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2017/10
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ファンドに関する規制緩和と投資家保護について
 プロ向けファンド(適格機関投資家特例業務)の規制強化案が概ね纏まったようです。ファンドで投資家からお金を集めるのは、第二種金融商品取引業(ファンドの自己募集)か投資運用業(ファンドの運用)で、当局への其々の登録(登録要件が整わなければ拒否される)が必要ですが、プロ(=適格機関投資家)が一人でも参加した場合、少人数49名以下であれば一般の投資家からもファンドで資金を集められるというのがこの適格機関投資家特例業務でした。この制度は、2007年9月に金融商品取引法が施行された際、集団投資スキーム(ファンド等)利用の規制緩和策として定められ、登録制ではなく届出制だった為に多くの業者に利用されてきました。現在では3千以上の業者が約2千以上のファンドを組成し、9兆円近い資金が、不動産事業や企業買収・再生、ベンチャー投資などに利用されて、ファンドを通じて資金が不動産や事業(投資事業も含む)などに回っていくのにある程度の役割を果たしています。

 しかし、第二種や投資運用業に比べ参入条件が緩いので、問題となるような事例もまた出始めています。

投資の実態がなかったり、業者がファンド資産を流用するようなケースでしたが、個人を巻き込んだ詐欺的行為に利用されたものもあり、個人の投資家保護などの措置をとることなど消費者委員会(内閣府)や証券取引等監視委員会などが求めていました。また、プロ向けファンドの名称のように、制度としては適格機関投資家が自ら投資する為に、投資のプロとしてファンド内容をチェックしているので、少人数の一般投資家も参加して良いとの仕組みになっていましたが、その適格機関投資の投資が少額の形式的なものだったりして、ファンド内容を自らの投資リスクの為にチェックしているかどうか疑わしいケースも指摘されています。

 このプロ向けファンドについて、一般の個人の参加を排除すべきだとの議論もありましたが、独立系ベンチャーキャピタルなどのこの制度を利用していることに配慮して、以下の様な規制案に概ねまとまったようです。

●プロ向けファンド業者の要件を厳格化すること。
・同業務を行う適格機関投資家として投資事業有限責任組合の要件を運用資産5億円以上とすること。
(※投資事業有限責任組合は、他の適格機関投資家に比べ、設立が比較的容易で、問題となる実態のないケースがあったため)
・同業務を行う運用者が支配する適格機関投資家だけの参加では、同業務は認められない。
●行為規制を新たに加える。(現状は、虚偽説明の禁止と損失補填の禁止)
・忠実義務、善管注意義務
・分別管理義務
・投資家利益を害する取引行為の禁止
・断定的判断の提供の禁止
≪以下は、特定投資家(金商法に定めるプロ投資家)には適用されない≫
・適合性の原則
・契約締結前・締結時交付書面の交付義務
・運用報告書の交付義務
●同業務の事業報告書の作成・当局への提出、帳簿作成・保存を、届出者にも義務付けること。また、同業務の性質やリスクの高さ、出資できる者が限定されていることの説明を義務付けること。

なお、ベンチャー・ファンドについては、プロ以外の少人数(49名以下=保有者ベース)のファンド参加も可能としますが、以下の要件が求められます。
・上場会社等の役員・元役員、ファンドの業務執行組合員・元業務執行組合員等
・有価証券届出書又は有価証券報告書を提出する上場会社等の上位50 名(有価証券届出書)又は10 名(有価証券報告書)程度の株主等として記載された個人・法人等
・ 経営革新等支援機関として認定されている公認会計士、弁護士、司法書士、行政書士、税理士等
・ 会社の役員・従業員・コンサルタント等として、会社の設立、増資、新株予約権の発行、新規事業の立上げ、経営戦略の作成、企業財務、投資業務、株主総会又は取締役会の運営、買収若しくは発行する株式の金融商品取引所への上場に関する実務に、一定期間(例えば1 年程度)直接携わった経験があり、当該実務について専門的な知識や能力を有する者

また、現在ベンチャー・ファンドに関して金商法上の特別な規程はありませんが、上記の様な特例措置を取るので次の様に規定されることが予定されています。
・非上場企業への株式投資等が、8割以上であること
・レバレッジがないこと
・途中償還がないこと
・ベンチャー・ファンドとしての投資戦略をとっていることを明確に説明していること

プロ向けファンドの制度目的は、プロ投資家間のファンド組成に関する規制緩和でしたが、少数の一般投資家が参加する場合の投資家保護は、制度本来の目的を守る為に必要な規制だと思われます。

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