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2015/08
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利用拡大そして恒久化が期待されるNISA
昨年から開始されたNISA(少額投資非課税制度)制度の利用が拡大しています。
金融庁が証券・金融機関に対して行った調査によると、今年3月末時点で開設された口座数は879万口座に達し、既に4兆4,109億円の買付が実施されています。利用者の年代別でみると、やはり60歳以上が47.7%と約半数を占めていますが、一昨年末をもって終了した金融商品の譲渡益課税軽減措置に代わる非課税投資制度でしたので、当初は既存の投資家層の利用が中心となっていました。しかし、最近は若年層の利用が増えていて、昨年末から今年3月末までの間でNISA口座数は6.5%増加している中、20歳代の増加率は14.1%、30歳代は11.8%となっています。

 一方、日本証券業協会が大手証券5社とネット証券5社に対して行っているNISA口座開設・利用状況調査においても、国民のNISA利用が進んでいることが分かります。7月末で、NISA口座で投資を行った比率は51.2%に上昇しており、また若年層が中心となって利用しているNISA口座での積立買付契約も確実に増加しています。
 NISA制度は投資による国民資産形成に役立つものとして期待されていますが、その為には同制度の早期恒久化が望まれています。恒久化の条件としては、同制度が広く国民に利用されていることや、実際の資産形成(資産運用ではなく)に役立っていることが示される必要がありますが、若年層や新規に投資を開始する個人のNISA利用がポイントになりそうです。

 今後のNISAに関する動向は、現状では次の様になっています。

・2015年より、NISA口座の金融機関の変更・再開設が可能になっている。
・2016年より、NISAにおける年間非課税投資枠が100万円から120万円に拡大。
・2016年1月より、ジュニアNISAの口座開設受付が始まる。
・2016年4月より、ジュニアNISA口座での買付開始。
・2019年より、制度初年度の2014年に開設したNISA口座の継続手続き開始(口座内の金融商品を前年末の時価で評価し、年間非課税枠を再利用。非課税枠を超えた部分は、特定口座か一般口座へ)
・2023年で、現行のNISA及びジュニアNISA制度での非課税投資枠による新規口座開設が終了予定。

 なお、来年から開始されるジュニアNISAの概要(主にNISAと異なる点)は次の様になっています。
○年間非課税投資枠は80万円で、5年間非課税投資可能なので最大投資額は総額400万円。
○口座管理は、親や祖父母など親権者等が行う。
○売却しても18歳になるまで引き出し出来ないが、非課税投資分を売却して課税投資を行うことは可能。その為、口座開設機関の変更は出来ない。
○NISA制度が終了しても、本人が20歳になるまでは“継続管理勘定”として非課税投資枠が確保される予定。

 貯蓄から投資への流れを強める制度として業界におけるNISAへの期待は強く、平成27年度の税制改正要望では、以下の要望事項を上げていました。(日本証券業協会、投資信託協会、全国取引所)
① 非課税期間及び口座開設期間の恒久化
② 「ジュニアNISA制度」を創設
③ NISA口座における年間の投資可能上限金額(100万円)を引き上げ
④ マイナンバー活用による口座開設手続きの簡素化・迅速化

この内、②・③は既に実施が決定しているが、①・④は銀行業界も平成28年度税制改正要望で再び取り上げており、同制度を利用する国民の立場からも、早期の制度恒久化が望まれています。

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プレ・IPO(新規株式公開)市場について(2)
2つ目は、特定投資家を相手とする次の市場です。

【TOKYO PRO Market】
 個人投資家の方には未だ馴染みがない市場ですが、特定投資家(プロである適格機関投資家に加えて、個人の資産家や証券会社が認める株式会社など)が売買可能な東京証券取引所が運営する市場です。

その沿革は、以下のとおり
・2009年6月
 2008年の改正金融商品取引法により導入された「プロ向け市場制度」に基づき、東京証券取引所とロンドン証券取引所の共同出資により創設された株式会社TOKYO AIM取引所による運営マーケットとして市場開設
・2012年7月 
 ロンドン証券取引所との合弁解消により、TOKYO PRO Market として東京証券取引所が市場運営
・2012年7月
 メビオフォームが、同市場での最初の銘柄として上場(同社は、2013年6月に上場廃止)
・現在(2015年8月中旬時点)
 上場予定も含めて13社


 この市場の特徴は、特定投資家というプロ向けなので、開示情報(投資家に公開する情報)負担は通常の上場銘柄より軽く済みますが、その分上場後も専任アドバイザー(J-Adviser)が情報開示等を支援することが上場維持の前提となっています。 

 このプロ向け市場を、プレ・IPO市場としましたのは、一般市場でIPOの行う銘柄の中で、上場前の1~2年の間にベンチャーファンドなどが出資するケースが多いので、一旦このプロ向け市場に上場して、より多くのプロから資金を集め、成長した後で通常のIPOにトライしていくというプロセスが出来れば、プレ・IPO市場として機能していくと考えたからです。

 しかし、この市場の現状はまだ創成期の域を出ておらず、参加する特定投資家がまだプロ向け市場上場企業関係者に限られています。その為、売買も低調で流通市場の価格発見機能があるとは言い難い状況でもあります。

 今後、成長企業がこの市場を利用してリスクマネーの調達を行い、その資金で企業の成長という結果を出し、通常の市場でのIPOにトライしていく企業事例が増えてくれば、成長企業群及び特定投資家層双方において、この市場の注目度も高まっていくと期待しています。

一部にはその萌芽の様な動きもあり、プロ向け市場上場により金融機関からのシンジケートローンが優位に組成出来たり、ファンドなどからリスクマネーを調達したり、社債発行を行っている企業が出始めています。またこの市場が、プレ・IPO市場として機能していく為には、多くの特定投資家の参加が必須ですが、その為には、特定投資家をターゲットとした資金調達機能が重要になっています。

 現在、このプロ向け市場への上場支援実績があり専門アドバイザーとして東京証券取引所が認定しているのは、2証券会社1専門会社(専門会社は、証券会社と組む必要があります。)の計3社のみですが、
通常のIPOで実績のある大手証券などがプレ・IPO市場して、特定投資家から成長企業の資金調達に利用したり、海外の証券会社と組んだ証券会社等が海外成長企業のリスクマネー調達にこの市場を利用したりすることでプレ・IPOとして飛躍することが、結局は日本市場の裾野拡大に役立ち、アジアのコア市場としての足場を固めていくことにもなると考えます。

プレ・IPO(新規株式公開)市場について(1)
株式市場が堅調なことと、アベノミクスによる景況観の好調さもあり、IPO(新規株式公開)は堅調です。9月中旬までの上場予定会社を含めると、本年上場会社数は既に63社と昨年同時期の倍増となり、2015年の上場数は100社を超える可能性も強まっています。
 一方、このIPOの裾野拡大として期待したいプレIPO市場の現状と課題については、次の様な状況です。

【株主コミュニティ制度】(本年6月より制度スタート)
 始まったばかりの制度で、まだ実績はありませんが、簡単に言えば証券会社が特定の未公開株の取引者リストを管理して、その中で売買やファイナンスが行われるといった制度です。イメージで言えば、証券会社が簡易取引所的機能を提供するといったものですが、上場に比べて企業側の開示負担が少なく、投資家側も取引者リストに参加する意思表示を行えば取引参加は容易になります。

 しかし、反対に現状の在り方では証券会社側の管理負担が重くなっており、株主コミュニティを組成する為の企業審査・取引者リストの管理負担・対象株式の決済や保管(株主名簿管理人との情報共有の仕組み)などを考えると、企業側からある程度の手数料収入やファイナンスに伴う収益性が見込めなければ証券会社のビジネスとしては成立しにくいと思われます。

 この制度は、現行のグリーンシート市場の代替としても制度整備されたものですが、グリーンシートは証券会社の負担が重い割に、売買が活発でなくファイナンスも殆ど機能しなくなっていった為、取り扱う証券会社が少なくなって企業側と投資家を仲介する機能が著しく低下しました。新しい制度では、この轍を踏むことなくある程度の収益性のあるビジネスとして証券会社が行う必要があります。

 但し、IPO主幹事機能がある大手証券などがこの取引を行うインセンティブは極めて低く、これらの企業をIPO準備に誘導した方が、収益性も確保しながら将来にIPO準備企業を囲っていくことが出来ます。

 従って、この制度を活用するのは、ある程度の企業規模で上場する予定はないが株主数がある程度いる為に流動性を確保したい地方企業、もしくは社会性や地域性などがあり個人もよく知っている未公開企業などが纏まったリスクマネーの調達を行う場合などに対して、大手証券以外の証券会社(その企業内容をよく知る地元証券会社など)が行っていくケースが多いと想定されます。

 但し、その為に取り扱い証券会社が求められることは、
○企業内容を審査する機能
○企業価値(取引する株価等)を判断する能力
○取引者リスト対象者(株主コミュニティ)への情報提供
などの機能や対応です。これらは、IPOの主幹事証券としては当然の機能ですが、当制度を率先して行うのは地方証券会社などが主体になると見られる為、上記証券会社業務に対する日本証券業協会などの支援体制が必要です。(※株主コミュニティ制度は、日本証券業協会による自主規制によって、各証券会社で運営される仕組みです。)

 言い換えるなら、この新しい制度がプレIPO市場として機能していく為に、地元企業と関係の深い証券会社の当該業務を支援する業界の体制が必要ではないかと考えます。



ラップ口座の現状について
大手証券を中心に、個人の富裕層を対象として資産管理型営業を進めようとする動きが強まっていますが、SMA(セパレートリー・マネージド・アカウント)やファンド・ラップなどラップ口座の現状について、以下に簡単に纏めました。

☆ ラップ口座の現状

個人投資家と日本株
 米国や中国など主要な海外市場が軟調な中、日本市場は相対的にしっかりしており、みたび戻り高値を狙いそうですが、この2年以上の上昇トレンドにおいて個人投資家は日本株式を大きく売り越しています。
ここ最近こそ個人の買い越しが伝えられていますが、今年1月から7月までの売り越し額は既に3.5兆円を超えています。昨年も約3.6兆円以上、一昨年は譲渡益課税の最終年だったこともありますが8.7兆円と大幅の売り越しが続いています。

 この売却資金は、次の投資の待機資金としてMRF(マネー・リザーブ・ファンド)に残留したリ、外国株式や外国債券などの海外投資に向かっていますが、再び日本株投資に戻る為の要因は何か考えてみました。

○割安感=現在は大きな上昇トレンドを2年半以上続けているわけですが、少し大きな下落があるよう局面の方が一時的な割安感が出やすいと思われます。また、海外市場が堅調であれば、日本市場の相対的割安観も強まります。
○政策支援=成長戦略の具体化(例えは、機関投資家に向けた日本版スチュワードシップ・コードや企業のコーポレートガバナンス・コードなどへの取組み、分野や地域に特化した成長戦略)追加緩和策(金融政策)などが期待されています。
○海外投資からの還流=個人が円安トレンドの終了を感じたり、大型IPOや大手企業の変化によって日本企業の再評価が進む中で、海外投資に向かっていた資金が日本株に還流ことも想定されます。
○企業の成長力回復と資本政策の明確化=コーポレートガバナンス・コードの影響で、企業が余剰資金の使い方を明確にし、自社株取得や投資家還元とM&Aや設備投資の資金ニーズの関係を投資家に示していけば、個人の長期投資資金が戻ってくることも考えられます。
○新しいETFの設定=日本株に係るそれぞれの投資テーマに沿ったETFが設定されていけば、個人にとって日本株投資はより分かり易いものになると予想されます。

☆ 日本株と個人投資家
証券会社のスマートフォン対応は、個人の投資にどの様な影響を及ぼすか
スマートフォンの普及は、間違いなく個人をインターネットに近付けでいます。投資においても個人のインターネット活用に弾みがつくと思いますが、その事は現状のネット証券を有利にするということとイコールではありません。
 例えば、スマートフォンの利用では、今までのパソコンの画面を前提にした情報の提供そのままだと、多くの利用者に視覚的ストレスを与え、個人投資家利便性が向上するとは言い難いと思います。
また、インターネット経由で提供する情報を、個人がそれぞれのニーズに合って効率的に利用する為には、投資家の特性(ニーズ)にあったアプリの開発も重要となってきます。

このアプリの開発は、今までの証券会社の基幹システム開発コンセプトとは大きく異なる視点が必要ですし、掛かる費用も全く異なります。ネット専業証券のシステム概念とも全く違うものです。
例えば、対面営業の証券会社であってもネット化対応のシステム構築を行うことなく、自社独特の情報提供をインターネット上で提供するアプリ開発が、今までのシステム構築費用に比べ少額で対応することが可能になっています。

しかし、世の中のスマートフォン対応の進展に比べ、証券業界が余り進んでいないことも一方の事実です。その現状と可能性について、以下に纏めてみました。

☆証券会社のスマートフォン対応は、個人の投資にどの様な影響を及ぼすか
・証券会社におけるスマートフォン対応の現状
・期待される効果と課題
・個人投資への影響

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