*All archives* |  *Admin*

2017/10
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
業界規制には、産業育成の視点を
 先週末の16日、本年6月24日に公布された改正金融商品取引法の施行に伴う政令・内閣府令案が公表された。マスコミでは、新たにCDF取引の規制案が報道されていたが、改正金商法で以下の5点が決まったので、具体的規制案を示したものだ。
①格付け機関(=信用格付業者)に対する規制を導入
―グローバルな金融規制への対応で、欧米の規制強化方向に沿った動き
②金融ADR制度の創設
―ADR(裁判外紛争解決)制度整備の一環
③有価証券店頭デリバティブへの分別管理義務の導入
―証拠金取引の証拠金を、金銭信託の方法で分別管理する義務を課す
④金融商品取引所と商品取引所の相互乗入れを可能に
―議決権保有制限のある取引所で、取引所間の保有制限の撤廃・緩和
⑤「有価証券の売出し」に係る開示規制の見直し
―外債など、販売の実態に沿った開示制度の整備
これらの具体的規制案の内容に関しては、下記の金融庁の概要資料で分かり易く纏まっているので、ご参照いただきたい。政令・内閣府令案の概要(金融庁へリンク)
この中で、業界内での産業育成の視点で行政に考えていただきたいのは2点で、格付け機関規制と店頭デリバティブの分別管理義務導入に伴うレバレッジ規制の問題である。
【日本の格付け機関の強化・育成は、日本の金融・資本市場には必要。その為に・・】
導入される規制案は、格付け機関を登録制にして、その登録要件として、厳格な格付け業務プロセスや利益相反への体制整備を求め、業者としての禁止行為を定め、投資家向けの情報開示を義務付けるものだ。格付けの品質管理を、組織として徹底しなければならない。格付け情報に関しても、一般への公表を適時・適切に行う体制が必要だ。業界としては好ましい規制内容であると考える。また、欧米の規制内容も、概ね同様の方向となっている。
しかし、グローバルな格付け機関規制の中で、日本の格付け機関のポジションというものを考えなければならない。ムーディーズやS&Pは、グローバルな格付け大企業であるが、R&IやJCRなどの日本の格付け機関は、比較すると資本金5億程度の中小企業である。格付けの様な投資判断基準となるビジネスは、業界や行政がビジネスとして育成していくという視点が必要だと思うので、格付け業として成り立つ取組みを支援するべきだ。例えば、格付け企業や格付け対象者との利益相反問題があるなら、格付け費用に関しては、原則債券などの金融商品の仲介者が負担する仕組みを、業界・行政で検討すべきではないだろうか。また、証券や金融機関が保有する格付商品の残高に応じて、対象となる商品の格付機関に費用を配分する格付け基金があれは、日本の格付け機関の陣容も拡大・充実していく可能性もある。
【市場参加者の多様性は確保すべき。その為に、投機家も必要では】
 FX取引のレバレッジ規制が決定されてから、CFD取引に関しても同様の規制が掛かることは想定されていたが、内閣府令案は、有価証券店頭デリバティブ取引について、・個別株=レバレッジ5倍以下、・株価指数=レバレッジ10倍以下、・債券=レバレッジ50倍以下を、来年11月か12月あたりから規制するとしている。規制の目的は、顧客が不測の損害を被るおそれを避ける顧客保護・顧客損失が証拠金を上回ることにより業者の財務の健全性に影響が出る事を避ける業者のリスク管理・過当投機の排除としている。既に、証券業協会でのCFD取引に関するワーキングがお伝えしたが、同ワーキングでは、個別株10倍・株価指数20倍・債券50倍という意見が過半数を占めていた。
そもそも、投資家保護・育成は金融行政の柱であるだろうが、同質の投資家のみで構成する市場のリスクは、今回のCDS・CDO市場の崩壊で、業界が身にしみたことではないだろうか。市場の多様性も維持することこそ、市場の健全性を確保することで、その為には投資以外に、投機も必要なのだ。その投機を、ヘッジ・ファンドだけに任せておいて良い訳ではない。本来、ヘッジ・ファンドも他人のお金を預かって運用するので、本質的な投機家は個人しかいない。この結果は、業界の責任かもしれない。個人投機家の必要性を、ちゃんと議論すべきだったと考える。
 個人投機家を育成するという視点で、CFD取引のレバレッジ規制には反対する。むしろ規制すべきは、ロスカット・ルールと取引対象とする指数情報提供の徹底ではないだろうか。
スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード