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2017/09
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最近のリテール戦略:大手2社の場合
世間一般の企業と同様に証券業界の雇用環境も厳しいが、過去十数年で2度の金融危機にあった割には、証券業というものは意外にシッカリしている。その証拠に証券会社数は、この間300社前後(2009年12月3日現在で307社=証券業協会員数)で推移していて、毎年約1割前後が入れ替わっているが、銀行や保険そして他の金融機関数が統合などで大きく数を減じているのに比べ、金融の中では、堅調な業界だ。これも金融ビックバンと規制緩和(許可制から登録制など)の影響で、業界が活力を維持したからだと思える。しかし、業務の内容は大きく変化した。株式委託手数料から投信募集手数料へ、対面からネットへ、営業マンからファイナンシャル・アドバイザーへ、などリテール営業現場での変化は、証券会社の業態転換さえ促した。この証券のリテール戦略に関して、今後の動向を予想する目的で、大手証券2社の直近決算説明資料から読み込んでみたい。(※投資勧誘を目的としたものではないので、あくまでもリテール戦略のみの比較になる。)
【大和のリテール戦略】
・対面営業のコンサルティング部門の収益の柱は、やはり投信販売となっていて、旗艦ファンドとなる外債ファンドの販売残高を積み上げて、投信代理事務手数料を増加させるという基本戦略だ。またタイミングを見て、新興国ファンドを設定するという。株式については、アジア株などの外国株売買取次を拡大するというが、10月時点では、株式関連収益の3割を外国株が占めるようになっている。債券販売に関しては、現在月間1000億円前後リテール部門で販売している外債・仕組債を新規資金導入ツールとして使うが、この会社が注力する個人資産運用のラップ口座は、今期の残高目標3000億円から2年後には1兆円への拡大を目指すとしている。
・ネット取引口座の増加にも注力していて、9月末時点では120万口座まで口座数が拡大し、オンライン証券専業と比較してもSBIに次いで2番目の口座数となっている。こちらの戦略は、品揃えと利便性の向上から、“アクティブな投資スタイルの提供”と舵を切っていて、FX取引の拡充やCFD取引の開始など、所謂ネットトレーダーにも対応するサービスを充実させている。
・IT証券への変貌と銘打っているのが、IT投資を進めることで、電子事務フロー確立による人的事務量の極小化を図り固定的経費を削減するのと、その効率化の余力で、営業部門への人員シフトを進める。
【野村のリテール戦略】
(直近の投資家向け説明資料は、投資銀行部門を中心にした戦略説明になっているので、決算説明資料より、リテール部門の中期成長戦略について)
 今までの野村のリテール営業部門を、富裕層に強いメリル・リンチ型と定義して、今後は、ネットやコールセンター・対面営業(独立系アドバイザー中心)を多面的に使い、商品ラインナップも豊富なチャールズ・シュワブ型や、ITプラットホームを活用して、銀行や企業内の金融サービスに応えるフィデリティ型で、資産形成層への営業を拡大するとしている。方法論としては、
・アクセスポイントの拡充(店舗網、代理店を含む)の拡充と、人材育成による対面ビジネスの強化
・オープンアーキテクシャーで高機能化した商品・サービス(良い商品・サービスなら、何処の提供するものであっても、営業現場で顧客に提供出来る)
・ジョインベストの統合など、ネット・コール体制の整備
・だいこう証券ビジネスとの提携による地方銀行との連携(地銀が販売する金融商品に対して、例えば野村が提供し、だいこう証券ビジネスが事務サポートを行うことを想定)
・職域ビジネスの拡大(企業内個人へ、企業を通して金融サービスを提供する。過去は、持株会などの支援サービスが中心であったが、企業の401Kへの支援業務拡大を通して、個人金融資産形成をサポートすることを想定)
 大和は、金融商品やサービスの内容を、野村は、個人への対応の仕組みを、それぞれ戦略的に変えようとしているが、両社ともネット取引拡大を想定している様で、今後のネット証券とのサービス競争も注目される。
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