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2017/09
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金融教育の体系について
 金融教育について、少し体系的に考えてみたい。
個人の金融リテラシー向上は、何故必要とされるのだろうか。加盟国国民への調査により、OESD(経済協力開発機構)は、金融教育がなぜ重要であるか、その背景として以下の点を上げている。
① 老後生活における糧
② クレジットカードの過剰な使用と自己破産の増加
③ 貧困層対策
一方、日本においては金融庁の“証券市場の構造改革プログラム”(2001年8月)から、貯蓄から投資への促進を目的に、金融教育への取組みが本格化し、“金融改革プログラム”(2004年12月)では、更に、家計のライフサイクルに応じた金融経済教育の拡充を求めている。また、金融商品取引法においても、認定協会・公益協会・認定団体は、金融知識の普及と啓発が義務化されている。
【金融庁の取組み】
2005年3月に、“金融経済教育懇談会”を立上げて“金融経済教育に関する論点整理”を公表、以下の取組みが始まった。
・金融行政に関するタイムリーかつ中立的な情報の提供
・“金融サービス利用者相談室”を通じた新たな情報発信
・シンポジウムの効果的な活用
・初等中等教育段階への支援として、教育プログラムの開発に参画
・初等中等教育段階、社会人・高齢者段階を通じた支援として、優れた実践事例の周知や“後援”名義の積極的付与
・金融行政アドバイザリーの活用や、現場レベルでの先生との懇談会・研修会の積極的実施を通じた、受け手ニーズの把握
・多方面における連携強化に向けたイニシアティブ
【内閣府の取組み】
2005年6月に、“経済教育に関する研究会中間報告”が公表され、経済教育で取り組むべき課題として、
(1) 現行の教育体系とも整合的な経済教育体系作り
(2) 体系をベースとした現場で使いやすい教材の作成・頒布
(3) 経済学の専門家ではない教員に対する研修・支援制度の整備
(米国の例;米国FEDが主導する中高生および教員のための経済金融リテラシーのトーナメント戦「FEDチャレンジ」、ウェブサイトを活用した経済教育に関する情報のクリアリングハウスなど)
(4) 経済教育のために適切な教授法の検討
(5) 社会人教育の取組み
経済リテラシーを必要とするのは学生・生徒のみではない。社会人教育の取組みも検討することが必要。
とし、“経済教育サミット”(2005年7月)においても課題として議論し、モデル教材の開発などを行っている。
【日銀・金融広報中央委員会】
2005年1月より、子供向け体験型イベントや教員向けセミナーを行う“金融教育フェスティバル”を継続して実施しており、その他講演会や通信教育講座など積極的に金融知識の普及啓発活動に取り組んでいる。
【証券業協会・取引所】
証券業協会は、2005年4月に証券教育広報センターを設置し、
1. 学校向け普及・啓発活動
(1)体験学習型教材「株式学習ゲーム」、「みんなで体験!株式会社とお金のしくみ」等の制作・普及
(2)Web教材「証券クエスト」の制作・普及
(3)教員向けインターンシップ及び夏期講習会の開催
(4)教育関係者向け広報活動の実施
(5)全日本証券研究学生連盟の活動に対する支援
2.一般向け普及・啓発活動
(1)証券投資の日(10月4日)記念イベント、春季イベントの全国開催
(2)個人投資家向けIRセミナーの開催
(3)初心者を対象とした刊行物の発行
(4)証券関係情報を広く一般に提供する証券情報室の設置・運営
(5)一般向け広報活動の実施
などの啓発活動に取り組んでいる。一方、東京証券取引所においては、東証アカデミーとして
・一般向けプログラム:各金融商品、デリバティブ、投資理論、決算書の見方など初級レベルから、個人投資家対象のかなり高度なものまで。
・学生、教員向け金融教育プログラムとして、
学生向け:経済セミナー、授業支援、親子で学ぼう“私たちの暮らしと株式会社”、大学生の為の出張セミナー
教員向け:東証・日銀セミナー、金融・経済フォーラム、教員研修会への講師派遣
などがある。

 この他にも、各種NPO法人による金融・投資教育に関するもの、銀行や証券などのシンクタンクがCSRの観点で進める金融教育支援など数々多様にあって、さすがに教育大国日本の観が強い。
 しかし、各種の調査によると、全体的な日本人の金融リテラシーに関しては、金融知識はある程度あるものの、偏っていると指摘するものが多い。例えば、株式投資や投信には詳しいが、債券や保険に関する知識が乏しかったり、勤めている会社の年金制度は理解していても、会社が制度に参加し、自らも加入する確定拠出年金(401K)の運用方法を把握していなかったりする。

 ここまで読んでいただいた方には恐縮だが、結局、現状の金融教育は、体系立っていないので、個人のライフサイクルをカバーする金融リテラシーの習得には、不十分だというのが現実である。

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