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2016/09
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ETFへの期待
 ETF(Exchange Traded Fund)は取引所に上場された投資信託(信託受益権証券)若しくは海外ファンドで、特定の市場指数に連動するように設計されています。日本では、1995年5月に日経300株価指数連動型ETFが初めて上場され、現在は東京証券取引所に204銘柄(内、47銘柄が外国ETF)が取扱われています。
 このETFに対して、現在金融審議会(金融庁:市場ワーキンググループ)において“ETFの商品設計、販売チャネル、流動性供給などについて、多様な投資家が参加する厚みの ある市場の形成に向けて、どのような取組みが求められるか”ということが検討されています。
 つまり、簡単に言えば日本の資本市場の中で、ETFをどう上手く使って行くべきかだが、現状は以下の様な関係者の期待と課題認識があると思われます。

【行政としての期待と課題認識】
○インデックス運用(指数に連動することを目的にした運用手法)の増加に伴いETFへの投資は増えることが予想されるが、個々の株価形成にどの様な影響を与えるのか。
○ETFは少額からの投資が可能で、また売買や保有コストも安いので、個人が長期・分散・継続投資を行うのに向いているが、現状は個人に良く利用あれているとは言い難い。以下面で検討が必要か。
・更に売買単位を引き下げることや、継続投資の為には売買手数料負担を軽減させることが可能か
・流動性が乏しい銘柄が存在しているが解消策は
・ETFは証券会社などで個人に余り薦められておらず、また個人の認知度も低いので、銀行においても取扱いを進めるか、何らかのラベリングで分かり易さを向上させるか
・国際分散投資やスマートベータ型ETFの拡充で多様化を図るべきか
○市場での急激な相場変動とETFの取引(主にHFT)の関連性を指摘する向きもあるが、相場変動を増幅すると指摘されている一部ETFに関してのどう考えるか
○レバレッジ型やインバーズ型ETFが高齢者などに販売されている事例があるが、個人へのETFの説明や適合性の原則対応はどうか

【東京証券取引所の課題認識と対応策(検討)】
○品揃えの強化についてか、以下の様な商品の拡充が望ましい
・海外債券(為替ヘッジ付き)、新興国株式は複数国を対象とした商品
・国内株式は高配当や低分散といったスマートベータ型
○日常のETF取引が一部の銘柄に集中しており、流動性がない銘柄も多い。その対策として以下を検討中
  ◇マーケットメイク制度の導入
  ◇設定・交換の円滑化=市場取引の決済日数を短縮化したり、機関投資家の現物株バスケットとのネッティングへの対応など
○個人投資家への認知度を上げる取組みを検討

確かに、証券会社においてETFを取り扱うインセンティブが少ないのは現実だと思われますが、最近ではロボアドバイザーによるETFを利用した個人向けラップ口座サービスが提供されています。また、拡大するNISAや個人型DC(確定拠出年金制度)での継続投資ではETF利用の有効性が期待されています。
 銀行の窓口でETFを取扱うより、ここは証券会社として個人へETF投資サービスの提供にいま一つ工夫が必要なのではないでしょうか。


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地域に密着したインフラや事業への投資資金供給へ~地方における資本市場機能充実策その3
地域のインフラや事業に対して、その地域の投資資金(リスクマネー)が提供されることは資本市場の機能としてもいくつかの意味があります。この事は、お金の流れ方を指して地域内資金循環ということもありますが、通常は効率性や規模を求める資本市場の在り方と異なった地域貢献といった目的が大きく影響しています。
簡単に言いますと、“地域住民のお金を地域の為に”という事に帰結しますが、そのお金の流れを資本市場の機能やルールを使って行うことが重要です。

 ☆地域内資金循環のイメージ
 ☆地域におけるリスクマネー供給と証券会社の役割


 本シリーズでは、この地域内資金循環に関して、地域証券会社がどの様に関与していくことが可能かといった視点で基本的なスキームを記載しています。地域において証券関連業務を強化している地域金融機関にとっても、リスクマネーに関する地域内資金循環は同じような課題となっています。

 図に示しました様に、企業応援ファンド(地元関連上場企業対象)やIPO(新規株式公開)など、通常の資本市場機能を使っても地域内資金循環の役割を果たすことは可能ですが、これらはファンドを組成する資産運用会社やIPO審査を行う証券会社にとって高コストです。つまり、高コストを贖う為に相応のビジネス規模が必要で、数十億から百億円以上のリスク資金調達に向いています。

 一方、数億円から数十億円の地元事業や地元企業の資金調達に対しては、低コストで対応できる私募債や私募ファンドが向いており、地域証券会社にとっても地元住民への販売活動が可能な範囲とされています。

 一般的に金融商品を扱う際に、証券会社は発行会社や金融商品内容のデューデリジェンス(精査)を行ったり、投資家に情報提供を行う為の開示内容を監査法人に監査させます。これらのコストが高い為、地域内資金循環の動きも限定されています。しかし、ヘルスケアや再生可能エネルーギーなど地域への貢献が明確で、地域住民が目に触れるインフラや事業であれば、これらのデューデリジェンスや開示監査を大幅に省略して投資家にリスク判断を委ねることも可能です。

 地域における証券業務は、今までの金融商品の販売者との位置づけだけではなく、地域内資金循環のアレンジャーとして資本市場機能を利用していくことを地域証券会社及び地域金融機関に期待します。
 

証券会社における私募債の扱いについて~金融商品としての課題
私募債とは私募(金融商品取引法での私募要件は50名未満の少人数)で発行する社債ですが、会社法上での組織体であれば株式会社も合同会社も発行することが出来ます。また、銀行保証などを付けて発行する場合もあり、中小企業や小規模(数億円から数十億円)な事業の資金集めにも使われています。
政策的にも中小企業の資金調達手段の多様化を目指した施策の一環として、中小企業などの私募債発行が行政上推進され、一部保証や私募債発行費用の補助金対応など行われてもいます。
また、私募債は証券化商品などの小規模な発行に関しても利用されることが多く、例えば証券化対象の原資産が数十億円規模であっても、社債期日を複数にして毎月継続的に発行していけば、一度の私募債発行が小規模でも、合計すると相当金額の規模になることが可能です。証券会社の扱う私募債は、この方式が多用されています。昨年破綻して問題になったレセプト債(病院などの診療報酬を証券化したもの)も基本的にはこの様な私募債の仕組みを使っています。その私募債に関して、証券会社での取扱いを中心に纏めてみました。

☆証券会社における私募債の扱いについて~金融商品としての課題
・私募債とは何か
・個人向け金融商品としての利用
・金融商品としての課題
・私募債に対する期待とその可能性について 


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