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2017/10
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株式の取引情報について
ネットで自分の取引口座にアクセスすると、株式価格の情報では、約定前の売買注文状況(所謂板情報)まで見せるのが一般的になってきたが、最近その板情報に、見慣れぬ数字が並び始めた。例えば現在値500円の株価に対して、501円での売り注文の間に、500.1円・・1000株売り、500.3円・・5000株売り、反対に499円での買い注文の間に、499.9・・1000株買い、499.7円・・5000株買い。など、取引所での最小値幅1円の間を刻む売買注文である。勿論、取引所の板情報ではなく、その証券が参加するPTS(私設取引システム)の売買値段が、11月下旬から1円刻みから10銭刻みに細分化されたことによるPTSの板情報である。
 またあるネット証券のサービスでは、現在株価より上下5本の売買注文を板情報として情報提供しているが、これを東証の新売買システム稼働に合わせて、全ての売買注文を見せるし、売買注文の合計数字:例えば、500円に現在値のA株が、499円から490円までの間の買い注文数量をリアルタイムで表示するという。
 これらのことが、株式取引においてどの様な意味があるが、筆者はトレーダーではないので、ハッキリいってよく分かっていない。しかし、これらの個人向け新サービスは、東証の新売買システムと関係があることは間違いなさそうだ。
 3週間後に稼働を始める東証新売買システムは、ミリ秒単位の注文処理スピードを誇るが、この超高速化は、ファンドや機関投資家の大口注文を処理するアルゴリズム取引を、取引所内に誘導する目的を持つ。今まで、取引所外のダークプールで取引されていた大口取引(特に海外で)などが、超高速対応のアルゴリズム取引で、取引所取引に参加すれば、取引所の流動性は増す。この超高速化取引開始は、大いに期待されているが、一方、いままでの取引に比べて、以下の点が変わると予想されている。
・値動きは、早く、かつ大きく見える。(東証の売買ルールの変更される)
・目で、詳細な売買注文情報(板情報)を追う事は、不可能になる。(アルゴリズム取引は、ミリ秒単位で、売買注文が出されたり、取り消されたりを繰り返す為=これらのアルゴリズム取引は、大量に売買しようとする大口投資家の、売買執行コストを下げる目的で、高速処理のプログラム化がされている。)
つまり、今までの数秒単位の処理スピードでは、売買注文状況である板情報を目で読んで、取引するトレーディング手法もあったが、ミリ秒単位で売買注文が変わる板情報を読むには、高速処理のシステムを持つか、売買情報を少し離して、小さいトレンドで読むしかないのだろう。勿論、個人が高速処理システムを保有することは、現在はコスト的に難しいので、冒頭に紹介したような新サービスで、個人のトレーダーは、売買注文動向を探るのだろう。
 一方、超高速のアルゴリズム取引が進んでいる米国においては、この売買注文情報取得や処理スピードに関して、大口投資家のファンドなどと個人では、差がつくのは仕方ないとしても、超高速処理されたものの結果の情報(アルゴリズム取引での発注状況や約定状況について)は、個人も含めて取引参加者間で共有すべきとの見解が、米議会や米SECで強まっていて、一部では、超高速のアルゴリズム取引を行うダークプールに対する情報開示規制が、実施されそうである。
 東証の売買システム超高速化は、間違いなく日本の取引システムの機能強化なのだが、その情報を受けて処理する投資家間格差が、欧米では問題になり始めている。筆者の個人的な意見は、大手のファンドなどに投資銀行がシステムサービスするのであれば、ネット証券はそれに対抗すべく新サービスを、個人のネットトレーダーに提供していくので良いのではと思うが、共有可能な情報は、可能な時間内に、投資家間で共有すべきというのが、金融危機後の、グローバル金融規制のトレンドなのだろう。
 東証は、新売買システムの稼働に当たり、取引参加者間の情報の非対称性への対応といった宿題にも対応しなければならない。

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ジャンル : ビジネス

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