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2017/10
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新型MSCBについて
 クオール株式会社(東証1部、3034)が、新型のMSCB(行使価格修正条項付新株予約権付社債)を発行することを公表しています。発行額が100億円で、全て野村証券に割り当てる予定です。

 MSCBとは、Moving Strike Convertible Bondの略称ですが、新株予約権の行使価格が下方修正されるのもので、割当てられた証券会社などが株式を借りて市場で株式を売却し、その売却価格より安く修正された新株予約権を行使し借りた株式を返却する仕組みです。簡単に言えば、割当先(証券会社等)の市場での裁定取引(市場で先に売却し、下方に修正された新株予約権を行使して株式を手当て)を前提にした取引ですが、その分割当てられた証券会社は他の投資家や株主に配慮した対応が求められています。

例えば、
◇直前公表価格以下での空売りの禁止(原則)
◇大引け15分前の売付け禁止
◇1日当たり取引量の25%以内の売却
◇発行済株式総数の10%以内の行使前(月間)
といった行為規制が、自主規制(日本証券業協会ルール)で課せられています。

 一般的なMSCBは、行使価格が何処までも下がるわけではなく、一応発行時株価の7~8割を下限としていますが、クオールが今回発行するMSCBは、発行時点の株価を下限行使価格としています。つまり、行使価格に関して言えば、当初の行使価格が下限となり、その後はこの価格からの上方修正のみとなります。従って、記者発表文にも記載されていますが、発行時の株価の110%以上でなければ、行使が起きないことなります。

 また、発行会社は行使できるような株価の状況(発行時の株価の110%以上)の際に、割り当てた野村証券に対して行使する新株予約権数を指定することが出来ます。このことは、発行会社側の選択肢を広げるので、新株予約権の価値を低下させることとなります。

 今回の新しいタイプのMSCB発行に際して、発行会社側は次の点を強調しています。
○株価の上昇に伴って行使価格が上方修正される可能性がありこと。(少なくとも通常のMSCBの様に、行使価格が当初の行使価格から下方修正される可能性はないこと)
○上記の場合、当初予定(発行額100億円)していたより多くの資本調達が可能となること
 ファイナンス・スキームにおけるこの様な工夫は大事な事ではありますが、ただし、当面は潜在株(発行済みの15.51%)として上値を抑える可能が高いこと、また株価が上場した場合でも、今回の新型MSCBを割当てられた野村証券の市場での裁定取引行為が行われることには変わりありません。

 従って、発行会社や証券会社はMSCBの発行及び運用について、既存株主や投資家に十分は配慮した対応が求められてもいます。

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