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2017/08
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業界ルール改正の小と大
 ルール改正の小というのは失礼かもしれないが、現場実務に即した微調整ということだ。そのルール一部改正(金証業等府令・投信法施行規則・定義府令・金商法等ガイドライン)が、9日に交付され即日施行された。改正内容は以下の様になっている。
①損失補てんの事故確認について、原則財務局の確認が必要だが、例外として原因が事故によりかつ弁護士等が代理する和解が成立していて、損失が1000万円未満の場合は、財務局による確認が求められない。金融商品取引法改正により金融ADR(金融分野における裁判外紛争解決制度)制度が始まるのに伴い、損失が1000万円未満の場合は、財務局確認に代わり、協会等のADR委員会の確認で済む。
②登録金融機関(株式以外の有価証券が取り扱える金融機関)における証券取引に係る総合口座貸越を以下の要件の下で可能とする。
・1月以内に完済するものであること
・累積投資契約に係る取引であること
・信用供与の上限額を10万円とすること
この制度を金融機関がどう使うか注目されるが、投信などを毎月定額購入する契約(一月10万円以内)をしていれば、一時的に口座に現金残高(若しくはMMF等)がなくても投信が購入されるといったイメージだろうか。
③現行制度上、投信目論見書の電子交付については、書面交付後5年間、投資家の請求に応じて電子メール等により交付することができる態勢を整えれば、常にホームページに掲載することは不要であるとされているが、投資信託の運用報告書・投資信託約款の電子交付について同様の規定を整備したもの
④業者が顧客の金銭・有価証券を管理しない取引(媒介など)についても、四半期の間に取引があれば取引残高報告書を交付することが義務付けられているところ、これを不要とするもの。これにより、有価証券取引を媒介したり代理取引するものが手数料を得ても、報告書交付義務は免除される。
⑤従業員持株会を通じた株式所有スキームのうち一定の要件を満たすものについて、集団投資スキームに該当しないことや投資信託及び投資法人に関する法律第7条に反しないことを明確化。
一方、大の方のルール改正(次期金商法改正等)については、例年通り金融審議会で議論が始まるが、金融危機の原因究明や影響を踏まえて、我が国金融・資本市場のあり方を考えようと基本問題懇談会が本年から設置されている。先月末から議論が始まっているが、そのポイントと思われる点を以下に紹介する。
【基本問題懇談会議事要旨より】
・証券化商品について、安易な組成を防ぐ為にオリジネーター(組成者)に証券化商品の一部保有を義務付けるとの議論があるが、それだけではファンドマネージャーの行動を縛れない点に留意。
・金融危機が急速に拡大した背景には、各主要金融機関のリスク管理手法は共通化していた。
・市場に多様な投資家が存在することが重要であり、長い期間で投資を行う投資家が増えることでシステムが安定するのではないか。
・流動性リスクへの対処法としては、市場参加者が市場全体で抱えているリスク量について情報を共有することが考えられる。
・金融機関が投資家の高い投資利回りの要求に応える動きとして、ヘッジファンドから売買注文を受けて取引の執行等を行うプライムブローカレッジ業務についても研究するべき。
・我が国でもファンドマネージャーの報酬体系について経済界等で従来から議論がなされてきたが、他人の資金を運用する場合、最終的な損失は投資家が負うことになり、どのようなインセンティブを与えるかはなかなか難しい問題
・市場型金融が拡大する下では、流動性リスク管理が重要となるため、レポ市場などについて整備を進めるべきであるほか、再証券化商品を始めとした証券化商品の格付けのあり方や、金融機関のリスク管理の方向性についても考えていくべき。
・規制のみでなく、格付けの手法などを含めた市場慣行について、市場関係者による改善が図られていくということが重要な視点
 勿論、金融危機後の日本の金融・資本市場整備をづしていくか大きな方向性は必要だが、それを実効性のあるものにしていく現場対応力の小さな努力は、業界に求められることでもある。

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ジャンル : ビジネス

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