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2017/06
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本年度の税制改正で、何が変わるか
新政権になって、税制改正のプロセスも今までとは異なってきているが、政府税調からは先月22日に平成22年度税制改正大綱が公表されている。その中で、業界に関係する部分では、主に3つの改正があるので、今後何か変わるか若しくは変わる可能性があるかという点について、紹介しておきたい。

 一番目に取り上げたいのは、金融商品間の損益通算が今後更に進むということだ。大綱においては、金融商品間の損益通算の範囲の拡充に向けて、平成23年度改正(次年度)で、公社債の利子及び譲渡益所得に対する課税方式を申告分離課税とする方向で見直すことが検討される。昨年度の税制改正においては、上場株式・公募株式投信の配当所得と譲渡損益間において申告分離方式で損益通算が可能となったが、これを、債券取引まで拡げようとする動きだ。更に、現在、雑所得扱いの先物取引も含む損益通算が認められていけば、個人の金融所得一体課税へ向けての道筋は固まっていく。証券業界においては、未だに少し株式市場が軟調となると、株式の譲渡益課税の軽減税率延長(20%→10%課税)要望が強まる風潮が残るが、そろそろ“貯蓄から投資へ”の実現に向けて本気で取り組んでいくなら、貯蓄も金融商品もそのデリバティブも同一の課税ルールとなる金融所得一体課税に向けた取組みを強化していくことが必要だろう。

 2番目の改正も、この金融所得一体課税に向けた動きに関係あるが、金融商品間で20%の申告分離方式で一体化して課税されるなら、現在の株式等の軽減税率も本則の20%に戻る。この事は、昨年度の税制改正で決定していて、平成24年1月1日より実施されるが、この事の見合いで、日本においても“少額の上場株式等投資のための非課税措置”(日本版ISA)が、平成24年から始まる。内容は、今回の税制改正で決定されたが、以下の様になっている。
・非課税対象:上場株式等の配当、譲渡益
・年間投資上限:100万円まで(翌年への繰越は不可)
・非課税投資有効期間と投資総額:3年間で100万円×3年分=300万円
・保有期間:最長10年間、途中売却は可能、但し売却部分の再利用は不可
・口座開設資格:居住者で20歳以上、年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可能)
・導入時期:平成24年1月1日(株式等の譲渡益課税軽減税率終了にあわせて)
昨年度の税制改正では、5年間最大500万円となっていたが、新政権下においては、この制度を試験的に始めるというような意図があるようだ。元々この制度のお手本となる英国のISA制度では、年間£7200(約107万円)を10年間最大で£72000(約1070万円)投資することが可能な制度で、英国民個々の資産形成を目指している。

 3番目の改正は、非居住者の社債投資を促進するもので、“非居住者等が受ける振替公社債利子等の非課税制度の充実及び民間国外債等の利子等に係る特例の恒久化”と長い名称になっているが、目的は、日本企業が発行する社債に、外人投資家が投資し易くする為、社債の利子に課税するのを止めるということだ。
 既に、ユーロ債など海外で発行するものは、非課税で、毎年租税特別措置法で更新されていたが、この分を恒久非課税とするのと、国内で発行された社債も、取りあえずは平成25年3月末まで発行する分に関し、利子及び償還差益に対して非課税とする。この措置は、今年の6月1日以降の利払いに対して適用される。併せて、現行非居住者が非課税となっている国債や地方債の利子の非課税手続きに関して、現状の発行者毎に届出が必要な煩雑な作業を、大幅に簡素化する。結果、海外投資家の、日本への債券投資増加が、期待されている。

 以上の様な税制改正は、貯蓄から投資へ個人資産の流れを作る、海外からの日本の債券投資を増加させるという明確な目的があるのだから、それに取り組んでいく事が、譲渡益軽減要望に替る業界の重要な責任である。
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