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2013/04
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こうあって欲しい日本版ISA
 日本版ISA(少額投資非課税制度)が、証券や運用会社で盛り上がっています。この制度は、来年1月から個人が利用できる非課税の投資制度ですが、本年10月から証券会社や金融機関に口座開設することができます。その為、この専用口座獲得に向けて口座開設事前予約というキャンペーンをネット証券が始めたり、運用会社が専用サイトを立ち上げて個人向け情報提供を強化したり、証券業協会などが同制度の愛称を募集したり・・

 同制度の簡単な解説は、拙稿“日本版ISAは、個人の投資に何をもたらすか(2月7日)”に記載しましたので略しますが、利用する個人の視点からみて、同制度がこうあって欲しいと思う点をあげてみました。

(※同制度は、個人の株式等譲渡益課税の軽減措置(原則20%を10%に軽減)撤廃に合わせて、暫定的に導入された経緯があります。今後、“貯蓄から投資”政策の推進や、投資による個人資産形成の為の制度として、整備・強化されることを期待しています。)

【個人の資産運用として】
○年間100万円までの投資に関して、5年間の運用期間中の収益が非課税となりますが、現制度案では当初投資したものを売却してしまえば、この非課税処置は終了となります。個人投資家が、この非課税枠を期間中フルに利用しようとすれば、5年間売却せずに元本部分を保有し続けるような投資信託などの金融商品が適しているかも知れません。しかし、個人の投資家を育てて個人からのリスクマネーの供給を拡大させるのであれば、この非課税制度を期間中は何度も利用して投資効率を上げる制度の方が個人にとってはベターです。よって、運用期間中は売却後の再利用も可能な非課税枠が好ましいと考えます。

【個人の資産形成として】
○投資による資産形成として、現行の制度では日本版401Kや財形貯蓄がありますが、これらの制度は個人が所属する企業が制度参加する必要があり、かつ利用できる金融商品も限定されています。しかし、日本版ISAは、20歳以上の方々(居住者)なら誰でも利用可能な制度です。非課税である以上、年間投資額や投資元本総額に上限は必要だと思いますが、非課税の運用期間を10年にしたり、投資総額を現行の500万円(年間100万円×5年)から1000万円に引き上げれば、個人にとって非課税投資による資産形成のイメージが強まります。

【個人利用の利便性向上のために】
○日経の報道によれば、2014年から始まる日本版ISA制度で、2015年には同制度の非課税口座を金融機関間で移管可能にするということです(今年度の税制改正要望で金融庁)。現行制度では、個人が1度金融機関に設けた非課税口座は、移管不可能ですし、かつ次の年に違う金融機関に新たな非課税口座を開設しようとうした場合、もう一度居住者証明のような必要書類を個人が用意する必要があり、個人にとって手間のかかる作業となります。つまり、一度同制度の口座開設作業を個人にしてもらえば、金融機関にとって顧客として囲い込みやすくなります。その為、口座開設キャンペーンのようなことが今後も強まると予想されます。しかし、利用する側の個人にとっては、いつでも自分にベストの金融機関を選択することで、そのサービスが向上し、同制度利用の利便性は向上するはずです。

制度には政策目標があるのと同じように、利用する個人にとっても利用目的があります。個人の目的に沿った制度になるよう、業界においては暫定的な制度から、本格的な制度に向けた議論が必要ではないでしょうか。


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ジャンル : ビジネス

個人投資家の海外投資動向について
 現状の個人投資家の興味の中心は、アベノミックスと日本株動向かも知れませんが、円安傾向を反映して、いずれ海外投資にその関心が向かうことが推測されます。生保などの大手機関投資家も、運用の配分で外債投資を増やすことが報じられていますが、実際の個人投資家の海外投資動向について見直してみたいと思います。

☆個人投資家の海外投資動向について
(※財務省の国際収支統計“対外証券投資”の金融商品取引業者(証券)経由分からの推測)

・2012年度の個人投資家による外債投資買い越し額は5兆867億円と、ほゞ前年度と変わらない水準ですが、売買が約3倍となっています。

・2012年度の個人投資家による外国株式投資動向では、買い越し額が2,557億円と前年度の377億円に比べて大幅に増加しました。

 実際に、中堅や地方の証券会社においても、東南アジア市場へのアクセスを強化したり、外国債券の仕入れ強化する為に共同購入を試みたりする動きがあり、個人の海外投資増加を見込んだ対応が強まっています。

但し、海外投資を行っている個人投資家は、証券業協会調査では国民全体の1.7%という水準に留まっているようで、これは株式投資を行う人々の7分の1です。個人の海外投資余地は、まだまだ大きいとも言えますが、問題は個人のニーズに合わせた海外投資情報の提供ではないでしょうか。
(証券会社としての個人投資家への海外投資情報提供は、投信に偏っているのかも知れません。)

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本年度の資本市場に関する金融商品取引法改正について
4月16日に、本年度の金融商品取引法改正案が国会に提出されましたが、資本市場に関連した主な改正点につき、その概要を以下に纏めました。

☆平成25年度金融商品取引法改正について

今年度の改正に至るまでの問題点としては、
・公募増資インサイダー問題
・AIJ問題
などあり、この対策が取られましたが、インサイダー取引規制に関しては、資本提携やTOB買付者の競争者による買付行為が円滑に進むような適用除外措置も盛り込まれました。

 また、投資信託に関する改革として
・運用効率が低下している小規模投信の合併を行い易くする改正
・投信の運用報告書を解り易くするため、交付と請求の2段階化にすること
・MRFの安定運用の為に、運用会社が緊急時に資金支援を行うことを容認
の措置も入れられています。

 一方、J-REITに対する改革も進んでいて、普通の上場企業の様に資本政策が認められ海外不動産の間接取得も可能となりますが、その為にガバナンス部分の一部強化やインサイダー取引の対象となっています。


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活発化する発行市場、活性化されるその機能
 4月初めに“復活する発行市場”というレポートを公開しましたが、その後2週間の発行市場の動きを見ていますと、将に上場企業のファイナンスにおいて、その資本政策として様々に考えられた発行事例が出ており、標題のようなタイトルを付けました。
(※個別の銘柄にコメットしましたが、あくまでもファイナス手法の評価であり、投資の為の参考には利用しないで下さい。ご参考になるのは、各証券会社等のアナリスト評価をお使い下さい。)

【特徴のある公募増資】
 リートの公募は、4月に入ってからも継続して出てきており、2週間で3件ありますが、最近は好調な市況環境を反映して、希薄化率が3割以上のものもあります。また、特長のある公募増資は、以下の2件です。

・UBIC(2158)は、ADRによるナスダック上場を目論んでおり、上場時公募として約8億円の調達を行います。ナスダック上場への表明は、昨年12月に行っていますが、主幹事証券はMaxim Group とThe Benchmark Companyの現地ブローカーを使っています。

・スミダコーポレーション(6817)は、公募増資で18億円調達しますが、公募株販売直後に銀行団から36億円のローン・コミットメントを獲得しています。このようなハイブリットなファイナンスも、新しい財務戦略として注目されます。

【自社株取得とセットのCB発行】
 調達資金を全て自社株取得に充てるのが、リキャップ(リ・キャピタル=資本の再構築)CB(新株予約権付社債)といいますが、目的は似ていても多少異なるCBが発行されています。

・静岡銀行(8355)と日本セラミックが、それぞれ海外CBの発行を決議しました。それと同時に市場外取引で自社株取得を行いました。調達予定額金額の半数程度の自己株取得ですが、大株主より売却希望が出ていたことが推測されます。

 なお、最近のCBは発行企業側が株式への転換を制御するスキームが出始めており、企業側が希薄化に一層配慮している姿勢が伺えますので、既存株主にとっては好ましいい動向とも言えます。

【ライツ・オファリング2件】
 4月12日に、ライツ・オファリングが2件決議されました。

○アイ・アールジャパン(6051)は、初めてとなるコミットメント型を決議、主な特徴は、以下のようなものです。

 1対0.1の付与比率
 コミットメントしたのは、野村
 コミットメントのスキームは、株主が行使しなかったライツを発行会社が理論価格の7掛けで買取り、野村に9掛けで売るといったものです。
 6割超を保有するCEOは、割り当てられた全てを行使する事と暫く売却しない旨の一筆を入れています。
 ライツの権利行使状況を、期日まで4回公表する事を表明しています。
  
野村が主幹事だけに、米国株主対応やディスクロージャー内容はしっかりしています。しかし、それだけに何故このファイナンスが、ライツ・オファリングでなければならないか分かり難くしており、会社コメントにもあるように日本の資本市場にライツを定着する為、野村が引受証券としてのリスクを最低限に抑えて、行ったファイナンスのようにも見えます。

○フォンツ・ホールディング(3350)のライツ・オファリングも、いささかファイナンスという目的に関しては疑問があります。94%ディスカントすること自体、資金調達ではなく、大株主間の持高調整に利用される可能性も否定できません。本来ならば、支配権が移動する可能性もあるのでTOBではないかとも思えますが、こちらの方がコスト的に安いということかも知れません。当事者の方々には、申し訳ありませんが、あくまでも筆者の個人的見解です。

 ライツ・オファリングがファイナンス手法として定着することは、日本の資本市場にとって非常に重要なことと考えますので、ライツ・オファイリングの可能性と現状の問題に関して別途レポートいたします。


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ネット証券の投資信託戦略
 3月の投資信託へ新たに投資された資金は1.2兆円と約6年振りの水準となりました。アベノミックス相場に乗り遅れた個人投資家でも、中長期投資を狙う投信なら、新たに参加する余地があるとの見方が大勢の様です。

 ところで、3月下旬から大手ネット証券では、来年から始まる(口座開設は、今年10月から)日本版ISA口座開設手続きを開始しています。これは、口座の囲い込みとともに、ISA口座で投資対象として有力視される投信販売強化を狙ったものです。大手ネット証券では、既に投信販売拡大の為、共同販売プロジェクト(“資産倍増計画”)を2年前から立上げ、専用ファンドの組成とともに、資産形成の為の投信キャンペーンを行っていますが、その戦略の方向性と背景について、以下の概略図にまとめました。

☆ネット証券の投信販売戦略

ネット証券の投信は、現在の残高ベースで全体の3%にも満たないものですが、今後資産形成を行う20~30歳代でのインターネット利用での購入比率は、半数を超えています。
投資による資産形成は、比較的少額で、かつ継続投資となりますので、インターネット利用が適していると思いますが、ネット証券のみならず、金融機関や店頭営業主体の証券会社であっても、ネット機能を利用した資産形成の為の投信販売が拡大していくことも、期待されます。

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増加する個人向け社債
 個人向け社債の発行が増加しています。
その発行額(額面が100万円以下のもの)を発行した年別で見ますと、
・2010年---9,125億円
・2011年---1兆7,735億円
・2012年---2兆2,231億円
(2013年は、4月10日までに6,541億円)

☆個人向け社債の発行状況

一昔前までは、個人向け社債といえば電力会社やメガバンク劣後債が多かったのですが、最近は、発行者として最も多いのは海外金融機関で、これは国内のリテール証券や金融機関で販売することを目的に発行されたものです。

また、マネックスやSBIなどのネット証券では、持株会社が発行したものを自社のサイトを使って販売しています。年限は1年物ですが、最近は半年のものも発行されています。これは、社債発行企業としての格付けの低さを逆に利用して、短期間でも他の個人向け社債より利回りの高さを強調できる商品に仕立てています。
額面なども、インターネット取引を利用する投資に受け入れやすい10万円や1万円となっていますが、これも社債券面が電子化されていますので社債発行の物理的コストは低減されていることや、ネット取引は投資家自らが資金決済作業を行いますので、販売上のコストを低く抑えたネット証券ならではの戦略と言えます。

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進化する株式売買環境
 取引所の売買システムが超高速化したり、呼値が細分化されるのは、ハードウェアでの市場の進化でしょうが、取引ルールなどのソフト面での見直しも最近は進み始めており、日本市場はその取引環境においても進化していると言えます。
 そのイメージを、概略図に示しました。

☆日本株に係る売買の環境変化

最近の変化は、主に4つの起点から始まっていると考えます。

・2009年1月~株式の完全電子化=これによって株式の移動(売買以外にも貸し借りを含む)が容易になりましたが、このメリットは海外・機関投資家の貸株市場拡大に繋がり、結果として流通市場の拡大にも寄与したはずです。

・2010年1月~売買取引の超高速化=東証の売買システムarrowheadが稼働し、このシステムに物理的に近いサーバーを、投資家に直接提供するコロケーションサービスが始まったことで、超高速取引(HFT)が本格化しました。このメリットは、アルゴリズム取引を多用する海外ファンドなどが中心でしたが、最近は個人トレーダーの一部もシステム売買を強化する動きもあります。

・2013年1月~信用取引保証金利用制限緩和=個人投資家が利用する信用取引において、同一保証金の日中での複数回利用可能になったことで、市場での個人売買シェアが拡大へ。

・これから、多分2013年11月頃~空売り規制見直し=売り下がりを禁じたアップティック・ルールが原則撤廃される予定です。これにより、個人の信用取引における空売りが行い易くなりますが、課題はその個人の株式を貸す証券会社サイドの株式調達力(貸株市場への参加)にありそうです。

以上の変化を簡単に纏めますと、一昔前ならヘッジファンドのような投資家しか出来なかったことが、個人トレーダー層でも可能になるという事ではないかと思います。これらの変化により、市場参加者の多様化が進むのであれば、その変化は市場の進化とも呼べるのではないでしょうか。


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次の1手、資本市場の成長戦略は?
4月4日、注目されていた日銀の新金融政策“量的・質的金融緩和”が公表され、取りあえずの市場の評価は期待以上ということの様です。特に市場関係者が注目していたリスク資産買入れでは、ETFが1兆円、J-REITが300億円、年間で保有残高を増加(今後2年に渡り)させる事を決定しています。
(ETFは、現在16,010億円の残高、これを2013年末2.5兆円、2014年末3.5兆円へ。現在の取得枠は2.1兆円なので、今後取得上限枠を増加してくると予想。J-REITは、現在1,231億円、これを2013年末1,400億円、2014年末1,700億円へ。)

☆今までの日銀リスク資産内入れ状況

 昨年12月の政権交代から始まったアベノミクスは、“財政出動”“金融政策”“成長戦略”の3つの構成から成り立っていますが、次はいよいよ本丸の成長戦略ということでしょう。その主役は、政府や日銀から企業及び企業活動に移っていますが、市場関係者も単純に政策評価を行い、相場動向に一喜一憂する段階から、その関心が成長戦略に寄与できる資本市場機能という事に移っていっても良いのではないでしょうか。

 政府の産業競争力会議では、新規・成長企業へのリスクマネーの供給について、金融面から以下の3点を検討することが示されています。

◎クラウドファンディング(現在の寄附や協力金主体のものではなく、創業時のリスクマネーを集める為の新しい金融機能として検討。米JOBS法の影響を強く受けている。例えば、証券会社がポータルサイトを運営し、投資家の投資上限などを管理するようなイメージ)

◎地域における資本調達を促す仕組み(未公開株投資市場としては、現在、グリーンシート市場があるが特定の証券会社しか扱っておらず、事実上ファイナンス機能はない。これを発展的解消させ、地元企業のリスクマネーニーズと地域投資家の投資ニーズを、地域金融機関や地域証券などが仲介するイメージか)

◎新規上場の為の負担軽減(現状の金融商品取引法上の開示負担を軽減する措置の検討。例えば、必要とする監査済み財務諸表の必要年数の減少、内部統制報告書作成義務の免除等。)

 全員参加型の成長戦略こそ、持続的で奥の深い“日本再生”への取組みが可能だと思います。その為にも、上記の3点を含めて、インターネット時代に相応しリスクマネー供給の仕組みを、資本市場関係者の皆様が、実務的に検討し実現していく事を信じています。

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復活する発行市場
日本の再生を意識するような力強さが株式市場に戻りつつあります。確かに、アベノミクスに乗った円安トレンド転換への影響は大きいですが、個人投資家の回帰を軸に日本市場に対する投資家の投資行動が変わり、今までの市場構造が変化するかも知れないという予感もあります。その変化を加速させる流れが、株式などの発行市場にも及ぶことが期待されます。

☆復活する発行市場
・IPOの活発化、POの回復
・問題だったことを振り返る
・変化は起きているのか
・アジアのメインマーケットとしての課題

市況の回復は別にしても、ここ数年、流通市場の方は大きな変化を遂げています。2009年からの株式完全ペーパレスから取引や情報伝達の超高速化、HFTや空売り規制の改革など、株式売買の利便性を向上させ、参加者を多く呼び込みながら取引量を増加させる為の施策が、次々に実行・検討されています。
一方、発行市場の方は主に法規制や引受けに関するルールで成り立っていますが、基本的な構造や仕組みは長らく変わっていないので、制度疲労的に今の時代には合わない部分が出始めているのではと考えています。

今の市場環境や投資家の変化にあった発行市場の見直しが行われることを期待しています。

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