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2015/01
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取引所の取組みと課題について
 資本市場の中心にある取引所が、何を目指していて今後どの様に変わっていくかは我が国の資本市場の在り方を考える上で重要なことだと思います。
 現在は、過去2年間のアベノミクスの影響もあって、市場での取引は増加し概ね市場は順調に成長しているように思えますが、現在の取組みを見直してみることで、取引所が抱える課題や問題について改めて考えてみることも、市場参加者として時には必要なことです。

☆取引所の取組みと課題について
・取引所のグランドデザイン
・アジアの中の日本市場
・取引所の課題

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ファンドに関する規制緩和と投資家保護について
 プロ向けファンド(適格機関投資家特例業務)の規制強化案が概ね纏まったようです。ファンドで投資家からお金を集めるのは、第二種金融商品取引業(ファンドの自己募集)か投資運用業(ファンドの運用)で、当局への其々の登録(登録要件が整わなければ拒否される)が必要ですが、プロ(=適格機関投資家)が一人でも参加した場合、少人数49名以下であれば一般の投資家からもファンドで資金を集められるというのがこの適格機関投資家特例業務でした。この制度は、2007年9月に金融商品取引法が施行された際、集団投資スキーム(ファンド等)利用の規制緩和策として定められ、登録制ではなく届出制だった為に多くの業者に利用されてきました。現在では3千以上の業者が約2千以上のファンドを組成し、9兆円近い資金が、不動産事業や企業買収・再生、ベンチャー投資などに利用されて、ファンドを通じて資金が不動産や事業(投資事業も含む)などに回っていくのにある程度の役割を果たしています。

 しかし、第二種や投資運用業に比べ参入条件が緩いので、問題となるような事例もまた出始めています。

投資の実態がなかったり、業者がファンド資産を流用するようなケースでしたが、個人を巻き込んだ詐欺的行為に利用されたものもあり、個人の投資家保護などの措置をとることなど消費者委員会(内閣府)や証券取引等監視委員会などが求めていました。また、プロ向けファンドの名称のように、制度としては適格機関投資家が自ら投資する為に、投資のプロとしてファンド内容をチェックしているので、少人数の一般投資家も参加して良いとの仕組みになっていましたが、その適格機関投資の投資が少額の形式的なものだったりして、ファンド内容を自らの投資リスクの為にチェックしているかどうか疑わしいケースも指摘されています。

 このプロ向けファンドについて、一般の個人の参加を排除すべきだとの議論もありましたが、独立系ベンチャーキャピタルなどのこの制度を利用していることに配慮して、以下の様な規制案に概ねまとまったようです。

●プロ向けファンド業者の要件を厳格化すること。
・同業務を行う適格機関投資家として投資事業有限責任組合の要件を運用資産5億円以上とすること。
(※投資事業有限責任組合は、他の適格機関投資家に比べ、設立が比較的容易で、問題となる実態のないケースがあったため)
・同業務を行う運用者が支配する適格機関投資家だけの参加では、同業務は認められない。
●行為規制を新たに加える。(現状は、虚偽説明の禁止と損失補填の禁止)
・忠実義務、善管注意義務
・分別管理義務
・投資家利益を害する取引行為の禁止
・断定的判断の提供の禁止
≪以下は、特定投資家(金商法に定めるプロ投資家)には適用されない≫
・適合性の原則
・契約締結前・締結時交付書面の交付義務
・運用報告書の交付義務
●同業務の事業報告書の作成・当局への提出、帳簿作成・保存を、届出者にも義務付けること。また、同業務の性質やリスクの高さ、出資できる者が限定されていることの説明を義務付けること。

なお、ベンチャー・ファンドについては、プロ以外の少人数(49名以下=保有者ベース)のファンド参加も可能としますが、以下の要件が求められます。
・上場会社等の役員・元役員、ファンドの業務執行組合員・元業務執行組合員等
・有価証券届出書又は有価証券報告書を提出する上場会社等の上位50 名(有価証券届出書)又は10 名(有価証券報告書)程度の株主等として記載された個人・法人等
・ 経営革新等支援機関として認定されている公認会計士、弁護士、司法書士、行政書士、税理士等
・ 会社の役員・従業員・コンサルタント等として、会社の設立、増資、新株予約権の発行、新規事業の立上げ、経営戦略の作成、企業財務、投資業務、株主総会又は取締役会の運営、買収若しくは発行する株式の金融商品取引所への上場に関する実務に、一定期間(例えば1 年程度)直接携わった経験があり、当該実務について専門的な知識や能力を有する者

また、現在ベンチャー・ファンドに関して金商法上の特別な規程はありませんが、上記の様な特例措置を取るので次の様に規定されることが予定されています。
・非上場企業への株式投資等が、8割以上であること
・レバレッジがないこと
・途中償還がないこと
・ベンチャー・ファンドとしての投資戦略をとっていることを明確に説明していること

プロ向けファンドの制度目的は、プロ投資家間のファンド組成に関する規制緩和でしたが、少数の一般投資家が参加する場合の投資家保護は、制度本来の目的を守る為に必要な規制だと思われます。

個人のデリバティブ取引概況
個人のデリバティブ取引の中心は、やはりFX取引ですが、先月12月には640兆円(店頭FX取引金額)と月間の最高額を記録しています。今月の大きく動いているので引き続き取引は多そうです。
 その他の個人が利用するデリバティブ取引についても12月の概況をみてみました。

☆ 個人のデリバティブ取引概況

基本的には大きな変化は、現状では起きていませんが、注目すべきはETF・ETNの個人シェアが上昇しています。これは、ETFをデリバティブの代替に利用し、レバレッジ取引や海外投資を行って部分が増加している為と見られています。

普及拡大が期待される確定拠出年金制度と課題
 1月14日閣議決定されました平成27年度税制改正で、個人の投資に関する部分としてNISAと共に大きな制度改正となりました確定拠出年金制度ですが、改正点は以下の様なものです。

・個人型DC(確定拠出年金制度)の加入可能範囲が拡大され、専業主婦や公務員も参加することが可能になります。
・企業年金の実施が困難な従業員100人以下の小規模企業で、個人型DCの拠出金を従業員にかわって出す小規模事業主掛金納付制度が創設されました。
・個人が就労先を変更した場合に、年金資産を新しく就労した企業年金制度へ持ち運ぶし易くする為に、ポータビリティの拡充を行います。
・今まで拠出限度額は月単位でしたが、限度額の使い残しをなくする目的で賞与時などに纏めて拠出することを可能とする年単位での管理へ変更します。

これらは、時期通常国会での確定拠出年金法の成立が前提となっており、平成28年にも実施される可能性がありますが、確定拠出年金制度の概要と主な課題について、下記に纏めてみました。

☆ 確定拠出年金制度(DC)の概要と拡充及び課題について

個人の投資に関する平成27年度税制改正〔速報版〕
 昨年12月30日に与党の平成27年度税制改正大綱が公表されましたが、その中から個人の投資に関するものの概要を示します。(今後は、政府税制改正として今月中旬にも閣議決定される予定)

☆個人の投資に関する平成27年度税制改正
・NISA(少額投資非課税制度)の拡充として、ジュニアNISA制度創設やNISA年間投資上限の引上げ
・確定拠出年金制度の拡充として、主婦や公務員の制度参加を新たに認め、中小企業が参加しやすい仕組みを創設へ
・世代間の資産移転を促進する為、教育資金贈与信託を3年強延長し、新たに結婚・子育て資金の贈与税の非課税制度も創設
・エンジェル税制の充実の為、戦略特区政策での運用を特区目的に沿って一部認める。

など

クラウドファンディングと電子募集取扱業務について
 クラウドファンディングに関して、世間一般の関心が非常に高いので資本市場関係者として羨ましくもあり、また期待もしたいところです。現在、様々な用途でこのクラウドファンディング的手法が使われ始めていますが、事業や海外活動支援の寄付集めから、都道府県の地元企業支援、お酒や特産物などの実質的販売、小口ローンの仲介などにも広がっています。

 しかし、最も注目したいのはこの手法が投資に利用されようとしていることです。今までのクラウドファンディングは、事業や活動、そして商品などへの個人の共感や興味が前提となっていましたが、投資型クラウドに関しては、投資目的ということが中心になります。勿論、クラウドファンディングの良さを活かす為に、投資する企業への共感を利用することも行われるでしょうが、今後は投資行動として法的には整理されていきます。この投資目的のクラウドファンディングは、昨年の金融商品取引法改正において、電子募集取扱業務として新たに定義され、今後の自主規制ルールなどの制定を経て、新たな制度として始まる予定です(昨年6月のアベノミクス成長戦略にも、新規・成長企業へのリスクマネー供給手段として制度整備されることが謳われています。)。その概要と取組みは次のような状況です。

≪クラウドファンディングにおける基本機能≫
◇インターネット上でファイナンスの為に企業の情報を伝える
◇インターネット上で投資ニーズを集める
◇インターネット上でファイナンス手続きを完了させる

上記の様な機能は、クラウドファンディングそのものがネット上で完結する為、このサービスを行うものが少人数・低コストでも実行可能なので、小口のファイナンスにも対応することが期待されていますが、電子募集取扱業務の現状は次の様なものです。

 ・電子募集取扱業務のうち、特に少額(ファイナンス総額1億円、投資家一人当たり50万円以下)を少額電子募集取扱業務とし、これが所謂「投資型」クラウドファンディングと呼ばれています。
 ・上記の専業者は、少額電子募集取扱業者で資本金規制の緩和等、金融商品取引業者として軽減措置を受け、株式を取り扱う業者は第一種・ファンドは第二種とされています。
 ・今後、実務に関した府令等の法令と、協会などの自主規制で当該業務は始まりますが、当初は政府の成長戦略に「投資型」クラウドファンディングが入っていたので、今春にも業務開始が見込まれていました。
 ・しかし、米国での同様の制度であるJOBS Act(2012年4月成立)による株式型クラウドファンディングにおいて、当局(SEC)の実務指針確定が遅れており、米国での同制度開始は、2016年初めまで延びる可能性があります。
 ・従って、我が国での制度開始も平成27年度後半に延びる可能性があるのが現状です。
また、クラウドファンディングを投資として見直した場合、次の様な対応もサービス提供者には必要です。

≪投資型クラウドファンディングの制度整備に関するポイント≫
◇ファイナンス後も企業や事業の情報を、投資に参加した個人へ伝える仕組み
◇対象とする企業や事業の内容を、投資家目線でチェックする機能
◇共感を呼ぶ仕組みとともに、投資リスクを周知する対応
◇株式やファンドの管理方法の統一化とその内容開示

上記のポイントを実務的に行うためにも、業界による自主規制ルールの制定が待たれているところです。
(なお、貸付型クラウドファンディングと言われているソーシャルレンディングは、貸金業法によるローンの仲介行為で整理されていますが、個人にファンドで売る場合は第二種金融商品取引業なので、上記ポイントに対する共通の自主ルールが、この部分にも及ぶと考えられています。)

リテール証券会社の営業員
 NISAの拡充や確定拠出年金制度の対象者拡大など昨年末の与党税調による平成27年度税制改正大綱では、個人の投資拡大に向けての新たな税制措置が決定しました。一方、リテール証券においては資産管理型営業への注力が最近のトレンドともなっています。
 この様な環境の中、個人投資家と市場の間で直接顧客に接するリテール証券会社の営業員について改めてその現状と機能について見直してみました。

 なお、ネット証券についてもコールセンターでは対応者が営業員として接していますし、自社ウェッブ上での情報発信を効率的に行う為にも、対面営業の営業員が行う顧客とのコミュニケ―ションを模しての他面的な情報発信が試みられています。つまり、対面であってもネットであっても個人投資家が市場仲介者に求めるコミュニケーションは、基本的に同じということではないでしょうか。

☆リテール証券会社の営業員
・営業員の状況と営業環境
・個人投資家が求めるものと営業員の育成
・新規顧客開拓への取組み
・金融機関との競争と協働
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