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2017/10
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ヘッジファンド規制について
 週末のG20財務相会議では、金融機関の経営者やトレーダーなどの高報酬のマネージャー・クラスに対する報酬規制が話し合われるようだが、金融危機を二度と起こさない為に、不要なレバレッジや無謀なトレーディングを引き起こす金融マンの貪欲さを抑えるということだろうか。大手金融機関への公的資本注入や金融緩和政策で資金供給のメリットを多大に受けているので、これはこれで金融機関が受けざる得ない。
 しかし、G20でも金融サミットでも、ファンド(主にヘッジファンドと言われるが)規制を強化していこうとの動きが強まっていることに、ちょっとした違和感を覚える。
 そもそもヘッジファンドは、サブ・プライムローンやCDS・CDOなどの様に、今回の金融危機の一因だったのだろうか。確かに、金融危機に前後する商品相場の急騰・急落時に、その影響力が噂された時もあったが、そのことと金融危機は直接関与ない。また、ヘッジァンドはレバレッジを活用するが、それはレバレッジを付与する金融機関や取引相手の投資銀行の問題であって、金融行政面でみるとヘッジファンドは金融機関の取引先に過ぎない。
 それでも、4月のG20では、以下の様なヘッジファンド規制が提言されていて、2009年末まで各国金融当局が協力して情報共有を進めるとしている。
【G20:金融システムの強化に関する宣言のヘッジファンド規制部分】
・ヘッジファンドとそのマネージャーを登録する。(監督官庁が金融システムに与える影響を監督出来るような情報開示を求める)
・適切なリスク管理が行われる事を監督する。ファンドと運用するマネージャーが異なる国の場合にも、各国当局の情報共有によって効果的な監督が出来るよう情報共有メカニズム策定を2009年末まで行う。
(この週末のG20財務相会議で、この件に対する報告が行われる予定)
・金融機関のヘッジファンドに対する効果的なリスク管理を求め、当局がヘッジファンドのレバレッジを監視・エクスポージャーに制限を設定するメカニズムを検討する。
【ヘッジファンド規制を必要とする理由(当局者・識者等)】
①ヘッジファンドは、金融危機の主犯でも主役でもないが、危機を促進した可能性があり監視が必要。
例えば、解約が殺到したヘッジファンドのポジション清算により、市場の価格発見機能が障害をもたらしたとの指摘
②ヘッジファンドの取引が不透明、高いレバレッジを活用する可能性、ファンド運用者と投資家間の利益相反が生じる可能性が高いなど、ファンド実態の把握のし難さによる懸念
 筆者が違和感を感じるのは、①は、その市場参加者(市場運営者も含めて)自身の問題で、ヘッジファンドは、その一参加者。②は、やはり金融機関や投資銀行の規制で済むのでは思うからである。
現在でも、ヘッジファンドを含むファンド(金商法の場合、集団投資スキームの投資運用者)に対して既に各国の規制はある。
【日本】
・第二種金融商品取引業や投資運用業として登録制・最低資本金制。報告徴収や検査対象となっている。
【米国】
・登録制は導入されていないが、2007年にはSECによりファンドに対して不正禁止規制が導入され、またSECの要請で、登録投資顧問会社への移行が進んでいる。
【英国】
・ファンドが外国籍でも運用者が国内で業務を行っている場合、登録義務がある。最低資本制あり。
・FSAが大規模なヘッジファンドの運用者をモニタリングしていて、プライム・ブローカー(投資銀行側)もその対象としている。
 ヘッジファンドの行動特性としては、市場や制度などの歪みを活用して、それが裁定されたり解消する方向で、大きなポジションをとる事がある。まさか、その時の意趣返しとも思えないが、ヘッジファンド規制強化は、やはり良く分からない。
(例えば、ヘッジファンドの株式市場への空売りが問題であれば、現状のネーキッド・ショートの禁止と、大口空売りの証券業者への報告義務で済んでしまう。又、機関投資家と異なる投資行動をするヘッジファンドは、市場の多様性を確保する為にも必要とも思うのが筆者の私見。)

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