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2017/10
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投資家目線の開示制度
実は、最近心待ちにしている月例の記者会見がある。東証の斉藤社長の月例会見だが、仕事柄、取引所動向をチェックしておく目的以外に、その会見内容そのものに興味を覚える。多分斉藤社長のお人柄なのだろう、少し込み入った様な事柄も、方向性を明確にされ、分かり易く説明されておられる。そんな対応に期待してだろう、記者も時々脱線しているような質問を投げるが、これにも、ちゃんとボールを返している。東証トップ=取引所の方向性が、明快にかつ平易に示されていることが、大事なのだ。
 その東証の先月末の社長会見で、上場制度整備の実行計画2009が示された事は、既にお伝えしたが、その中に、開示制度の見直しがあり、四半期開示と内部統制の実務の在り方に関して、検討するとある。
 両制度とも、ここ1~2年で導入された開示制度であるが、四半期開示は取引所の適時開示=タイムリー・ディスクロージャーの推進で導入された。(内部統制は、コーポレート・ガバナンス向上を目的に、会社法・金商法の内部統制報告制度で導入されたもの)両制度の導入により、確かに会社情報は、より最近の物が手に入るし、会社の状況も分かり易くなったが、組織の小さな新興企業には相当の負担となっている。東証社長は、この四半期開示を見直すことを以下の様にコメントしている。
・四半期開示は、日本と米国だけ
・海外年金基金などが、本当に四半期開示を必要としているか疑問
・短期利益追求の弊害もある
勿論、適時開示の目的上、四半期開示上あった方が良いに決まっているが、上場会社が負う負担と投資家が受けるメリットを比較すれば、企業規模や業種によって、開示の軽減措置があっても良い。せっかく企業が苦労して作成したデータも、一部アナリストしか使わないのでは、市場機能として適時開示の有効性にも、疑問譜が付く。導入して間もない四半期開示ではあるが、その制度を見直すという姿勢は、とても好ましく思える。
 取引所は、投資家にとって、取引を提供する場であるが、その取引の為に、取引される有価証券の情報を、タイムリーに投資家に提供する場でもある。その意味で、東証の適時開示制度は有効に機能していて、投資家は、情報ベンダーに頼らなくても、適時開示閲覧システムとして、TDnetを活用することが出来る。少し要望を加えるなら、適時開示に関して、以下の点の改善をお願いしたい。
・TDnet活用に関しては、広く投資家の利用が拡がるよう、投資家への啓蒙活動をすること。
・TDnet利用情報に関して、過去2年適度まで利用可能とすること。
・適時開示情報に関して、同一期間内の銘柄毎比較が可能な情報検索を可能とすること。(例えば、M&A、業績修正、増配、株式分割等)
・適時開示情報のXBRL化で、投資家が利用可能なソフトや機能を、分かりやすく提供されること。

取引所があるから、投資家は、上場されている株や債券などの情報を、容易に入手することが出来るが、投信や外債などは、情報入手を証券や銀行などの市場仲介者に、依頼するしかないのだろうか。
 そんなことはなく、国内で募集される投信や外債の金融商品は、金融商品取引法上の開示制度でディスクロージャーを求められる。届出書を出さなければならないし、何か変更したら訂正も求められる。同様の内容は、投資家に目論見書として、募集活動を仲介者が行う時に、仲介者から渡さなければならない。
内容は、EDNETで閲覧することも可能だ。しかし、可能だが大よそ投資家仕様になっていなく、投資家の視点から、求める投信や外債の内容が分かるところまで辿りつくのは、EDNETに精通していなければ難しい。目論見書があるではないかとの意見もあろうが、実はその目論見書を入手する為には、取扱証券若しくは金融機関に、口座を開設しなければならないのが現状である。投信の目論見書に関しては、内容をもっと平易で分かり易くとの議論もされているが、投資の検討段階で、容易に入手できることが重要に思う。そもそも、目論見書の電子交付が可能になっている。投信の目論見書は、よくリスクを説明しなければ渡せないと思っておられる金融機関は、金商法の行為規制を、曲解しておられるように思う。
投信には、取引所の様に、情報を集約して、適時に流す所がないのが、問題なのだろうか。

以上、現在の開示制度に関する雑感である。
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ジャンル : ビジネス

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