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2017/08
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IPO(新規株式公開)への期待と課題
 海外では注目のアリババが無事上場され、アベノミクス相場2年目の日本市場も注目の“すかいらーく”や“リクルートホールディングス”の再上場が今月予定されています。昨年は54社がIPOしましたが、関係者によりますと今年は7~80社が上場する可能性があるということです。また、最後の大型民営化IPOと言われる日本郵政の主幹事選定(財務省)で、10月初めに11社の証券会社が主幹事として公表されました。
 IPOの復調は、日本経済の回復の一つの兆候として好ましいことですし、成長戦略に於いても新規株式公開の増加を目的とした規制緩和策などが行われているところです。そのIPOに関して、新規株式公開を望む企業側の期待と、IPOに関係した課題について、簡単に触れたいと思います。

 先ず企業側の期待について、帝国データバンクがIPO意向若しくはベンチャーキャピタル出資が確認されている企業4,000社以上に毎年実施している“新規株式上場企業に関するアンケート調査”(回答率3割程度)では、IPOの目的に関して、企業側は以下の様に回答しています。(数字は、同調査2014年4月公表分、複数回答)
・知名度や信用度の向上・・・74.7%
・人材の確保     ・・・51.4%
・資金調達力の向上  ・・・47.6%
・従業員の士気向上  ・・・37.7%
 以上は企業側の回答なので、ベンチャーキャピタルや大株主からみれば出資の出口戦略や成長価値の顕在化などが挙げられると思います。

また、政策的にはIPOを希望する企業側の負担を軽減する為、新興市場での必要株主数基準を引下げたり、監査証明が必要とする期間を減少させたり、内部統制監査に関する負担を軽減するような緩和策が取られています。

 一方、IPOに関する課題で最も需要なのは公開時株価算定に関するものです。
一応、以前にもご紹介しましたが、IPO時の公開株価の決定方法は次の様になっています。
☆ 新規公開株式の値付けプロセス

 IPOを準備している企業において、筆者の経験から最も多い中止理由は、企業若しくは大株主側が想定する公開株価と、主幹事証券側の主張する株価の隔たりが大きな場合です。勿論、公開株価は景気動向や市況に大きく影響されるので、景況感から企業側が諦めてしまう場合も多いのですが、主幹事が求めるIPOディスカウントを受入れ難いケースもあります。このIPOディスカウントとは、業況や市場での同業の株価から、理論的な株価は○○だけれども、上場時は流動性が少ないので××%ディスカウントすべきですとの主幹事証券のリコメンドです。
 勿論、IPO価格を最終的に決定するのは企業ですが、主幹事証券の企業に対する強みは△△な価格でなければ引き受けて投資に販売出来ないと言うことも出来ますので、実質的な公開株価決定権は主幹事証券側にある場合も多く見受けられます。以上は、価格決定プロセスで言います想定発行(売出し)価格の算定及び仮条件価格帯の決定まですが、ここから公式な株価決定方法である機関投資家によるブックビルディングが実施され、それによって最終的な投資家需要を図る株価が決定されます。

 なお、ブックビルティング方式での公開株価決定について、現在は株価をヒアリングする機関投資家に対してIPO株式の割当てを約束するものではありません。現状のIPO時における投資家への配分比率は、個人投資家が7~8割、機関投資家が2~3割と言われていますが、割当て比率の少ない機関投資家が何処まで真剣にブックビルティングでの価格決定に協力するか指摘される場合もあります。また、個人需要の影響は、公開時の株価決定に大きく影響しているとは言い難い現状でもあります。

 以上を言い換えますと、公開時株価決定について企業・大株主・証券会社・機関投資家・個人投資家それぞれの立場から現状の方式で良いのか、せっかく市場環境が良い今こそ見直してみる必要があるのではないでしょうかというのが本稿の趣旨です。

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