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2017/11
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資本市場に係る本年の10大テーマ:前半
 昨年は、何とか金融危機を乗り切った金融・資本市場であるが、同時に日本市場パスのような感覚に後半は囚われたた年であった。本稿は、市況を語るのが目的ではないが、この業界の関係者の多くが、この様な想いを持ったのは何故か。公募増資や社債発行を見る限り、20年振り・10年振りの隆盛で、発行市場は大繁盛だったのに、良く見るとその恩恵は、一部の大企業や大手引受証券に集中している現実に当たる。せっかくの発行市場の恩恵が、中堅企業以下の企業にも、市場仲介を行う証券会社にも、そして流通市場で待っている投資家にも波及していない。その結果、彼らの目は、アジアを中心に海外市場に向き始めていて、発行市場と流通市場のアンバランス、発行市場の2層化、流通市場の空疎感などで、とても欧米の金融・資本市場機能に追いつくどころではなく、アジアのメイン・マーケットの地位さえも揺らいでいるように思う。新年祝うべきところ、つい憂慮から入ってしまったが、新政権になっての金融・資本市場行政や、協会での懇談会・ワーキング等も行われ、市場機能の強化に取り組まれることも期待していきたい。
 そこで、今年の資本市場に関する10大テーマを、筆者が勝手に選択してみた。

①公募増資は続くのか?
企業の資本調達が盛んなのは、リスクマネーを取り込んで、生き残りの為に投資するのだから、好ましいことだ。しかし、昨年のバブル期以来と言われる5.1兆円の資本調達は、僅か48社によるもので、大型ファイナンスを実行した企業は、発行済み株数の3割を超えるものも多く、株主に負担の重い調達となった。さすがに、ダイリューションに対する批判は強まっているが、嘗てバブル期直後にあった公募増資規制の様なことは避けるべきなので、業界の工夫により、企業の資本調達ニーズに応えるべきである。昨年は例年より発行が少なかった新株予約権付社債(CB)や種類株の利用や、東証が上場規則を変更した“新株予約権証券”制度を利用したライツ・イッシュ(株主割当増資)の活用などが期待される。
一般的予想では、本年も公募増資が多いということだが、株主や投資家に配慮した資本調達を支援することこそ、業界の一のテーマだと考える。

②新興市場は回復するのか?
IPOマーケットが、景況に大きく影響されることは仕方ないとして、新興市場の問題は、IPO(新規上場)数だけではなく、流通市場での問題も大きい。昨年5月には、証券業協会における検討委員会での報告書が取りまとめられていて、新興市場がいかに一般の投資家と離れたものになっているが浮き彫りになっている。むしろ一般投資家は、成長著しいアジアの新興市場への注目する傾向を強めている。今年は、昨年のIPO数19社に比べて、新規公開企業数は増加すると思われるが、これが50社嘗てのような100社超えれば良しとするのではなく、新興市場の流通活性化策をどうするかという具体的取組みが業界に求められている。

③プロ向け市場はいつ始まるのか?
 昨年6月に開設されたプロ向け市場TOKYO AIMでの新規上場は未だに無い。ロンドン取引所と東証の合弁取引所という画期的な仕組みで開設されたが、目標とするアジアの新興企業上場は、シンガポールや現地の新興市場と、どの様な誘致競争を行っているのか良く分からない。取引所もペーパレス化やグルーバル化で、海外からの注文取次も容易になっている中で、TOKYO AIMのアジア新興企業取組み戦略は理解できるが、先ずは日本企業のプロ向け取引を実行すべきではないのだろうか。例えば、上場問題がいつも取りざたされる東証株の金融機関間売買を行ってみるとか、私募債やシ・ローンの金融機関間売買に取り組むのは、今年でも対応可能と考える。

④社債市場は整備されるのか?
 関係者には失礼に当たるかもしれないが、そろそろ長年の議論に終止符を打つべき時ではないだろうか。
高格付けの発行市場に偏った市場から抜け出すには、やはり流通市場の機能整備だと思うが、議論を詰めていくと、社債に関する情報を、海外投資家及び個人投資家まで含めて共有するメカニズムの構築に集約される。社債の内容は勿論、発行企業に関する最低限の信用情報、格付け関連情報をワンストップで取得可能とするシステムの構築のことだが、欧米にはそのモデルがあるし、私募債を含めて社債情報(一部の売買情報)も“ホフリ”には既に存在する。この活用に関して、今年こそ具体的な動きが出るように政策的後押しを期待したい。

※以下は、明日に続きます。

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