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2017/07
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クラウドファンディングと資本市場のファイナンスの違い
クラウドファンディングは、今、非常に注目されています。金融の制度として“投資型”が金融商品取引法で整備され、来年4月からの開始を目指して自主規制が準備されるところです。政策的にも、アベノミクスの成長戦略において、新規・成長企業へのリスクマネー供給策として期待されていますし、マスコミなどでも好意的にクラウドファンディング事例が取り上げられることが多いのが現状です。

 これだけ注目される理由の一つに個人のインターネット利用環境が改善され、SNSなどの利用が進んでいることも上げられます。現在のクラウドファンディングの仕組みは、ネット上で事業や企業の情報を公開し、これに共感や賛同した不特定多数の個人が、少額の資金を提供するというのが基本的な形です。
 これから出来る新たらしい制度なので、期待値が先行している面はありますが、インターネットのWeb上(実際は、業者の運営するプラットフォーム)で、不特定多数から資金を集めるのは、IPO(新規株式公開)や公募増資・売出しなど既存の資本市場でのファイナンスからみても画期的で素晴らしいことのように思えます。この共感や賛同を集める仕組みを、企業のファイナンスに利用できないかという思いは、多くの資本市場関係者が持つ思いでもあります。

 しかし、実際の投資に繋がるような投資型クラウドファンディング開始には、これから自主規制ルールや関係法令(金商法は改定されていますが、関係する施行令・内閣府令など)の整備が必要です。ネット上で共感や賛同を呼ぶ仕組みを、企業のファイナンスに利用していく為には、これらを待たなければなりませんが、現状で既存の企業ファイナンスの仕組みと何が違うが基本的な部分を書き出してみました。

(以下、□が資本市場における既存ファイナンス、◇が投資型クラウドファンディング)

【勧誘の方法】
□ネット証券での販売も一部分にはありますが、基本は証券会社の営業員による勧誘です。
◇ネット上での情報提供が基本で、他にメールやSNS、マスコミなどパブリシティの利用もあります。

【販売の仕組み】
□証券会社が引き受けたものを、一般の投資家に販売します。
◇クラウドファンディング業者が投資ニーズを集めた分だけ、ネット上で販売します。(一定の投資ニーズが集まらなければ資金調達を取り止める場合もあります。)

【販売制限】
□公募の場合は、個人投資家に対する割当て株数制限(上限)がありますが、金額的な制約はありません。
◇50万円までの投資上限です。(その理由は、リスクの高い投資なので少額に抑え、個人が負うリスクを抑える目的です。)

【販売時の投資家への情報提供】
□有価証券届出書とその情報を組み込んだ目論見書(事実や決定事項の情報提供に限られます。)
◇現状のクラウドファンディングでは特に決まった情報提供の定めがなく、業者や企業がアピールしたい内容が中心となっています。ただし、現在もファンド形式で募集されるものは、重要事項やリスク情報についての情報提供を求められており、今後整備されるルールでもこれ等の情報提供は義務付けられそうです。
【業者のチェック】
□証券会社による引受審査が行われます。(業界団体の自主規制ルールに沿った内容)
◇現在は業者ごとの企業・事業内容の精査が行われていますが、調達者がそのコストを負担する為、どこまで精査するかはケースバイケースです。

【販売後の情報提供】
□有価証券報告書制度に基づいて継続開示責任を企業が負っています。
◇現在は特に定めがありませんが、少なくとも年1度程度、若しくは事業の進展に伴って情報開示が望まれます。

 投資型クラウドファンディングは全く新しい仕組みなので、新しいルールで良いと考えますが、少なくとも投資家への情報提供の体制整備は業者や利用する企業にも求められことです。しかし、公募ファイナンスの様に厳格化すると、業者や利用企業の負担も増すので、適切なルール作りの議論が待たれます。また、個人の共感や賛同を呼ぶファイナンス手法は、現在の資本市場で行われている企業ファイナンスでも活用されていくことが期待されます。

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