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2017/08
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Jリートという金融商品
バブル後の不動産市場において、不動産の証券化・私募不動産ファンド・Jリートは随分貢献した。
約68兆円といわれる賃貸オフイスなどの収益不動産のうち約42兆円が証券化され、その内私募フォンドで13.2兆円、Jリートで7.4兆円(昨年12月末の運用資産額)となっている。
またJリートは、私募ファンドなどの主要なEXIT先となっていて、Jリート市場の回復は、金融市場・不動産市場双方から期待されている。
 Jリートがスタートしたのは2001年9月で8年近く経つが、昨年度は新規上場もなく、またスポンサーが破綻する銘柄も出た。金融商品として見直す時期に入ったのだろう。
不動産証券化協会のファーラムにおいて検討され「Jリートを中心とした我が国不動産投資市場の活性化に向けて」として、7月6日に公表されている。以下、検討内容の概略を金融商品としての視点でみる。
【Jリート再編のための整備】
・支払い配当が損金算入される仕組みで、税務上の所得から会計上の利益へ判定式が改正。またJリートが合併した際の負ののれん代も、今年度から配当対象から除く措置へ。
・Jリートが合併した場合、合併比率の端数調整の為の合併交付金の明確化
・Jリートが合併した場合、相手株主に割り当てられるべき(実際は売却代金)端株相当分のTosTNeT活用を可能に。
・清算による非上場化も可能だか、合併・スポンサー変更・運用会社の交替で市場に留まる努力を期待
【Jリートのガバナンス】
・上場企業のガバナンスと比べると、投資法人・運用会社・スポンサー(運用会社の主要株主)とそのガバナンス構造が一般投資家に分かりにくいのではないだろうか。また、昨年は4社(運用会社のみは2社)が利益相反行為や内部管理体制の不備で、行政処分を受けている。その為、以下の取組みを。
①投資法人による運用会社の忠実義務等のモニタリングを強化。その為、投資法人の執行役員を始めとする陣容の充実を。
②運用会社において、業務執行のモニタリングが出来る社外取締役の選任を。
③運用会社の報酬体系のより一層の工夫を
※上場企業も投資家の信頼を得るコーポレート・ガバナンス改革を実行中だが、同じ市場に立つのであれば、スポンサーに頼らないJリートのガバナンス整備は必須と筆者は考える。
【ファイナンス】
・ファンドである以上、エクイティとデットの比率は運用に大きく影響するが、昨今の様な金融情勢ではエクイティ部分を強化するためのファイナンスも必要だろう。しかし、ファンド的性格を考えるなら、既存株主への希薄化配慮は、一般企業以上に配慮されるべき。また、企業のファイナンス同様に、資本政策に関する法整備及び機能整備が期待される。
①株主割当増資(※筆者は、この手法がJリートファイナンスの基本と考える。)
②転換社債
③種類株
④自己株式の取得、株式配当、減資規定の創設など企業なみ資本政策の整備
【投資法人債】
・この9月から償還が始まる投資法人債は、約6400億円発行されている。また金融機関がJリート向け融資(約2.9兆円の融資残高)に慎重なこともあって、この資金繰りを支える目的で官民ファンドの創設が報じられている。内容は、政策投資銀行・金融機関・大手不動産で最大5000億円の基金を8月にも創設し、投資法人債を購入、Jリートの資金繰りを支える。

現在41銘柄のJリートであるが、不動産市場のEXITとして更なる拡大が期待されているので、官民上げた支援体制は必要なのだろう。しかし、ガバナンスの強化・明確化に自ら努めなければ、金融商品としての拡大は難しい。

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