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2017/08
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M&Aビジネスのアンバンドリング
 トムソン・ロイターによると、2008年度日本に関わる公表M&A案件は、2,951件、TOBは107件だったそうだが、この様な金融情勢にもかかわらず、高水準を維持している。
 M&Aアドバイザーランキングを見ると、相変わらず日米の投資銀行が、ほぼ上位を占めているが、
一部に、M&A専業アドバイザーや会計系コンサルが順位を上げているのが目に付く。
 確かに、投資銀行にとってM&Aは、ファイナンスやトレーディングとともに、その中核のビジネスであるが、M&Aアドバイスは投資銀行にしか出来ない訳ではない。
 そもそもM&Aのプロセスを見ていくと、一般的には以下のような手順となっている。
(事業承継ガイドライン検討委員会によるプロセス、企業を売却するケース)
①M&A仲介機関の選定
 M&Aは情報管理が全て。M&Aを検討する経営者は、普段接触する金融機関・投資銀行・会計事務所などからM&Aアドバイザーを選任する場合が多い。
②売却条件の検討
 M&Aアドバイザーは、売却側経営者の譲れない線を、早期に固めておく必要があるが、その為にM&Aに関する環境情報を提供し、経営者の市場環境に関する理解を深めることも必要
③企業価値の向上
 M&Aアドバイザーは、売却交渉が有利に運ぶ為の、事前準備で財務リストラや業務のスリム化、経営計画の再構築等により、企業価値向上のアドバイスを行う。
④買い手候補の探索
 M&Aアドバイザーは、自ら、若しくは他者のネットワークを利用して、複数の買い手候補を経営者に提示。経営者納得の為の議論を進め、買い手交渉相手を絞る。

――ここまでがM&Aの準備段階だが、ここまでがM&Aアドバイザーとして重要な機能とも筆者は考える。

⑤条件交渉→基本合意
 M&Aアドバイザーは、売却側経営者の立場に立ち、買い手側との交渉が進む様に支援を行う。買い手側には、別途アドバイザーがつくの基本。
⑥売り手企業の精査(デューデリジェンス)
 デューデリジェンスは、買い手が行うが、M&Aアドバイザーは、DD作業手順が問題なく行われるよう支援アドバイスを行う。
⑦最終交渉
 価格やM&A後の条件に関して、最終交渉となるが、M&Aアドバイザーは、価格については、適正価格に関する算定書(自ら作成、若しくは専門組織に依頼)を準備し、プレミアムに関する検討を支援する。
⑧売買契約(クロージング)
 売却企業が公開会社の場合、TOBが必要になるが、これは実質的には証券会社でなければできない。よって、M&Aアドバイザーが証券業務を営んでいない場合、別途証券会社を招集する。

――ここまで、ディールとしてのM&Aは終わりであるが、最近は以下も重要視されている。

⑨両者の調和
 M&A後のメンテナンスとして、最近はPMI(Post Merger Integration)=【 M&A後のシナジーを獲得するための統合プロセスとマネジメントを指す。】を重視する傾向が強まっている。M&Aアドバイザーとしては、このアフターM&Aまで想定して、調整を行っていくことが理想となっている。

以上、長々買いてしまったが、M&Aアドバイスを全てカバーしようとすると、時間かかるし多様な機能も求められる場合が多い。
全ての機能がある投資銀行でも、M&Aは途中でキャンセルになる可能性もあり、時間と人的コストのリスクを負うことになる。
 すでに金融アンバンドリングの流れの中で、このM&Aビジネスにおいても分業化が進んでいて、上記の各プロセスに対応するような専門家集団は、欧米ではブティック型投資銀行として育っている。
 日本においても、ブティック型投資銀行が育って、貪欲の汚名を投資銀行からぬぐい去る時代が来ることを、期待している。


 
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