*All archives* |  *Admin*

2015/05
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
不正会計問題と監査法人
 新規株式公開(IPO)においては、最近上場直後の大幅な業績下方修正が問題になっており、IPO主幹事証券の引受審査の一層の品質向上が求められていますが、一方、東芝などの不正会計問題(電力やインフラ部門における工事進行基準の計上の仕方等)においては、財務監査を行う立場の監査法人の在り方も改めて注目されています。古くは、米SOX法(上場企業会計改革および投資家保護法=通称サーベンス・オクスリー法)導入の契機となったエンロンやワールドコムの不正会計問題において、会計監査が正常に機能しなかったことも思い起こされますが、監査法人が市場のゲートキーパーとして機能するよう、行政の対応も一層厳格化しています。

 問題のある監査法人に対して、昨年から4件の行政処分(業務改善命令や一時的業務停止命令)が実施されていますが、以下の様な問題点が指摘(行政処分勧告を行う公認会計士・監査委員会より)されています。(記載は簡略化していますで、詳細は個々の処分勧告をご確認下さい。)
●(監査業務についての)品質管理システムの不備=監査法人内や公認会計士間の相互牽制など
●特別な検証を必要とするリスクに対して監査手続きを十分に実施していないこと
●監査業務に係る法人内の審査に関して、批判的な観点の欠如な十分な審査が行われていないことや審査の為の人員が不足していること
●公認会計士・監査審査会(金融庁)や公認会計士協会から重大な指摘事項にたいして、改善活動に取り組んでいないこと

 以上の様に、一般的感覚で言えば非常に厳しい対応が行政から求められています。
これは、監査業務を行う監査法人の報酬が、監査対象の企業より支払われるものの、監査された企業の財務諸表は投資家の投資行動に大きな影響を与える為、公認会計士協会の自主規制や行政の指導によって、監査規律や監査の専門性の維持することが必要な為です。その仕組みとしては次の2つです。

・日本公認会計士協会による監査法人に対する品質管理レビュー
・公認会計士・監査審査会による監査法人に対するモニタリング

 なお協会は、社会的に影響の大きい上場企業を監査する監査法人の品質管理態勢を強化し、資本市場における財務諸表監査の信頼性を確保するために、2007年4月から【上場会社監査事務所登録制度】を導入しています。 同制度による登録を行った監査法人は、投資家を始め市場関係者に品質管理の状況を明らかにする目的で、次の情報開示が求められています。

・登録された監査事務所の概要
・その監査の品質管理のシステムの概要
・品質管理レビューの実施状況

この【上場会社監査事務所登録制度】に登録されているのは、現在148監査法人となっています。

監査法人は市場のゲートキーパーの中では、最も専門性の高い業務を行っており、投資家を始めとする市場の参加者は、彼らが監査した財務諸表を基に投資判断を下しているので、厳しい職業倫理規定とともに専門性を維持する努力も制度的に求められているということになります。

スポンサーサイト
いよいよ始まる電子募集取扱業務~投資型クラウドファンディング開始に向けて
 平成26年度金融商品取引法改正において、”投資型”クラウドファンディングの為に制度導入された【電子募集取扱業務】がいよいよ5月末より始まります。クラウドファンディングはマスコミに取り上げられることも多いのですが、このうち有価証券に投資する”投資型”は【電子募集取扱業務】の内の1投資家50万円以下、総額1億円未満を【少額電子募集取扱業務】とし、株式や債券などで募集するものを第1種少額電子募集取扱業者、ファンド形式で募集するものを第2種少額電子募集取扱業者としています。

 この新しい制度となる【電子募集取扱業務】について、その概要をなるべく簡単に説明します。
(関係法令や同法令に関するパブコメ回答より)

・募集する対象は、未上場の有価証券や通常の金商法開示(有価証券届出書制度など)の適用除外となる有価証券(金商法第3条)
・電子募集取扱業務とは、インターネットを利用する方法による上記の有価証券の募集の取扱いや募集後のメンテナンス(保管や投資家への情報提供)業務など
・この業務を行うものは、以下を義務付け
① 発行者に対する審査=財務状況や事業計画の内容、資金使途などの適切な審査を行うこと
② 発行者による投資家への情報提供の強化=ファイナンス後、事業の状況について発行者からの情報提供体制を確保し、この情報を投資家に提供すること
③ クーリングオフ=投資家の申し込みより8日間のクーリングオフ期間が確保されていることを投資家が確認できる措置
④ 目標募集額の取扱い=事業計画からみて適切な募集額なのか確認するとともに、目標募集額に達しなかった場合や超過した場合の措置を明示
⑤ 発行総額等の制限の実効性の確保=第1種・第2種少額電子募集取扱業務(投資型クラウドファンディング)では、1投資家50万円以下、総額1億円未満の制限があるが、短期間に同一の発行者が同様のファイナンスを繰り返さないなど、制限のしり抜け行為を防ぐ措置をとること
⑥ ウェブサイト上の情報提供=金融商品取引業者として、商号・業務の種別・登録番号・加入している協会等をウェブサイト上で表示すること
・電子募集取扱業務は、金融商品取引業者の業務として定められており、既存の金融商品取引業者が同業務を行う際、問い合わせを電話や店頭で受けてもよいが、投資家の申込み手続きが全てインターネット上で完結する当業務を行うことは、【電子申込型電子募集取扱業務】と定義され、以下のことが義務付けられる。
 ●同業務に関する社内規則の整備
 ●ウェブサイトや契約締結前書面において以下の情報提供を行うこと
 >発行者に対する審査の内容及び結果、クーリングオフ関連事項、目標募集額に達しなかった場合の応募代金の取扱い、募集代金の管理方法、リスク説明(電子申込型電子募集取扱業務に関するリスク、発行者の事業に関するリスク、市場リスク、信用リスク)、発行者に関する情報、事業内容・計画・資金使途、手数料や報酬その他の対価

 この新しい【電子募集取扱業務】が、6月から金融取引業者の業務として始まるのですが、投資型クラウドファンディングは別にしても、インターネット上で有価証券の募集を完結させることが既存の証券関連ビジネスにどう影響を与えていくのか、注目されるところでもあります。


リテール証券会社決算速報
 リテール証券会社の平成27年3月期決算につきまして、速報数値を以下に示します。
(各社の決算説明資料等より作成。野村・大和・みずほは、各社のリテール部分を抜粋)

☆リテール証券会社決算速報
種類株式とトヨタ自動車AA型株の概要
 5月の連休直前の4月28日、トヨタ自動車株式会社はAA型種類株式の発行登録を行い、その発行目的と概要に関する発表を行っています。
 主たる目的は、中長期保有の株主をつくることですが、その為に種類株式のいくつかのスキームが工夫されています。このAA型種類株式を発行した分、会社は普通株を取得し消却するとしていますが、ある意味で画期的な上場企業の資本政策とも言えます。
 筆者は、この発行スキームを全面的に支持します。
(※トヨタ自動車株式への投資を推奨したり勧誘している訳ではなく、資本政策の実行策としての支持です。)

その内容と種類株式制度の概要について、現時点の状況を纏めてみました。

☆種類株式とトヨタ自動車AA型株の概要
・種類株式とは何か
・種類株式発行の目的
・トヨタ自動車のAA型種類株の概要(2015年5月時点)

改めて新規株式公開(IPO)を見直す
最近、取引所などから新規株式公開(IPO)企業に対する証券会社等の審査や監査法人の監査を厳格に行うべきとの意見が出されています。これは、せっかく増加してきたIPOにおいて上場後の業績下方修正や情報開示の問題が顕在化するケースが相次いだことを受けたものですが、企業を上場に導く証券会社のプロとしての専門性が問われています。
 確かにIPOの審査は、証券会社の中でも専門性の高い特殊な業務ですが、必ずしも大手証券の様な重装備の審査機能が必要と言う訳ではありません。今回問題となったIPOでは、大手証券が主幹事でしたが、過去何度もあったIPO問題において、業界では審査項目とプロセスが相当部分マニュアル化されていて、むしろ問題は審査後の最終判断(企業のIPOを後押しする為の審査判断・引受判断)ではないかと思われます。
 この証券会社としての最終判断は、市場の仲介者として証券会社の常識と良識が問われることになります。
 
 今、改めてIPOを見直してみました。
☆改めて新規株式公開(IPO)を見直す
・回復するIPOと様々な期待
・課題その1:IPOに係る株価について
・課題その2:より多くの投資家に
・そして誰の為のIPOか

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード