*All archives* |  *Admin*

2017/05
<< 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
証券会社の情報開示について
証券会社の情報開示が強化されます。
これは、金商法第46条の4で定められる“業務及び財産の状況に関する説明資料”を日本証券業協会若しくは自社のWeb上で公開することを義務付けるもので、業界の自主規制ルールとして6月1日から施行が予定され、2018年3月期決算の説明資料から公表が適用されます。

 この規則改正の目的は、証券会社等の業務及び財産の状況の透明性を高め、顧客の投資判断の一助とするとされていますが、昨年後半に協会において検討された“私募債等の商品審査及び販売態勢等のあり方に関するワーキング・グループ”において、金融庁の意向(ワーキングスタート時の、金融庁監督局証券課長の発言)を受け私募債事故の再発防止策の一環として、顧客が証券会社の財務状況等を容易に確認できるようにするために取り組む施策として実施されます。
但し、この説明資料(所謂、証券会社のディスクロジャー誌)は、金商法上では“全ての営業所若しくは事務所に備え置いて公衆の縦覧に供し、又はインターネットの利用その他の方法により公表しなければならない”とされていたものです。また、同ワーキングの中で取り上げられたことに関して、協会は以下の様に整理しています。
=証券会社の財務状況によって、弁済を受けられる可能性に差が生じ得るからであり、今般の私募債関連事案においても、顧客間で弁済を受けられるか否かに差が生じていることは事実である。投資家より寄せられた苦情の中には、証券会社の財務状況や株主構成を、ディスクロージャー誌等を通じて知ることができていたらもっと注意することができた、という顧客側の意見があったと伺っている。そのため、ディスクロージャー誌を自社ウェブサイトに掲載することが再発防止策の1つとして考えられるのではないか。( 私募債等の商品審査及び販売態勢等のあり方に関するワーキング・グループ(第4回) 議事概要より)

 上記の説明資料における記載内容に関しては、金融商品取引業等に関する内閣府令第174条に定める事項が求められていますが、証券会社の概況及び組織に関するものでは上位10名までの株主に関する情報など、業務の状況に関するものでは有価証券の募集・売買等や自己資本規制比率・従業員の状況に加え、B/SやP/L・借入金の内容などの財産の状況に関するもの、内部管理や分別管理などの状況、企業グループの内容なども示す必要があります。 
今回の自主規制ルールにおいては、これを原則自社若しくは協会のホームページに掲載することとなりますが、地方の小規模証券会社で縁故者等で実質的に経営に関与していない上位10名までの個人株主に関しては、氏名ではなく個人とだけの記載内容を変更する配慮がなされています。

 一方、上場している証券会社の情報開示は株主や投資家を意識したものですが、適時開示(取引所規則)としての決算短信では、財務諸表とともに経営成績・財政状態に関する分析・事業のリスク・詳細な経営方針の具体的記載などが加わっています。この公表項目は、他の上場企業と同じですが、業績予想に関しては証券会社の事業内容が経済情勢や市場環境の影響を大きく受けることを理由として公表されていません。但し、同じく市場環境の影響が大きい日本取引所グループにおいては、業績予想は決算短信上で開示されています。

 また、有価証券報告書における記載内容は企業内容等の開示の関する内閣府令の第三号様式に定められたものですが、決算短信などに比べてより詳細な情報開示が求められています。例えば、役員に関する情報では略歴まで必要ですし、コーポレートガバナンスに関する記載では内部統制システムの整備状況、社外監査役や社外取締役との関係に関する記述も求められています。

 いずれにしても証券会社が顧客から信頼される為には、財務基盤のみならず、それを支える事業基盤(大株主や金融機関との関係、同業他社との関係、金融商品仕入先との関係)などに関する情報も重要になってきますが、情報開示強化を機に地方証券会社主体に金融機関や同業との提携が進む可能性もあり、今後その動向が注目されます。

スポンサーサイト
Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード