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2015/02
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上場インフラファンドについて
 2月24日に東京証券取引所がインフラファンド市場の開設に関して上場制度案を示し、本年4月に市場を開設することを公表しました。

 これは、アベノミクスの成長戦略(日本再興戦略)において、以下を推進することを受けたものです。
 ・インフラの整備・発展のために民間資金の活用をしていくこと
 ・民間にインフラ事業の運営を委ねる公共施設等運営権方式の拡大を図ること
 ・再生可能エネルギーの導入を積極的に推進すること

 一方、機関投資家にとっても低利回りの国債投資の代替投資として、インフラからの収益により長期間安定継続的な分配が期待できるインフラファンドは注目されていました。主に、年金基金や財団・保険会社など長期運用を目的とする機関投資家のニーズがあるようですが、個人投資家からみても再生可能エネルギー関連インフラへの投資に関しては、環境・社会貢献や地域貢献など社会的責任投資への参加を促すものとして利用されていく可能性があります。

 インフラファンドの上場制度は、概ねJ-REITの上場制度に準じたもので、実際の売買はJ-REITと同様に出資口で行うものですが、海外のインフラの資金調達や海外インフラファンドなどの上場も可能となっている上場制度です。世界の現状では、オーストラリアやトロント、シンガポールなどの取引所が先行していますが、アジアの中心マーケットを目指す東京証券取引所の今後の動向が注目されています。

☆ インフラファンドと上場制度
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「投資型」クラウドファンディングに関する規則案(証券会社、金融機関向け)
 「投資型」クラウドファンディングに関して実務的に検討されたり、準備されている方、若しくは証券会社や金融機関の方々向けに、実際の「投資型」クラウドファンディングがどの様なものなのか、改正金商法及び内閣府令案などから法規制の現状を2月13日に公表された“金融商品取引業等に関する内閣府令改正案”より以下に纏めてみました。

☆ 「投資型」クラウドファンディング業務

 上記では、「投資型」クラウドファンディングは少額電子募集取扱業者として定義されていますが、金融商品取引業者であることにかわりなく、求められる必要な態勢整備を考えていくとき、ある程度の組織規模は必要ではないかと考えます。(勿論、現状の「共感」を呼ぶクラウドファンディングから、投資に利用するように進化させていくのであれば、より一層の投資家保護がクラウドファンディング業者にも求められる事は当然と考えます。)

「投資型」クラウドファンディングとは何なのか
 「投資型」クラウドファンディングとは何なのかについて、出来るだけ簡単に説明したいと思います。

 先ず「投資型」クラウドファンディングは、今世間一般的に言われているクラウドファンディングとは異なります。事業やイベントの寄付を集めたりする「寄付型」、食品や製品・音楽などのコンテンツ制作など一部受け取る「購入型」、そして貸付金などを小口債権化した「貸付型」(一般にはソーシャルレンディング)などが現状のクラウドファンディングですが、これらを金融関連業務(インターネットを使ってお金を集めるので)としてみた場合、根拠法は以下の様になります。

「寄付型」=寄付行為に対して、特に規制するものはありません。

「購入型」=単純に商品を購入するたけではeコマースと変わりありませんが、事業に必要な資金を集め、一部の成果(製品)を資金の出し手である個人に分配するもので「事業ファンド」(会社の株式ではなく、特定の事業に投資し、事業収益の配分を受ける)の形態です。従って、ファンドを組成して自己募集が可能な第二種金融商品取引業の登録が必要になります。なお、これらのファンド募集に関しては上限や件数制限はありませんが、公募であれば金融商品取引法上の継続開示義務をファンド運用者が負いますので、現状のクラウドファンディングではコスト面から私募を選択するケースが殆どです。その為、ファンドの保有者を500名未満であれば私募ファンドの扱いで継続開示義務は負いません。例えば、一つのファンドに対して一口を5万円とし、5万円×499名=2,495万円までインターネット上で募集するという方法であれば、継続開示に伴うコスト(監査証明など)を押さえられますので、数百~数千万円の少額資金を集めるのに利用されてきました。

「貸付型」=所謂ソーシャルレンディングですが、借り手の事業会社等のローン(多くは短期)を不特定多数の個人の貸し手とインターネット上で結びつけるので、ローンの仲介の形を取る為に貸金業の登録と、そのローンを小口化する為にファンド化するので第二種金融商品取引業の登録両方が必要になります。

 さて、「投資型」に関しては上記にある様な現状のクラウドファンディングと何か違うかということですが、直接その企業に投資=株式を持つことが出来ます。つまり、一般の個人が未公開株をインターネット上で買うことが出来るという全く新しい制度となります。この新制度の政策目的は、資金・成長企業へのリスクマネー供給を強化することですが、昨年の改正金商法(平成26年6月成立)でこの「投資型」クラウドファンディングを行う業者を少額電子募集取扱業(株式を取り扱うものは第一種、ファンドは第二種)として規定しています。勿論、少額でない電子募集取扱業務という制度も金融商品取引業者の制度として定められました。

 簡単に言い直しますと、インターネット上で株式やファンドの投資資金を集めるのが電子募集取扱業務、その中で、以下の条件に限定して行うのが少額電子募集取扱業務でその専業者が少額電子募集取扱業者(「投資型」クラウドファンディング専業者)という事になります。
・募集の総額が1億円以内
・1投資家の投資金額が50万円以内

この「投資型」クラウドファンディング業者の参入を促す為に、通常の金融商品取引業者の資本金規制を
以下の様に大きく引下げ、また純資産維持の規定や兼業規制などを負わない緩和策が取られています。
・第一種少額電子募集取扱業者:1,000万円
・第二種少額電子募集取扱業者:500万円

 実際の業務をどう行っていくか、金融商品取引業者としての内閣府で定めまれますが、この案が2月13日に公表されパブリックコメント対応となっており5月には決定されますが、金融商品取引業者としては投資家保護の為の自主規制ルール(投資先のデューデリジェンスや投資家への継続した情報提供など)制定も必要なので、実際の「投資型」クラウドファンディングの開始は今夏以降ではないかと予想されます。

 なお、現在行われている「購入型」「貸付型」のクラウドファンディングも、それが投資目的であれば「投資型」クラウドファンディングとして規制される事が想定されますが、現状との大きな違いは共通の投資家保護ルール(今後整備される協会による自主規制ルール)が適用される事です。

 また、現在の「寄付型」「購入型」は製品や企業などにたいする何らかの共感を利用するものですが、クラウドファンディングである以上、この共感を呼ぶ仕組みを利用して投資と両立させていくということも
「投資型」では注目されています。

※どの様な仕組みになりそうかは、後日内閣府令案を解説いたします。


J-REITと個人投資家
 アベノミクスによるデフレ脱却で、不動産取引の活性化が期待されていますが、日銀によるリスク資産買入れでも持続的な市場からの買付けが実行されています。個人資産形成においても、NISA利用などでのJ-REITに対する継続的な投資が望まれるところですが、実際の個人によるJ-REIT投資拡大までには、今少し時間がかかりそうです。

 不動産証券化協会が概ね1年毎に実施している「Jリートの個人投資家に対する認知度調査」では、既に何らかの金融商品への投資を実行している個人投資家のJ-REITに対する認知度は3割程度で余り大きな変化はありませんし、個人投資家のJ-REIT保有比率も1割程度にとどまっています。

 昨年1年間の個人投資家によるJ-REITの取引を見てみましても、月間ベースでは平均して200億円程度の売り越しが続いています。もっともこれは、J-REITのIPOや公募で個人に割当てられた新投資口の数割が売却されていることが主因と見られており、個人のJ-REIT保有比率は1割程度でこの部分も余り大きな変化がありません。

☆J-REITの売買・保有動向(2014年)

 しかし、個人がJ-REITに興味なないかというと、そういった事でもないように思われます。投資信託の売れ筋には、米国や世界のリートに投資するファンドが上位を占めることも多くあり、利回りベースでも債券は元より株式よりも高い金融商品として関心が広まりつつあることも一方の事実です。

投資信託の概況~投信の販売方法は変化しているのか
 証券会社や金融機関のリテール部門にとって、投資信託の販売は大きな収益源ですが、この一年でその販売の在り方が少し替わったかも知れません。

 例えば、新規の設定する投資信託(株式投信)販売から、既存の投資信託への投資勧誘の重点が移っているようです。2013年には、新規のファンド設定は約3.4兆円で、これに対して既存ファンドへの資金流入超過額は3.3兆円でしたが、昨年2014年は新規ファンド設定が約2.5兆円に対して、既存ファンドへの資金流入超過額は4.4兆円となっています。(※数値は、三菱アセットブレイン「速報版投信マーケット概況」より)

 毎月のファンド設定は確かにその時の投資テーマに沿ったものが設定され、個人投資家から資金を集めますので、証券会社や金融機関にとって販売戦略が立てやすいことと、営業現場において一定の募集期間に勧誘活動を注力出来るメリットがあります。しかし、毎月の様に投資テーマが変わるのかという疑問もあり、投資テーマをじっくり顧客に進めるという営業戦略に変化しているようで、その為、既に設定されているファンドに注力することが多くなっているようです。

☆最近の投資信託への資金流出入

 例えば、昨年央まではドイツ株やハイイールド債が、投資信託販売上のメインの投資テーマでしたが、昨年10月以降は新興国株へ投資が増えていることが覗えます。多少残念なのは、日本株に投資しているものが売却されており、株式の現物と同様に個人の投資資金が日本株市場から流出しています。


オプションプライシング・モデルに関する率直な、そして一般投資家の一般的な疑問
 金融工学の在り方やノーベル賞を取ったモデルに異論を唱えるつもりは全くありません。しかし、そのオプションプライシング・モデルを使って上場企業が行う資本政策は、一般の株主や投資家に影響することも多くあり、その使われ方について感じている事を述べます。

 先ずオプションプライシング・モデルを使って上場企業が行う資本政策とは、新株予約権(コールオプション)の発行で、その利用目的はファイナンス(新株予約権付社債=CB)、ストックオプション、買収防衛策、業務提携や何らかの報酬の対価など実に多様に利用されています。但し、会社法上では株式の発行と同様に有利発行の規程があり、発行される新株予約権が適正な価値なのかどうか問題となります。その為、会計用語でいうところの公正な評価単価の算定が必要になります。企業会計基準委員会が定める「ストックオプション等に関する会計基準」では、この算定の為のオプションプライシング・モデルとして、市場関係者の間で広く利用されているブラック・ショールズ式や二項モデルが上げられています。また、最近では、新株予約権の行使条件にいろいろな制約がつくケースでは、ランダムにシミュレーションを繰り返すモンテカルロシミュレーションを利用した算定も行われています。

 次にオプションプライシング・モデルに関して感じることですが、ボラティリティ(株価変動率)の影響がモデルの価格算定に与える影響が非常に大きいのではないかという事です。言い換えると、このボラティリティのベースとなる株価の変動率を見る期間によって、オプションの価格そのものが大きく変わります。勿論、実際に新株予約権の価値算定を行う会計系コンサル会社などでは、一般的な参考期間というものを示していますが、新株予約権の発行に際してどの様に適切な算定期間を考えたか、その根拠が示されることは、まだ少ない状況です。
 
 更にオプションプライシング・モデルに関する疑問の一つに、オプションを利用する人によってその価値が大きく異なるケースがあるのではないかという事です。例えばコールオプション(買う権利)が付いた社債として新株予約権付社債がありますが、海外の機関投資家が購入する前提の海外発行と国内で個人も買える国内発行とでは、新株予約権の行使価格のアップ率(時価の株価に上乗せする分)が大きく違います。これは、貸株市場を利用できる海外投資家と制限がある国内個人投資家ではコールオプションの利用価値が大きく異なることの証左かもしれません。(発行会社にとっては、アップ率が高い方が希薄化を押さえられると考える場合が多いので、最近の新株予約権付社債の発行は国内が減って海外が増加傾向を強めています。)

 最後に、現在のオプションプライシング・モデルは、参加者の限定された市場においてその利用が広まれば、逆に実際の取引に適さないのはないかといった感想です。その事例として、オプションモデルによりオプションと現物市場の裁定取引を行っていたロングターム・キャピタル・マネジメントの破綻(1998年)、CDSの流動性喪失によるリーマンショック(2008年)などですが、同じルール(オプションプライシング・モデル)を信じる市場参加者が、市場要因の大きな変動が発生した場合、一斉に同じロジックで行動するので流動性が喪失され、モデルのオプション算定機能が働かないのではなかという危惧を感じます。

 勿論、オプションプライシング・モデルを利用することは、新株予約権が適正な発行であることを証する為に必要なことなので、実際の発行や利用方法にあったモデルが改良されていくことに期待しています。
ただし、何の対価か、そして最大利益はいくらなのか、新株予約権を利用するものの立場で考えれば、概ねの利用の適正さは、株主や一般株主にも理解できるのはとも考えます。

更なる個人の投資拡大へ~新たな税制改正とその背景
 税制は個人の貯蓄に大きく影響しますが、年初に閣議決定された平成27年度税制改正大綱より、個人の投資に関する部分を見ますと、次の政策意図を強く感じます。

◎非課税投資枠の拡大
◎世代間資産移転の推進
◎若年層の資産形成支援

「貯蓄から投資へ」の政策は、もう随分久しく掲げられていますが、国民全体の金融資産の在り方からみれば、それほど進んでいないのもまた現実です。しかし、上記の様な政策意図を実現する為に、今回の税制改革では、NISA(少額非課税投資制度)と確定拠出年金制度(日本版401K)が強化されています。
NISAは、英国の同様の制度。確定拠出年金制度は米国の401Kプランをお手本としたものですが、投資による個人資産形成を目指したもので、両国の制度はそれぞれ一定の役割を果たして成功しているとされています。

☆更なる個人の投資拡大へ~新たな税制改正とその背景
・新たな税制改正が目指すもの
・「貯蓄から投資」へは進んでいるのか
・個人の投資に対する意識と投資への窓口
・2020年に向けた更なる施策の可能性

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