*All archives* |  *Admin*

2015/11
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  >>
プロ向けファンドについて
 所謂プロ向けファンド(適格機関投資家特例業務による少人数私募のファンド組成)は、不動産ファンドやベンチャーファンドに利用されていて、既に運用残高が8.6兆円もあり平成26年度には1.1兆円募集されています。
 この利用が増えていたのは、一般的なファンド組成が第二種金融商品取引業や投資運用業として行政への登録申請が必要なのに対して、適格機関投資家(プロ)が参加すれば少人数(49名以下)の一般投資家もファンド投資に参加でき、この業を行うには届出だけで済む為でした。
 一般の投資家からすれば、プロが参加するのである程度安心できるといった基本的な構図でしたが、このプロ向けファンドのごく一部において詐欺的行為に利用されたり、プロであるはずの適格機関投資家の投資実態が極端に小さかったり若しくは無かったりと問題点が指摘されるようになりました。
 この対策として、昨年の金融商品取引法改正で一般の個人が参加できないようにしたり、適格機関投資家の投資実態を明らかにしていくような規制が導入されようとしましたが、ベンチャーキャピタル関係者の一部から規制に反対するような要望が上がり、ベンチャーファンドに限り個人の参加要件を緩和する再改正が行われています。
 この概要については以下の通りです。

☆プロ向けファンドについて
スポンサーサイト
郵政3社のIPOを機に、公募ファイナンスを考える(2)
郵政3社のIPOでは、出来るだけ多くの個人に株式がいきわたる様な工夫がされたことは前回お伝へしましたが、その他の公募ファイナンスでは公に募集するという名に相応しい現状かというと少し違った現状も示しました。

また引受証券会社は引き受けた公募株式を公平に配分しなければなりませんが、IPOは個人投資家に人気の高いので、新規公開株は個人への配分予定の10%以上を抽選により配分先を決定しなければなりません(配分ルール:日本証券業協会自主ルール)。抽選することで確かに公平性は確保されますが、残りの9割の個人投資家への配分は引受証券会社に任されることになります。
引受リスクを負う証券会社としては、投資ニーズの高いものは自社の営業戦略に沿った得顧客に優先的に配分するのは当然のことですが、配分に際しての公正さは上記に配分ルールに従うことになります。

IPOに比べ、PO(public offering)と呼ばれる上場企業の公募増資は少し様相が違います。IPOでは、個人投資家は新規に上場する企業のビジネスモデルに対して注目することが多いのに対して、上場企業の公募増資は、企業の資金調達の効果を判断するということになります。この場合、証券会社のアナリストが解説することはできないので、個人投資家に対してはリテール部門の営業員が解説することになり、個人への勧誘行為もIPOに比べて積極的に行って投資ニーズを掘り起こします。なお、公募増資も一般的なIPOと同様に引受証券会社数は絞られており、主幹事証券会社が大きな販売シェアを確保していますので、結局個人投資家ニーズを集めることは彼等の対応に頼ることになります。

この様な引受のシステムは、主幹事証券に公募ファイナンスでの投資家配分の権限が集中するので、個人のみならず機関投資家や海外投資家のニーズを取り組んで、効率的に各投資家層の投資ニーズに従って適正に配分していく仕組みとしては機能していくと思われます。しかし、主幹事証券会社に公募増資案件が集中したり、投資ニーズを超えた金額の引受けを行うような場合、既存株主に売却を勧め、増資によって埋めるような仮需要をつくる行為を生む余地が出てきます。このような行為は、直接は不正行為ではありませんが、行き過ぎたり事前の増資情報(インサイダー情報)が漏れると公募増資インサイダー事件の様な不正行為を生むリスクが大きくなります。

公募増資の改善策として、株主に最初に選択権(新株に投資家するかどうか)のあるライツオファリングが有効であることは、海外投資家からも指摘されることなのですが、残念ながら日本においては証券会社(引受機能を持つ証券会社も含めて)での実務対応が定着していません。また、既に実施されたノンコミットコミットメント型では、増資目的が分かりにくかったり、明らかに上場維持(債務超過解消)などに使われたケースもあって、業界内での対応イメージが悪いのも現状です。

しかし、ライツオファリングは既存株主に最も配慮された公募ファイナンス方法であることは否定できませんし、多くの個人投資家もライツを購入することで企業に成長資金を提供する仕組みですので、証券業界として公募ファイナンス方法として定着させる努力が必要なのではないでしょうか。

郵政3社のIPOを機に、公募ファイナンスを考える(1)
 郵政3社が11月4日に上場し、その後の値動きも堅調に推移しています。久々の大型民営化案件のIPO(新規株式公開)とあって、その株式の販売方法についてはいくつかの工夫がされていました。その前提となっていた販売に関する主な目的は次の様なものです。(実際の検討は、財務省や郵政民営化委員会の関連組織)
① 広く国民に販売する。
② その為に、可能な範囲で多くの証券会社等に販売させる。

 上記の①については、今回の郵政3社IPOの目的に東日本大震災の復興財源確保が上げられていますが、その為に高く販売できるなら、個人や機関投資家でも、海外投資家であっても、需要が大きいところに販売するとならなかったのは良かったと思います。民営化が先行していた欧州などでは、国有企業の民営化に際して、先ず国民に分配し、然る後に機関投資家や海外投資家に販売するという考え方が主流になっており、場合によっては国民へ売出す株価と海外投資家へ販売する株価が異なっている場合もあります。さすがに日本の資本市場の仕組みでは、この様なIPO価格が2段階になった方法は使えません。

 その為、②の方法が取られましたが、通常のIPOや公募増資なら引受シンジケート団に参加しないような中堅・地方証券会社で引受ライセンス(資本金5億円以上、引き受ける為の登録申請が必要)があるところを含めて61社も郵政3社の株式を引受け(引受けの定義は、投資家に売れずに残った分は証券会社自らが引受けること)ています。その他、引受責任を負わないで販売のみを行う地方証券会社なども参加しています。また、三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行はグループ内の証券会社より販売株式の割当てを受けて、このIPOの取扱いに証券仲介業者として参加(IPO株式の窓販)しています。これら国内証券会社が取扱う郵政3社の株式は、全体の約88%となっており海外投資家向けには12%弱しか割当てられていません。

 郵政3社は、それぞれの株価ストーリーがあると思いますが、先ず個人投資家が株式の配当利回りや知名度などで投資し、機関投資家などが各社の株価指数への組み入れを見越して買い、海外投資家が事業戦略を評価して更に買い進むというのが理想的なストーリーかも知れません。

 広く国内の個人投資家に販売していくという取組みは、資本市場の拡大の為に必要なことで、今回の販売の在り方は評価されるべきでしょうが、他の公募ファイナンスについてみると様相が違っています。例えば、個人に人気の高いIPOの一般的な引受けシンジケート団は、5社~8社程度のことが多く、主幹事証券が8~9割を販売して、中堅証券や地方証券が参加することは余りありません。なお、今回の郵政3社株式の販売において、野村證券と三菱UFJモルガンスタンレー証券がそれぞれ約25%を占め、中堅・地方証券23社は0.005%で、地方証券などからは個人投資家需要に対応しきれなかった不満があるようです。大証券と中堅・地方証券を比較した場合、営業員の数は大きく違ったとしても、果たして5000倍もの差があるのか。また、今回の取組みでさえ個人投資家の需要を喚起するのに十分な仕組みなのかどうか、まだ改善余地はありそうです。

更に、IPOより個人投資家需要が格段に落ちる公募増資などの在り方について、現状の仕組みの改善余地を次回以降考えてみたいと思います。

投資助言・代理業について~資産管理型ビジネスの先導役として
 最近リテール証券会社が注力しているものとしてラップ口座がありますが、投資家との間で投資一任契約を結ぶ必要があり、これに対応するためには投資助言・代理業としての体制整備が必要です。元々は投資助言・代理業は投資顧問業として証券会社の業務から派生したものですが、顧客との利益相反を避ける為に証券業務から分離された経緯があります。この業務は、金融商品取引法第28条3項に定義され、かつ金融商品取引業者としての登録制が必要です。また、このライセンスだけではファンドの販売や運用は出来ません。例えば、2015年10月に、積極的に個人向けヘッジファンド投資の広告やCMなど行っていた業界大手のアブラハム・プライベートバンクに対して、投資助言・代理業の業務範囲を逸脱し、第1種若しくは第2種金融商品取引業の登録が必要な海外ファンドの販売を実質的に無登録で行ったとして、当局は行政処分を行っています。
 ただし、投資助言・代理業がこのラップ口座推進の為の先導役として重要なことも事実です。この投資助言・代理業の現状について以下に纏めました。

☆投資助言・代理業について~資産管理型ビジネスの先導役として
・投資助言・代理業の概要
・投資助言業務について
・業際問題における留意点について
・業者の分化と業としての成長性

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード