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2017/08
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大証という市場機能
 先にお断りしておくが、銘柄を推奨するつもりは毛頭ない。上場企業なので、先に言い訳から入ったが、日本の資本市場機能を考える上で、どうしても議論は東京証券取引所および東京の金融機能を中心に行われがちだが、大阪証券取引所(以下、大証)には、重要な機能がいくつかある。
 その一つは、日本で最大の新興市場を有することになるという事だ。経営統合するJASDAQに関して、既に有しているヘラクレスとの市場統合のあり方についての方針を、10月27日に公表しているが、それによると、両市場は平成22年秋を目標に完全に市場統合し、市場名称はJASDAQにする。JASDAQ:884社、ヘラクレス・スタンダード:77社、ヘラクレス・グロース:74社、NEO:5社の合計1040社が、上場する新興市場が生まれることになる。市場構成は、
・JASDAQスタンダード:一定の事業規模と実績を有し、事業の拡大が見込まれる企業群
・JASDAQグロース:特色ある技術やビジネスモデルを有し、将来の成長可能性に富んだ企業群
の二つになるが、マザーズ市場の187社に比べ、企業数では圧倒する新興市場である。
その新興市場の機能としては、以下の点が検討されている。
○新規上場基準は現状並み形式基準、成長性評価に関しては外部有識者による委員会で客観性を確保
○問題企業に対しては、新たに“監視区分”を設置して、投資家への注意喚起を促す。更に、“監理銘柄”として、問題を取引所が審査中に企業に対し、上場管理料の割増措置。
○アナリストレポートの拡充・投資家向け説明会の開催・企業への会計・法務セミナーなどコーポレートサービスの充実
○新興市場インデックスの開発、ETF・デリバティブの上場
○リクィディティ・プロバイダー制度の見直し
○上場廃止基準の厳格化:ビジネスモデルの崩壊、低株価でマネーゲーム化の恐れ、浮動株時価総額基準の採用
なお、既上場のスタンダードかグロースかの分類は、企業からの申請をもとに、審査される。
現状では、新興市場間競争において、成長企業の東証一部上場指向を取り込んだマザーズ市場(マザーズ上場であれば、通常500億円の時価総額基準が、40億円に低減される特例措置)に、なお優位性があると思うが、大証には新JASDAQ整備において、具体的改革策を取り込んで、新興市場改革に尽力されることに大いに期待したい。
 もう一つの重要な機能は、デリバティブ取引所としての大証の役割だ。大証の中期経営計画(平成21年~23年)においては、“デリバティブを中心にグローバルに存在感のある取引所”の実現を目指すとしている。
最近の資本市場の規模に関する報道では、株式の取引額で東証が上海取引所に抜かれたとか、上場時価総額で日本株が中国株に迫られているという報道が、多くされるが、デリバティブ市場規模に関する日本の現状は、厳しい。世界の取引所における2008年の契約単位ベースの取引高比較(商品先物も含む)では、1位はCMEグループ(米国)で32.8億単位、2位はEurex(欧州・米国)31.7億単位、3位は韓国取引所で28.7億単位、以下6位にBM&F(ブラジル)7.4億単位、10位に大連取引所3.1億単位、13位に深セン取引所2.2億単位、そして大証は15位で1.6億単位となっている。エクイティ物の先物やオプションだけみても、大証は14位に位置している。
 大証取扱いのデリバティブ取引高は、年2割以上のベースで伸びているが、世界の主要取引所の規模には遠く及ばないのが現実だ。その為、大証は、中期計画で以下の強化策を表明している。
・海外投資家取り込みの為のリモートメンバー制度の導入、コロケーションサービスの拡大等(海外の取次金融機関に利便性を図るもの)
・海外取引所との提携による実質的な24時間取引の実現
・平成22年度上期に新売買システム(NASDAQ/OMX)導入による処理速度向上と売買制度のグローバルスタンダード化
・上場FXの導入(本年実施)
新興市場は、資本市場機能のベースになるものだし、デリバティブ取引増加は、金融サービスの新しい潮流だ。この2つの取組みを大証が行う意義と意味を、金融・資本市場関係者は良く理解する必要がある。
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