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2017/11
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地域における資本市場機能~地方からの成長戦略の課題
地域における資本市場機能として先ず思い浮かぶのは、地方の証券取引所です。現在は、名古屋・福岡・札幌の三ヵ所になってしまいまたが、嘗ては神戸、広島、新潟、京都があり、大阪の現物株市場は昨年7月に東証に統合されています。勿論、地方取引所は地域の企業が利用するための市場機能を提供していますが、むしろその地域の企業に対して上場する事のメリットなどを広める活動が中心になっているように感じます。

 成長戦略では、“新規・成長企業へのリスクマネー供給を増やす”が謳われ、成長力がある企業が上場しやすいよう開示負担などの軽減が行われましたので、今後地方企業のIPO(新規株式公開)も増加が予想されます。

 このIPOの実務を担うのが引受証券会社ですが、大手5社がほぼIPOの主幹事の地位を占めている現状では、その市場仲介機能を果たす証券会社も限られています。地方の成長企業への投資を、その企業をよく知る地域の投資家が支えるというのが理想ですが、その仲介を行うが地方証券や地域金融機関ではなく、東京の証券会社ということになりなります。

 一方、成長戦略で新しく整備される”新たな非上場株の取引制度”では、地域のインフラを担うような地域密着の地元有力未上場企業の株式の取引などが想定されていますが、これは地元証券会社など企業や地元投資家をよく知る立場の市場仲介者が望まれます。

 また、同じく制度整備が予定される”投資型”クラウドファンディングに関しても、例えインターネットを利用して、広く投資家を募るとしても、企業の選択を効率的に行い、コアの投資家を集めるのは、地域金融機関や地方証券が中心になっていくと思われます。(※クラウドファンディング調査会社によると、
欧米において投資型クラウドファンディングに応じた投資家の6~7割が、対象企業の関係者や同一地域の投資家だったという調査結果もあります。)

☆ 新規・成長企業へのリスクマネー供給の為の制度整備の現状(概要)

 新しく制度整備される”新たな非上場株の取引制度”や”投資型”クラウドファンディングが有効に利用されていく為には、既存の資本市場の基点にあるIPOに上手く繋がる必要があります。
前回もご紹介しましたが、
① 地域の新規・成長企業が”投資型”クラウドファンディングで資金調達(これを実務的に行うのは、“電子募集取扱業務”を行う地方証券会社・地域ファンド業者)
② 企業が成長し、次のリスクマネーが必要な場合、”新たな非上場株の取引制度”を利用して地元投資家に第三者割当。また、株主間の必要な売買にも応じる。(これを実務的に行うのは、同制度の取引者リストを管理する地元証券会社)
③ 成長してIPOへ。対象となる市場は、プロ向け市場、地方の新興市場、東京証券取引所の新興市場(マザーズとジャスダックは、同一証券取引所内にあるので、その役割が整理されいずれ統合へ)
というような成長企業のステップアップ・ストーリーが望まれます。

この様なストーリーが可能となる為には、以下の様なことが課題となります。
① 地方証券会社や地方ファンド業者が利用可能な“電子募集取扱業務”のインフラの構築
(インフラ構築には、地方振興の目的で、政府系金融機関や地方公共団体などの政策支援が望まれます。)
② ”新たな非上場株の取引制度”の為の投資家リスト管理・売買決済の為のインフラの構築
(証券業協会や証券等保管振替機構などによる、地方証券会社が利用可能な共通インフラ構築が望まれます。)
③ 成長した企業がIPOに至った時、それまで支えた①や②でサービスを提供してきた証券会社などがIPO時にメリットを受ける仕組み
(IPOの主幹事機能が実質的にある証券会社と地方証券会社の業務提携強化など)

現在取り組まれている施策などが、資本市場における成長戦略としてリスクマネーの供給増加に繋がる為には、上記のような課題の認識とその取組みが必要だと考えます。

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