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2017/10
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利益相反について
 金融・資本市場において、公正性・透明性の確保は当然だろうが、一方では市場の仲介者のビジネスとして、何らかの情報の非対称性(顧客との情報格差)に頼るところが残っているのも、また事実だろう。
 金融機関等が新しい金融商品・金融サービスを、顧客へ提供していくとき、この情報の非対称性を使っていこうとするなら、“利益相反”に関して厳格に処理していかなければならないというのが、最近の潮流になっている。
 金融機関グループの対応だけではなく、“利益相反”行為として、何らかの対応が法制度上求められていることに関して、以下の様な状況である。
【ファイアーウォール規制緩和に伴うもの】
 6月からの規制緩和の前提として、銀行グループが利益相反管理を義務付けられている。
未公開の法人情報を、グループ間で営業に活用しようとしたとき、何が問題か、どの様に利益相反を管理しているか等を、“利益相反管理方針”として公表している。
例えば、M&Aの助言を行う場合、グループ各社が競合する企業にそれぞれアドバイスを行うような場合、これらの情報は遮断されなければならないし、かつM&A案件の進展によっては、どちらか一方を、若しくは双方との取引を中止しなければならない。また、株式・社債をグループの証券が引受、その資金が親銀行の借入金返済に充てられる時、このことを投資家に公表しなければならない。その他、
・シンジケートローンに関する業務
・資産・債券流動化に関する業務
・プリンシパル・インベストメントに関する業務
・社債管理に関する業務  等についても、同様の利益相反の管理が求められる。
【格付け機関に関するもの】
 格付機関規制については、前回触れたが、利益相反については、以下の様な問題があると考えられている。
・格付費用を、格付けする企業・発行者が負担すること自体が、そもそも利益相反ではないかという疑問。
・格付け機関の営業活動上行う格付けコンサル活動は、投資家が求める厳格な格付けとの間に、コンフリクトを起こしていないか。
・格付機関や格付け担当アナリストが、自ら格付けする証券に投資する行為は、利益相反の可能性がないか。 等
【Jリートに関するもの】
 投資会社や運用会社のガバナンスが、投資家の為に適切に行われているか。スポンサーである不動産会社や金融機関等の影響を強く受け、以下のような利益相反行為があった。
・アスベスト対策や増改築中の賃料未収機関を考慮することなく、割高に物件を購入したケース。
・第三者割当増資に対して、社外取締役が反対したにも関わらず、取締役会議事録で事実と異なる記載をし、増資を実行。
・運用会社の利害関係者が売り主のケースで、資産取得時に、鑑定業者に不当な圧力。また、売り主が負担すべき費用まで、投資法人が負担。
【コーポレート・ガバナンスに関するもの】
 独立取締役導入の議論のベースになった、経営者と株主の利益相反行為に関して、以下のような事例があった。(以下に対する対応は、取引所ルールで整備される予定。)
・極端な株式併合による少数株主の排除行為。
・MBOなど、上場会社が売り手となった場合の企業価値の算定に関して、買い手となる経営者と、売り手の株主の利益相反。
・買収防衛に関するもので、買収相手への現金の提供行為や、防衛策そのものが、株主の利益に反していないかという疑義。
・大規模な第三者割当増資における、既存株主との利益相反行為。

 金融ビックバンによって、金融・資本市場への参入障壁が低くなり、また金融サービス・金融商品も多様化した。しかし、この様な利益相反行為を突き付けられては、市場仲介者への行政管理が厳しくなっているように思うのも、仕方ないのだろうか。

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