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2017/08
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プロ向けファンドの中のベンチャーファンド・市民ファンド
 現在、金融審議会の“投資運用等に関するワーキング・グループ”において、プロ向けファンドにおけるプロでない方々の参加を規制することが議論でされています。そもそも、プロ向けファンド(適格機関投資家特例業務によるファンド組成)は、プロ中のプロ投資家である適格機関投資家間の取引を活発化させることを主な目的とし、プロ(適格機関投資家)が運用するファンドなら少数のアマ(個人投資家)もファンドに参加して良いという仕組みでしたが、一部に一般個人への詐欺的行為や制度の目的を逸脱したものが指摘されるようになり、現在の制度見直しが行われているところです。筆者も、11月21日に行われた審議会を傍聴してきましたので、資本市場関係者として現状の論点と感想を述べたいと思います。

●プロ向けファンドにおいて、プロ以外の少人数の参加者を規制すべきか
 現在の49名以下なら一般の個人も参加可能なプロ向けファンド制度の在り方は変えるべきというのが、議論の大勢となっています。但し、独立系ベンチャーファンドや市民ファンド(投資対象は地元での再生ネルギー施設)の一部の方々から、現在の資金集めの実態を踏まえてこれらを規制の対象から除外もしくは緩和(規制する基準の特例措置など)してほしい旨の意見が出されています。
 ここで標題についてですが、本来プロ向けファンドはプロが主体となって投資活動を行うファンドであり、一般的なイメージでいうとそれがベンチャーファンドや市民ファンドであってもプロの運用者が責任を持って運用しているものといった印象が強いのではないかと思われます。現状は、独立系ベンチャーキャピタリストの方や再生エネルギーなどの事業者の方々が中心になって、このプロ向けファンドで資金を集めている実態が審議会資料などで明らかになっていますが、彼等はあくまでもベンチャー企業の育成者であり再生エネルギー営業者であってプロの投資家ではありません。従って、筆者はプロ向けファンドがベンチャーファンドや市民ファンドであっても投資家の立場にたった同一の規制がなされるべきと考えます。

 なお、独立系ベンチャーキャピタリストや市民ファンド関係者(NPO法人など)の方々の地道な活動には敬意を表しますが、それはあくまでも事業者の立場であって本来利益相反する可能性のある投資家の立場を配慮した自主規制ルールがない以上、金融・資本市場のルールに合わせた対応を検討されるべきではないでしょうか。また、目指される資金集めでは以下のことなども検討される余地があるのではと思います。
・今後整備される”投資型”クラウドファンディングの利用
・特定投資家制度(適格機関投資家より一段基準が緩いプロ基準)の利用
・市民ファンドの対象が地域事業であれば、地方公共団体や地域金融機関と一体となった事業及びそれに伴うファイナンスの進め方
・そもそものエンジェル投資家を増やす為、エンジェル税制の利用促進の為の政策・施策要望
・ベンチャーキャピタリストの金融面(ファイナンス、資金運用など)からの自主規制制定とその為の政策支援要請

●プロ向けファンド業務を現在の届出制から登録制へ規制強化すべきか
 現在の適格機関投資家特例業務(プロ向けファンド組成)は、行政への届出制ですが、これを登録制に強化しては如何かとの議論があります。しかし、これには反対します。元々の同制度の目的はプロ間の取引を活発化させ企業などへのリスクマネー供給増を促す目的で整備されたものです。一般の方々には分かり難いかもしれませんが、登録制度になると、その登録要件の確認の為に行政の方でも時間がかかり、プロ向けファンド組成の機動性が損なわれる可能性が高いのではないかと考えます。

 日本の資本市場は、ベンチャーファンドや市民ファンドの関係者の方々が指摘するように決して広いものではありませんが、成長戦略を支援する意味でも、比較的少額のリスクマネーを供給する仕組みが確立するよう金融審議会等での議論が進むことに期待しています。

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