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2017/08
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格付機関規制について
 金融・資本市場において、格付けの問題は本当に難しい。それは、投資判断に重要な影響を及ぼす格付けを行う格付機関が、利益を求める民間の企業であることに集約される。そして、難しいからこそ、政府がやる、それもグローバルで規制する。サブプライムの証券化商品が問題になった一昨年から、欧州や米国は、格付機関を登録制移行し、規制を強化している。日本でも、この6月に成立した改正金融商品取引法で、格付機関規制が導入され、来年末までに実行される。
【規制導入の背景・問題点】
・AAA格の証券化商品が、突然短期間に急速にBBB未満の投資不適格に格下げされるような状況。事後の調査で、証券化プログラム上のミスが発覚した事例もあった。
・本当に公正な格付けがされているのかといった疑念。例えば、前回の日本の金融危機下で、国債格付けがアフリカ諸国と同様になったのに、財政赤字が膨らむ米国が高格付けのまま。
・格付けを取得する企業が、複数の格付け機関に格付けを依頼した場合、仮格付け段階で、低い格付けを排除したり未公表にするケースも散見された。
・自ら調査能力を持たない個人や中小の機関投資家が、格付けに頼るのは仕方ないとして、国が指定格付け機関として、金融機関の自己資本比率やソルベンシー・マージンの算定基準や公的組織の運用基準として、格付けそのものに依存しすぎていないか。
・格付けの定期的見直しは、発行者のコスト負担なので、本当に持続的に行われていたか。その見直しに関する情報は、投資家の入手し易いところにあったか。
・格付けの独立性や透明性が確保されるのは当然として、その為に組織としての格付け機関のガバナンスは、どうなっているか。企業へのコンサルと格付作業の様に、利益相反する場合や、格付けアナリストや格付機関が、格付対象証券に投資することなど、どうチェックされていたか。
・格付けの表示に関して、企業に対するものと、ストラクチャーもの(証券化商品)で、同様の表示方法でいいのか。
・そもそも、格付けする対象の企業や発行者から、格付費用を徴収する仕組みは、利益相反ではないか。
【成立した格付機関規制の内容と国会附帯決議】
○今までの指定する方法から、格付機関を信用格付業者として登録する制度を導入
○業務にかんする規定の整備
1.独立した立場・公正かつ誠実に業務を遂行
2.利益相反防止措置を含む業務管理体制の整備を義務付け
3.自己名義で、他人に信用格付け業務を行わせない
4.自らが利害関係者である場合、格付けの提供・閲覧等の禁止規定の整備
5.格付け方針等を公表し、その方針に沿って業務を遂行
○監督規定等の整備
-事業報告書を作成し、提出する義務
-業務の状況に関する事項を記載した説明書類を作成し、備置・公衆縦覧・インターネット等での公開
-検査・業務改善命令・業務停止・登録取消等の規定整備
○無登録の格付機関の格付けをもって勧誘を金融証券業者が行う場合、無登録である旨の説明を義務化
[国会での附帯決議]
国際的な動向を踏まえて、機敏に対応。日本の国情に配慮
利益相反の回避について、実効的な規制を
格付け後のモリタリングの実績を公表を義務化することを検討

海外での状況について簡単に触れると、既に登録制を導入した欧州については、発行者に対して登録した格付機関の利用を義務付ける方向が示され、米国は、登録制を導入しつつも格付機関への依存を減らす方向を模索している。米SECが、格付機関への依存度を低くする指針案を策定、また発行者が格付けを公表する前に、複数の格付け機関が判断した仮の格付けの公表を、義務付けることを、検討していることも伝えられている。
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ジャンル : ビジネス

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