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2017/09
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信用取引という制度について
 所謂“信用取引”という制度について、この制度そのものが少し古くなっていて、その信用取引関連情報が、投資家にとって、重要度が低下しているのではないかといった疑問をもっている。
 そもそも、信用取引を簡略化して考えてみると、現物の株の取引以外に、お金を借りて株式を買うか、株式を借りてその株式を売るか、この売買行為を行う投資家に、証券会社は“信用”を供与する取引の事を言う。証券会社は、“信用”を供与する為に、上場株式など流動性のある有価証券か現金を担保にとる。
その担保を基に、証券会社は投資家にお金か株式を貸すのだが、手持ちになければ証券金融会社で、お金か株式を借りてくる。この証券金融会社を使う取引を“貸借取引”=制度信用取引、証券会社のみで完結するのを一般信用取引と言い、お金や株式の貸し借りの状況は、日々集計され、銘柄毎に公表されている。
 これは、投資家が、“信用取引”という仮需要をみるのに、重要な投資情報となっていた。
一方、最近増加しているCFD(Contract for Difference)取引において、投資家は証拠金を差入れ、CFD業者はカバー取引を行うが、CFD取引のカバー業者(取次いでいる証券会社ではない)は、証拠金を担保に、投資家に替って数倍~数十倍のレバレッジをかけ取引を行う。つまり、CFDカバー業者は取引を行う投資家に、レバレッジを掛けてお金や株式を貸す行為を行っているが、CFDカバー業者の殆どが海外の金融機関等とあって、この数字は公表されない。元々、この株式に関するCFD取引は、エクイティ・スワップと呼ばれ、欧米の機関投資家向けに投資銀行が開発した取引であった。
また、大量に株式を売買するヘッジファンドなどが、裁定取引を行う場合、株式レポと呼ばれる大量の株式の貸借が行われるケースが多いが、株式の貸し手は生保や本来は長期保有の機関投資家となっていて、この数字は、株式レンディング業務を行う一部投資銀行かカストディー業務を行う信託以外は、把握し難い。
 以上を纏めると、投資家がその株式の仮需要を知ろうとした場合、信用残高にCFD取引などの広義の証拠金取引残高、株式レポ取引残高は知る必要がある。つまり、トヨタの売りの仮需要は、信用取引の貸株残高だけではなく、CFD取引の売り建て残高、株式レポでの株式のレンディング残高を合算して見なければならない。
 実際に、その様な株式の仮需要に関する集計が出来るのかと問われは、現状では難しいかも知れない。信用取引の貸株は、証券会社毎報告しなければならないが、CFD取引も株式レンディングも店頭取引で特別な報告義務はない。しかし、信用取引残高報告の目的が、もし投資家へその株式の仮需要を知らせることにあるなら、証券会社に別途CFD取引と株式レンディングの報告義務を課さなくとも、以下の情報は、投資家に仮需要を推測させるデーターとなるかも知れないと考えた。
【空売り規制の報告の銘柄毎集計の公表】
現在、来年の1月末までの時限的措置となっている“空売り規制”において、発行済株式総数の原則0.25%以上の空売りポジションの報告・公表義務が課せられていて、現在取引所で日々証券会社毎の報告用紙が公開されているが、これを銘柄毎に集計しなおして公表すれば、大口の空売り需要は、一般に分かり易いものとなる。12月17日に金融庁より公表された“金融・資本市場に係る制度整備についての骨子(案)”においても、この空売り報告制度の整備が示されていて、この報告制度が、個人を含む一般投資家にとって、分かり易い仮需要の公表を目指すことを望む。
【株券保管振替機構データの活用】
 本年より、株式は完全ペーパレスになって、公開株式の売買や貸借など全ての移動は、株券保管振替機構で行われる。11月に取引された公開株式の取引所取引による1日平均の移動(保管振替)は8.7万件だが、それ以外に、PTSやダークプールで取引された分及び株式レンディング分などは一般振替として金融機関間を移動し、これは1日平均で14.7万件もある。この一般振替分を、銘柄毎にその移動数値を公表していけば、一般投資家が知る事が出来ないダークプールでの取引量や、株式レンディングの総数に近い数字が把握でき、取引所取引以外の仮需要を知る事ができる。
 以上は、取引所と株券保管振替機構の手間が掛かるが、それ程のコストでもないので、投資家への利便性向上の為にも、公表されることを期待したい。

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