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2017/07
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コーポレートガバナンスは、どうやって強化されるのか
最近の大企業による大型ファイナンスを見ていると、公表から値決めまで株価が3割以上下落しても増資を実行する、更に値決めは時価から3~4%のデスカウントで、このコストは既存株主が支払う、引受証券に支払う4~5%の手数料は、公募増資に応じる新規の株主が支払う、と株主の負担が非常に重いものになっている。この増資による資金で、戦略的投資がなされ企業価値が拡大することを期待して、既存株主は耐えるのだが、将来の増配など利益配分増加の約束は、殆どされない。
この増資判断は、取締役決議でされるが、ファイナンスの最終条件等は、代表取締役に一任されるケースが多い。この様な既存株主に負担が大きいファイナンスや、利益相反行為が隔離されるべきMBOなどの決定において、コーポレートガバナンスは、どの様に働くのだろうか。
 企業の外部からのチェック機能を、働かせ易いと言われる委員会設置会社は、上場会社の2.3%に過ぎなく、残りの監査役会設置会社のうち56%は、社外取締役を専任していない。株主としては、重要な決定をする企業の経営トップを信じたいが、同時に適切な監視機能が働くことも重要視するのが、投資の世界では常識だ。その為に、コーポレートガバナンス強化として、企業からの独立性の高い取締役選任について、経済産業省の企業統治委員会や金融審議会のスタティ・グループで導入すべき方向性が示されていた。この独立取締役導入に関して、法制度での義務化は経団連の反対で見送られ、米国の様に取引所ルールでの導入に、ゲタを預けられたかたちになっている。
 経団連の独立取締役制度化に反対する理由の概要は、以下の様なものだ。
・形式的な独立性の基準は、意味がなく、またその判断は、取締役に関する開示情報をもって、株主が判断すべき(独立性の基準がある米国においても、大企業の不祥事はあった。)
・既に上場会社の44%が社外取締役を選任していて、コーポレートガバナンス報告書による開示も行っている。(企業統治の形は、多様性があったほうが良く、その判断は企業に任せるべき。)
・監査役会では、半数が社外監査役であり、現行制度でも十分に監査機能は発揮されている。(監査役による会計監査人の選任や報酬決定に関する権限は必要ない。)
と、なかなか議論がかみ合わない。
 もともと最近のコーポレートガバナンス議論は、企業不祥事が続いて発生したり、MBOや大規模な第三者割当増資が、既存株主を無視する様な方法で行われたことで、企業統治のあり方を、改めて問うものであった。
東証は、以上を踏まえ、上場する会社に対して、1名以上の独立役員の確保を、2010年度以降義務付ける。筆者の感想では、かなり経団連の主張に配慮されたものになっているが、概要は以下のとおり。
・独立役員は、経営者から独立性の高いと思われる社外取締役若しくは社外監査役のことを指す。
(※社外監査役は、取締役会で検討される事案につき、意見を述べることはできるが、決議には参加できない。)
・独立役員は、その独立性について形式基準を設けないが、企業と利益を共有するような場合、その指定理由をコーポレートガバナンス報告書に記載する。(独立性に判断は企業及び開示文書を読んだ株主・投資家が行うことが基本。一般株主と利益相反の恐れのある企業と関係が深い者を、独立役員に指名する場合は、取引所への事前相談を、要請。)
これで、本当に無謀なM&Aやファイナンスに対する牽制機能が果たせるのだろか。株主や投資家が、売却という選択を取らない為には、一部民主党議員が主張する公開会社法の制定を待たなければならないのだろうか。(※筆者は、会社法に加えて公開会社法の制定は、屋上屋を重ねる策だと思うので、可能な限り、上場ルールで、コーポレートガバナンス強化策を強制するのが望ましいと考える。)

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