の為の社債市場の活性化なのか目的を明確化された方が、実施される施策の優先順位と目標達成時期が見えてくるのではないだろうか。

テーマ : 証券・金融関連業務
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地方における資本市場機能の現状
国家戦略として総合取引所構想があり、資本市場の取引・決済インフラは一極に集中しつつある。その中心となるのは、取引面では来年1月にスタートする東証・大証を統合した日本取引所グループ(仮称)であり、決済面では証券保管振替機構であるが、日本のおける市場機能はこれだけで十分ということではない。地方にも企業活動の現場があり、そしてそれに期待する地元投資家層もいるので、地方における資本市場機能の現状について見直してみたい。

○地方取引所のあり方
嘗ては京都・広島・新潟にも証券取引所があったが、取引される株券を始めとする有価証券の電子化や取引システムの東証への集約化で閉鎖され、他の地方取引所もその存在意義が問われることもあった。しかし、現在残っている名古屋・福岡・札幌の各取引所は、地元企業や地域の投資家との関係を強化しながら、地域における資本市場機能のあり方を模索している。
例えば、名古屋取引所においては中京地区という強固な産業基盤の中で、地元企業が情報発信の場として取引所からの情報発信を重視する傾向が強く、地元マスコミなども取引所を取材の場として利用することが多い。福岡取引所については、福岡県などとの産業政策と重なって、アジアの企業誘致や地元企業のIPO活性化策を、地元金融機関と協力して推進しようとしている。また、札幌証券取引所では地元企業が上場しやすいよう上場ルールを緩和したり、地元上場企業の取引所利用を推進する施策を行っている。

○地域証券のあり方
嘗ては証券会社において、売り手・買い手から依頼されて地元企業の売買の媒介を行うということもあった。その意味では、地元未公開株の仲介機能を果たしていたのだが、自主規制において店頭で取り扱って良い株式の要件を定め、グリーンシート市場として流通機能を整備しようとした為、それ以外の未公開株は証券会社の店頭で取り扱わなくなった。肝心のグリーンシート市場の方は、発行市場として資金調達しにくいといった欠陥と、取り扱う証券会社の減少で、機能しているとは言い難い状況だ。
証券会社においては、未公開株は取り扱わないのではなく、取り扱う為のルールを定め直し、地元企業のM&Aや、地元ベンチャー企業へのエンジェル税制投資に、関与してくことが地域証券会社の再生にも繋がることではないのだろうか。

○都道府県の産業政策から
地元企業を育成してIPO(株式公開)まで可能になるよう成長支援しようという地方レベルの産業政策はいくつかの都道府県で実施されている。福岡県では地元企業以外にも、アジア企業を誘致して地元取引所に上場させようという試みが行われているし、北海道は、食品産業の経済特区を設けIPOを目指させようとし、その為の地元取引所上場ルール緩和が検討されている。また、沖縄ではプロ向け市場である東京プロ市場(旧TOKYO AIM)を金融特区に誘致しようとしている。その為に、プロ向け市場への上場アドバイザー(J-nomad)を沖縄県自らが出資して設立しようとしている。

○地域ベンチャー企業のEXIT
 2000年台前半には多くの地銀などが主体となって地域ベンチャーファンドが設立されたが、ベンチャーキャピタリストの不足やその後の経済・市場環境の悪化で成功しているとは言い難い。先ず、これらのベンチャーファンドそのものの再構築(再生?)が必要だろうが、経済産業省が主導して、ベンチャーファンドの投資案件情報をM&Aなどに活用する為の情報共有プラットフォーム(中小機構が運営するベンチャー投資ナビ)が、今年2月から試験的に開始されている。

○新しいインターネットを活用した動き
大震災による地域企業の再生や新規創業の為に、インターネットを使って広く個人の資金を集める方法も注目されている。キーワードは、その事業に対する個人の“支援”だ。個人が、インターネットなどによって、その事業の内容を知り、支援したいと思えば、匿名組合への出資金(事業ファンド)や寄附でその事業の必要資金の一部を担う。昨年の大震災後、被災企業や商店の復興資金をこの方法で集めてマスコミなどにも取り上げられた。また、クラウドファンディングといって、小口の事業資金をインターネット上で寄附の形式で集める方法も注目されている。いずれも、お金を出す(出資金も若しくは寄附、あるいは両方の組み合わせ)個人が、対象となる事業に賛同してネットでお金を集める仕組みだ。

以上、地方取引所からクラウドファンディグまで取り上げてみたが、どの方法であっても地域企業にリスクマネーが供給され、それが持続していくことが重要だと考える。それぞれの方法の改革・改善と進化を期待したい。

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投資信託販売におけるインターネット利用について
先ず結論から先に言いますと、投信販売におけるインターネットの利用は拡大しつつありますし、今後も利用比率が大きく高まっていくことが予想されます。この事は、ネットでの投信販売が増加するということと必ずしもイコールではありません。
勿論、ネットで投信を購入する個人投資家層は増えていきますが、対面営業においても投信購入前の手続きの一部を投資家がネットで対応したり、ネットとコールセンターで投信購入をサポートしたり、販売後の情報提供をネット中心で行ったりする証券会社や金融機関などの販売活動を部分的に担うようなネット利用が進んでいくことが予想されます。
この現状につきまして、簡単にイメージ図で纏めてみました。

・投資信託販売におけるインターネット利用の現状
・株式投信(追加型)の解約率(2011年)
・個人投資家による投資信託の選択
・ネット販売態勢の現状について
☆投資信託販売におけるインターネット利用について

今後、ネットでの投信販売の拡大のポイントは、資産形成層である30~40才台での投資参加が増えること、その為に確定拠出年金制度が拡充されたり、日本版ISAなどのように非課税の投資による資産形成制度が整備されることが重要だと考えます。

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最近の投資信託動向について、8月上旬時点
7月の投資信託の新規設定額は1,822億円と前月より5割増加したものの、既存ファンドへの資金流入額超過額は501億円と前月の約4分の1に減少、その結果、国内投資信託への資金流入は全体で前月から約3割減少となっています。投資対象は、海外大手金融機関の優先証券に投資するものやアジアの株式・債券に投資するものが中心ですが、割安な日本株投資も20%上昇したら早期償還するスキームで取り組まれています。

詳しくは、三菱アセット・ブレインが公表している下記資料をご参考ください。

☆投信マーケット概況7月号(8月6日公表分)

 また、運用会社による個人投資家向け情報発信では、リスクオフの流れが続いている影響でしょうか、新興国に関する情報提供が減少する一方、市況解説的な週間レポートが増加しています。国別では、米国やオーストラリアに関する情報提供が増加しています。
 8月新規設定予定の投資信託のテーマでは、引き続き通貨・債券・株式ともオーストラリアへの投資が中心となっており、また金融株の見直しといった動きも続いています。今年前半は顕著だった日本株の見直し買い的なものは、金融株に限られるようですが、これも繰上償還条項がついており、長期投資というより短期的なリバウンド狙いのようです。

☆最近の投信運用会社の情報提供の傾向と運用テーマ(8月上旬時点)

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総合取引所とCFD取引
 総合取引所構想は、数少ない金融分野での日本の成長戦略だ。2010年6月に閣議決定された新成長戦略では、“新金融立国”に向けた施策として、2013年度まで証券・金融、商品の各取引所間の垣根を取り払い、全てを横断的に一括して取り扱うことのできる総合取引所的な取引所創設を、可能な限り早期に図るとしている。

この国家戦略に沿って、先ず東証による大証へのTOB(公開買付)が現在行われている。両取引所による合意では、年明けには経営統合され、上場は維持されたまま日本取引所グループ(仮称)として総合取引所を目指すことになる。具体的には、東証と大証の現物株市場とデリバティブ市場が来年以降に其々早期の統合を目指し、商品分野の中核となっている東京工業品取引所を日本取引所グループが来年度(?)にも買収するといったシナリオが考えられる。

これを後押しする法案整備として、総合取引所における行政上の規制・監督機能を金融庁に一元化(現在、商品先物は経産省・農水省管轄)する改正金融商品取引法が、7月26日に参議院を通過し現在は衆議院において審議中となっている。今国会での突然解散でもない限り、衆議院も通過して法案成立する見通しだ。

 ここまでは行政主導の総合取引所構想だったので、主体となる証券・金融業界においては少し醒めたような反応だったが、総合取引所は間違いなく日本にもあった方が良い。投資家からみると、グルーバル化が進んでいるので、商社などのように海外市場で商品先物を取引すればヘッジや投資が済んでしまうのが現状かもしれない。しかし、取引所というインフラが活発に稼働するなら、それに伴う取引業者が増加し、決済の為のサービスも拡大する。市場を分析し、助言する業者も増える。つまり、産業として取引所を起点にした金融サービスが拡大していくことが期待できる。
当然のことだが、その為には多様な投資家を取引所に呼び込む強みも必要だ。

例えば、個人投資家にとって総合取引所では何がメリットかを考えた場合、一つの証拠金枠で証券指数先物でも商品指数先物でも利用可能なることだろう。さらに同じ資金なら、信用取引の保証金にもデリバティブ取引の証拠金にも両方に転用できる方が良い。その為には、先ず金融デリバティブの清算機能と商品先物の清算機能が一体化される必要がある。
しかし、総合取引所においてそれが実現する為には、
日本取引所スタート(来年1月)⇒現物株市場、デリバティブ市場毎の統合⇒日本取引所における東京工業品取引所の買収⇒商品も含めた精算機関業務の統一
と、少なく見積もってもまだ数年かかりそうだ。

実は、現在でも個人投資家にとっての総合取引所的機能を提供するサービスが既にある。CFD(Contract for Difference=差金決済取引)取引だが、取引対象は個別株式・金融指数先物・商品先物指数・債券先物など世界中で市場のあるものが対象となり、個人からみるとまさに総合取引所的取引機能を提供しているCFD専業者も数社ある。取引の仕組みは、店頭FX取引と全く同じで、投資家にはオファー(売値)・ビット(買値)が提示され、投資家がそれをヒット(インターネット取引ではクリック)すれば取引が成立する。4年程前から、日本におけるサービスが始まっているが、実はこのCFD取引が当初期待したほど取引が拡大していない。日本証券業協会によると、本年3月末の口座数は145,258口座で前年比僅か5%程度の伸び、証拠金残高は82億円と、ほぼ前年度並みに留まる。
理由は、個人にとっての投資環境が良くなかったことと、CFDが拡大する前にレバレッジ規制や不招請勧誘禁止などの勧誘規制が先行してしまったことが挙げられている。

しかし、本当にそれがCFD取引の拡大していない理由だろうか。個人投資家にとっても総合取引所的機能サービスが必要なら、問題はむしろサービスの提供者(CFD業者及びCFDを取り扱う証券会社・FX事業者)の方にあるのではないだろうか。

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拡大が期待される個人海外投資のあり方
日本の個人金融資産は、今年3月末で1,513兆円あり、よく日本の国力を示す数字の一つとして取り上げられている。この数値は、過去順調に増加していたものの、この5年ほどは株式や投資信託・債券などの市況環境の影響を受ける投資資産の影響で、1,500兆円を挟んだ増減を繰り返している。
その中にあって、個人の海外投資を示す外貨建資産は、日銀による試算値では38.6兆円、個人金融資産の2.5%を占めている。・・・(以下レポートへ)

○個人の海外投資の現状と変化
○海外投資への仲介者としての証券、そして取引所
○個人投資家の意識と現状
○望まれる海外投資プラットフォーム

☆拡大が期待される個人海外投資のあり方

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公募エクイティ・ファイナンスに対する提言
前回取り上げました公募増資を市場の売り材料としないための発行市場改革について、以下のように提言として取りまとめました。

ご参考までに。



☆公募エクイティ・ファイナンスに対する提言

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増資インサイダー問題を、日本市場再生の契機に
 増資インサーダー問題について何度か取り上げましたが、この問題の背景にある日本市場(特に発行市場)の歪みが、今後是正され力強い日本市場を取り戻す契機になればと思います。
勿論、プロの引受業者として発行会社の重要情報である公募増資情報を漏洩した野村は、その情報管理面で行政処分や企業からのペナルティを受けるのは当然でしょうが、何らかの情報漏洩は他の案件での主幹事証券(外国証券も含む)でもあるというのが業界内での一般的な見方です。この情報漏洩が起きる要因を業界全体で検討し、今の発行市場の仕組みを改革していけば、流通市場の高速化に偏りがちな今の日本市場全体の再生に繋がると期待します。

 本来、上場企業の公募ファイナンスは、市場からリスクマネーを調達して次の成長戦略を実行する訳ですから、投資家にとっては買い材料であるはずです。しかし、市場での新株受入れの許容度(投資家需要)を超えていれば、目先の株式の需給関係悪化懸念が先に立ちます。公募増資情報が売り材料になるのは、最近の公募増資においては希薄化が大きいものが多く、公募増資=売り材料として市場のイメージがすっかり定着してしまった為ではないでしょうか。これを解消する方法として、次の3つの状況を改善する施策が取られるべきと考えます。

①主幹事証券会社に投資家需要把握の為の仕組みが機能していない可能性がある。
②発行会社における自社株価への認識が不足している。
③投資家における増資効果の情報が不足している。

【投資家需要把握の仕組み】
今は流石に行われなくなっていますが、大型の公募増資(調達金額が数百億円以上)では発行決議日前に海外投資家にどの位販売できるか調査する目的で、海外部分の主幹事証券会社が海外機関投資家に対象となる銘柄の需要を聞くソフトヒアリングという慣行が行われていました。
本来、販売力のある会社が主幹事証券会社として公募増資を引受ける訳で、自社の販売力を超える分の増資金額は発行会社に金額の削減を求めるべきか、他の証券会社の販売力を利用すべきです。今、主幹事証券に求められる能力は以下のような機能の充実と考えます。
○社内の投資家需要を把握する仕組みを充実させる。
○他の証券会社の販売力を把握し、引受けのシンジケート団を組成する能力を向上させる。
特に2番目のシンジケート団組成能力の向上は重要ですが、今までの主幹事の行動はどちらかと言えば他社のシンジケート団参加を絞り、出来るだけ多くの公募株販売枠を獲得するパターンでした。結果、自社内で公募株が余剰となり、公募株を割り当てる為に当該銘柄を保有する株主に売却させたり、ヘッジファンドに空売りさせて公募株を買わせたりという行動に繋がりました。また、公募を取り扱う証券会社数が少なくなり、投資家への公募株販売窓口が一部の大手証券に限られ、投資家全体の需要掘り起こしを難しいものにしていました。

【自社株価への認識】
発行会社にも責任はあるのではないでようか。どんな株価でも公募増資を決行するというのは、企業の資本政策として好ましいものではありません。適正な公募増資価格を想定し、そこから大きく乖離して株価が下落した場合、発行を中止するという経営者の勇気も必要な要因だと考えます。確かに、公募増資には引受証券会社との間で、何か月もの作業や協議を行いますが、一定以下の株価水準では発行を取り止める判断が必要です。経営者に、自社株価に対する考えがあれば、直近の公募価格以下で再び増資を行うという判断にも歯止めがかかると思われます。

【投資家の情報不足】
公募増資への投資家の期待が小さいのは、増資の資金使途により期待できる効果や企業の変化に対する情報が不足しているからではないでしょうか。現在は、公募増資を含めて金融商品の販売活動では証券会社の販売員は目論見書しかその勧誘活動に利用できません。その目論見書は、予想などは記載することが出来ない有価証券届出書がベースです。つまり、証券会社の勧誘活動で企業側の予想(増資の効果や事業戦略)を伝えることが出来ないのが現状です。この開示制度の改善は公募増資株を取り扱う証券会社の拡大の為に必要です。また、ネット時代に相応しく、Web上で個人投資家向けロードショーを行うことが可能になれば、インターネット専業証券での公募増資株の販売もより効果的になると考えます。

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