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2017/08
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プロ向けファンド規制議論とベンチャー投資について
 金融審議会での“投資運用等に関するワーキング・グループ”において、今秋からのプロ向けファンドの規制に関する議論が始まっています。これは、担当大臣からの以下の諮問事項を受けたものです。
=投資家の保護及び成長資金の円滑な供給との観点を踏まえ、いわゆるプロ向けファンドをめぐる制度のあり方などの課題について検討すること。

 プロ向けファンドは、1名以上のプロ(適格機関投資家)が投資していれば49名までの一般投資家も投資可能とする制度(適格機関投資家特例業務=届出制)ですが、国民生活センターなどに寄せられる一般の方々からの相談件数がここ2~3年で急増しており、虚偽の説明や強引な勧誘などが問題視されるケースも出てきました。その為、消費者委員会(内閣府)や弁護士協会などが個人への勧誘に対する規制を求めて、証券取引等監視委員会からも規制強化を行うよう建議(4月18日)行われています。

 プロが運用に参加しているので限られた個人なら投資勧誘しても良いとの制度でしたが、証券取引等監視委員会の検査で問題を指摘されたファンドでは、形ばかりのプロの出資で大半の資金は個人から集めたもの、資金や投資の管理が杜撰なものや他への流用などが問題ファンドとして指摘され、個人への勧誘は原則禁止すべきだとの意見が強まりました。
(プロ以外の部分を、ファンドの運用者の役員・使用人・親会社、上場会社、資本金が5千万円を超える株式会社、外国法人、投資性金融資産を1億円以上保有かつ証券口座開設後1年経過した個人との規制案が一旦出されました。)

 これに対して、独立系のベンチャーキャピタリストなどから反対意見が表明され、規制が強化されれば現在の独立系ベンチャーファンドの組成や運用に支障をきたすので、投資先企業関係者やベンチャー投資経験者を個人の規制(原則勧誘禁止)から除外すべきとの案が出され現在の金融審議会での議論となっています。なお、プロ向けファンドの内、ベンチャーファンドはファンド数で全体の25%(502本)、投資資金で5%(4,322億円)となっています。(数字は平成25年度、金融庁“ファンドモニタリング調査”より)

 ちなみに日本におけるベンチャーキャピタルなどからベンチャー企業への投資は平成24年度で1,026億円(824社)、平成25年度で1,818億円(1000社)となっていますが、欧米に比べてその規模の小さが問題になって10年近く経ち、大きく伸びているとは言いにくい状況です。

 以下、私見です。(今後どうなるか、多分年内に金融審議会で方向性が決定されていくと思いますが。)
・投資家保護の為に、はやりプロ向けファンドの個人投資家参加は規制されるべきと考えます。(そもそもプロ向けファンドといっているのに、プロでない個人が勧誘されることが何か変です。)
・但し、ベンチャー企業へリスクマネーが供給される仕組みとして、現在の独立系ベンチャーキャピタルの在り方は重要なので、投資対象がベンチャー企業となるプロ向けファンド(現在の独立系ベンチャーキャピタルなど)については、プロ(適格機関投資家や特定投資家)でなくとも、ベンチャー投資経験者や投資対象のベンチャー企業関係者に限ってファンドへの参加を認める。
・上記の個人の参加資格確認やファンド資産の分別管理などは金融機関・金融商品取引業(証券会社やファンド業者)がこれを行う。

なお、基本的な問題として以下の事があると考えます。

○そもそも現在のベンチャーキャピタルの在り方で、ベンチャー企業にリスクマネーが供給されるのが十分なのか。(機関投資家の代替投資としてベンチャー投資を推進する仕組みがあっても良いと思います。例えば、本年度の税制大綱(昨年12月公表)では“ベンチャー投資を促進するための税制措置の創設”がなされています。これは、ベンチャーファンドへの出資額の8割が損金算入できるので、法人版エンジェル税制と言えますが、個人のエンジェル税制とともに投資家・企業が利用し易い工夫が必要ではないかと考えます。)

○改正金商法で創設された“投資型”クラウドファンディングは、ベンチャー企業への投資参加を個人にも促すものですが、世間の注目度は高いものの、まだ制度整備の段階でスタートしていません。先ず、この新制度の利用を促し、次にベンチャーキャピタルの機能充実と拡大、続いてこれらの新規企業の株式にある程度流動性を与える仕組みとして今後証券会社で整備される予定の新たな未公開株式取引制度、そしてプロ向け上場市場(TOKYO PRO Market) 、新規株式公開(IPO)へと繋がっていく資本市場での成長ストーリーが定着していくことが重要ではないかと思われます。

○前述の各制度は、其々に専門性の高いものですが、各制度間を繋いでいく機能(企業を支援しながら次の成長段階にステップアップさせる)が必要に思われます。(持続的に繋いでいく為には、ベンチャー企業の身近にいる金融機関や証券会社などがある程度収益性のあるビジネスとして行う仕組みが必要で、企業育成や金融支援などの政策的機能にこれら仲介者へのビジネス支援の方が効果的ではないでしょうか。)

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