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投信の目論見書
 永くこの業界で仕事をさせていただいているが、最近の投信のテーマ選択は本当にすごいと感心している。金融危機後の株式市場が安値をつけた2月以降を見ても、株式市場の反転を見込んだ目標設定型・グローバル金融株そして中国株から新興国投資、さらにグローバルREITから外債ファンドまで続いているが、証券会社のアドバイザーの言う事聞いて、ちゃんと乗り換えていけば、ヘッジ・ファンドも敵わない運用成果になったと後悔している。投信は、売る物ではなく、投資するものだったと改めて思い返す。
 この投信に関して、販売する際の情報開示をもっと分かり易く、かつ投資家が不利益を被る可能性があることを、ちゃんと公表していこうという原則案が、証券監督者国際機構(ISOCO)より11月16日に公表されている。以下、投信=集団投資スキーム(CIS)を、リテール投資家に販売する際の開示原則案の概要について紹介する。(カッコ内は、筆者の解説)
①重要情報として開示されるものに、商品の基本的な利益・リスク・条件及び費用、販売時の仲介者の報酬や利益相反に関する内容を含む。
(投資家との利益相反若しくはその可能性がある情報を開示することになるが、例えば投信を管理する手数料の一部が、仲介者へ払い戻される割合の記載等)
②重要情報は、投資家がその内容を検討し、投資判断を行う機会を持つ為に、販売前に投資家に無償で提供もしくは利用可能とする。
(日本に於いては、投信目論見書の提供は、交付目論見書(目論見書の主要部分)をあらかじめ又は同時に交付することが義務付けられているが、実態は、投信の購入を実質的に決定した後に交付されている場合が多い。例えば、投信内容を比較する為、口座開設前に投信目論見書を請求しても、実際に入手できるかは、証券・運用会社でマチマチな対応となっている)
③重要情報は、投資家に適切な方法で提供もしくは利用可能とされるべきである。
(運用会社や販売する証券に請求したら、目論見書が必ず送付されるのも良いが、投資家が投信の購入前に比較検討を目的にした場合、ネットでダウンロード出来る方が利便性は高い)
④重要情報の開示は、競合商品との比較を容易にするため、平易な言葉で、簡略で、入手しやすく、比較可能なフォーマットで行う。
(現行の投信目論見書も、一昔前に比べると随分分かり易くなったと思うが、問題は投資家が比較検討するには、相当読み込まなければ難しい。同一フォーマットで開示すれば、比較はし易いが、問題はその比較検討する投信の目論見書の、入手の容易さが必要になる。例えば、投資戦略毎に分類された投信目論見書プラットホームの様なものが構築されれば、投資家の利便性は格段に向上するだろう。)
⑤重要情報の開示は、明瞭で正確であるべき。それが、定期的に更新されるべき。
(例えば、運用方針や運用管理会社の変更などの情報をどう伝えるか。日本では、目論見書は販売時点での開示資料なので、運用報告書などで、投資家への開示を充実させるのか、又は別の手段か)
⑥どのような重要情報開示を仲介者(投信の販売者)と商品組成者(運用会社)に課すかは、開示する情報を誰が管理しているか考慮。
以上が、ISOCOの6つの原則案であるが、投信目論見書に開示が義務付けられても、投資家が読まなければ意味が無いとして、投信目論見書を読みこなすだけの金融リテラシーを強化する為、投資家教育への支援を求めている。
一方、本年度の金融商品取引法改正を受けて、開示制度における内閣府令案が現在パフリック・コメント中(12月7日まで)であるが、その中でも投信目論見書に関して、以下の見直しが行われている。
・交付目論見書を、読みやすく、比較しやすくする為に、新しいフォーマットにして提供する。
・請求目論見書は、有価証券届出書と同じとし、幅広い情報を提供。
・電話による請求でも、目論見書の電子交付を利用できる(今は書面か、電子メールでの投資家の承諾)
しかし、業界の人間であれば開示書類を読みこなすことは仕事であるが、比較検討する為、投信の目論見書を数冊読み込むこと自体、相当な労力を要する。一つのアイデアとして、開示書類はXBRL(eXtensible Business Reporting Language=ネット利用の共通言語)化しているのだから、個人投資家用に投信目論見書を比較検討しやすいXBRL用ソフトを開発し、投信の販売会社間で共同利用しては如何だろうか。
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