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2017/11
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分断されている資本市場:グリーン・シート&フェニックス
本年の上場廃止企業数が、2年連続戦後最多更新で163社と報じられている(帝国データバンク調べ)。
この内、親会社による完全子会社化や合併・グループ化によるものは113社あり、何らかの形で親会社やグループ企業に統合され、株主は現金か親会社株を取得できるが、残りの50社程度は経営破綻等による上場廃止なので、多くの場合、株主はそのままとなる。数千名、場合によっては数万名の株主は、流動性を失った株式を保有する。勿論、投資の自己責任の結果なのだが、中には比較的早期に再生する企業もあるし、非上場となっても、株主が一定数以上の株主が存在しているうちは、継続開示義務があるので、証券会社の店頭で売買することは可能である。
しかし、実際に証券会社の店頭で、上場廃止になった銘柄の売買を申し込んでも、殆どの場合は売買が出来ないだろう。一応、上場廃止になった株主への救済措置としてフェニックス市場があるが、現在は1銘柄しか取り扱われていない。
 一方、大企業による大型・大量ファインスでバブル期以来の調達額となった時価発行増資とは対照的に、新規上場企業数は、17銘柄(他市場からの上場を除く)とバブル崩壊後最低の水準となっている。新規公開企業数が、最近10年間平均の5分の1以下と極端に少ないのは、金融危機を契機に極端に悪化した景気動向によるものなので、仕方ないとして、ここ10年来、新興市場への橋渡しとして期待されグリーン・シート市場が、成長力のある未公開企業の資金調達の場として、機能していない状況も、続いている。
 成長力のある未公開企業にしても、上場廃止になった再生中の企業にしても、グリーン・シート市場やフェニックス市場という流通制度があり、上場企業とほぼ同様の企業開示を行い、適時開示にも対応しているが、取り扱う証券会社がかなり限定されていて、売買するには困難を伴うような環境なのだ。
 何故なのか、少し考えてみたいが、グリーン・シート&フェニックス市場銘柄は、
・企業の情報・・・開示制度・適時開示制度に準じたディスクロージャーを行っていて、企業の情報はある。(残念ながら、アナリスト・レポートは殆どない)
・株価の情報・・・売買をしようとしたとき時価情報をすぐ入手することが、難しい
・取扱証券会社・・・銘柄毎に取り扱う証券会社が、2社~5社と限られていて、受渡し決済の方法が煩雑になる。
 となっていて、企業情報はある程度あるが、価格情報や売買インフラが、一般の投資家から分断されている。この分断の理由は何なのか。
【制度的分断】
・グリーン・シートにしてもフェニックスであっても、市場と言うものの、売買の形式は店頭取引の形態を取る。例えば、上場株式を取り扱かわない証券会社はないが、グリーン・シート&フェニックス市場銘柄を、うちは取り扱わないと言ってしまえば、証券会社の問題はない。
・では、グリーン・シート&フェニックス市場銘柄を取り扱うことのメリットは証券会社にあるのか。これも実状は、負担感が多くして、メリットが少ないという状況である。銘柄毎に取扱う証券会社は、毎日か毎週少なくとも一度は取り扱う銘柄に売買がなくとも気配値を出さなければならない。これを、取り扱う部店の店頭に表示しなければならない。同時に市場を管轄する証券業協会への報告義務もある。(実際の売買ニーズがなくとも、取扱証券であるうちは継続しなければならない。)
【システム的分断】
・実際A銘柄を買おうと思って、企業情報を調べようとすると、協会が運営するグリーン・シート&フェニックス市場(其々独立したWeb)に辿りつけば、企業情報は入手する事が出来る。
・しかし、価格情報はこのWebサイトでは分からない場合が、殆どである。まさか取扱い証券を調べて、その店頭まで行く訳にいかないので、その代替するものを探すと、日本証券代行が運営するグリーン・シート&フェニックス市場PTS(私設取引所)があるが、一応、銘柄毎気配値は表示してある。
しかし、リアルタイムで価格情報が表示されているとは言い難く、とても取引システムと言えない。
以上の様に、一般の投資家から分断されている理由は、はっきり言うと、このグリーン・シート&フェニックス制度(証券業協会規則による)が、実状に即していないからである。
 気配値表示は証券会社ではなく専業者にコストを払って毎日実行させる・取扱証券会社制度を止め証券会社に取扱いを義務付ける・ちゃんとした取引システムをコストを払って(証券会社共同出資か、基金からの拠出)構築し、証券会社に利用させる。などの改革を行って、日本の資本市場の入口・出口の機能を整備していくことは、業界の課題だと思う。
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