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2017/08
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投資家にとっての格付機関規制
普段はあまり意識しないが、何かあった時、相当の影響力を持つ情報として格付情報がある。例えば、ギリシャの国債が格下げされて、ECBの担保基準から外れそうだとが、○○企業の再建策に、融資している銀行団の同意が得られず、大幅に格下げされたとか、どうも信用リスクが強く意識される時に、格付情報は注目される。信用リスクを計る為には、公開されている財務情報だけではなく、企業の未公開の信用情報(例えば、銀行借入に何らかの制約があるなど)も必要で、これらの情報は普段は融資を行う銀行団に限られるが、この信用情報に代替するものとして格付情報がある。つまり、社債の投資家は、信用リスクを判断する為に、格付情報を使うわけだが、今回の金融危機で問題になった証券化商品では、格付の信憑性について、多くの投資家が疑問を持ったし、一方では、格付情報を含めた信用情報を使ったインサイダー取引事件なども欧米では問題になっている。つまり、信用情報の代替として投資家が活用している格付情報の製造元である格付機関を、各国の金融当局がチェックしていこうというグローバルな格付機関規制に対する流れがある。何を見ていくか、簡単に言い切ると2点あって、ちゃんと格付けしているかということと、格付情報を利用する投資家と利益相反するような行為がないかということだ。

 この格付機関規制は、金商法内閣府令をもって本年4月1日より施行される。(無登録業者による格付を利用した勧誘の制限に係る規定部分は、10月1日より)
その内容を、投資家的視点でみると、以下の様になっている。
・格付機関は、信用格付業者として登録しなければならない。
現在、格付機関が行っているようなファンド格付けや、財務内容をランキングする様な行為は、信用格付ではないので、規制の対象とはならない。勿論、登録しない信用格付業者が格付けを行っても良いのだが、証券会社など金融機関が、この無登録の格付機関の格付けを使って、社債・証券化商品の販売を行うのは相当難しくなり、実質的には一般個人へはこの無登録格付けは使えなくなる。例えば、証券会社の社内規定や投資一任契約の投資対象として格付基準がある場合があるが、登録信用格付業者の格付けを、使わざるえない。
・格付プロセスの態勢整備が、信用格付業者には求められる。
格付プロセスの品質管理の為に、組織だった対応が求められ、格付業務を行う複数のアナリストの確保と、格付毎に、格付決定の為の格付委員会の開催を義務付けられる。また委員がローテーションで入れ替わることも求められる一方、付与した格付に係る点検とモニタリングが必須となる。
・利益相反防止への対応
格付は投資家の信用リスク判断に使われるが、その投資家利益と相反する行為は禁止される。格付アナリストが、対象相手から金品の提供を受けないのは勿論だか、格付機関が相手先へコンサルティングを行っている様な場合は、格付が禁止される。また、相手先と緊密な関係がある場合も同様の格付禁止措置がとられるが、その他投資家に不利益となると思われる行為については、自ら利益相反行為を特定し、それを公表しておかなければならない。
・投資家への情報提供の強化
 現状でも格付は公表されているが、一般的には格付のみは無償で、格付けの根拠となる詳細情報は有料となっている。規制施行後は、格付及びその変更の遅滞ない投資家へ公表は義務化され、その内容は、単なる格付だけではなく、採用した格付付与方針等の概要、格付の前提・意義・限界等についても、一般に無償で公表しなければならない。加えて、付与した格付の履歴・統計情報などその根拠となる情報や、自らの格付業務の態勢整備の状況も、年一回公表し、公衆縦覧しなければならない。投資家にとって、信用リスクを判断する情報は、格段に増加していくことが期待される。
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ジャンル : ビジネス

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