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2013/05
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リテール証券2012年度決算の動向~アベノミクスで証券業は変われるか
 先に、リテール証券の決算概要を公表しましたが、今後、どの様な成長戦略をとっていくのか探る為に、背景や各社の動向などをコメントしました。

☆リテール証券2012年度決算の動向~アベノミクスで証券業は変われるか

各社の決算資料を読み込んでみて、筆者の感想を以下に述べます。
(※ディスクロージャー姿勢の感想なので、投資判断にはお使いにならないで下さい。)

【大手3社】
・野村=中堅証券以下で、野村のリテール戦略を参考にするところは多いのですが、リーマン買収後、ディスクージャーに関してはホールセール(つまり買ったリーマンの効果を示す部門)の戦略アピールが多かったように思います。しかし、昨年の経営トップの交代で、全体の開示バランスは取れてきたように思います。リテール営業は、それなりの規模と機能なので王道をいくという感じでしょうか。
・大和=それなりの事業戦略を書き込んでいますが、リテールについては外国株式やSMAなど投資一任口座の獲得に力点があるように思われます。
・SMBC日興=過去は特色あるリテール戦略が示されていましたが、銀行色が強まってからその部分が縮小し、銀行との連携強化に開示の力点が置かれるようになりました。

【銀行系証券】
・統合などを重ねているので、リテール証券部分に関しては、銀行グループ全体のディスクロージャーに埋没しているような印象が強まりました。

【ネット証券】
・各社とも特色のあるディスクロージャーを行っていますが、今回の開示資料では、楽天の開示が今までのグループ全体から証券戦略を丁寧に書くようになりました。一方、GMOについては、証券事業での開示部分が大きく減ったように感じます。

【中堅以下のリテール証券】
・開示内容にかんしては、同業(他の証券=ターゲットは中小・地方証券)との提携強化を事業戦略にいれるところが増えてきたように思います。東海東京・岡三・いちよし・丸三・藍澤は、ディスクロージャー内容がそれなりですが、その他のリテール証券は、せめて決算説明資料を作成して欲しいといういつもの思いが出ます。


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11月から変わる“空売り規制”は、株式の取引にどう影響するか
 空売り規制につきましては、3月に金融庁より改正の概要が示され、4月末に関係法令の改正案が公表されています。
 既に、本稿でもこのルールの全体像と改革の方向性の海外について、以下の図を示させていただきました。

☆空売り規制の全体像について(3月11日公表)

 また、改正案がしめされたことで、その内容や背景について大和総研の横山氏が以下の資料で解説されています。

空売り規制見直しの政・府令案(5月23日公表)

 それで今後の株式取引に関して、どの様な影響があるのか、今一度考えてみたいと思います。

【個人の株式取引への影響】
○売り下がり禁止のアップティック・ルールが原則撤廃(10%以上下落した場合は、再び適用)される為、つなぎ売りを含めて個人の信用売りが行い易くなります。
・例えば、寄付きや引けなどでの成行き注文など

○既に本年1月から実施されている信用取引の保証金利用に関する緩和策と併せて考えれば、個人投資家が利用する信用取引の利便性が向上するはずです。しかし、現在の制度信用での株式調達の仕組み、一般信用での現状のリテール証券各社の株式調達力などから、海外投資家のように貸株市場から株式を借りて空売りを行うのとは相当の差がありそうです。

○可能性としては、今後PTSにおいても信用取引の利用が可能となることも考えられます。

【ヘッジファンドなど空売りを多く利用する海外・機関投資家への影響】
○大口の空売り報告義務が恒久化され、かつ報告対象が現在の取引所取引から全体のポジションに及ぶことになります。例えば、海外ヘッジファンドが海外金融機関と空売り契約したもの、PTSで空売りしているものも含まれるようになります。
現状の報告は、彼等の注文を取次ぐ外国証券や大手証券を通して取引所に報告されるという形になっていますが、同報告が恒常化し全体に及ぶことになれば、実質的報告は外国証券などが報告をサポートしていくのではと見られます。

○大口の空売り報告の問題は、むしろ取引所での公表の仕方にあるように思います。現状は、記載方法や様式にバラつきがある個別報告書のPDFを閲覧可能とする方法ですが、もし、大口空売りに関する投資家間の情報格差を縮小する目的でこれを行うなら、個人投資家にも解り易くする集計方法や開示方式が検討されるべきではないでしょうか。

【PTSの取引拡大に伴い、同規制の対象とする影響について】
○今回の改正は、空売り規制(アップティック・ルール、株式を手当てしないネーキド・ショートの禁止など)全般がPTS取引にも及ぶということですから、これらをチェックするPTS側の売買管理機能の充実が求められます。つまり、PTSにとってはコスト増要因となりそうです。

○ただし、将来的にPTSでの信用取引の可能性出できました。証券会社が、空売り株式を手当てする一般信用なのか、証券金融会社が株式を貸し出す一般信用なのか、これらが対応されるならPTSの個人投資家利用が一層進むことも考えられます。

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2013年3月期リテール証券決算概要について
少し遅くなりましたが、リテール証券会社の決算概要を纏めましたので公表します。
(※リテール証券の業務内容を知っていただくためのものなので、投資判断等にはご利用にならないで下さい。別途アナリストが作成する資料をご参考に)

☆リテール証券主要20社の2013年3月期決算概要

・収益面は、概ね2~3割の増収となっている。
・株式委託手数料は各社とも大きく伸びており、特に対面営業を主体とする証券会社の増加が目立つ。
・投信販売は概ね増加しているが、大和・SMBCフレンドは減少している。
・株式投信の残高増加に関しては、野村・大和は増加しているが、その他対面営業中心の証券ではまちまち。ネット証券では、投信の販売額・残高とも少ないが、残高増加傾向は続いている。
・外債販売もまちまちで、藍澤・マネックス・極東などが大きく販売額を増加させている。
・表ではわからないが、対面営業での外債・外国株式の取り扱い増加、ネット証券での店頭FXの取り扱い増加で、トレーディング益を拡大している証券会社もある。

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アベノミクスでFX取引はどう変わるのか
 少し俗っぽい設問の標題ですが、先ず、どう変わっているのか現状を見ていただきたく思います。

☆店頭FX取引におけるアベノミクスの影響

上記の図には、金融先物取引業協会の統計資料を使いましたが、アベノミクス相場が始まった昨年の12月以降、取引量(金額ベース)は増加傾向となり、日銀による異次元緩和が実施された4月には、初めて400兆円を超えています。過去取引が多かったのは、2010年5月のギリシャ危機の時に、一時的に323兆円を記録しましたが、統計を取り始めて5年間の月間平均取引金額は154.7兆円なので、4月の443兆円はこの約2.8倍となっています。
また、円売り外貨買いの4月末ポジションをみると、約2.5兆円の円売りで、これも過去平均の約1.9倍に膨らんでいます。但し、過去の円売り外貨買いの月末ポジション推移をみると、2兆円を超える月は10回あり、この4月が突出している訳ではありません。

以上から推測して、急激な円安によりFX取引は急増していますが、4月末の時点では取引参加者増加はそれ程でもないのかも知れません。なお、通貨別ポジションでは個人のFX取引傾向にも変化は見られませんが、利下げが相次いだ豪ドル買い円売りのポジションの増加は抑えられているようですし、ユーロは相変わらず買われる通貨ではないようです。

 アベノミクスの市場への影響はリスクオンですから、FX取引においてもドルや新興国通貨などに注目が集まることが予想されています。今後、FX取引を起点にして、個人の海外投資ニーズ(外国通貨、外国債券、外国株式など)が拡大することを期待する業界関係者も、また増えているように思われます。


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市場規律について=ファイナンスの場合
 大辞林によりますと“規律”の意味は、≪社会生活・集団生活において人の行為の規準となるもの≫とありますから、“市場規律”といった場合、≪株主市場に参加するものの行為の規準となるもの≫ということでしょうか。
 勿論、市場参加者が市場でしていけないことは金融商品取引法で定められており、インサイダー取引規制・相場操縦規制・不公正取引規制などがあります。これらに加えて、空売り規制や信用取引規制などは取引ルールに関するものは主に取引所ルール、市場仲介者として証券会社が行ってはいけないことは協会ルールで定められます。

 さて、標題の件ですが、上場企業が市場へ直接参加することに、株式などを新たに供給するファイナンスがあります。この場合の主な規律は、会社法に定められた手続きに従って、金商法上の開示(ディスクロージャー)を行うということですが、以下のことにも発行会社自らの規律を持って対応すべきではないかというのが、本稿の主張です。

【希薄化=既存株主への配慮】
20年以上も前になりますが、日本のバブル期に日本市場のファイナンスもバブルでした。上場企業がどんどんファイナンスして市場からリスクマネーを調達したので、結果として市場需給が大きく歪み、相場長期低迷の遠因となりました。その結果、当時の大蔵省主導で発行市場規制が行われ、例えば新株の発行なら総株数の15%未満、ROE8%以上、発行直後に株主への利益還元増加を約束などのファイナンス・ルールが一時的に強化されました。これらのルールは、1990年代半ばには殆ど撤廃されました。
 リーマンショック後の大型公募増資では、3~4割の希薄化をもたらすファイアンスが相次ぎ、海外の機関投資家から批判を浴び、また増資インサイダーの一因にもなりましたが、最近リートの公募増資が相次ぎ希薄化も5割を超えるものが出始めました。
 上場企業も市場参加者である以上、市場の需給要因に配慮した新株の供給という市場規律を意識して欲しいものですし、既存株主の希薄化ダメージに配慮するならライツ・オファリングの利用も検討すべきです。

【株価への配慮】
 この株価は割安なのか、この株価で買って成長余力はどの位あるのか、そう投資家なら考えるのですが、一般の投資家には少し分かり難い事例も出始めています。例えば、株価が急騰した後の公募ファイナンス実行は、現在のような市場環境では仕方ないのでしょうか。また、資金調達目的であるライツ・オファリングで行使価格を9割以上ディスカウントする事、証券会社などへ割り当てる第三者割当の新株予約権で時価の9割とする行使価格修正を行う事など、個人投資家には発行会社意図が分かり難く、結果として個人の投資を遠ざける可能性もあります。

【情報開示への配慮】
 情報開示に関する問題は、2つあります。一つは資金使途の開示の在り方ですが、希薄化に耐える既存株主・新規に投資を行う投資家にとって、調達資金の生み出す新たな企業価値のイメージがしやすいディスクロージャーが望まれます。もう一つは、大規模なファイナンスを行う場合の大株主等の投資行動等の開示です。ライツ・オファリングの場合の行使や売却の意向、大規模な新株予約権の第三者割当の場合の大株主等の貸し株契約の有無などです。

これらの市場規律に関し、上場企業及びその経営者の理解をサポートするのは証券会社の仕事です。

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ファイナンス・スキームとして定着するか、ライツ・オファリング
 Jトラスト(8508)が、7例目となるライツ・オファリングを5月14日に決議しました。調達金額の目標が1,119億円(会社側が公表)と、今までの事例(数億円~40億円程度まで)に比べて格段に巨額なファイナンスとなっていることと、資金使途が今後3年以内に行おうとするM&A資金ということなどから、今後の推移が注目されています。

 本邦におけるライツ・オファリングは、3年前にタカラレーベン(8897)が最初に行いましたが、当時は証券会社などの実務的対応が定着おらず、取り扱う窓口となる証券会社数も限られていました。その後、法令などの関係ルールが改正されたことから、この半年で6事例が決議され、そのうち1例がコミットメント(株主や投資家が行使を行わなかった新株予約権を、証券会社が引き受けて行使し、新株として投資家に販売する)で、残り5例がタカラレーベンと同様のノンコミットメット型です。

 ライツ・オファリングの実例も積み上がってきましたが、また一方では現段階で留意するべき点も明らかになってきました。
大きく分けると2つあります。

一つ目は、大株主の対応をどの様に考えるかという事です。事例の殆どが、オーナー型企業で、ファイナンスの決議と同時に、自分の持分をどうするか決めた上である程度の内容を公表しなければなりません。
直近事例のJトラストですと、トップの手持ち資金(100億円)に加え、株式や新株予約権を売却した資金で最大限行使する意向を表明しています。

二つ目は、コミットメント型の問題です。ノンコミット型を選択した企業の理由をみますと、コミットメント型は、証券会社との合意まで時間がかかり、かつ企業側でファイナンス時期を選択しにくいことが挙げられています。これは、証券会社がコミットを行う為に、通常の公募増資などと同様の引受審査を行わなければならないことが大きく影響しています。
株主に選択権が多いライツ・オフリングと、公募増資を同様の扱いにする必要があるのか議論があるところだと思いますが、このコミットメント型の実例が積み上がっていないので、審査ルールをみている協会などでも議論が進まないようです。

また、コミットする証券会社はある種の矛盾を抱えています。つまり、新株予約権(ライツ)の未行使数が最後の段階まで分からないので、販売リスクを避けるためには、ライツ行使の確約を大株主に求める方向にバイアスがかかりやすいことです。仮に、証券会社としてライツの購入と行使勧誘を積極的に行い、コミットメント部分を可能な限り少なくするという考え方もありますが、証券会社としての収益性の違いに問題もあり、社内で調整的な動きをすること自体が難しいと思われます。

いずれにせよ、既存株主中心となるファンナンス手法としてライツ・オファリングの定着は必要なことだと思いので、1つ目については開示ルール、2つ目についてはコミットメント後の販売手法など、業界内で議論を進めるべきことと考えます。


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復活するFX取引、低迷するCFD取引
 4月の日銀による異次元緩和の後、円安が更に進んでいるが、個人のFX取引が通常(昨年の平均)の4倍の水準に膨らんでいることが伝えられている。また円安傾向が続くのではといった見方が大勢なので、外為市場における個人のFX取引の存在感が強まりそうだ。
 ネット証券の決算状況をみても、店頭FX取引の増加による為替益の拡大傾向も定着し、リテール証券では、外債販売強化によって債券トレーディング益を拡大しているところも目立つので、証券会社などは個人投資家のFX取引強化を目論むことも予想される。

 一方、FX取引と同じ仕組みのCFD(Contract for Difference=差金決済)取引は低迷している。
どちらも証拠金を担保に、数倍~数十倍のレバレッジをかけて取引し、反対売買を行ってその差額を決済する。FX取引はその売買対象が外国為替、CFD取引は個別株・株価指数・債券などの金融商品は勿論、金や穀物などもあり、理論的には市場があるものならその対象は何でも可能だ。元々は、大手金融機関などとファンドなどの機関投資家間での相対取引だったが、これが個人向けに小口化してデリバティブ商品として取引が始まった。日本においては、FX取引増加後の4年程前から取り扱われている。
 当初は、個人投資家のデリバティブ取引拡大の為に寄与することが期待されていたが、現状は以下の様なものだ。

CFD取引の概況
(日本証券業協会の統計資料を基に作成したので、商品関連CFDは含まれない)

 また、世界的なCFD取引サービスの提供者(ホワイトラベルとして、証券会社などにシステムと取引商品を提供)が日本には4社進出していたが、うちCMCマーケッツは昨年11月、GFTは本年3月に撤退した。CFDを個人投資家に提供する証券会社の方も、大和・SBI・楽天などの大手の撤退が相次いでいる。

このCFD取引低迷の理由について考えるにあたり、いくつかの要因を上げておきたい。

【時期的な問題】
・この4年間は、基本的にはリーマンショック後のリスクオフの時期と重なった為、リスクオンしてレバレッジ投資を個人が拡大する環境とは異なっていた。(現在は違った状況かもしれないが、・・)
・証券会社にとって、ペーパレスや超高速化など源市場でのシステム対応や通常のIT化推進が中心となり、新たな商品へのシステム投資等が控えられる傾向にあった。

【制度的な取組みとマーケンティング問題】
・4年前は、ちょうとFX取引拡大後の弊害が目立った時期で、個人のデリバティブ取引全般に規制強化する方向が行政方針として打ち出されていた。レバレッジ規制・証拠金管理の強化などとともに、CFD取引に対する不招請勧誘規制は徹底された時期でもある。この様に、FX取引の様に拡大する以前にCFD取引はマーケティング手段が限定されていたが、本来個人投資家へのマーケティング活動を行う証券会社なども不況期で、限られた取組みしかされなかった。
 
【代替投資手段の開発・改善】
・例えば海外株価指数や商品指数などのCFD取引が期待されたが、ETF・ETNの商品多様化の中で同様の投資対象となる商品が開発されたり、信用取引制度の利用でレバレッジ取引も可能となっていた。
・また、本年1月からの信用取引制度改善で、同一の保証金(CFD取引の証拠金に相当)利用が複数回可能となったことから、個人にとっての取引所上場商品や信用取引の取引効率が上昇した。

今後、CFD取引がこのまま低迷を続けるのか拡大に転じるかは、個人のデリバティブ取引全体から見直す必要があるだろう。

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ディスクロージャーの充実は基本なのですが、・・・
 証券会社は、業法によって3月末決算なので、この時期、筆者は約30社程度の決算短信や決算説明資料を読み込みます。これは、一応リテール証券会社の決算動向分析を依頼されているからですが、このことで、いつも軽い失望を覚えます。

 それは、決算説明資料などを見ても、例えば業界の中でどの様に勝ち上がっていくかという強いメッセージを感じることが、年々少なくなっているように思えるからです。永年、上場企業のディスクロージャーやIR活動を支援してきた筆者の経験から言いますと、勢いのある企業はディスクロージャーも積極的ですし、またその内容も充実しているものです。個人も企業も、良い情報を伝えたくなるのは当然ですが、問題は、何を重視していてどの様な変化が起きているか、持続的に情報を提供することだと考えます。

 このことで最も一般的な情報提供は、業績予想ですが、残念ながら証券業界の決算短信では、バブル崩壊後はこの業績予想が公表されません。理由は、各社とも市況などの変動要因が大きいのでディスクロージャーの対象から外すということですが、本年上場し直した日本取引所グループでは業績予想を公表し始めました。いろいろ各社ごとに難しい問題もあるかも知れませんが、投資家に市況予想を語り、上場会社には積極開示を求める証券会社なのですから、自らの業績予想も積極的にその戦略とともに述べて欲しいいものです。

 また、リテール証券およびリテール部門をもつ証券会社は、個人投資家向けに決算説明資料を作成すべきです。これらの資料は、その証券会社の年次の経営計画や中期経営計画がベースになります。簡単にプロセスを説明しますと、

・企画部門での事業計画(新しい年度の予算とその根拠の作成)⇒経営会議での同計画の承認⇒関係各部署(マネージャークラス)への説明⇒決算説明資料等への記載・公表

つまり、逆算しますと決算説明資料で強いメッセージが示されたことは、事業計画で重点が置かれているということになります。

 投資家サイドの視点でみますと、業界内の競争に勝つ戦略は、この決算説明資料が最も身近のものとなります。(決算短信での記載でも良いのですが、現状の証券会社の決算短信は記載事項が定型化していて、他社と異なる事業戦略を記載しにくいのではないかと思われます。)

決算説明資料公開は、上場リテール証券のうち三分の1程度ですが、先ず自らのディスクロージャー充実をもって、投資家と他の上場会社に範を示して欲しいものです。
(※最近のリテール証券及びリテール証券業務におけるディスクロージャー悪化は、銀行系列の統合や系列強化の影響、リテール証券を含めた事業グループ化の中での相対的地位の低下、などが影響している部分もあります。)

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未公開株式投資・クラウドファンディングの可能性
 今の市場を支えているアベノミクスは、3本の矢(大胆な金融政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略)から成り立っていますが、市場の注目は日銀の金融政策から次第に成長戦略に向かっています。
その成長戦略を検討する政府の産業競争力会議において、新規・成長企業へのリスクマネー供給の為に仲介機能を強化し、産業に新たな血が入るように支援して行く為に、以下を検討することが表明されています。
◎クラウドファンディング
◎地域における資本調達を促す仕組み
◎新規上場のための負担軽減

以下、簡単にその現状と動向について纏めてみました。

☆未公開株式投資・クラウドファンディングの可能性
・成長戦略とクラウドファンディング
・未公開企業ファイナンスの現状
・未公開株投資拡大のポイント
・証券ビジネスとしての可能性


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アベノミクスで証券ビシネスはどう変わるのか
 大幅に業績改善した証券会社の決算発表が相次いでいますが、アベノミクスで個人投資家の株式市場回帰が鮮明になりつつあります。

 先ず、市場はどう変わったかですが、取引量は以下の様に拡大しています。

【一日当たりの平均売買代金】現物市場
・東証1・2部合計=2011年度12,893憶円⇒2012年度14,765憶円⇒本年4月34,039億円(前年度平均売買代金の2.3倍)
・マザーズ=2011年度156憶円⇒2012年度236憶円⇒本年4月816億円(前年度平均売買代金の3.4倍)
・JASDAQ=2011年度203憶円⇒2012年度303憶円⇒本年4月1,306億円(前年度平均売買代金の4.3倍)

【一日当たりの平均出来高枚数】デリバティブ市場
※miniを10分の一に換算して合算
・日経平均先物・mini合計=2011年度119,396⇒2012年度153,086⇒本年4月269,465(前年度平均売買代金の1.7倍)

最近は、新興市場での取引拡大が目立っていますが、これらの市場は価格変動も激しく企業規模も小さいのでリスク選好の個人投資家向きといわれています。

以下は、証券会社(大手は、リテール部門)の決算資料などから、この3月末までのアベノミクス効果途中の状況です。

【個人の投資資産はどう増えたか】
・大手のリテール部門の個人預かり資産は、約1割程度増加しています。
・大手ネット証券では、約2~3割の預かり資産増加です。

【証券会社は、個人に何を販売したか】
・個人投資家への投信販売は、概ね2~3割増加したようですが、銀行系証券や中堅証券などの多くは顧客の投信残高が減少したようです。つまり、これらの証券では顧客の投信資産の回転は効いたが、投信販売での新規資金獲得は大きな流れになっていないようです。
・証券会社によって、個人への外債販売に注力したところと、そうでないところに分かれたようです。外債販売注力によって、債券関連のトレーディング益を積みましたというのが、中堅以下の証券会社における収益回復の一つのパターンでした。

【個人の株式売買は】
・一時は2割を切っていた売買委託注文における個人比率も、4月第三週には34%を超えています。
また、売買単価も5割以上(昨年10月比較)上昇しているので、リテール証券会社の収益改善には大きく寄与しています。ただし、一部ネット証券では、手数料や信用取引の引き下げ競争が続いているので、それほど株式関連収益が伸びていない証券会社もあります。また、東南アジア株式の取り扱いを増加させ、為替や株式トレーディング収益を拡大させている中堅証券会社の動きも目立ちました。

リテール証券会社にとって、まだアベノミクス効果の影響は始まったばかりかもしてませんが、個人投資家のニーズに合ったサービスや金融商品を提供するのは当然の戦略です。

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