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2017/10
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業界の税制改正要望
税制改正のプロセスが新政権になってから変わって、改正要望を公募したものを関連省庁が取り纏め、政府税調へ上げるという仕組みのようだが、8月末に金融庁一旦取りまとめた平成22年度要望はあるが)金融庁がこの9日まで公募している。税制改正プロセスを、明確化しようとの動きだが、この公募に応じる形で7日、証券業界関連について、証券業協会等が要望した。
 税制改正プロセスは、変わったが、税制改正要望関して、その内容は余り変わらない。むしろ、実務的な問題(証券会社等の実務)への要望が多くなったよう思われ、詳細な事項が増えているのが印象だ。
税制改正要望の目的としては、主に2点に纏められる。“貯蓄から投資へ”の推進と、アジアの金融センターを目指した“市場整備”に関するもである。以下、その要望内容と筆者の若干のコメントを以下に述べる。
【貯蓄から投資へ関連】
・日本版ISA(少額の上場株式等投資のための非課税措置)は、譲渡益等の軽減税率撤廃(10%を20%に戻す)ことを条件に、平成24年導入が決まっていて、平成22年度税制改正において制度設計をするとされている。これに対して、協会の税制要望は、制度設計の簡素化を要望している。この要望が良く分からない。確かに制度は簡素なものが良いのだが、制度決定前の簡素化に意味があるのだろうか。むしろ業界としては、制度案を提示してからのことではないかと思うので、この要望の具体性は大よそ乏しい。
・上場株式等の譲渡益・配当金への軽減税率は、上記の理由で平成23年一杯ということだが、要望として軽減税率の継続を上げている。税法的には、この軽減税率は平成21年度終了するものを、平成22~23年の2年間について昨年度の税制改正で延長済みである。新政権への不安としては、この既に決定している2年間の軽減措置が取り止められのではないか(社民党が主張:但し選挙前)といったものがあったが、新政権からのこの件に関する正式コメントはない。確かに税率は小さい方が良いが、まさか上記の件もあるのに、軽減税率をずっと続けて欲しいということではないだろう。その様な業界のコンセンサスは、無い筆者は思う。(議論等は公表されていないし、業界としてのワーキングもない。)
・金融所得一体課税の考え方を進める為に、金融商品間の損益通算の拡大を求めている。これは非常に重要なことだと考えるが、株式関連だけではなく債券や預金なども含めて譲渡益・利金配当金などを、金融所得として一体で見て、就労による所得とは分離して課税する金融所得一体課税(勿論低い定率である必要があるが)は、高齢化社会を迎える日本にとっては必須だ。損益の繰延べ制度もあった方が良いが、繰延控除期間が、3年では不足で7年(要望)が適正かどうか一般には分かり難い。もし、個人にとって損益繰延の期間が7年必要なら、それは何か他の長期投資システムと関連付けられるものでなければ、国民は理解できない。
【市場整備】
・社債(証券決済振替機構で取り扱う振替債)の利子・償還差益について、非居住者・外国法人は非課税とする要望を上げている。これは、日本の社債市場(流通市場)が未発達の理由で、個人や海外投資家の保有が少ない事が一因となっている。この為には、国債や地方債と同様に、利子・償還差益かんする非課税措置が必要なのだが、日本に企業の資金調達手段の多様化→社債市場の整備→海外投資資金の呼び込みということを明確化すれば、新政権の理解も得やすい。
【その他】
・高齢者から若年層への資産移転を目的にした株式・株式投信の相続・贈与制度でその評価額を低く見積もる(現行制度の70%以下へ)制度の要望をしていたが、これは良く分からない。本当に、相続する為に株や投信を買って、低く評価したものを相続する動きが“貯蓄から投資へ”の目的で必要なのだろか。
それよりも、世代間の資産移転を目的にするなら、協会で検討されていた英国のチャイルド・ファンドの様な制度導入こと、世代間の資産を移転し、若年層の資産形成に役立ち彼らへの投資教育も有効になると思うのだが、今回の税制改正要望には無い。

税制改正要望において、各社間の要望を集めて出すのではなく、業界としての税制の方法性を議論した上で要望提出しないと、各要望間で平仄の取れないものになって、業界の本気度が問われる。
少し厳しい物言いになったが、自主規制機能だけではない業界の方向性を見定める機能が、協会にはあると考えるからである。
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