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2013/10
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2020年の個人投資家
 近い将来ではないけれど、想像可能な未来、7年先の東京オリンピックイヤーとなる2020年はそのような時間軸と感じる方が多いのではないでしょうか。以下、2020年の個人の投資はどうなっているのかを敢えて予想してみました。

☆ 2020年の個人投資家

・個人と投資環境の変化
・2020年までの日本経済変化
・2020年の個人投資家像
・2020年に投資家をサポートするもの
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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

公募増資は、本当は買い!?
 今年の発行市場の特徴としては、公募増資や新株予約権付社債発行など公募のファイナンスが増加しています。公募増資だけでも本年は既に100件(内、3割弱がJ-REIT)近く実施されていて、例年は50~60件といった水準からみると件数だけでは通常の倍といったイメージです。これも市場回復やアベノミクスで景況感が変わってきた影響でしょうが、この公募ファイナンスの問題について少し触れたいと思います。(問題点を簡素化する為、以下本稿では公募増資の問題として取り上げます。)

 先ず、公募増資は買いか売りかという問題についてですが、

○公募増資を引き受ける証券会社にとっては、当然買いです。
・企業がリスクマネーを調達して、新たな事業や設備に投資を行い、収益を今以上に上げて企業価値を向上
・上記のことを確認する為、約2ヵ月程度かけて、主幹事証券会社による引受審査が行われます。
・しかし、これらの審査内容は一般的に公開されません。(他の引受証券会社には、公募増資の取締役決議を行う1~2週間に、内容の一部が伝えられる業界慣行があります。また、主幹事証券会社内であっても審査結果だけは社内に伝えられますが、チャイニーズ・ウォールで審査内容は営業部門には分かりません。)

●普通の投資家にとっては、公募増資は希薄化により一時的な売り要因と見做されがちです。
・金融庁が無作為に選んだ本年実施された公募増資15件では、発行決議から値決め日までの平均下落率は▲12.1%。
・同じく金融庁調べでは、希薄化以上に株価が売られているケースが多く、信用での空売りもこの期間急増しているとのことです。
・金融庁の見方(金融審議会資料)では、公募増資が一時的に投機的売りを呼び込んでいる可能性も指摘しています。
・なお、公募増資銘柄でこの期間中に株式を借りて空売りした投資家には、引受証券会社は新株を割当ることが出来ません。
・しかし、既に株式を保有している投資家がこの期間株式を売却し、その後、公募新株の割当てを受けることは出来ます。

正論を言えば、資本市場において企業にリスクマネーの供給を円滑に行う為には、公募増資は買いでなければならないのですが、上記のように分かり難い状況が続いています。

現在、金融審議会において公募増資の仕方を改善しようと、以下のような点が議論されています。
(この議論は、相当引受実務に近い専門的な事ですが、一般に分かり易いように以下は平易化して記載しています。証券・金融のご専門の方は、金融審議会事務局資料(1)~(3)をご参照ください)

○取締役会による発行決議日から日を置かずに新株を募集するようにしてはどうか
○取締役会による発行決議日以前に、投資家に公募内容をある程度しらせる制度として、現在の発行登録制度を使い易いものに改良できないか
○投資家の需要を広く喚起する為、企業が検討している新規投資や事業内容の変化について、勧誘行為とならないように、投資家に知らしめる方法を具体的に検討できないだろうか(プレヒアリング、プレロードーショー、アナリスト対応など含めて)

このように書いてもまだ専門的すぎるかも知れませんが、公募ファイナンスの実務的なことまで金融審議会(関連法制度改正に為の)で議論されることは、公募ファイアンス活性化の為には非常に良い事だと思います。

 しかし、公募増資において本質的な問題は、現行の主幹事証券会社やり方では、投資家需要を広く掘り起こしたり、正確な投資家需要を把握することは難しくなっているということではないでしょうか。このことは、増資インサイダー問題で何故ウォールを超えて、ファイナンス情報が漏れやすいかという事にもつながるように思います。

本当は、より広い範囲の投資家が参加する公募の在り方について、議論するべきと考えますが、具体的な施策については、また別に機会に。

公募増資が、より多くに投資家にとって買いとなる日に為に。

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

ヘッジファンドとデイトレーダー
 ヘッジファンドとデイトレーダー。一般的には、両者とも普通の投資家と異なる投資行動を取るイメージが強く、特殊な存在感があります。例えば、予期せぬ株式の急落が有る時など、ヘッジファンドが先物で売りを仕掛けたと市場関係者から指摘されることがあります。また、デイトレーダーはネット証券にとっては重要な顧客でありますが、個人投資家の中では特異な存在として見なされる傾向が未だに残っています。それぞれ、市場における存在感は大きいのですが、大多数の投資家とは異なる投資行動をするとか、投資に対する考え方が違うとか見做されがちで、語感は一般にはネガティブな印象が強いように思います。

 しかし、ヘッジファンドの投資手法は運用業界に大きな影響を与えましたし、デイトレーダーは市場参加者の多様性を維持する為に必要な役割を演じるようになっています。その現状について、概況は以下のようなものです。

【ヘッジファンド】
・ヘッジファンド・リサーチ社(米)によると、9月末の世界中のヘッジファンド投資残高は、2.51兆ドルで、本年第3四半期中(6月~9月)に新規資金が230億ドル流入しています。

・一方、世界全体のファンドの運用資金は27.86兆ドル(本年3月末、国際投資信託協会調べ)となっています。

・従って、ファンド全体の中でヘッジファンドの占める割合は9%程度ということになります。
(※株式関連のファンドは11.51兆ドルなので、この比率は21.8%に上昇します。)

・また、日本で販売されたヘッジファンドの残高は金融庁の調査によると本年3月末で1.71兆円(305本)となっており、そのうち国内のヘッジファンドは1.02兆円(同時期の国内株式投信の4.4%)、海外のヘッジファンドは0.68兆円(同時期の債券型を除く海外ファンド残高の4.0%)

・上記の数値から、日本でのヘッジファンド投資の拡大余地は大きいと思われます。
(アブラハムが個人にヘッジファンド投資を薦めていたのも一理あります。)

・ヘッジファンドの市場での存在感がその規模以上に大きく感じるのは、レバレッジ投資と多頻度売買に因ります。
(レバレッジは、売買注文を受ける投資銀行が、資金や株式を貸付けたり特定のデリバティブ契約により信用リスクを供与します。多頻度売買はHFT(High-Frequency Trading)で行いますが、ヘッジファンドとは別に、HFTで超短期の鞘取りを行う業者もいます。なお、HFTに関しては別の機会に論じたいと思います。)

・ヘッジファンドの特徴について、IOSCO(証意見監督者国際機構)は以下の纏めています。
 通常の集団投資スキーム規制に含まれる借入やレバレッジに関する規制が適用されない。
 管理手数料に加えて、高い報酬手数料を(しばしば利益の何%という形で)徴収する。
 投資家は、四半期毎、半期毎、1 年毎等定期的に(定められた期間に)売却が認められる。
 投資マネージャーが、多額の自己資金によって投資することが多い。
 しばしば投機目的でデリバティブが活用され、空売りを行う能力も有する。
 多様なリスクや複雑な仕組みを持つ資産に投資を行う。
(従って、通常のファンド運用のように市場指数を上回るパフォーマンスの目標とするのではなく、全体的なプラス収益の追及と、多様な投資対象がその特徴になっています。)

【デイトレーダー】
・業界内の通説では、デイトレーダーは3~4万人いると言われています。
(※デイトレーダーは、一般的には毎日市場で何らかの売買することで生活する個人との意味もありますが、本稿では毎日売買する個人投資家を指します。)

・最新のMANEX個人投資家サーベイ(2013年10月公表分)では、顧客全体の5.5%がデイトレードを行うとされています。

・各社の決算説明資料などから、ネット証券大手7社のネットの個人投資家数は全体の2割程度と見られ個人投資家実数1,600万人から推計すると、7社の推計実数は320万人程度。その5.5%なら約18万人というデイトレーダー数が推計されます。

・日本証券業協会によると、証券会社での個人インターネット利用調査では、1ヵ月間(本年3月)に100回超売買する個人投資家の売買金額が、個人投資家全体の61.8%を占めている。

・つまり、市場でのデイトレーダーの存在感が大きくなっています。(個人の市場での売買シェアは、金額ベースで委託取引全体の28.1%[10月11日の週間])

・デイトレーダーに有利となる取引ルール改正も行われており、年初からの信用保証金の日中での複数回利用が可能となったことや、11月5日から予定されている信用取引での売り下がり禁止(アップテック・ルール)が原則廃止されています。

・デイトレーダーの出自として、最近は金融機関や証券会社の元トレーダーなどが上げられますが、個人による自分専用の運用会社とも見做す事が出来ます。現在、金融庁による登録を受けている投資運用業者は315社しかありませんが、20万人近く毎日売買する個人運用者がいることは、市場の構成要素として大きな意味があるのではないでしょうか。

アナリスト問題を思い出す
 投資家が上場企業の内容を知ろうとするには、企業側のディスクロージャー(金商法で定められた法定開示、取引所ルールの適時開示、それ以外のIR活動による企業の情報発信など)に頼りますが、それ以外に投資家の投資判断に大きな影響を及ぼすものとしてアナリスト・レポートがあります。
これは、証券会社などに所属するアナリスト(所謂、セルサイド・アナリスト)により作成される企業分析のレポートで、元来は機関投資家向けに作成されていたものですが、個人用に要約されたものを個人投資家(顧客)にもネット上で閲覧可能としている証券会社も増えています。

市場の方でも、レポートでの目標株価や格付けなどの変更には比較的よく反応する場合が多くなっており、アナリストは個人投資家にも身近になっています。

また、アナリストに関する最近の話題としては、楽天の会長が、自社担当のアナリストを名指しで批判するというような珍しい現象(今年7月)も起きています。(企業側のディスクロージャーが問題か、アナリストの分析が問題かは、個々の投資家が判断する問題でしょうが、・・・)

そもそも、アナリスト(本稿では、レポートを作成するセルサイド・アナリストを指す)に関する問題は、正確で分かり易いレポートを作成するという本源的な機能以外で、次のようなものがあります。
(世界的なアナリスト問題は、エンロン・ワールドコム事件(2001年、2002年)後に顕在化していますが、簡単に言いますとあれだけの粉飾決算に対して、アナリストはちゃんと分析して見ていたのかという疑問です。正確な分析を阻害する要因として、以下のようなことが考えられました。)

●アナリストの利益相反問題
 アナリストの報酬は、当然証券会社が支払いますが、その評価や原資が何かということが問題となりました。例えば、
・担当する企業がファイナンスやM&Aなどに為に良い評価をアナリストに求めることがあります。
・大口の手数料を支払う特定の大手機関投資家に対して、担当営業部門から分析レポート公表前の内容や特別の未公開情報をもとにした分析を伝えるニーズが強まるもともあります。
 これらのニーズは、企業や大手機関投資家のビジネスを担当する投資銀行部門からなのですが、アナリストの評価は投資銀行部門からの評価やビジネスの影響を受けないといった体制を整備することが、アナリスト部門に求められています。

 簡単に書きましたが、これ等は証券会社内のアナリスト部門と投資銀行部門のチャイニーズウォールだけで守られるのか、現在でも少しばかり疑問を感じます。個別のアナリスト評価が、アナリスト部門内の査定とアナリストランキングだけで、アナリストに高給を提供できるのかといったなといったものです。

●アナリストの個人的利益相反問題
 これは、前記に比べて比較的簡単で、アナリスト個人の取引に関して、担当する企業の現物は勿論、デリバティブを取引しないということで、投資家に提供するレポートと自分の取引の利益相反は避けられます。ただし、担当する業種のETFやETNは如何かということでは、多少配慮の余地があると思います。

●アナリストの未公開情報への関与
 優秀なアナリストほど、企業経営者との接点が多いものですが、その関係で未公開の重要事実(株価に影響のあるもの)に接する場合もあります。一応、自主規制では、未公開の重要事実を使っての分析は行わず、他者に伝えないとなっています。

●アナリスト・レポートの不足への対応(取引所)
 現在、証券会社のアナリストがレポートを作成する対象の企業数は8~900社程度と言われていますが、取引所は証券会社がアナリスト・カバーしないような新興企業や中小規模の上場銘柄の取引活性化を目論んで、以下の様にアナリスト・レポートの投資家への提供を試みています。(数字は、10月22日現在)
・社団法人証券リサーチセンター:東証1部、2部44銘柄。マザーズ56銘柄。ジャスダック2銘柄
(レポート作成費用は、有志の資金(現状は、各取引所、大手証券、大手監査法人などの協賛金が原資))
・アナリストレポート・プラットフォーム:44銘柄。
(レポート作成費用は、基本的に上場企業が負担し、作成は独立系リサーチ)

 アナリストは、投資家にとって企業の分析レポート提供という非常に重要な役割を果たしていますが、その立ち位置を考えた時、10年前に顕在化したアナリストの利益相反問題について、今一度見直してみる必要もあると考えます。



テーマ : 証券・金融関連業務
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証券化不動産への投資について
 今年は上場企業のファイナンスが多い年ですが、その中でもJリートの公募増資が目立っています。
本年度(4月以降)では、既に18件約8,000億円超の出資口を調達していますが、最近ではイオンが自社のショッピング・モールをリート化したものの新規上場も話題になっています。
 アベノミクス効果で、長年続いていた資産デフレもようやく終焉するのではとの思いもあり、東京オリンピック決定も追い風になって、不動産投資は活発化するのではとの期待もあります。

 さて、不動産投資と資本市場の関係ですが、冒頭にあげたJリートのように今世紀に入って不動産の証券化スキームの利用が進み、比較的短期の運用を目指す投資家や個人などの小口投資家も、それぞれの投資目的に合わせてリートや私募不動産ファンドなどで不動産投資に参加することが容易になっています。最近の話題で言いますと、来年にも医療・介護施設を投資対象としたリートの上場が解禁されるとのことですし、現在取引所で準備が進んでいるインフラ・ファンドも、不動産証券化の一種ともいえます。
 また、個人の関心が高い太陽光や風力などの再生可能エネルギー施設に投資するエコエネルギー・ファンドなども、大きな括りでの不動産証券化ですし、ヘルスケア施設へ投資する私募ファンドも当然含まれます。

 実際の証券化による不動産投資の概況は、国土交通省が毎年まとめていますが、その資料によりますと証券化による不動産取得のピークは、リーマンショック前の2007年度の8.8兆円でした。危機により2009年度は1.8兆円まで落ち込みましたが、2012年度は3.3兆円まで回復しています
(証券化スキームからの不動産売却は、2012年度4兆円)。証券化スキームごとにみますと、Jリートによる不動産取得は1.5兆円(同、売却は580億円)ですが、反対に私募ファンドの方は2.2兆円(TMKやGK-TKスキーム)の売り越しとなっています。証券化の最終的な出口は、流動性のあるJリートということかも知れませが、不動産業界からみた期待もJリートに集まります。

以下、証券化不動産への投資の概要について、以下に示します。
☆証券化不動産への投資

テーマ : 証券・金融関連業務
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アンケート調査などから個人投資家像を改めて考える②
 一昔前の証券業界では、個人投資家を保有する金融資産別に富裕層・準富裕層(退職金などで一時的に金融資産が膨らむ個人も含む)・一般投資家層などと分けていました。これは、概ね自社の営業戦略に依るところが大きく、富裕層ならブラベートバンクや投資コンサルタント、準富裕層ならファイナンシャル・アドバイザー、一般はコールセンターやネットへの誘導が中心などといった大雑把な分類でした。また、前回紹介した業界団体による調査では、年齢層別の投資家属性が中心になっています。
 以下、最近は個人投資家のどの様に考えているか、各種調査などから分類実例を上げてみました。

○株式投資家の投資方針による分類←ノムラ個人投資家サーベイ(2013年10月10日公表分)
・概ね長期保有(個人投資家全体の49.2%)
・短期間の値上がり益を重視(同、15.2%)
・配当や株主優待を重視(同、19.3%)
・特に決めていない(同、16.3%)

○投資家クラスターモデルによる分類←日経リサーチ“個人投資家向けIR調査”
・ベテラン短期投資家(全体の25.5%)
・分析投資家(同、21.2%)
・チャート重視投資家(同、8.7%)
・愛着投資家(同、26.2%)
・素人投資家(同、18.5%)

○ネット投資家の売買頻度による分類←MANEX個人投資家サーベイ(2013年10月公表分)
・デイトレーダー(全体の5.5%)
・週に数回(同、14.4%)
・月に数回(同、35.6%)
・数ヵ月に1度(同、27.2%)
・以上より少ない(同、19.3%)
(※デイトレーダーについては、業界内では全体で20~30万人程度と見られているので、個人株主の1.2~1.8%というのが通説)

株式投資に限っても、以上のようにいろいろな分類がありますが、証券会社や金融機関にとっての個人投資家は、自社の営業活動で取り込むべき顧客な訳ですから、次のように投資目的に合わせて分類し、人やシステムなどのインフラ投資をされるべきではないかというのが、コンサルとしての意見です。

○資産形成層
・資産形成目的で投資を行う個人層。
・持株会、継続的な累積投資、日本版401K、そしてNISAなども含まれる。
・特徴としては、一度の投資金額は少額だが、長期投資を目的としている。
・この投資家層に業者として対応する為には、効率的な継続投資のインフラが必要。但し、会社単位で纏めて多人数を顧客化するメリットがある。

○資産運用層
・一般的に個人投資家層と言われる部分で、投資信託なども数百万円単位以上で購入する。
・投資目的は、あくまで資産を増加させることが中心になる。
・資産分散から海外投資ニーズは高いと思われるが、現在の海外投資は投信に偏っているので、外国株・外国債券投資の余地は多きいと見られる。

○資産管理層
・一定期間内にある程度の資金を利用することを前提に投資を行う個人層。
・例えば、高齢者による毎月分配型投信への投資や、教育資金贈与信託など。
・また、今後投資資産全体のリスクを管理するという目的で、デリバティブ利用などが進む可能性もある。
・但し、証券会社や金融機関による資産管理ビジネスに対する体制整備が現状では不十分と見られるので、運用会社任せになり勝ち。

○個人トレーダー層
・売買の目的がトレーディングの個人層。
・売買対象は、個別株からFX取引・指数デリバティブへ拡大。また、上場ETF・ETNの利用も。
・証券会社としては、売買回転数の増加が好ましいので、デイトレーダー層の獲得の為の業者間競争が激化
・ヘッジファンドなどの売買手法や提供されていたサービスの一部が、デイトレーダー層でも利用可能に。

○特殊な投資目的による投資家層
・自社や特定の愛着がある企業への投資
・特定の社会的目的による投資
・知り合いや地域振興の為の投資
・以上は、上場企業以外にも、地域のインフラファンドや事業ファンド・未公開株投資において、今後増加していく可能性があるが、現在の証券業者では明確な戦略は、ほゞない。


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ジャンル : ビジネス

アンケート調査などから個人投資家像を改めて考える①
 個人投資家はどうなのと顧客企業から問われることがありますが、この業界で仕事をされている方々も、何らかの目的や理由で“個人投資家はどうか”ということを考えることが多いのではないかと思います。
これらは知る為に次のようなアンケート調査を参考にしていますので紹介します。

個人投資家の証券投資に関する意識調査(結果概要)(日本証券業協会:2013年9月17日)
この調査から個人投資家の全体像を推計することが出来ます。例えば、次のようなこと
◇個人投資家はどの位いるのか=2,302万人←(9月末の実質株主数1,723万人[証券保管振替機能の統計データ]×株主数内個人比率97.3%[株主分布状況調査]÷個人投資家の内、株式を保有するものの割合72.8%[調査①]
現在、証券業界はNISAで新規顧客獲得キャンペーンを行っていますが、この数値では何等かの金融商品を保有する個人投資家は、意外といるなというイメージです。ちなみに、以下の数値も推計しておきます。
◇株式投信の保有者は=701万人←(個人投資家数2,302万人×投信の保有比率50.8%[調査①]×その内の株式投信保有比率60.0%[調査①])
◇個人向け国債の保有者は=357万人←(個人投資家数2,302万人×公社債の保有比率28.6%[調査①]×その内の個人向け国債保有比率54.3%[調査①])
◇外国債券の保有者は=86万人←(個人投資家数2,302万人×公社債の保有比率28.6%[調査①]×その内の外国債券保有比率13.2[調査①])ちなみに、社債保有者は111万人、地方債保有者は80万人と推計され、意外と少ないという感想です。
個人の投信に関しては、別途、投信協会が毎年行っている次のような調査があります。

投資信託に関するアンケート調査報告書平成24年度(投信協会:2013年1月)
前記①と同様毎年行っている調査で、保有状況・購入動機・問題認識などかなり詳細な項目を調査しています。例えば、次のようなことも推計ができます。
◇投信の積立投資を行っている人は=221万人←(個人投資家数2,302万人×投信の保有比率50.8%[調査①]×投信の保有者のうち積立投資の利用者比率18.9%[調査②])
この内、約7割が証券会社・銀行・投信運用会社直販での毎月積み立てですが、残り3割は確定拠出年金(日本版401K)や財形貯蓄によるものです。後の方の数値はすこし少ないように思いますが、毎月給与天引き分の個人の認識率は落ちるのかもしれません。
◇インターネットを使っての投資利用者数は=※←(20歳以上の人口10,483万人[政府推計2013年9月]×金融取引におけるインターネット利用率31.3%[調査②]×各種金融取引経験者比率[調査②])
※株式もしくは債券投資でのネット利用経験者数は=2,070万人(ネットでの金融利用者全体の63.1%)
※投信でのネット利用者数が=485万人(ネットでの金融利用者全体の14.8%)
※FX取引でのネット利用者数が=249万人(ネットでの金融利用者全体の7.6%)
すこし一般的なイメージより多いような気もしますが、以上が個人投資家の全体像になります。

ただし、証券会社や金融機関が知りたいのは個人投資家の投資ニーズであります。上記のような業界団体の調査は毎年行っているので、各ヒアリング項目でどの様に変化しているか見ることで、個人投資家の課題が推測されるかも知れません。年齢・性別・保有金融資産額・ネット利用などでヒアリングする個人の属性でも大まかなことは分かりますが、個人の投資行動を推し量るのであれば、投資目的に分けた調査も必要ではないでしょうか。その事は、また次回に。

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アブラハム問題で見直す投資助言業とヘッジファンド
 投資助言業のアブアハム・プライベートバンクが、実質的に海外ヘッジファンドなどを販売していたとして証券取引等監視委員会(SESC)より金融庁に対する処分勧告が出されました。処分対象となった行為についてSESCが上手くまとめていますので、以下の資料を参考にしてください。
●アブラハム・プライベートバンク㈱に対する検査結果の概要

ここで、改めて投資助言業とは何か見直してみますと、金融商品取引法(法第28条3項)には次の業務として規定してあります。

○投資助言業務=助言することで報酬を得る契約を締結している。その助言の対象となるのは次のようなもの。
・有価証券、金融商品の価値
・有価証券関連オプション、オプションの対価の額
・有価証券指標、金融指標の動向の分析に基づく投資判断
※有償で行うものに限り、無償の場合は助言業務ではない。

 アブラハムの営業手法に関しては、既に経済マスコミに取り上げられていますが、投資家向けにアピールしていることを纏めますと、海外の運用成績の良いヘッジファンドを日本の個人投資家が直接買いやすいようにサポートしますということです。勿論、個人投資家が日本の金融商品取引業者を通じて海外のヘッジファンドを購入することは可能です。しかし、アブラハムのアピールするところは、個人か直接ファンドを購入すれば販売を仲介する金融商品取引業者に渡す手数料などのコストを削減することができるので、個人投資家にとってメリットの大きなビジネスモデルということです。
 もう一つは、若者向けに今から老後資金としての1億円を、毎月5万円で海外ヘッジファンド投資することで達成しましょうとアピールしていることが挙げられます。
 これらは、海外ヘッジファンドの個人直接購入・若者による少額ヘッジファンド継続投資など新しい動きで、金融イノベーションに繋がるものと期待されていました。

 しかし、SESCの検査では同社が特定の海外ファンドを個人投資家に紹介することで、ファンド側から実質的な販売手数料を受け取っていた為、助言業の行為を逸脱していたということです。行政処分に対するコメントが出来る立場ではありませんが、もし同社の主張するビジネスモデルが正しければ、堂々と金融商品取引業の登録を行った上で、日本での新しいヘッジファンドの販売を試みて欲しいものです。

 なお、金融庁による業者への調査では日本でのヘッジファンド販売の概況は次のようなものです。
(当然ですが、アブラハムの販売分は含まれていません。)

☆日本でのヘッジファンド販売の概要

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証券会社のSNS利用
 標題からお読みいただいた方には申し訳ありませが、結論から申して“あまり進んでいない”ということです。それでも書いたのは、世の中のSNS(ソーシャルメディア)に対する期待値が高いからです。例えば、総務省の“情報通信白書(平成25年版)”ではスマートディバイスでSNSの利用は増え、ビックデータやクラウドコンピューティング、4K・8K(次世代放送サービス)とともにスマートICTが日本の成長を加速する鍵となると唱っています。

 しかしSNSへの参加は個人が行うなら未だしも、企業や従業員として行う場合、規制業種の証券業(他の金融関連業務も同様に)は制約を受けます。例えば、
・A証券がフェースブックである金融商品の情報を流したとします。
・Bさんが“いいね”をクリックしました。
・Bさんは、A証券の従業員でした。Bさんのフェースブックの友達は、BさんがA証券の従業員と知っている人もいれば、知らない友人もいます。

 証券会社の従業員が金融商品を薦める時、その行為を規制するルール(行為規制)があります。例えば、その人のリスク負担にあった金融商品を販売することを求める“適合性の原則”、ちゃんと説明しなければならない“説明義務”、実際に契約する前と後に決められた書類を交付する義務などですが、Bさんが例えSNS上であっても特定の誰かに金融商品を勧誘する時、これらの義務を負う事になります。
しかし、“いいね”をクリックしただけでは勧誘とは言えないと思うのが一般の感覚ですが、クリックした後、誰かとSNS上で遣り取りした場合は、どこで勧誘行為としての線を引くか難しいところもあります。
対面営業の従業員はいないネット証券では、これらのことウェブ上で投資家に伝えなければならないので、実質的な行為規制は、広告規制として相当部分が取り込まれています。

 さて、現状の証券会社のSNS利用はメディアの一つとして顧客向けの情報発信に徹しているおり、従業員が自社のSNSで発言することは殆どが社内ルールで禁じています。つまり、勧誘行為にならないよう注意深く使っているということです。また、顧客サービス(例えば富裕層向け)の為に投資や金融商品と全く関係ない情報を、SNSで流すといったことも行われています。(この目的は、富裕層など特定顧客とのコミュニケーションの頻度を上げ、顧客個人のイベントに絡んでいくことです。)

 時代の進化の産物であるSNSを、証券会社の本業である金融商品の勧誘に使ってはいけないのでしょうか。IT企業の方やコンサルチング・ファームの方々は、新たなマーケティング・ツールとしてSNSを使いこなす提案を金融機関に行いますが、現実の証券会社では、今それを避けているように思います。

なお、米国の金融自主規制団体(FINRA=Financial Industry Regulatory Authority)によるSNS利用の自主規制ガイドラインは、次の様なものです。(野村総研資料より、筆者が簡略化。ベースはRegulatory Notice 10-06)
・ソーシャルメディアでの会話内容を記録・保存する。
・ソーシャルメディアで推奨する場合も、相手の負えるリスクや投資目的を確認する。
・ブログの更新は広告とみなされ、会社としての事前のチェックが必要。
・インタナクティブなコミュニケーションは、会社として監督する必要がある。

 なかなか日本で実行するは大変な様に思えますが、証券会社サイドでのSNS情報管理を容易にするクラウドコンピューティング・ツールがIT企業より提供されるでしょうし、SNS利用ニーズも高まれば証券会社の負担が少ない自主規制ルールも準備されると信じています。

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NISAへのそれぞれの期待
 NISA(少額投資非課税制度)が盛り上がっています。個人投資家による証券会社や銀行での口座開設が、本日10月1日からスタートしますが、実際の投資開始は年明けとなっています。しかし、この制度浸透の為のキャンペーンが官民一体で進められており、まるで成長戦略の一翼担って金融界で推進しているが如き観がしています。
証券会社にとっても、業界をあげて久々に新規顧客競争が活発化しており、とても好ましい状況です。
そのようなNISAの現状に関して、以下に纏めてみました、

☆NISAへのそれぞれの期待
・金融業界の一大イベントとしてのNISA
・口座獲得等勧誘の留意点
・望まれる機能向上
・NISAの背景

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