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2015/09
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フィンテックと投資の関係
フィンテック(FinTech)とは、金融(Finance)とIT技術(Technology)を組み合わせた造語ですが、スマホなどの普及で個人のインターネット環境が進化していることに伴って、個人が利用する金融分野において、その存在感が増しています。

 代表的なものは決済機能サービスですが、スマホやタブレット端末がカード決済の端末として機能することが既に行われています。現在の日本では、カードリーダーをスマホなど取り付ける方式が主流ですが、米国おいては複数のカード情報そのものをiPhone6の中に取り込んでしまう「アップルペイ」が昨秋より始まっており、これですとカードを持ち歩く必要がなくなります。また、決済の次には個人の支出・収入管理(家計簿機能)、更に資産管理などへ利用者のニーズは拡がっています。これらのサービスを提供する為に、スマホなどのアプリ開発が基点となっていますが、この分野のITベンチャー企業に対する投資も、米国では活発化しています。
米ネット競売大手イーベイから分離した決済大手ペイパルも、今年7月米ナスダック市場に13年ぶりに再上場しましたが、上場目的は親会社以外にも取引を広げスマホ決済事業を一段と強化すると表明しています。暗号技術などの進展で、スマホやタブレットを用いて商品の代金を支払ったり、お金を受け取ったりする需要が米国外でも急成長すると予想されています。

 一方、日本においても上記の様な動きは強まっていくでしょうが、現在金融審議会において、決済分野におけるイノベーションの重要性と決済を巡る法体系のあり方が議論されており、以下の様な問題認識がされています。

○ 世界的に「FinTech」と呼ばれる金融とITを融合させる動きが加速している。また、欧米の銀行では、 「変化のためのIT投資」やITベンチャー企業との連携・協働を強化する動きがある。
○我が国においても、銀行のみならず多様なプレーヤーが参加する中で、競争的 に決済サービスのイノベーションが進められるようにすることが求められる。(※注目のビットコインなども、この視点から整理へ)
○ 銀行サイドにおいても、オープン・イノベーション(外部連携による革新)を重視した体制とビジ ネス・モデルを構築し、戦略的に先進的ITを取り込むことが重要な課題となる。

 つまり、決済を中心とした金融サービス分野で金融行政としてどの様に新しいサービスを認めていくかということと、銀行規制を緩和していくことで新しい決済事業を銀行グループ認めていこうとする動きが具体化します。

この様に、金融の決済分野を中心にフィンテックが進んでいますが、個人の投資に関する分野でも、次の様な動きがあります。

◇所謂ソーシャルレンディングで、インターネットを使って小口融資の仲介を行うサービスが増えている。
◇インターネット上で、ETFに特化して投資一任運用を行う新しいサービスが生まれている。
◇人口知能などを利用して、独自の投資戦略(アルゴリズム)を提供するサービスが増えている。

 金融分野は各国とも行政の管理が厳格に行われていますが、比較的規制緩和傾向が強い米国でフィンテックが話題となっていることは、規制緩和とイノベーションの相関の証左かも知れません。また、決済という伝統的な金融機能においてもフィンテックが進んでいることで、既存の金融機関などの決済サービスの一部代替となっていくことが予想されますが、投資の世界におけるフィンテックの進展も、既存ビジネスを代替したり、進化させていくものと期待されています。

 投資の分野では、新規・成長企業へのリスクマネー供給強化で、クラウドファンディング(少額電子募集取扱業務)に関して規制緩和が行われて今年6月から制度が始まっていますが、この制度の大枠である電子募集取扱業務において、今後新たな動きが出てくることも考えらます。つまり、既存の金融商品の募集においてスマホ等を利用した電子募集が既存の募集活動の代替として行われるようになれば、フィンテックが投資においても大きな影響を及ぼす段階に入っていくことでしょう。

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個人の金融資産の概況について
 今年6月末の個人金融資産の概況が日銀から9月17日に公表されました。集計は6月末時点ですが、その他、個人の投資に関する統計資料(8月末)と合わせ、個人の投資の状況は以下の通りです。

☆個人の金融資産の概況について

 個人の金融資産全体は、順調に増加していますが、個人の債券投資は個人向け国債の償還による減少をカバーできずに6月末は3月末比1兆円減少で26兆円となっています。また、株式についても相場上昇要因より売却が大きく同期間3兆円の減少となっています。一方、外貨資産の増加傾向にも歯止めがかかっているようで、特に外貨建て投信の減少が目立ちます。

 一方、個人の直接の海外証券投資については、8月が変化点だったようです。財務省国際収支統計投資家部門別対外証券投資の金融商品取引業者扱い分ですが、8月の外国株式投資は売買とも大きく水準を低下させています。また、外国債券(中・長期債)については2009年3月以来の月間売り越しとなっています。国内の投信を通じた海外投資も、同じような傾向が読み取れ、特にブラジルなどの新興国などの投資は直近の三ヵ月間で1割以上の減少と目立って投資資金が減っています。
 
 FX取引に関しては、為替相場の動きが比較的小さい割に取引量は高水準ですし、円売りポジションも再び3兆円を超えた水準に増加しています。

平成28年度税制改正要望について~投資に関係するもの(2)
前回は、平成28年度の投資に関する税制改正要望(金融庁)で、主要な部分をお伝えしましたが、今回はその他の部分を纏めてみました。

【上場株式等の相続税評価の見直し】
○上場株式等の相続税評価の見直しを行うこと
≪背景≫
・現在の評価
課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の最終価格によって評価します。 ただし、課税時期の最終価格が、次の三つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。
1 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額
2 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額
3 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額
≪課題≫
 上記の様に相続時に評価されるが、上場株式や公募投資信託にとって、相続時から納付期限までの期間(10ヵ月)の価格変動リスクが考慮されていない。

【確定拠出年金制度の見直しに伴う所要の措置】
○確定年金制度(DB)について、安定的な財政運営ができる環境の整備
○運用リスクを事業主と加入者で柔軟に分け合う仕組み(所謂ハイブリット型制度)の実施
≪課題≫
確定給付企業年金の運営について、現行では負債の額を超える掛金の拠出 が認められていません。このため、結果として、景気が悪化し企業業績が悪い ときに追加拠出が求められることになり、企業経営に多大な影響を与えています。
≪対応策≫
-あらかじめ確定給付企業年金の財政悪化を想定した掛金の拠出 を可能とすること
-確定拠出型年金と確定給付型年金の特徴を併せ持ついわゆるハイブリッド型の企業年金の仕組みを実施可能とすること

【結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充】
同制度は、平成27年4月から始まっているが、
○非課税の対象となる資金使途につき、以下の拡充を行う。
≪拡充する資金使途≫
・不妊治療費のうち、薬局に支払う医薬品代
・産前産後の母親の医療費、薬局に支払う医薬品代
・母親の産後健診費用
≪現行の資金使途≫
(結婚関係)・挙式等費用 ・新居の住居費 ・引越費用
(妊娠・出産・育児関係)・不妊治療費用 ・出産費用・産後ケア費用 ・子の医療費 ・子の保育費(ベビーシッター費用含む)
 
【投資信託等に係る二重課税調整措置の見直し】
○二重課税の調整を図ることにより、多様な資金運用方法の提供に向けた制度 の整備・定着を図ること
≪課題≫
現在、投資信託等が国外で支払った税金は、受益者に支払われる収益分配にかかる源泉徴収額から控除することで、国内外での二重課税を調整するという措置が取られています。 しかし、証券会社等が源泉徴収義務者となる場合については、二重課税が残存するという状況が続いています。従って、現行の二重課税調整措置を見直し、できる限り効率的・効果的に二重課税を排除できる仕組みを設けることで、投資家の多様な資金運用方法を確保することが必要です。

【「信託に関する受益者別調書」を不要とする措置】
○信託を利用した自社株活用型のインセンティブ・プラン(日本版 ESOP 信託)にかかる税務申告上の負担軽減の観点から、相続税法において提出が義務付けられている「信託に関する受益者別調書」の提出を不要とする措置を講じること
≪現状≫
日本版 ESOP 信託を導入する企業において、企業の従業員が受益者となる場合、信託財産の給付に対しては、給付の性質に応じて給与所得又は退職所得として導入企業(委託者)において源泉徴収を行い、「源泉徴収票」を税務署に提出しています。 一方、相続税法の規定により、受託者は別途税務署に従業員ごとの「信託に関する受益者別調書」を作成し提出することが必要とされています。

その他、
【上場株式等の口座間移管に要する「移管依頼書」等の記載事項の見直し】
【非居住者への相続に係る譲渡所得課税に関する所要の措置】
など、実務的なものも上げられています。


平成28年度税制改正要望について~投資に関係するもの(1)
8月末に、金融庁より「平成28年度 税制改正要望項目」が公表されていますが、投資に関係するものについて、その背景と要望内容を以下に纏めてみました。

【金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)に向けた要望事項】
○投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境を整備し、証券・金融、商品を一括して取扱う総合取引所の実現にも資する観点から、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等 にまで拡大すること
≪背景≫
 過去の税制調査会などで、方向性としては個人の金融所得一体化は決まっていますが、今までは政府
(財務省側)の回答として、意図的な租税回避の防止に十分留意した上で、進めるとされていました。
例えば、株式や投信などと債券投資の損益通算は、平成28年から認められますが、デリバティブ取引を含めることが課題でした。
 現在は、株式投資や投資信託の損益が通算できますが、来年からは外債投資の損益も個人の投資損益として通算できます。要望事項が認められば、これにFX取引などの損益も通算できるということで、個人の金融商品選択の幅が拡がることが期待されます。
 
【NISAの利便性向上に向けた要望事項】
○ NISA口座開設時の重複口座の有無の確認方法として、平成30年以降一律に個人番号のみを用いること とし、 住民票の写し等の提出を不要とすること
○ 現在、NISA口座を保有している者が定期的に求められる重複口座の確認について、マイナンバー制度開 始以降、金融機関に対して個人番号の告知を行った場合には、次回以降の確認は不要とすること
≪背景≫
平成26年から開始されたNISAが、以下の様に制度が拡大されています。
・年間非課税投資枠の拡大(100万円→平成28年分より120万円)
・ジュニアNISAの開始(平成28年分より、年間80万円の非課税投資枠)
この様に拡大しているNISAですが、実際の口座開設には口座重複を避ける目的で住民票の写しが必要です。加えて、来年からのマイナンバー制度が始まれば、その個人番号の提出も求められます。この様な、口座開設の煩雑さを避ける目的の要望事項となっています。

【マイナンバーの導入に伴う手続きの簡素化に関する要望事項】
○ 顧客に交付する税務書類(特定口座年間取引報告書、配当の支払通知書等)の写し について、漏えいリスクの観点から個人番号の記載を不要とすること
○ 証券口座開設手続き等の際に個人番号の告知を行った者が、その後、同一の金 融機関において個人番号の告知を必要とする他の口座開設手続き等を行う際には、 再度の番号告知及び番号確認の書類の提示を不要とすること
≪背景≫
マイナンバー制度を活用し、投資に係る各種税務手続の簡素化を図ることは、同制度の基本理念にも適うとしています。

ヘルスケアリートについて
ヘルスケアリートへの期待が高まっています。政府の日本再興戦略-改定2015(平成27年6月30日)においても“ヘルスケアリートについて、関係省庁・業界団体等が連携し、ヘルスケア事業者向けの説明会を実施するなど、ヘルスケアリートの更なる普及・啓発に向けた取組を加速する“として、工程表にも今年度以降の取組み強化が挙げられています。その様に注目度の高いヘルスケアリートを以下に取り上げてみました。

☆ヘルスケアリートについて
 ・ヘルスケアリートへの期待
 ・リートとの相違点と投資のポイント
 ・病院リートについて
 ・ヘルスケアリート推進で何が変わるのか

ヘルスケアリートは、一般のリートとことなり実際にヘルスケア事業を行うオペレーターの存在が大きく、また仕組みそのものを、ヘルスケア施設を利用する高齢者や病院利用者に理解していただく必要があります。一方、事業者(オペレーター)にとっては少ない資本で事業を拡大したり系列化していくことも可能となります。つまり、社会的期待のつよい事業を効果的に進めていく可能性が大きな仕組みでもあります。


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