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2017/08
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銀行の国債等保有について
 堅調な米国株式市場からは、ハイテクとともに銀行の収益回復予想が伝えられているが、債券投資を始めとする運用部門が好調のようで、早くも銀行の高額ボーナス回復を想定して、それを牽制する様な政治的動きも目立ってきている。かたや日本の銀行に関する話題では、引き続く大型公募増資・持合株解消・IFRS(国際財務報告基準)への対応・新BIS基準のコア自己資本問題など、どちらかと言えば資本市場にとっての懸念材料となるものが多い。その中で、銀行の国債保有は、リーマンショック後も増加し続けているが、このことの現状について見てみたい。
 先ず、金融機関の国債保有の状況であるが、日銀の資金循環統計によると、昨年9月末時点で565兆円(国債・財融債・国庫短期証券の合計)に達していて、リーマンショック時の1年前と比較すると12.3%の増加となっている。
同じく、資金循環統計による銀行(預金取扱銀行)の資産に占める債券(社債を含む)の割合は、31%(昨年9月末時点)となっていて、貸出の43%に次いでいる(株式・出資金は、3.4%)。この割合は米国の銀行の18.5%に比べてかなり高い。つまり、これだけみると日本の銀行の収益は、米国銀行よりも債券運用の影響を受け易く見える。ちなみに保有する債券の9割以上が、上記統計の国債等になっているので、国債運用が銀行収益に与える影響が米銀などよりも相当大きいとも言える。

一 方、IFRSにおいて金融商品会計が見直され、原則的に金融商品は“公正価値”という名の時価で評価しなければならない。ただし、単純な貸付金に見られる特徴を有し、契約上の利回りに基づいて管理されている金融商品は、“償却原価”と名称で時価評価をしなくても良い(減損処理は行う)。昨夏、話題になったのは、日本の銀行が大量に保有する国債は、この“公正価値”という時価評価なのか、それを免れる“償却原価”なのかということだったが、日本の銀行の主張を簡略化していうなら、保有する国債は、低金利の預金見合いで保有しているので、契約上の利回りに基づいて管理されている金融商品に保有する国債も該当し、時価評価を免れるというものだ。この主張が概ね通り、預金見合いで保有する国債は、“償却原価”で評価することになり、時価評価が適用されない予定である。

ここから少し分かり難い話になる。
一昨年秋のリーマンショック時に、金融機関間の取引の手控えにより、証券化商品の流通値段がなくなったり、国債などの流動性の高い債券も大きな変動をした。この為、主要国金融当局の要望により、主に金融機関が保有する債券を、保有区分の変更をすることで、時価評価を免れる会計処理の時限措置を、日米欧とも認めた。日本では、実務対応報告第26号「債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い」であるが、これにより、売買目的有価証券(時価評価)を満期保有目的の債券(償却原価)へ、その他有価証券(時価評価若しくは償却原価)を満期保有目的の債券(償却原価)へ、それぞれ保有区分変更することが可能になった。この措置は、本年3月末までで打切られる方向のようであるが、現在までに利用した企業は12社であり、うち9社が銀行となっている。利用した対象証券で、最も多かったのが変動利付国債で7社、以下は外国証券3社、ユーロ円建債2社、証券化商品3社となっている。所有区分変更は、全て、その他有価証券から満期保有目的の債券への変更であり、変動利付国債では、簿価ベースで1300~1400億円台の区分振替が3社、ほぼ同金額で行われている。

一般には、やはり銀行の金融商品保有は、株式・社債とともに、国債についても少し分かり難い。

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