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2014/02
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証券会社のSNS利用
 投資型クラウドファンディングの法案整備が伝えられ、来年4月から同法案が施行されることで成長企業などのインターネットを使ったリスクマネー集めが容易になると見られていますが、“寄付型”“購入型”などの現状をみてもSNSが活用されることが想定されます。

 一方、普通の投資に関するものでは金融商品や金融サービスを提供する証券会社のSNS利用が注目されます。本年から開始されたNISA口座などで、若い方々が新たな投資家として参加する時、SNSによる情報提供は証券会社にとって他のメディアなどより安価にかつ容易に利用できるでしょうが、現状ではそれほど利用が進んでいません。例えば、証券各社の主要なSNS利用は次のような状況です。

◇facebook=2月時点の主な“いいね”の状況では、野村約1.5万人、SBI約6千人、楽天約4.5千人などですが、利用方法は市況解説からセミナーやキャンペーンの案内、会社としてのCSR活動などの紹介、支店や新しいサービスに関した情報提供などでイメージアップを図る情報提供となっています。なお、大和やSMBC日興などでは、新卒者採用用の情報提供に限っています。

◇ツイッター=2月時点の主な“フォロワー”の状況:野村約2万人、大和約2万人、SBI約2万人、楽天約9千人、松井約6千人などとなっていますが、リアルタイムの市況状況などを簡単コメントするものが主流で、同自社ホームページへの誘導を試みるものが多く見られます。

◇YouTube=セミナーの簡易版の様に3分~10分程度で投資に関係する情報を提供したり、サービスやCSR活動の案内を行っていますが、テレビCMの代替もしくはCMそのものを活用するケースもあります。

全体として証券会社のSNS利用は余り進んでいませんが、その理由は2つほどあると思われます。
一つ目は、不特定多数の個人を相手とする為、SNSから発信する情報を、投資助言や金融商品勧誘に利用する際の社内ルールや自主規制の整備が必要ですが、一部の証券を除いて未だ対応されていないこと。例えば、社員が第三者を装って“いいね”や好意的にツイートする行為は実質的に勧誘行為となりますが、勧誘行為に伴う行為規制などの対応が整備されていない場合が殆どです。従って、自社SNSへの社員参加を禁止したり、勧誘行為を行わない旨を表明するのが現状となっています。
二つ目は、自社SNSに寄せられるコメント等について、問題ないかどうかチェックするSNS監視体制が必要となることです。

現状では企業イメージの向上以外で明確な効果が分かり難いと考える証券会社が多いので、SNS利用の態勢整備のコスト負担まで進むことが少ないようですが、一部にはSNSの利用を限定することで有効な活用方法を模索する動きもあります。
情報の発信範囲を、社内や一部の顧客に限定して行う“社内SNS”では、メリットである情報の双方向性を確保しながらSNSの管理・監視も行い易いので、今後の活用が期待されています。また、別の取組みとして、SNS内にある企業に関する情報をビックデータとして利用し、株価騰落の可能性を推測しやすいようにしようといった試みもなされています。

何れであっても、SNSの本業(証券会社にとっては勧誘行為)での活用を検討する時ではないでしょうか。

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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

日本市場の投資家動向について
今やミリ秒単位で変化する株式市場ですが、少し長いスパーンで考えて、株主構成の変化と売買動向といった2つの視点から、時には見直してみては如何でしょうか。

☆日本市場の投資家動向について

 過去20年間、事業会社や金融機関の株式持合い解消の受け皿になったのは、海外投資家であることは間違いありません。図表にしました数字は、昨年3月末の数字ですが、昨年の海外投資家の買い越しが15兆円を超えていましたので、この比率は本年3月末では更に上昇していると見られます。今後、海外投資家の買いが続くかどうか分かりませんが、買い手としてはやはり個人・投資信託・年金基金ではないでしょうか。
 個人は昨年大きく売り越していますし、NISAも始まったので年初からは海外投資家の売りの受け皿となっているようです。また、期待される投資信託の日本株買いは、投資信託に流入している資金を考えると、もう少し金額が増加しても良いように思います。また、年金基金(GPIFなど)の日本株への投資配分増加が時々話題となりますが、過去10年間では保有比率が半減しています。
また、市場仲介者である証券会社の自己売買は、過去10年間で半減しており、市場に流動性を与える裁定取引などは、一部海外ヘッジファンドなどが代替するように変わってきました。

 その時代の進化・変化によって投資家の主役は変わるかも知れませんが、市場に参加する投資家が多様であることが市場の健全性を保ち発展していくキーになることは、いつでも変わりないように思います。

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ジャンル : ビジネス

相場操縦の伏流~2つの相場操縦事件について
 相場操縦は、時々経済マスコミの話題にもなりますが、インサイダー取引とは違って少し解釈が難しいところがあります。前回不公正取引で取り上げました行為などは、勿論対象となる訳ですが、例えば大きく下落すると分かっても大量に損切りしなければいけない場合は違うでしょうし、他の金融取引との間で行う裁定取引も微妙なケースがあると言われています。裁定取引そのものは、本来取引に流動性を与えるもので、歓迎すべき行為と見なされるのが一般的です。しかし、米国SECの摘発事例では、ヘッジファンドがA企業の株価を下落させる目的で、A企業の信用デリバティブ(CDS)を大量に売り、A企業があたかも信用不安があるが如く装った行為が問題視されました。

 一応、日本の司法判断や学識者の間では、他者の取引を誘因する目的をもって行う行為とされていますが、最近の証券取引等監視委員会(SESC)による相場操縦行為の摘発事例では、次のような海外投資家の行為が摘発(2月18日)さています。

・世界各国でデイ・トレーディング・ビジネスを展開するプロップ・ファームであるセレクト・バンテイジが、酉島製作所及びホシザキ電機各株式につき、その売買を誘引する目的をもって、売り最良気配値より上値の複数の価格帯に約定させる意思のない売り注文を発注したり、買い最良気配値より下値の複数の価格帯に約定させる意思のない買い注文を発注するなどの方法により、売買が繁盛であると誤解させ、かつ、変動ようとした行為(2012年4月12日から同月24日までの間、72の取引サイクル)

 この事件は、課徴金そのものが実際の取引にかかる為(大量に出した売買注文ではなく)6万円と過少ですが、マスコミ報道では、100銘柄近くに対して同社の相場操縦行為の可能性があり、同社からの委託注文を証券会社が受け難くする目的で摘発を急いだとされています。

 一方、大規模な相場操縦事件としては欧米主要金融機関によるLIBOR不正操作事件がありますが、2012年6月に米英の金融当局よりバークレイズが国際的な基準金利であるLIBORを恣意的に動かした行為が相場操縦行為として問題視され、その後、他の国際的な金融機関も多数関与していることが明らかになった事件です。一時は金融スキャンダル的にマスコミにも取り上げられ、不正操作に関与した各行に課せられた課徴金などの総額も1兆4000億円と言われ桁外れのものでした。

 しかし、この問題を日本の金融関係者が聞いた時、相場操縦行為というのに少し違和感を持たれた方も多かったのではないかと思われます。勿論、不正操作はいけないのですが、LIBORの決め方も銀行間で情報をやり取りして決める行為なので、銀行間でのカルテル的行為と情報交換のどこに線をひくのか分かり難いのではと感じました。ただし、この摘発は2003年に定められたEUの市場濫用指令により、規定される相場操縦行為に沿ったものでしたが、その規定内容は次の3つです。(訳は、日本証券経済研究所によります。)

●金融商品の供給、需要若しくは価格に関する虚偽若しくは誤解を招くシグナルを与える若しくは与える可能性があるもの、又は単独若しくは共謀して行動する者たちによる、1つ以上の金融商品の価格を異常若しくは人為的な水準にもたらすもの
(※行動が正当であること、かつ当該規制市場の容認された市場慣行に従っていることが立証される場合を除く)
●仮想的な技巧、又は他の形態の偽計若しくは計略を用いた取引又は取引注文
●金融商品に関する虚偽又は誤解を招くシグナルを与え又は与える可能性のある情報の流布

 リーマンショック以降、大規模な金融取引に対する金融当局の監視が厳格化しているのも時代の流れでしょうが、一方取引手段の高度化により、相場操縦行為の議論も変わっていくのではと思われます。ただ、個人投資家も参加する株式市場においては、個人も分かり易い議論の進展が望まれます。


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不公正取引について
市場の健全性と多様な投資家の参加を維持するため、不公正な取引は禁止されています。標題の“不公正取引”とは証券取引監視委員会(SESC)が使っている言葉で、金融商品取引法第157条に定められている有価証券(株式やデリバティブ)取引における不正行為の禁止全般を指していますが、具体的には次のようなこととなります。

【風説の流布、偽計、暴力又は脅迫の禁止】(法第158条)
事実でないことを公表したり、インターネット上の掲示板に虚偽情報を流すことも、風説の流布と考えられています。また、偽計は他人を錯誤に陥れるような詐欺的行為を指しますが、これらの具体的事案として次の事件が上げられます。

・ライブドア事件(平成19年東京地裁)=ライブドアの上場子会社であるライブドアマーケッティングとマネーライフ社(自社ファンド参加)の株式交換において、ライブドアマーケッティング株式の現金化を予定して、同社株式の交換比率を有利とする目的で、同社の業績や交換比率に関して虚偽の公表を行ったことが、ライブドアの代表者などの偽計及び風説の流布とされた。

【相場操縦行為の禁止】(法第159条)
 他人の取引を誘因させる目的をもって、取引が繁盛に行われると誤解させる次のような行為を指します。
●仮装取引=権利や金銭の移転を目的にしない売買行為
●馴合い取引=売り手・買い手がそれぞれ連絡を取り合った上で行う売買行為
●不実の表示=取引価格が自己または他人の操作によって変動する旨を流布することや、重要な事項について虚偽若しくは誤解を生じさせる表示を故意に行うこと。
●見せ玉=市場価格を誘導する為、約定する意図の無い売買注文を大量に発注し、取り消す行為。

 最近の事例としては、シンガポールのヘッジファンドがRISE(8836ジャスダック)株式の2012年3月から4月の売買で意図的に高値形成を図った取引が、SESCによって摘発(2013年7月)され、相場操縦としては過去最大となる4.3億円の課徴金勧告がなされています。また、目立った事例としては、米国のヘッジファンドであるタイガーファンドが、ヤフー株の取引において、直前約定値段より高値の上限価格を提示した買付けの計らい注文を、複数の証券会社に分散して発注する方法が相場操縦行為とされ、SESCより6571万円の課徴金勧告が行われています。

【会社関係者の禁止行為】(法第166条)
不正な取引としては、会社関係者が内部者情報(未公表の重要事実=インサイダー情報)を使ったインサイダー取引ですが、この会社関係者の中には、企業が業務を委託した者や士業などの専門家も含まれます。最近は、増資インサイダーが問題となりましたが、普通はファイナス業務を上場企業より委託される引受証券会社内において、情報がファンドや機関投資家を担当する営業体に漏えいしたことが問題となりました。この為、インサイダー情報を不正に流した証券会社及びインサイダー情報を不正に取得して売買を行った運用業者の処罰(課徴金増額等)を強化する施策が行われています。

【公開買付者等関係者の禁止行為】(法第167条)
TOB(公開買付)では、通常大きなプレミアムが付く場合が多く、事前にTOB情報を知ったものが行う典型的なインサイダー取引です。

最近はむしろ他の重要事実、例えば資本提携による増資・株式分割・業績修正などのインサイダー情報を利用した個人による比較的小口の取引もSESCによって摘発されるケースが目立ってきました。一方、相場操縦行為については、海外ファンドなどが摘発されており、SESCなどが海外監督機関との連携を強めている結果が出始めていると思われます。

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株式取引に係る課題について
 最近は、夜間取引などの議論が本格化し、日本の株式市場もアジアの中核市場として一層の市場機能整備を求められているようですが、その現状の課題について、全体像を俯瞰してみました。

☆ 株式取引に係る課題

 先ず、取引機能についてですが、今後も超高速化が進むのは避けられないようです。例えば、世界各地の取引所において、同様の指数に連動したETFなどが上場される傾向が強まっていますが、これらの取引所間競争を勝ち抜く為にも、一層の取引速度向上がヘッジファンドなどHFT取引を多用する海外投資家などから求められています。
 この取引システムの高度化に伴って、取引監視の方の高度化も求められるようになって来ており、例えばHFTを行うアルゴリズムが、他の参加者の取引の公正さを担保するために問題ないかどうか取引所やサーバーを貸し出す証券会社側も確認する必要があります。また、HFTの他の取引への影響は未だ明確になっていない部分もありますが、他の参加者特に個人投資家などにどうHFT取引の状況を知らせるか課題となっています。この分野では、やはり米国の方が一歩進んでおり、HFTのモニタリング(銘柄毎)とその状況を米SECが把握するシステムが昨年稼働しており、個人でもSECのホームページからHFTの取引情報を把握することが可能となっているようです。(参考:米国HFTの実情〈日本証券経済研究所 吉川氏〉)

 一方、取引ルールでは昨年の信用取引保証金制度の改革やアップティック・ルールの原則廃止で、個人トレーダー層にとっては影響が大きな制度改正が進みました。一日に何度も同一の保証金利用が可能となったり、信用取引での空売りが行いやすくなったのですが、空売りのためには株式を借りなければならず、直接貸株市場(主に内外の金融機関による店頭取引)に参加できる内外の機関投資家と個人では、その株式の調達力に大きな差があるのも、一方の現実です。
 これら投資家自身の機能差はしょうがありませんが、全体的な投資家間の情報格差縮小の視点から、貸株市場の情報や大口空売り報告などの情報が、個人レベルに対しても分かり易く適時に伝えていく必要があるように思います。

 現在議論が始まった夜間取引は、取引所の利便性向上の視点からのテーマかもしれませんが、日本の株式市場全体から見て、投資家の多様性を守ることで、健全性の維持された取引拡大を目指して欲しいと考えます。


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情報産業としての証券会社の縛り=法人関係情報について
 証券会社は上場企業の株式売買を仲介しますが、一方でその企業のファイナンスやM&Aなど株価に影響を及ぼす可能性の高い情報に接する場合も多く、これらの情報に接した場合は、“法人関係情報”として証券会社内で厳格に管理します。
 その厳格に管理することはどの様なことかといいますと、情報を取得したファイナンスやM&Aの部門と他の営業部門間の情報を遮断(チャイニーズ・ウォールを機能させて)し、その状況を管理部門がモニタリングするということになっています。また、法人関係情報は金融商品取引法で規定されるインサイダー情報(未公表の重要事実)より広い範囲で考えられています。

 例えば、現時点では重要事実ではなくとも、将来そうなる可能性の高い“蓋然性”がある情報、またそれ自体は重要事実でなくとも、他の情報と組み合わせて考えれば重要事実を“示唆”するような情報まで拡げて、証券会社内では法人情報関連情報として管理されます。言葉の定義を、証券業協会の自主ルールそのまま使ったので分かり難いかも知れませんが、増資インサイダー事件の例でいいますと、アナリストが通常の分析レポートを公表しなくなったり、引受部門の担当者などが頻繁に訪問する情報などを組み合わせ、直近の公募増資の可能性を示唆したり蓋然性を示したりすることが行われました。この様なケースを防ぐために 2012年8月より法人関係情報の範囲を一層拡大しています。
 
 一方、法人関係情報を得た証券会社は、取引の公正さ・投資家の保護・証券会社としての信用を守るために以下の行為が禁止されています。
●法人関係情報を提供した勧誘行為の禁止
●プレ・ヒアリングに関連した法人関係情報の提供の禁止
●法人関係情報に基づく自己売買の禁止

 また、協会の自主規制においても、若しファイナンスなどで情報が事前に漏えいしインサイダー取引などが発覚した場合、そのファイナンスの引受中止や延期を発行会社と相談することに自主ルールに定め直しています。(筆者の個人的意見として、この対応はファイアンス元である企業への配慮が少し不足しているようにも思えますが、・・・)

 投資というものは、様々の情報を元に判断される行為ですので、証券業務も情報産業の一環かもしれませんが、顧客である企業の情報管理が上記のように難しいのは、これらのファイナンスやM&Aを実行する部門と、投資家に対応する営業部門、自己の売買を行う部門、調査を行う部門などのそれぞれに利益相反することがあるからです。
この利益相反に配慮し、各部門の業務の健全性を守るためにチャイニーズ・ウォールが設けられる訳ですが、常にウォールの適正さを守る努力が証券会社には求められています。

 逆に言いますと、証券会社の法人関係情報の管理は、他の業態より一歩進んでいるとも言えます。


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IPO初値について
 上場初値の好調さが伝えられ、新規公開企業数も増えIPOは活況さが続いています。アベノミクス相場の影響があるにしても、IPO復調は日本の資本市場にとっても何よりなことですが、IPOの初値については次のような議論があります。

 ◇IPOの初値が高いというのは、公開価格と上場日の始値の乖離が大きいことを指しますが、この乖離が大きいことは良いことなのか

 昨年2013年に上場された54銘柄の平均乖離率は、121%。つまり上場新株の割当てを受けた投資家は、いきなり倍以上のなるケースが多かった訳ですので、この投資家にとっては勿論良いことです。
 しかし、株式を売り出した企業の株主や新株を発行した新規上場企業にとっては、そもそも公開価格が適切だったのかという疑問が残る場合もあります。公開価格が果たして適切なものだったのかどうか。

 昨年の事例ですと、公開価格と初値の乖離が-4%(ウィルグループ、12月19日上場)から410%(SNAP、11月19日上場)まで銘柄事に相当の開きがありますが、市場からの大型の調達を実施した銘柄は以下の様に、乖離率が低い傾向となっていました。
・サントリー食品 1%(上場時調達金額231億円7月3日上場)
・足利ホールディングス 7%(上場時調達金額2,883億円12月19日上場)
・オープンハウス 18%(上場時調達金額2,883億円9月20日上場)
など
 これは、IPO時に参加する証券会社が多く、結果としてより多くの投資家が参加したためだと思われます。より多くの投資家が、公開価格を決定するブックビルディングに参加することで、適正価格に近いところで値段が決定されたと見ることが出来ます。

 この公開価格を決定する仕組みは、概ね次のプロセスに依ります。
◇主幹事証券会社が、【想定公開価格】(ある程度の値段の幅があり)に対する考え方や材料などをもってIPO株投資を行う機関投資家の需要のヒアリング(プレマーケッティングと称します)を行います。
◇上記のヒアリングに基づいて【仮条件】(ある程度の値段の幅があり)を主幹事証券が決定し、一般の投資家の需要を確認します。仮条件の幅のある価格毎に、投資家需要を積み上げ最終的な【公開価格】決定していきますが、この過程をブックビルディングと言います。

 ベースになるのは、主幹事証券会社が最初に示す【想定公開価格】ですが、その価格決定については日本証券協会より指針が示されています。ただし適正価格に近付けるのは、主幹事証券のノウハウが大きく影響します。また、仮条件を提示した段階で、いくらその後の一般的な投資家の需要が多くても、仮条件枠を超えて公開価格は設定できないのが日本のIPOの仕組みなので、最初に示す【想定公開価格】は重要です。
以上を纏めますと次のよう公開価格の決定プロセスとなっています。

☆新規公開株式の値付けプロセス
(再掲載、筆者作成)

 なお、理想的にはIPO後の企業の成長に合わせ、株価も上昇し、投資家は企業価値の向上も認識しながら、企業側がリスクマネー調達の場として利用しやすい持続的な推移ですが、IPO銘柄の多くは当初の1、2ヵ月取引が盛り上がって、その後取引が低迷するにしたがって株価も下落するパターンが多いことも指摘されています。

 したがってイベントのようなIPO時の盛り上がりをもたらす公開価格の在り方について、問題視する声も多く、次の様なレポートが、日本証券経済研究所(証研レポート2013年12月号)から示されてもいます。

☆新規公開株の価格形成
(関西学院大学 岡村教授)

成長戦略で好調な株式市場の時期にこそ、より多くの投資家が参加することが可能なIPOの仕組みやIPO価格決定の在り方を見直す時期ではないでしょうか。

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リテール証券業~~2020年に向けて、その進化の可能性
 株式市場はすっかり調整モードに入ってしまいましたが、それとは対照的に昨年4月~12月期の上場証券会社の好調な決算発表が続いています。アベノミクス相場の恩恵を受けた訳ですが、この業界が相変わらず市況産業的なあり方で居続けるのか、それとも2020年に向けて新たな成長戦略をそれぞれ模索し始めるのか、上場証券各社のIR資料等や業界環境の変化をもとに、以下に纏めてみました。

☆リテール証券業~~2020年に向けて、その進化の可能性
・最近の大手ネット証券動向
・大手証券のリテール戦略強化プランとその背景
・個人投資家が求めるもの、求められるもの
・代替機能と他社との協働、そして課題

必ずしも大手ネット証券や大手証券が強いというわけではなく、多様化する個人投資家とその多様化する投資ニーズに応えていくためのコミュニケーション強化が次の変化と成長への鍵となるように思います。
(※なお、上場証券会社は20社以上ありますが、推奨している訳ではありませんので、投資判断にはご利用にならないようお願いいたします。)

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