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2017/08
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社債市場の改革にあたり
 資本市場において、資金調達側の企業は、ファイナンス方法として株式か債券で行う。しかし、その株式市場と債券市場は随分とイメージが異なる。簡単に言ってしまえば、株式市場は流通マーケット主体であり、債券市場(国債以外の)は発行マーケット主体である。また、債券の投資家についていうなら、金融機関中心の機関投資家に限られていたし、企業が発行した社債が、株の様に流通しているといったイメージには随分遠かった。
 その様な社債市場について、改革しようと、日本証券業協会で経済界・金融界の有識者を集め、社債市場の現状及び活性化に向けた様々な課題の検討、取組を進めるため、今月初め「社債市場の活性化に関する懇談会」を設置した。このこと自体は、日本の資本市場強化においても非常に重要なことで、是非実行力のあるプランを、数値目標・期限・優先順位のオバマ流で進めていただきたい。
 以下、日本の社債市場に関して、多少のコメントを、資本市場強化の観点から述べる。
【社債市場の実況】
株式保管振替機構の6月末データによると、以下のような実態となっている。
・社債(公募)=2,432銘柄、発行残高57.6兆円
・社債(非公募)=55,945銘柄、発行残高12.6兆円
・資産担保社債(公募)=62銘柄、発行残高1兆円
・資産担保証券(非公募)=927銘柄、発行残高5.4兆円
・非居住者の国内発行合計=361銘柄、発行残高9.9兆円
※国内で発行される社債もペーパレス化が完了している。現状は殆ど流通していない、私募債(上記の社債(非公募))も電子化されており、流通・保管に掛かるコストは、著しく低下している。
【社債発行市場の問題点】
・公募債では、低格付けの発行が未だ機能していない。
・公募債は引受業者との関係で、発行額の下限がある。
・私募債に関して、財務制限条項(発行会社の財務的な制約)を含めて、社債の発行要項を入手しにくい。
【社債流通のプロセス】(簡略化して)
社債に関する情報の集約(売買価格情報、信用格付情報、企業情報、社債の発行要項等を集約)
     ↓
売買ニーズの集約(実際は、証券会社(仲介者)が投資家ニーズを収集して、社債を仕入れる場合が多い)
     ↓
売買ニーズのマッチング(上記の流れで、証券会社が取引相手となる場合が多い)
     ↓
社債の受渡決済・保管(投資家のポートフォリオを管理する口座に移動若しくは証券会社に取りあえずそのまま)
【社債流通市場の問題と課題】
・全般的に流通市場があまり機能していない。
・特に私募債が流通する仕組みは、中堅・中小企業の資金調達力に大きく影響するが、ほぼ無い。
・流通の為に何が必要かについては、上記社債流通プロセスにあるように、社債の電子化で決済・保管の負担が投資家・流通業者たる証券会社双方軽くなっているので、まず初めのプロセスの社債に関する情報集約とその公表に注力するべきと筆者は考える。
・社債の価格情報については、現在行われている証券会社へのヒアリングベースのものではなく実際に売買された情報を集約し、公開する仕組みが必要。(実際に売買されていないものは、類似する社債の売買価格情報が比較可能へ)
・社債の格付け情報に関しては、グローバルな格付機関規制の中で、格付情報(更新分も含め)の公表が義務付けられるので、これを活用してどうか。
・社債の発行要項に関しては、既にデータとして株式保管振替機構に集約されているので、この情報を活用し公開される方法を検討するのが現実的。
・実際の売買に当たり、カウンターパティー(取引相対者)リスクを低減する為、機関投資家間で社債クリアリングを共有する方法が望まれる。
・更に、売買ニーズのマッチングの為に、機関投資家が自分にニーズを流通業者の証券会社に引き合えるシステムの構築(国債では既にある)が望ましい。
・大和証券が個人向けに国債PTS(私設取引システム)を始めたが、個人向けにはこの様な取組みも必要。
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