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2017/08
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郵政3社のIPOを機に、公募ファイナンスを考える(1)
 郵政3社が11月4日に上場し、その後の値動きも堅調に推移しています。久々の大型民営化案件のIPO(新規株式公開)とあって、その株式の販売方法についてはいくつかの工夫がされていました。その前提となっていた販売に関する主な目的は次の様なものです。(実際の検討は、財務省や郵政民営化委員会の関連組織)
① 広く国民に販売する。
② その為に、可能な範囲で多くの証券会社等に販売させる。

 上記の①については、今回の郵政3社IPOの目的に東日本大震災の復興財源確保が上げられていますが、その為に高く販売できるなら、個人や機関投資家でも、海外投資家であっても、需要が大きいところに販売するとならなかったのは良かったと思います。民営化が先行していた欧州などでは、国有企業の民営化に際して、先ず国民に分配し、然る後に機関投資家や海外投資家に販売するという考え方が主流になっており、場合によっては国民へ売出す株価と海外投資家へ販売する株価が異なっている場合もあります。さすがに日本の資本市場の仕組みでは、この様なIPO価格が2段階になった方法は使えません。

 その為、②の方法が取られましたが、通常のIPOや公募増資なら引受シンジケート団に参加しないような中堅・地方証券会社で引受ライセンス(資本金5億円以上、引き受ける為の登録申請が必要)があるところを含めて61社も郵政3社の株式を引受け(引受けの定義は、投資家に売れずに残った分は証券会社自らが引受けること)ています。その他、引受責任を負わないで販売のみを行う地方証券会社なども参加しています。また、三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行はグループ内の証券会社より販売株式の割当てを受けて、このIPOの取扱いに証券仲介業者として参加(IPO株式の窓販)しています。これら国内証券会社が取扱う郵政3社の株式は、全体の約88%となっており海外投資家向けには12%弱しか割当てられていません。

 郵政3社は、それぞれの株価ストーリーがあると思いますが、先ず個人投資家が株式の配当利回りや知名度などで投資し、機関投資家などが各社の株価指数への組み入れを見越して買い、海外投資家が事業戦略を評価して更に買い進むというのが理想的なストーリーかも知れません。

 広く国内の個人投資家に販売していくという取組みは、資本市場の拡大の為に必要なことで、今回の販売の在り方は評価されるべきでしょうが、他の公募ファイナンスについてみると様相が違っています。例えば、個人に人気の高いIPOの一般的な引受けシンジケート団は、5社~8社程度のことが多く、主幹事証券が8~9割を販売して、中堅証券や地方証券が参加することは余りありません。なお、今回の郵政3社株式の販売において、野村證券と三菱UFJモルガンスタンレー証券がそれぞれ約25%を占め、中堅・地方証券23社は0.005%で、地方証券などからは個人投資家需要に対応しきれなかった不満があるようです。大証券と中堅・地方証券を比較した場合、営業員の数は大きく違ったとしても、果たして5000倍もの差があるのか。また、今回の取組みでさえ個人投資家の需要を喚起するのに十分な仕組みなのかどうか、まだ改善余地はありそうです。

更に、IPOより個人投資家需要が格段に落ちる公募増資などの在り方について、現状の仕組みの改善余地を次回以降考えてみたいと思います。

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